
たまたま地元の営業所の前を通ったら、いつも試乗車が置いてある場所にチャンピオンイエローのスイフトが!
用事を後回しにしてもイイや!なんて勝手に判断して、グルッと一角回ってディーラーへ。
だって、また会社の帰宅時間になって思うように走れなくなるのはイヤだったんですもん。
訊くと、7日から始まるイベント用に今日持ってきたとのこと。
丁度良いタイミングでした。
早速試乗となったわけですが、同乗してくれるメカニック(営業さんは出払ってた)が気の毒そうに言いました。
「実は6速ATなんですよ」
何か、MTは札幌の本店にしかないそうで。
でもまあ、ATでもパワー感や足の感じを掴むのなら、インプとの違いを確認するには良かったかも。
乗り込んですぐに感じたのは、包まれ感のあるコックピット。ってドライバーズシートですね。
時間もあまりないのでマルチインフォメーション・ディスプレイまでも触りませんでしたが、適度にホールドの良いシートとも相まって、いかにも
「走るぞ~!」って気持ちが盛り上がります。
○動力性能
発進してすぐ思ったのが、1.4Lとは思えぬトルク感。
2000回転も回さないうちにブースト表示が動き始めて、スムーズにシフトアップしていきます。
少し街中から外れたコースに入ってフルスロットルくれてやったのですが、最初のトルク感を維持したまま5000回転くらいまで伸びて、6000回転に入る前にシフトアップ。
それでも6速ATのおかげかパワーを落とすこと無く加速していきます。
これは普段コンパクトカーのCVTに乗っている人が体感したら異次元でしょうね。
意外だったのは、排気量に似合わない野太い排気音。
デュアルにした意味はあるんだな~と。
○ハンドリング
軽いワインディングも軽く踏んで走りましたが、軽い車体(ATは990kg)とは思えないくらいバタ付きも少なく、少ないロールとも相まって意外に落ち着いた足でした。
電動ステアリングは適度な重さで、切り始めてからはクイック。
僕らのように油圧ステアリングに慣れている人でも、余り違和感を感じないのではないでしょうか。
逆に言えば、今の電動ステアリングに慣れている人達は「重い!」って感じるかも。
あと、何となくフロントの動きがモッサリしているようにも感じましたが、これは単純にFFだからでしょうかね。
○ミッション
今回の6ATですが、不必要なシフトアップが無いので、コーナーからコーナーへ切り返すときも3速をホールドしてくれるのはスポーツ心を分かっているって感じ。
それこそ、僕の車をS#で走らせているようなシフトタイミングでした。
ただ、結構アクセルを戻してもホールドしたままなので、普段エコ運転をしようと思ったら、パドルを使って任意にシフトアップしてくださいって感じかな。
その辺り、MTならもっと自由に選べて楽しいだろうな~って思います。
○視界
あのスタイルから想像して、斜め後方視界は悪いんだろうな~と思っていたのですが、車の小ささもあってかそれほど気になりませんでした。
確かに太いCピラーの所が小窓だったらもっと視界は良いのでしょうが、そんなことしたらスイフトでは無くなってしまう。
スバルなら、デザインより視界を取るんだろうな~と、ふっと思いましたが。
あと、これもスバル乗りの感覚なのかもしれませんが、エアインテークも無いし、ボンネットがスラントしていて感覚が分からん。
けど、すぐ慣れるだろうし、もともとノーズが短いから良いのか。
○気になったところ
良いところを重点に書きましたが、停止寸前にATのジャダー?みたいなのが出るのはいただけない。
感覚的には、MTの4速のまま、止まる寸前までクラッチを踏まないでいたときみたいな振動。
思わずエンストしたんじゃないかと、タコメーターを確認してしまいました。
これが試乗車だけの現象なら良いけどねぇ・・
でも、気になったのはその部分と、先に書いたシフトアップしなさすぎでエンジンが唸るところだけで、「スポーツ」と割り切って運転する分には気にならないかもしれません。
多分、購入する人の7割くらいはMTでしょうしね。
○最後に思ったことを
トルクフルな1.4Lターボ。
一踏みしたときの体感的な速さは、2.0LのNAエンジンよりも上かも。
今流行のダウンサイジング・ターボの乗り味って感じでしたね。
ターボラグを感じさせないので、単純に排気量を上げたような力強さです。
それも車体の軽さが物を言っているんでしょうがね。
ただ、エンジン回転の唸りと共に、その回転が上がるにつれてパワーを絞り出すようなエンジン特性・・・いわゆる「カムに乗った」感じが好きな人にはどうだろ?
最初のインパクトだけで飽きるエンジンとも言えるかもしれませんね。
その意味では、同じスバルのWRXでも、EJ20ではなく、街乗りでの乗りやすさで選んだEJ25のA-LINEと共通する部分を感じます。
まあ、絶対的な速さを言えば今のA-LINEの方が当然段違いだし、街乗りでも2.5Lのトルクで余裕を持った走りが出来ますが、1.4Lでこの余裕感が味わえて、尚且つ軽さを活かしたキビキビとした走りを持つ、この新型スイフト・スポーツ。
余りあるパワーを使わずにいるんじゃなく、普段使いの運転で速さとスポーティーな感覚を味わえる、まさに狭い日本向けの車。
大ヒットの予感がします。
と言っても、ファッション・ツールとして車を選ぶ人や、エコ性能を重視した車選びをしている人から見たら異端児なのは間違いないでしょうし、
この車を選ぶ人は、少数派であっても、スポーツ魂を大事にしている人に限るんでしょうがね。
と、僕が運転してみたスイフト・スポーツ1.4Lターボの感想でした。
当然、あくまでもこれは僕自身の感想なので、人によって、現在乗っている車によって、全く違う印象もあるはずですので、参考くらいにしておいてください。
それにつけても、MTに乗ってみたかった・・・