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疾風/Mのブログ一覧

2011年10月02日 イイね!

常時ツイン終了

昨日常時ツインの配管をもとに戻しました
やっぱりちょっと普段の使い勝手が悪すぎですね
出だしは一緒ですが、高ギアになってしまうと低回転域ではかなり過給がキツイため、前へ出ません
あと4速で40~50キロぐらいの坂道でシフトダウンしない程度に踏むとカラカラとノッキング音が出ます
そんなこともあって戻す決意をしました
でも高速で踏んで行った時の気持ちよさはなんともいえないですけどね
もともとはあまり使っていなかったセカンダリータービンを動かしてやろうと始めたのですが、キャッチタンクのノズル径変更したので、ブローバイガスの経過観察を先におこなうことにしました

しかし戻してみるとシーケンシャルのありがたみが分かりますね(笑)
車がびっくりするくらい軽く感じます
ほんと良く出来たシステムだと改めて感じました


戻しは簡単に終わったのですが、そのまま戻すのもなんなので、下図のようにバイパス弁用アクチュエーターの配管を変えてみました


こうすると何が変わるかというと、タービンの制御はノーマルと同じシーケンシャルのままです
セカンダリーの助走に使われる排気バイパス弁は、本来はシーケンシャル切り替え直前でしか弁を開放せず、それ以外のときはずっと閉じたままとなります
しかしそれではセカンダリーは助走を含めても3500回転ぐらいから上でしか動作しないため、前回立てた仮説の動かないから不具合が出るというのが成立するならまたいずれ不具合となる可能性があります
ならばもう少し低い回転数でも助走をかけてやり、すこしでもセカンダリーが動く機会を作ってやろうというのがこの配管です

通常はVSVから圧力を逃がしているので、オレンジで囲まれたアクチュエーターは弁を閉じたままです
ECUからVSVが制御されVSV内の弁が閉じたときだけ、アクチュエーターに圧力が溜まりバイパス弁が開きます
シーケンシャルの切り替えが終わったあとはVSVの弁が開くので、バイパス弁も閉じてしまいます

このアクチュエーターをVSVと切り離して目くら蓋をすると、ブースト圧力のみでのアナログ制御となります
ブースト圧が上がってくると徐々にロッドが押されてバイパス弁が開き始め、全開となった後は高回転域までバイパス弁は開きっぱなしです
こうすることでVSV制御よりは少し早く開くようになるのではと思っています
早く開く=動かす機会が増えるなので、もしかしたらタービン保護に繋がるかもしれません


ただし、プライマリーに使うはずの排気ガスをセカンダリーに送り込むので、レスポンスの悪化は間違いなくあると思います

こちらは以前に計ったパワーチェックですが、赤線の辺りにブーストの落ち込みがあります
これは全くのノーマル制御で、ブーコンを取り付けた今とはカーブが違うかもしれませんが、この落ち込みがバイパスをすることによって起きているかもしれません
だとするとシーケンシャルの繋がりはスムーズになったとしても、パワーやトルクの谷は感じる仕様になってしまうかもしれません

とりあえず昨日にこの配管にして、まだ走り回ってはいません
いろいろと試してみたいと思います
あとなんとなくですが、常時ツインでしばらく乗ってからの方が調子よくなったような気がします
もしかしたら何かが改善したのかも。。。




そこら中に目くら蓋だらけで配管が汚くなってしまったので

下の図のように配管を変更したいと思います

圧力を逃がすための出口が一緒な2つのVSVを殺すこととなったので、ノーマル配管を残したままでも最終的な出口を塞ぐだけで同じことになります


もしこの実験でパワー落ちをあまり感じないのなら、次は完全助走化も試してみたいと思ってます


バイパス弁制御用のアクチュエーターをプレッシャータンクの圧力を使って常時押し込んでおき、バイパス弁を全回転域で開きっぱなしとします
こうすることで常時ツイン時と同じように、セカンダリーは低回転でも動くようになります
ただしバイパス管は大して大きくないので、回っても助走程度です
中高回転域では吸排気制御弁が開くので、フル回転です
助走で回りすぎてプライマリーの過給圧を超えてしまった場合には、リードバルブよりプライマリー側へ流れ込みます
リードバルブは一方通行性のバルブです


とはいえ自動車メーカーが考えに考えてシステムを構築し、時にはコストで妥協して作り上げたシステムだと思います
上手く改善することもあるかもしれませんが、そのほとんどはメーカーを超えられないと思っています
なのでいろいろと実験していくと、一長一短があるんでしょうね

個人的に趣味でいろいろと弄っていますが、この通りに配管したら燃費が落ちたり、部品の劣化が早まったりなどあるかもしれません
あくまでも車弄りは自己責任でお願いします


常時ツインのフィーリングが良かったので、しろありっちさんを見習って[常時ツイン⇔シーケンシャル]切り替えスイッチを作成してみようかとも考えています
バルブを使って配管を切り替えてやれば出来そうな感じですね 
というよりは、VSVをリレーを使って電気的に制御した方が早そうです
3極リレーを2つ使って、通常回路から切り離して強制的に電気を入れてやればなんとかなりそうです
うーん、常時助走よりそっちのほうがよさそうですね
これなら走行中でも切り替え可能です
 純正の配線を切るのはなんかいやですが、考えてみたいと思います



※追記
いまFD3Sのシーケンシャル制御について読んでましたが、助走の時間を取りすぎると過給の負荷のないセカンダリーは過回転になると。。。
そのため助走時間は0.5秒にセットされているそうです
もしかしたらアリストも良くないかもとよく読んでみると、FD3Sではシングル領域ではセカンダリータービンの出口をリリーフバルブを使ってタービンの前へ開放しているようです
タービン前のパイプは圧力がかかってない(負圧)ので抵抗がないため際限なくタービンが回ってしまうようです
つまり助走時間を長くしようとしたり、常時助走させようとするとタービンが壊れます

2JZの場合は、シングル領域ではセカンダリータービンの出口をリードバルブを使ってタービンの後へ開放しています
またリードバルブで一定圧までは塞がれているので、それらが抵抗となり、おそらく過回転になることはないのではと思われます

というわけで2JZでは助走を延ばしたり、常時助走しても大丈夫そうですが、あくまでも素人判断です
Posted at 2011/10/02 14:33:45 | コメント(4) | トラックバック(0) | 考察 | 日記
2011年09月27日 イイね!

オーバーフロー

オーバーフローという言葉が適正かどうかはわかりませんが、おそらくタービンからオイル漏れしていると推測している疾風号です
マフラーからは白煙が出ていないので、直接マフラーへ漏れだしてはいないようです(マフラー側へ漏れると排気熱で気化するため白煙を噴きます)
またプライマリー側タービンは異常はなさそうな感じでした
となると、現状で一番怪しいのはセカンダリーのコンプレッサー側からという推測になります

でも残念ながら原因の特定には至っていません
現状ではタービンの入りと出の両方にオイルの付着があります
仮にタービンから漏れていると仮定しても、アクセルオフではブローオフバルブを経由してタービンの入側へ回り込んでしまいます
そうするとそれがタービンへ吸い込まれてまた出てくるとという循環になってしまいます
またブローバイガスが原因だったとしても、タービン入側にはブローバイガスとブローオフバルブのリターンホースが接続されているので、タービンに吸われてブローオフバルブ経由で戻ってきてと循環になってしまいます
元々の原因はタービンなのか、ブローバイガスなのか。。。


まず考えられるのはタービンのオーバーフロー
タービン内の軸の隙間から溢れ出しているというもの です

写真はタービンの構成パーツです
排気側にはオイルシールとなるゴム製のOリングは入っていません
吸気側にはありますが、基本的にタービンは回転することでオイルをシールするそうです
「回転の低いアイドリング時がもっとも漏れ出し易く、しかも一度漏れ出すと溝が出来てなかなか漏れが止まりません」とHKSのホームページにも書いてありました
オイルパンの負圧を保つ以外にもこんなことが関係するようですね
でもシーケンシャルの場合、セカンダリーはこの条件が当てはまるような。。。


溢れ出す原因はいろいろとあるのですが、軸受部の油圧が何らかの原因で上がり、行き場を失ったオイルがシール効果のバランスが崩れて軸の隙間から溢れてしまうという状態です
この油圧を上げる一番の原因はブローバイガス(エンジン内圧)です

タービンのオイル出側からオイルパンへはダイレクトにホースが繋がっています
つまりクランクケースの圧力がそのままタービンのオイル出口にかかるため、エンジン内圧が高すぎる(ブローバイガス過多)とオイルが押し戻される形となりタービンからオーバーフローします
このブローバイガスの量はエンジンの構造上もともと多いものもありますが、基本的には各部が摩耗してくると増える傾向にあります
粘性の高いオイルを入れることで改善することもあります

アイドリング時には負圧に問題なかったのをENTOさんが持ってきてくれた微小圧力計で確認していますので、ブーストがかかった状態のときに吸い出しきれてない可能性がありますね

ただこの時ひとつ気になったのは、みんなより少し負圧が高かったこと
他の車は5~10ぐらいでしたが、自分のは15でした
ここで思ったのは、もしかしたら空気の取り込む量が足りてない、吸い出しに対して吸い込みが足りてないので、結果的に負圧が高くなっているかもということ
その原因は右端に写っている自作オイルキャッチタンクのノズル径にあるのではと考えました(これはまた後ほど)
とりあえずは負圧でしたので、アイドリング時はPCVよりサージタンクへしっかり吸われていることは確認できています

ここで状況を整理してみると、パイプへのオイル付着は走った後(ブーストをかけまくった)のほうが多いような気がする
それはエンジンを高回転まで回した=セカンダリーを使ったとも言えます
少なくとも点検でプライマリー側は異常なさそうだったので、セカンダリー側が原因で起きていると推測しています
またセカンダリーが回る=フルブーストがかかる=ブローバイガスが増える=ノズル径が細いので吸い出しが追い付かない=エンジン内圧上昇=タービンからオーバーフロー、なんてことも考えられます

そこで思ったのがブローバイサブタンクに使用したパイプの径です
ノーマルのブローバイガス用ゴムホースは12Φです
サブタンクもそれに合わせて12Φで配管しましたが、自作キャッチタンクのノズルは9Φ
直径わずか3ミリの違いですが、面積比でいくと約1.8倍
それでは空気の流れも絞られちゃうってもんなので、アイドリングでも負圧が高く出たのかもしれません 
 そこで自作タンクVer.1.5を作成
今回はノズル直径を14ミリにしてみました

ただノズルがでかいので、開けた穴が大きくなり強度的にはちょっと不安です

今回のノズルの内側に合うホースがありませんでした

(これはVer.1.0の内側)

このため前に比べて、タンクに入った空気がそのまま吸い出されてしまう可能性がありますが、そこはちょっと小細工をして妥協しました
今はガスの流れを阻害しないことが一番です


ブローバイガス以外にオーバーフローに繋がる原因としては、

・オイルリターン(ドレーン)ホースの潰れ、詰り、曲がり
・オイル供給過多
・エンジンオイルの油量過多
・エアークリーナーの詰りで吸気側へオイルが吸い出される
・大径フロントパイプ&触媒レスで排気側へオイルが吸い出される
・残留オイルとの勘違い
・ピストンリング、シリンダー及びバルブガイドの摩耗
・ブローバイホース、PCVバルブの詰まりおよび動作不良

などがあります(詳しくはHKSのホームページなどを参照ください)

ちなみにPCVバルブの一方通行の機能が壊れるとサージタンクのブースト圧力がそのままエンジン内に流れ込むようになるため一気にエンジン内圧が上昇、戻れないオイルがタービンからオーバーフローします
PCVバルブの点検と清掃をしようと思ったのですが、引っこ抜けなかったのでそのうち交換することにします




最初の頃に出てきましたHKSホームページでの言葉
「回転の低いアイドリング時がもっとも漏れ出し易く、しかも一度漏れ出すと溝が出来てなかなか漏れが止まりません」
これってシーケンシャルのセカンダリーは一番ダメな状態ってことでしょうか
普通に街中走ってたら、バイパスバルブすら開くことないですからね
やはり動かないことが原因で不調になることがあるって解釈していいんですかね?
一度乗ったら何回かは上まで回してやったほうがスラッジが溜まりにくくなったりするんでしょうか


実はそんなこともあって常時ツイン化してみたところです
なるべく回すようにして、回すことで運よく復旧するかもしれないという期待です
動かすことで直ったらラッキーというだけなんでしょうけどね
でも動かすことで直るなら、シーケンシャル制御でプライマリー単体時の多少のレスポンスダウン(セカンダリーに排ガスを少し回すので)は我慢しても、常時助走させておいた方が長寿命化できるのかもしれません
そうなると助走をまったく殺すHKS配管だと、なおさら上まで回してやったほうがいいってことになっちゃいますね

助走であまり回りすぎてしまうと過給の出口側は吸気制御弁で塞がれているので、無理に空気を押し込む動きとなってシャフトやブレードに無理な力がかかってしまいそうですが、吸気制御弁をバイパスするようにリードバルブがあるので、圧縮圧が上がるとプライマリー出口に逃げるようになっています  
 
VSVを単純に殺して常時助走化 
常時助走というは語弊がありますね
 ブースト圧が上がってくると徐々にバイパス弁を開き助走が始まり、やがて吸気と排気の制御弁が開かれセカンダリーが本格始動、それでもバイパス弁は最後まで開きっぱなしになります
整備解説書がないのでわかりませんが、バイパス弁用のアクチュエーターの動作圧力が0.5kぐらいだと思いましたので、それまではプライマリーのみに排ガスが供給されます
0.5kを超えてからノーマル助走制御までの間がノーマルと違って助走するようになります

それともほんとに完全常時助走化してみますか  

プレッシャータンクの圧力を使い、アイドリング時からバイパス弁を開けておく方法
プレッシャータンクにはブースト圧を溜めておくようになっていて、エンジンを停めても圧力は開放しないかぎり残っています
この圧力を使ってアイドリング時から吸気・排気制御弁のアクチュエーターを動作側に固定するのが常時ツイン化になります
 常時ツインと同じように最初から排気バイパス弁をあけておけば、かなり早い段階から助走できます

 メーカーがわざわざ細かく制御したぐらいですから、繋ぎかえれば悪化するところもあると思いますが、どう変わるのか試験してみたいですね



と、いろいろと書いてみましたが、後半についてはあくまでも素人の推測です
実際のところはどうなのか、実験を繰り返した開発者でもありませんので全くわかりません
なので冗談半分ぐらいで受け取っておいてください

でも可能なことは順番に試してみたいと思っています
まだダメになったわけじゃありませんし、ただリビルトに交換するだけじゃつまらないですからね
いろいろとやってみてダメだったら、セカンダリータービンのシャフトにガタがあるのかもしれません


といいつつも、もし白煙を噴いたらそこで実験は終了です
どちらに転ぶか祈っててくださいw



HKSホームページへのリンクです

HKS FAQ
ターボについて

故障調査用フローチャート
トラブルシューティング オイル漏れ・コンプレッサ側
トラブルシューティング オイル漏れ・タービン側
トラブルシューティング 過給圧が上がらない
トラブルシューティング 異音





2015.11.6
このブログを書いてから4年が経ちましたが、いまだに問題なくタービンは回っています
つまりこの時タービンに不具合はなかったということですね
何かしら原因はあるんでしょうけど、透明なホースやパイプを付けて常に監視してないと分からないかも知れませんね

やはりブローバイガスではないかというのが推測ですけどね
Posted at 2011/09/27 16:41:56 | コメント(4) | トラックバック(0) | 考察 | 日記
2011年09月16日 イイね!

2JZのシーケンシャル制御とブーコンの取り付けについて

ブーコンの制御について調べてるうちに泥沼にハマってしまい、2JZのシーケンシャル制御の勉強まですることになってしまいました
キッカケはHKS推奨のブーコンの制御配管です
プレッシャータンクってなに?から始まり、もっと簡単に出来ないのかと調べていましたが、HKSの配管に疑問を持ち、答えを求めてネットを徘徊
そして辿り着いたのはクラブアリスト(現クラブレクサス)の過去Voiceのページ
何年前のものかはわかりませんが、OTSIRAさん・TOMさん・701KAZさんという今では大御所が同じ問題を解決するために話し合っている書き込みを発見できました
A4用紙にびっしり6ページにもおよぶ書き込みにて納得できる答えを確認できましたので、忘れないうちに記録しておきたいと思います


なお、今回は図を見ながらでないと分かりにくいと思います
PCやスマホなどフルブラウザで見ることを前提に書かせていただきます




まずはアリストのノーマル制御について解説していきたいと思います

アリストはツインターボですが、シーケンシャルツインターボと呼ばれる制御をしています
低~中回転域まではシングルタービン、中~高回転域はダブルタービンで過給するように電子制御され、またブースト圧についても電気的に管理されています 

上図が2JZのターボ構成です
エンジン左側にタービンが2つありますが、下側がプライマリー(最初に動くほう)、上側がセカンダリー(中回転域から動くほう)といいます
この2つのタービンを丸で囲まれた4つのアクチュエーターで制御します
アクチュエーターは下図の色が塗ってある部分です

構成図でオレンジで囲まれたアクチュエーターはこちらからみるとセカンダリータービンの裏側になるので見えません

アクチュエーターは設定された圧力になるとロッドを押して弁を操作するようになっていますが、バネと圧力(ブースト圧)のバランスで動きますので、圧力がかかり始めると徐々にロッドを押してしまい弁が開き始めてしまいます
これでは正確なコントロールが出来ないので、2JZではVSVと呼ばれる電磁弁を使用し、ブースト圧がかかってもVSVの弁から圧力を逃がしたり送り込んだりして、アクチュエーターの動作をコントロールしています(基本的にはブーコンの動作と同じです)
アリストは4つのアクチュエーターを電気的に制御するため、すべてのアクチュエーターにVSVが取り付けられています
実際VSVには2種類あるのですが、今回の説明では省略させていただきます



まずブースト圧をコントロールしている赤で囲まれたアクチュエーターの説明です
 
設定された圧力になると、動作して排気側にあるウェストゲートを開いて排気をバイパスさせ、タービンの羽に当たる排気ガスを減らしてタービンの回転上昇を抑えブースト圧の上昇を抑えます

通常のツインターボの場合、両方タービンにこのアクチュエーターがそれぞれ付いていて、タービン個別に制御しています
しかし2JZのセカンダリー側を見ると、通常のツインターボのようにアクチュエーターが付いていますが、ウェストゲートではなく排気バイパス弁と書かれています
一見するとブースト圧制御用のアクチュエーターに見えますが、実は2JZの場合はこのアクチュエーター(オレンジで囲まれた部分)はブースト制御用ではありません
ブースト圧のコントロールは赤で囲まれたアクチュエーター1つで行っています
なぜ通常のツインターボのように2つではなく1つで可能かというと

図で比べてもらうと分かると思いますが、エキマニ(排気管)の構成が違います
通常6発のツインターボでは3本ずつまとめて1つのタービンへ送り込むので、個別にアクチュエーターを設けて制御が必要になります
しかし2JZの場合はシーケンシャル制御を行うために、この3本ずつまとめたエキマニがさらに真ん中で繋がっています
このため6本すべての排ガスをプライマリータービンだけに当てることが出来るので、低回転域からタービンを高速で回せるわけです
つまり緑の部分は常にすべて同じ圧力(排ガス)となります

ブーストを制御するためにはタービンの羽に当たる排気ガスの圧力を下げればいいのですから、緑色部分のガスを抜けばいいことになります
つまりどこから抜いても同じ、わざわざ2カ所から別々に抜く必要がないのです
なのでブースト圧の制御はウェストゲート1つ(プライマリー側だけ)だけで行っています


では外観上まったく同じに見えるセカンダリー側のアクチュエーターは何に使用しているのでしょうか
アクチュエーターの繋がった先をよく見ると「排気バイパス弁」と書いてありますね
排気バイパス弁とは何の仕事をしているかというと、それはシーケンシャルの制御に関係してきます 

もう一度この図を見てください
青で囲まれたアクチュエーターが2つあります
1つはセカンダリーの排気出口を塞いでいる「排気制御弁」に繋がり、1つはセカンダリーの過給出口を塞いでいる「吸気制御弁」に繋がっています
吸気制御弁はプライマリー単体で過給しているときに、セカンダリー側へ過給圧が逃げてしまわないように栓をしています
排気制御弁はプライマリー単体で過給しているときに排気ガスをセカンダリー側へ流さないようにするためのもので、セカンダリータービンのマフラー側で排気管を塞いで排気の流れを止め、すべてをプライマリーへ行くように栓をしています
セカンダリータービンが動く領域まで来ると、両方の弁が開いてフル回転となりダブルで過給をするようになります

セカンダリーは排気制御弁が開くとフル回転を始めるわけですが、それまでは弁が閉じられ排気の流れが堰き止められているのでタービンに排気ガスが当たっていてもほぼ回っていません
しかしほぼ回転していない状態から過給タイミングだからといって排気ガスを通し始めたのではフル回転になるまでにタイムラグ(ターボラグ)が生じてしまいます
そこである程度ブーストが上がってきたら排気バイパス弁を開いてやり、少しだけ排気ガスをプライマリー側の排気管へ流してやります
そうすると排気の流れができるので、フル回転ではありませんがすこしタービンを回してやることができます
あらかじめタービンを回しておく(助走)ことができるので、素早くフル回転に到達できるようになるのです
これが排気バイパスバルブの役目です


プライマリータービンに付いているアクチュエーターからの弁はウェストゲートで、タービン前からタービン後に配管されています
セカンダリータービンに付いているアクチュエーターからの弁はバイパスバルブで、タービン後からプライマリータービンの排気管へと繋がっています
写真の矢印の部分がバイパス管です

この違いを覚えておかないと後の説明で混乱しますので覚えておいてください
2つは同じようなところに付いていますが、全く違う弁なのです




シーケンシャル制御について分かっていただけたでしょうか




いよいよ本題のブーコンの接続についてです


まずはこちらをみてください


HKS推奨のブーコンの配管です
これを先ほどの図に書き直すと  


こんな感じになります


お気づきでしょうか




ここが最大に自分が疑問に思ったところです

HKS推奨配管だとプライマリーのアクチュエーターの配管は当たり前ですが、セカンダリー側にある排気バイパス制御用のアクチュエーターにまで配管されてしまいます
つまりこの配管にすると、排気バイパス制御用の弁をブーストコントロールに使おうとするような接続になります
しかしアクチュエーターの位置は同じでも、バイパスする場所(弁の位置)が違いますからブーストコントロールには使えません
アクチュエーターにはブースト設定圧力になるまでEVCから圧力が来ないため、バイパス弁を開くことが出来ず、セカンダリータービンの助走が出来なくなってしまいます
というよりは殺してしまいます
 
ブーストが設定圧力になってからバイパス弁が開くという動きになるので、このときにはもう排気制御弁は開いていてセカンダリーはフル回転してるわけですし、この動き自体に意味がない感じがします
どうせならそのまま機能を殺しておいたほうがいいように思うのは自分だけでしょうか
本来は排気制御弁をバイパスするものですが、このタイミングで開けると抜けが良くなったり悪くなったりの変化があるんですかねぇ
抜けが良くなるなら余計にオーバーシュートしやすい感じがします
ってことは排気干渉して逆に悪くなる!?

なぜこんな制御にしたんでしょうか
セカンダリータービンのアクチュエーターをブーストコントロール用と勘違いしているのでしょうか
それともこのほうがブースト制御の安定がいいのでしょうか


このあたりの検討についてクラブアリストの掲示板でも大御所の方々がいろいろと実験をされ、その結果などが多数書き込まれていました
その一文を掲載させていただきます
ちなみにこの件についてHKSに問い合わせたそうですが、要領を得ない回答だったそうです(笑)

<通常配管は、ノーマル同様セカンダリをしっかり助走させるので、3000回転から4000回転あたりのプライマリとセカンダリの連携をスムーズにし、トルクをわりとフラットに保ちます。ブーストの立ち上がり方はノーマルと同じです>
<HKS配管は、セカンダリの助走を減少させ、3000回転までのオンリプライマリ領域では助走分の排気圧もプライマリをまわすために費やすので、ブースト&トルクの立ち上がり方が極端で、3000回転までは、通常配管より早く立ち上がります。その変わり、セカンダリとの連携ではブーストの谷が顕著となります。また、セカンダリの連携が終わって両タービンがフルにまわってからは通常配管と同じです>

これはTOMさんの感想です
TOMさんは3000回転までのブーストの立ち上がりが早いのでHKS配管にしているそうです。ただし、いつでもワンタッチで通常配管に切り替えられるよう細工をしたそうですよ 

これはTOMさんが載せてたデータです
数値はブースト圧になります

回転数   助走させる   助走させない
2000     0.0       0.0
2500     0.3       0.5
3000     0.6       1.0
3500     0.8       0.8
4000     1.15      1.15


HKS配管が悪いわけではありませんが、純正の機能を殺しているのは間違いないです
この時のクラブアリストの掲示板では助走はなくさない方がいいだろうという結論になっていました
つまりはこういう配管になります  

ブリッツやトラストが推奨している方式ですね 
ブーストコントロール用アクチュエーターから繋がっているVSVへの配管ははずさないと純正のブーストコントロールが介在してしまいます
はずしたところには目くら蓋をしておき、アクチュエーターへの圧力が逃げないようにしておきます
もしくはVSVに入っている青いコネクターを抜いておくだけでも大丈夫です
自分はコネクターをはずしてぶら下げておくのはイヤなので目くら蓋を選択したいと思います



なんとなくでも理解していただけたでしょうか
キッカケがなければおそらく勉強することもなく終わっていたと思いますが、今回のブーコン取付に当たっていろいろと調べてみました
結果として通常のプライマリー側の配管のみでもブーストアップやブーストの安定制御には問題ありません
しかしプライマリーの更なるレスポンスアップを期待するならHKS配管がいいかもしれません
シーケンシャルの段付きを気にするなら通常配管でしょうか

ちなみにKSPではHKS配管をしているそうです
今まで特に不具合はなかったのと、HKSの方がオーバーシュートが少ない感じがするとのことでした
実際に両方試してみないと分かりませんね


どちらを取るかはオーナの選択になるかと思いますが、HKS配管に出てくるプレッシャータンクへの配管は車を持ち上げないと厳しそうです


※ふとHKSオフィシャルのEVC6の説明ブログを見たら、現在のHKS推奨配管は以前と違ってブリッツやトラストと同じになっていましたw
よかったら参考にどうぞ (2014.01.31)
EVC6ってナンダ! 第17話







ぜんぜん関係ありませんが、常時ツインのやり方を詳しく書いたページがありましたので、リンクを貼っておきます
車種もエンジンの世代も違いますが、制御は全く変わらないと思います
http://www.geocities.jp/ace_kazukun/twin.html

図で表すと赤の配管へ変更します
プレッシャータンク(ブースト圧力をワンウェイバルブで溜めておくタンクです)からの圧力を常時アクチュエーターにかけておき、吸気および排気制御弁を開きっぱなしにすることで常時ツイン化します
ワンウェイバルブが壊れてない限り、圧力が抜けることはありません
ただしプレシャータンクの出口側のホースを外すと圧力が抜けてしまうので、最初のエンジンスタート時はタンクが空です
一度ブーストをかけて圧力が溜まってからが常時ツインとなります






2012.05.14
ブーストコントローラーの制御圧力取出し位置を、インタークーラー前から後に変更しました

プレッシャータンク充填のための圧力取出し位置も、こちらにしようか検討中です
Posted at 2011/09/16 18:06:26 | コメント(8) | トラックバック(0) | 考察 | 日記
2011年05月23日 イイね!

状況 -復活-



いろいろとご心配おかけしました
本日車検を取って戻ってきました
マインズで直してもらったECUを投入して息を吹き返しました

ECU不良というのは初めての経験でしたが、いい勉強になりました
次からはちゃんと対応できそうですが、もう経験したくはないですねw

しかし自分の車に久しぶりに乗るとモノスゴイ違和感が。。。
こんな車だったっけ?って感じです



今回かかった費用

[車検]
81950円(代行費用込み)

[修理工場]
・エンジン不動 診断機点検 15750円
・ECU取替え           5880円

[マインズ]
・ECU診断および修理  30000円

車検以外に51630円でした
あと使わなかったノーマルECU22990円もありました


一時期は新品のノーマルECUで15万コース。。。
なんて話にもなり、相当な出費を覚悟していましたが、だいぶ安く済みました
おかげさまでこの2週間、ひさしぶりに真面目にパチンコして稼いでました(爆)
修理代以上に稼げたのでアレとアレを投入しようかなどと考えております


車検ですが、ブローバイサブタンクはそのままで通りました
やはり大気開放していないと説明できれば大丈夫なようです


とりあえずは無事解決です!
明日は休みなので、美味しいランチでも食べにドライブに行ってこようと思ってます




2週間お世話になった代車のスターレット君

何も気にせず、どこでも走っていけたので便利でした
でも80キロ出すとドアが取れそうなほどバタバタします


Posted at 2011/05/23 18:56:53 | コメント(13) | トラックバック(0) | 考察 | 日記
2011年05月21日 イイね!

状況 その5

昨日、車検以来借りている代車でECUを取りに行って来ました
80キロで走り続けることが不可能なほどのボロ車です(笑)
逆にこの車のほうが壊れて止まるんじゃないかとヒヤヒヤもんでした



修理完了



何個かの部品に通電しないのがあったらしく、部品交換などをしてテスターで検査して合格したそうです
「おそらく問題ないとは思いますが、不具合があったら連絡ください」と言われました
修理代金は診断料込みで3万円
この値段で修理完了したのなら安いもんです


地元に戻ってきたらそのままホームセンターへ
まずは硬化したスポンジの代わりになるものを物色
耐熱温度80度のスポンジを貼っておきました



ハサミで切って貼り付けたので見た目は悪いですが、どうせ箱に入れたら見えなくなってしまうので(笑)


次に以前仕入れておいたコイツを貼り付け



これはサーモラベルです
今回貼り付けたのは3段階の「50・60・70」
各数値が温度で、誤差±2℃でその温度になると色が変わります
一度色が変わると元には戻りません
これをECUの回りに3箇所貼り付けました
しばらく経ってから抜き出せば、現在の熱の影響がわかると思います
また比較すれば遮熱対策をしたときの効果の確認もできると思います



夕方にはGSにECUを渡してきました
問題なくエンジンが動けば、来週月曜あたりに車検を取って戻ってくると思います

復活まであと一息
この2週間、必死でがんばって副業にて修理代は全て稼ぎきりましたw
あとは車の到着を待つばかりです




※追記

ECU箱の構造が分かりました

車の前側から見た状態の断面図です
箱の中身が二重構造となっていました
ECU自体はもう一つ別のケースに収められており、空気の流れとは遮断されています
上側(蓋)からは熱が直接来ますが、横や下方向からは直接熱が伝わらないような構造となっています

水色の部分は空気が流れる空間です
オレンジの矢印が空気の流れる方向ですが、これは止まっていてファンが回った時だけかもしれません
走っているときは、構造上逆方向の空気の流れになる可能性があります
ただその時流れる空気は、ラジエター上部の一番熱いとこを抜けてきた空気です
ラジエターを抜ける前の空気が流れるようにできれば良さそうな感じがしますね
ただ変な風にダクトを取り付けてしまうと、水も入っていってしまうので構造をもっと良く確認しないとです
ECUが収まっている部分の底に穴らしきものがありました
Posted at 2011/05/21 09:37:27 | コメント(2) | トラックバック(0) | 考察 | 日記

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「@そっくんのお兄ちゃんさん
雨で家に居ても何も出来そうもなかったので、ゆっくりしに来ました😌

明日は天気が良くなるそうですが、今日は明けなので朝は起きれないかもしれません
朝ごはんギリギリまで寝ておきます😅」
何シテル?   10/31 19:12
あちこちの温泉に出かけ、地の美味しいものを食べるのが楽しみです まだまだ行けてないところはたくさんありますが、最近は行きたいところが細い道や悪路の先にあること...

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