
ショックアブソーバーのお話です
実はショックアブソーバーには一般的に2種類の構造があります
最近はほとんどが単筒で、とくにモータースポーツなどハードに使用される場面では単筒です
TEINのFLEXなんかは複筒が採用されていますね
どのような違いがあるかTEINのHPに資料がありましたので、画像と本文を借りてきました
自分の資料として残させてもらいますが、勝手に借りてきたので削除依頼があった場合には消去させていただきます
まずは単筒式ですが、どんなメリット・デメリットがあるのか
メリット
●オイル容量を多くすることができるため、熱容量に余裕があり、安定した減衰力を発生することができる
●ピストンバルブサイズを大きくすることができるため、受圧面積が大きくなり、微小な減衰力も確実に発生することができる
●構造的に取付角度に制限がない
●高温となった場合オイルの放熱性が良い
●オイルとガスが混ざらないため、エアレーションがおきない
デメリット
●オイル室とガス室が分割されて直列に配置されるため、十分な有効ストロークが確保しにくい
●構造的に高圧ガスを封入するため、ゴツゴツとした乗り心地となる傾向にある
●高圧ガスが封入されているため、シールなどの緊縛力が上がり、フリクションが大きくなる傾向にある
●倒立式は正立式に比べストローク時の摺動部が多いため、フリクションが大きくなる傾向にある
●石跳ねなどでケースがへこむと、内側のシリンダーも直接影響を受けてしまう
次に複筒式にはどんなメリット、デメリットがあるのか
メリット
●オイル室とガス室が分割された直列配置じゃないため、ストロークが確保しやすい
●ベースバルブにより封入ガス圧を低くできるため、乗り心地に優れる傾向にある
●封入ガス圧が低いため、シール緊縛力等のフリクションが抑えられる
●倒立式に比べ、フリクションを抑えられる
●シェルケースが若干へこんでも、ショックアブソーバの機能に影響がない
●製造時の加工性に優れ、製品コストを抑えることができる
デメリット
●
構造上、単筒式ほどオイル容量をかせぐことが困難
●構造上、単筒式ほどピストンバルブサイズが大きくできない
●構造的に取付角度に制限がある
●オイル室とガス室に区切りが無いため、エアレーションを起こすことがある
またこれは別のページからの転載ですが、複筒式の大きな特徴として縮み方向の減衰力と延び方向の減衰力を別の機構で制御する点がある
アブソーバーが縮む場合は、前述の通りオイルはベースバルブを通して内筒の外に押し出される
この時の減衰力のコントロールは主にベースバルブで行われる(この時ピストンによる抵抗は、ほぼ固定とされる)
一方、アブソーバーが延びる場合、減衰力のコントロールはピストンに設けられたピストンバルブで行われる(ベースバルブの抵抗は固定となる)
複筒式ショックアブソーバーは、単筒式と比べてアブソーバー本体の全長を短くすることが出来る
減衰力コントロールが二カ所に分けられるためバルブ機構が単純化することが出来る(特に減衰力を外部調整式にする場合などに有利)などの長所があるそうです
ストリート用ショックアブソーバの乗り心地
近年のストリート用ショックアブソーバにおいては、何よりも乗り心地が重要な性能になってきました。
ストリート用ショックアブソーバにおいて乗り心地を確保するためには、セッティングの次に何よりも十分なストロークが重要です。
単筒式はオイル室とガス室が分割され直列に配するため、同じ長さの複筒式ショックアブソーバと比較すると、ストロークが確保しにくいことがわかります。
路面がフラットなサーキットを走るレース用ショックアブソーバであれば、ストリート用ほどのストロークは必要ありませんが、街中はサーキットと違いデコボコの路面や様々な段差があります。
それを乗り越えて走るストリート用ショックアブソーバでストロークが確保できないというのは、即突き上げなどの乗り心地の悪化に直結してしまいます。
サーキットでの単筒式
ストリートではデメリットばかりが目立ってしまった単筒式も、サーキットではその実力をフルに発揮します。
サーキットでの走行は、ショックアブソーバにとっても非常に過酷な条件となります。
長時間ハードな走行を続ければショックアブソーバ自体も発熱しますし、隣には1000度近くまで温度が上昇するブレーキもあります。
これらの熱の影響をショックアブソーバはもろに受けてしまします。
そう考えるとサーキット用のショックアブソーバは、長時間ハードな走行を行っても、安定して性能を発揮できることが重要になってきます。
そうすると単筒式のメリットは、まさにハードなサーキット走行を行うには最適な性能となるのです。
またストリートでのデメリットとして挙げられたストロークの問題も、フラットな路面と高いバネレートにより、ストリートほどストローク量を必要としないため、サーキットではそれほど問題とはなりません。
これらから、単筒式はサーキット用ショックアブソーバとして最適と言えます。
ただし複筒式がハードなサーキット走行に最適ではないというのも、あくまでも単筒式との相対比較しての話であり、事実2005年のニュルブルクリンク24時間レースでは、市販品のTYPE FLEXがクラス優勝を果たしています。
つまり耐久性などは単筒式も複筒式も大差は無く、差が出るのはプロのレーシングドライバーが感じ取れる、極めて限られた条件下での性能差なのです。
最後の理由は複筒を推すためのTEINの理由っぽいですけどね(笑)
抜粋になってしまいましたが、原文まま掲載しました
こうして比較すると、どちらも一長一短ということになるのでしょうか
ただいろいろなHPを見てみましたが、書いてる人によってどちらがいいとかが全く違います(笑)
また全長調整式かネジ式かによってショック単体の長さが変わってくるので、確保できるストローク量も変わってしまいますよね
ネジ式なら単筒でも十分ストロークを確保できますが、全長調整式の場合はストロークを確保しにくいので、ストローク(乗り心地)を優先するなら複筒や単筒でも別タンク式のほうが有利かもしれません
それでも安定した走りを取るなら単筒がいいんでしょうね
オーリンズのPCVやTEINのMSVは、単筒での乗り心地対策ということになるんでしょうか?
こんなことを考えながらショックを選ぶのも良いかもしれませんね
さて、まったく話は変わりますが。。。。。
TEINの「FLEX SEDAN」のキットですが、なぜか装着するとコトコト音がしてしまいます
アリストでの装着車に3台乗りましたが、全ての車両で同じ音が鳴ってました
やはり原因はアッパーマウントのピロではないかと言われています
それに対してのQ&Aが書かれていたので、参考に載せておきますね
Q.新品の車高調(TYPE FLEX DAMPER、ピロ付キット)を購入しました。取り付けには問題ないがカタカタ、コトコトと音がする。
ピロアッパー付きの場合は、ショックアブソーバ内部の音が拡声され、特にノーマルで静寂性が高い車種(アリスト、ソアラ、マークIIなど)はショックアブソーバ自体の作動音が気になる事があります。
又、複筒式の為、輸送時にオイルとガスが混じり合ってエア噛みを起こす事があります。構造上、単筒式の様にオイル室とガス室が分かれていない為に起きてしまう現象です。(※エアレーション、キャビテーション)
エアを噛むと一瞬減衰力がなくなり、瞬間的にシリンダーの中でピストンが遊んでしまうような現象になり、コトッコトッと音がする場合があります。
(エア噛みを簡単に言うと、オイルが泡立ってしまい気泡によって減衰力がうまく発生しない事です。この場合、エア抜きを行なって下さい。)
その場合、ショックアブソーバが正立の状態でピストンロッドを2~3回ゆっくりフルストロークさせてエアを抜いて下さい。
ダブルウィッシュボーンの場合、ストラットほどアッパーマウントのピロが効くとは思えないんですがどうなんですか?
ゴムアッパーでもいいと思うんですが、なぜ乗り心地重視のFLEXがピロなんですかね
CS用のアッパーマウントが同じバネ径65Φなので使えるかなぁなんて思ってますがどうでしょう
アッパーマウント単品って手に入るんですかね
※追記です
TEINから回答が来ました
お問合せ頂きました件ですが、アリスト(JZS161)用FLEX SEDANはピロアッパーマウント専用設計となっておりトップの形状が異なる為、強化ゴムマウントを装着する際には強化ゴムアッパーマウントをご購入頂く他に、オーバーホール対応でのピストンロッド交換やストロークの変更が必要となり、それだけの変更では車高が下がらない可能性もあり、その際はスプリング交換も必要となりますのであまりお奨めは出来ません。
全長調整式、強化ゴムアッパーマウント、減衰力調整式をご希望の場合は、強化ゴムアッパーマウントを採用しておりますBASIC FLEX DAMPERをベースにオーバーホール対応にて減衰力調整式に変更されることをお奨め致します。
その際の金額につきましては、下記となります。
【新品ご購入時】
BASIC FLEX DAMPER:定価¥144,000(税別/1set)
オーバーホール基本工賃:¥9,000(税別/1本)
減衰力調整式への変更料:定価¥5,000(税別/1本)
ピストンロッド:定価¥3,500(税別/1本)
ご検討、宜しくお願い致します。
アウト!!