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ワルめーら@Terryのブログ一覧

2012年03月06日 イイね!

『西郷の貌』 加治将一著 祥伝社刊

『西郷の貌』 加治将一著 祥伝社刊世に西郷隆盛といえば、恰幅の良いお腹にぎょろっとした目と太い眉というイメージが流布している。ところが、このような西郷の姿が写真に残されていることはなく、あくまで肖像画や銅像(上野公園など)として残されているだけである。
西郷は写真嫌いだったという説もあるが、これはどうも怪しい。

『西郷の貌』はこの点に狙いを付けたミステリー小説であり、また秘められた歴史の実相に迫ろうという意欲的な書でもある。
果たして西郷の本当の姿とはどのような出で立ちか。そもそもなぜ世に流布する西郷のイメージがこのように伝播され、本来の西郷の顔は隠蔽されたのだろうか。

この点を追求するだけでも、ミステリーとしての面白さがあるが、加治氏は、西郷を含む幕末志士や公家たちにまつわる日本の歴史の裏を解剖していく。この解剖されていく過程がとても興味深いのだ。
正しくノンフィクション小説と呼べるのではないか。

無論、氏の見解(小説内に登場する主人公に投影されている)に異論があっても、歴史の読み物として面白いし、ミステリーとして読むだけでも刺激的だろう。
ただし、多少の歴史的素養があったほうが、この作品の醍醐味を満喫できると思う。




Posted at 2012/03/06 05:21:00 | コメント(3) | トラックバック(0) | 書評 | 趣味
2012年02月20日 イイね!

統計調査からしあわせってもんをあぶり出す 『幸福の習慣』を読んで

統計調査からしあわせってもんをあぶり出す 『幸福の習慣』を読んで面白い本を見つけた。
先週の木曜日のことである。
用向きがあって、三軒茶屋に赴いた。
普段はトコトコと走る二両編成の世田谷線に乗って向かうのだが、この日はよほど時間的余裕があったので、下高井戸からぶらぶらと歩いて向かった。
それでも、用向き先にはだいぶ早く到着したので、駅前近くにある書店を覗いてみることにした。

書店の中を徘徊しているのはとても楽しい。
最近の流行がわかったり、こんな視点やジャンルの本があるのか、などなどいろいろと発見することが多いから。
私の場合、書店の一角に立ち止まって、特定の書籍や雑誌を精読して立ち読みをすることはなく、書棚を眺めつつ、興味深い書籍や雑誌を手にとってはぺらぺらめくる(look through)という形が一般的である。
ぺらぺらめくった結果、実に興味深いし面白そうだなと脳みそが判定をくだした時点で購入する。
これが、私の書店徘徊スタイルになっている。
冒頭に述べた「面白い本」というのも、書店徘徊の私なりの定番スタイルの結果、見つけた書籍である。
因みに、風水に関する書籍も購入した。現在、テレビ番組で流行っているものの書籍化である。私は風水や占いがすべてを規定するとは思わないが、目に留めて置くことは非常に大切だと思っている。
なぜなら、風水や占いはいにしえの人間たちの叡智がつまったある種の科学であると考えているからである。迷信であると一笑に付すのはつまらない。

さて、面白い本に関する話に話題を戻そう。
何が面白かったかというと、「幸福」というものを長い年月をかけて世界中の人々(150カ国にのぼる)を対象にアンケート調査し、統計的に人間に普遍的な幸福とは何かというものをあぶり出している点にある。
世論調査会社として名高いアメリカのギャラップ社が、なんと1950年代から取り組んできたものだそうで、「多くの人間が考える幸せってのは何だろう」という好奇心を大いにそそられて購入したという次第。
また、その統計結果による幸福とは何かという事柄を通じて、自分自身が感じる幸せというものを具体的にしてみたいなという風にも考えた。

未読の方々のために、内容は詳らかにはしないが、以下の五つが幸福を感じる根幹的なファクターだそうである。そして、各々のファクターのなかで、どういう時に幸福感が高まるかという事柄が統計的数値を踏まえて記載されている。これが本書の妙味の一つである。

1)仕事の幸福(ライフワークや熱中していることなども含む広義のもの)
2)人間関係の幸福
3)経済的な幸福
4)身体的な幸福
5)地域社会の幸福

あなたはこの五つを幸福感の主眼に置きますか?
また、主眼を置いた場合にどうすれば幸福を感じますか?
人それぞれなのだろうけれど、私は大同小異あれど、皆似たようなことに幸福を感じ、似たようなことに不快を感じるように思う。

以上、五つのファクターに焦点を当てた統計の結果に関して、非常に興味深い事柄が多数あった。
例えば仕事の幸福であれば、「収入が多ければ幸せである」という古典的経済学のモデルのような分析とはまったく異なる結果が統計として現れており、人間とは合理性だけでは割り切れない存在なのだなということがよく分かった。
と同時に、人間とは孤立した存在ではなく、お互いの関係のなかで支え合いながら暮らしていくことを志向する存在なのだということを確認した。
正しく、人間は社会的動物なのだと思う。

本書に興味を抱いた読者は書店に向かうべし。大抵の書店に置いてあると思う。
昨年末に刊行された新しい本である。


ほんのり甘い食感をもたらしてくれる三浦大根である。関東では有名であろう。
大根足という表現の由来が把握できそうな独特の形状をしている。
さて、私はやや大根足の女性も好きだけれど(やや細めの足がもっとも好みなのだけれど)、三浦大根は無条件に好きだ。形状も可愛らしいし、おいしいから。
そんな私の嗜好が統計的にどのように位置づけられるのかはしらないが、やはり人はそれぞれ。人間存在というのは多義的であるという点はやはり認めるべきだろう。
人間には普遍的な部分と個別的な部分の二つが混淆しているのだと私は思う。
ということを述べたくて、三浦大根の画像を掲載してみたという次第。
ほんとでかいでしょ?太いでしょ?

Posted at 2012/02/20 20:24:34 | コメント(1) | トラックバック(0) | 書評 | その他
2011年09月09日 イイね!

司馬遼太郎 関裕二 ~読者目線の文章が好印象~

司馬遼太郎 関裕二 ~読者目線の文章が好印象~久方ぶりに、司馬遼太郎氏の『街道をゆく』を読んでみました(11巻 肥前の諸街道)。数年前からこの『街道をゆく』シリーズを少しづつ集め出しており、早ければ今年中に全巻を揃えられると思います。

司馬さんの文章は何を書いても明るさに満ちあふれているような心持ちがして、非常に気持ちがよくなるのが特徴です。
そして、さすがは作家だけあり、構成が上手ですね。
『街道をゆく』シリーズに特徴的な構成ですが、紀行したときのあらましを述べるのみならず、紀行した土地に関連した歴史的事柄、あるいはもっと逸脱した事柄を余談として述べることでしょうか。
このあらましと余談を行き来しているのが非常に心地よいのです。
翻訳はしにくい作家だと思いますが、幸いにも我々は日本人です。
司馬さんの文章を読んでみることをお勧めします。
私も少なからず彼の文体に影響されています。
今回の11巻を読んでもその感想に変わりはなかったですね。
糸島半島や松浦、西彼杵、長崎等々、、
実際に現地に行って司馬さんが吸っていた空気は如何なるものかを味わいたいなという欲求が滔々と湧いてきます。


続いて今現在は、古代史について独創的でわかりやすい文章表現が好感触な書籍を続々と刊行している、関裕二氏の『「天皇家」誕生の謎 古代史から見た権力と天皇』を読んでいます。
古代史の大家のジムニー魂さんのブログが妙に印象に残っていて、ある日ブックオフに立ち寄ったらすぐに見つけたので購入したという次第です。

ジムニー魂さんのブログ

歴史学者ではない・・・でも、歴博の捏造は更にダメでしょう!
!

まだ途中までしか読んでいないため、内容を知っている方はここに書かないでくださいね(笑)
いま、どういう風に関さんの推理が展開されているのかをワクワクしながら読んでいる最中ですから。
ちょうど、東国の存在に焦点を当てる章まで読み進めました。

関さんは作家というよりは純粋に古代史が好きで書籍をいくつか刊行したという方だと思いますが、評価できるのがわかりやすさと、読者の推理欲をかき立てる構成のうまさですね。文章は適度に平易で、非常に読みやすいです。古語も現代語訳に構成し直してくれますし、古代史を楽しむとっかかりとしては関さんの著書がいいのかもしれません。ただし、通常の歴史観とはかなり異なった説を出しておられるので、学校で習った日本史の基本的な知識を有していたほうがいいですね。
大化の改新(乙巳の変)で、蘇我入鹿が暗殺された程度の知識でいいんです。

さて、上記書で序章で『竹取物語』をとりあげているのが構成の妙ですね。
物語文学には何らかの批評性が込められている場合が多いですが、誰もが内容を知っている『竹取物語』をとっかかりに、物語に隠された批評性を浮き彫りにし、古代史への旅へ誘うという構成は本当に上手ですね。

こうした読者にもやさしい文筆家がいることは本当に幸せなことです。
歴史の分野に限らず、興味のある分野でこうした自分なりにしっくりくる文筆家を見つけられれば非常に幸いでしょう。
書物は家のなかでも戸外でも読むことができます。
それでいて、全世界、否、全宇宙を経験することができる魔法のツールなのですから。
いい文筆家にガイドされて、全宇宙を体験してくださいね。

Posted at 2011/09/09 15:10:50 | コメント(4) | トラックバック(0) | 書評 | 趣味
2011年08月30日 イイね!

『それから』を読んで 勤労のエートス(倫理)ってなんだろう?

『それから』を読んで 勤労のエートス(倫理)ってなんだろう?文豪夏目漱石の『それから』という作品をお読みになったことがありますか。
私は作品に言及する評論などでなんとなく筋は掴めていたものの、読破したのは初めてです。

主人公は実家が事業に成功していているため、経済的に不自由のない生活を送る代助という人物。不自由がないために、労働もしていない。
ただし、世間の定石というものをあまり好まぬ性質らしく、父親から勧められる縁談を、のらりくらりとうまくかわしていつも断っている。もっとも、彼の頭は非常に明晰で彼なりの結婚をしない論理的な理由はある。それは作中を参照していただきたい。
物語は友人の平岡やその妻(平岡と代助との共通の友人の妹である。友人は既に亡くなっている)との関わりと、既述したとおり、代助が縁談を断ることを主軸にして進む。
物語の終盤で(私には展開が唐突に思えたが)代助は彼が愛していた女性と暮らす道を選ぶ。
つまり、父からの縁談を断ることで経済的な自由を手放すことを強く決意したのだ。また、その道を選ぶことにより、既存の人間関係も崩壊する必然にあるのだが、代助は物語前半ののらりくらりぶりとは裏腹に強い決意を以て、愛する女性と暮らそうとする(この辺りの心境の変遷が唐突なのだが、「私小説」と思えば違和感はない)。

筋書きはざっとこのようなもの。
漱石の作品に登場する主人公はいわゆる一般大衆の視点とはやや様相を異にする。インテリ層が主人公である場合がほとんどである。おそらくそれは漱石の分身のようなものだと思う。なぜなら、彼こそは当代きってのインテリだったからだ。

『それから』の代助のような経済的富者についても、父や兄とは異なり、思索を通じて物事を理解しようとする点が多く、この点で代助をインテリと呼んでもよいだろう。
もっとも彼は労働をしないのだから、経済的富者は扶助によって成立している。
当時の言葉に即して「高等遊民」と呼んでよかろう。
因みに、代助の友人の平岡も思想的には代助の父や兄に近い。つまり、「パンのために働く」という思想が原理となっている。

私は物語後半の特に愛する女性のために経済的な安定を捨て去り、職業に就くことを決意する件などを読むと大げさなと思わざるを得ないが、それもまた明治末期の時代性であろう。
それとは別に、代助の父や兄、平岡が奉じるないしはやむを得ず受け入れている勤労というものの価値普遍性が跋扈している中での代助の違和感はなんとなく理解できる。

かつて、イエスは「人はパンのみに生きるにあらず」と述べた。
私も同感である。「パン」は必要だろう。しかし、「パン」だけが人生ではない。
少なくともパンを求めることが目的となる人生が存在するとすれば、それはよくよく考えてみたら随分と本末転倒ではないか。
生活のために働く。このこと自体はいい。
しかし、それが昂じると働くこと自体が目的化するような気がする。
それで、生活が向上するのであれば良いだろうが、どうもずっと勤労を目的化したままで、生活というものの内実(家族で楽しく暮らすとか)を検討しないままに、人生を過ごしてしまう人々もたくさんいるのではないだろうか。

勤労が楽しいのであればよい。しかし、いやいや勤労をして生活も汲々とするような状態であれば、それは一体誰のためのなんのための人生だろうかと思う。
少なくとも、近代市民社会以後においては、個々人は個々人の幸福を追求するのが普通だろうと私は考えている。因みに、私は主義やイデオロギーに関心はないが、まあ、近代市民社会を肯定している人間である。
さて、幸福の種類はそれこそ山ほどあるはずだ。幸福には選択の自由が担保されているからだ。よって、パンのために働くことが幸福だという考え方もあっていい
だが、それは少なくとも幸福だと思えてこそ許容される論理に過ぎないと思う。

代助の生き様は「パン」のために勤労する必要のない世界があることを示した。
だが、その代助にしても縁談の勧めなどのしがらみがあるわけで、自由とは思えない。宙ぶらりんとした存在のようにしか見えない。
だから、後半部で代助が愛するもののために、今の豊かな生活を放擲しようと決意したことはなまじ否定されるべきではないだろう。代助なりの解決策であったといえなくもない。

本当の幸福や喜びとは何か。自由とは何か。
どんどん追求してみたいが、私は自分の選択によってそれらは決定づけられるものだと考えている。だから、作中のなかでは代助に対する親近が比較的強い。
彼は彼なりに考え抜いて選択をしたわけだから。彼の行動自体に対する是非というよりも、彼の主体的な選択を私は評価したい。

夏目漱石の作品は現代の人が読んでも非常に読みやすく、お勧めです。
偉大なる国民作家と称される所以でありましょう。







Posted at 2011/08/30 00:21:06 | コメント(2) | トラックバック(0) | 書評 | 趣味
2011年08月12日 イイね!

三島は小気味がいいなあ

三島は小気味がいいなあ十年ぶりに三島由紀夫の『不道徳教育講座』というエッセイを読んでいる。
小気味のよい筆致に、三島ならではの皮肉精神たっぷりの文章が詰まったエッセイである。
しかし、さすがは三島である。
おふざけしているように見えても、その観察力は実に細やかである。そして美文である。
とはいえ、堅苦しさは皆無で大変読みやすいのでお勧めしておく。角川文庫のものが手に入りやすい。
一般的に流布しているイメージとは別の三島を発見できるはずだ。
お盆は読書でもしようかなという人に特に勧めておこう。

十年前は文庫でないものを持っていて、当時の彼女に貸したのだがそれっきりになっている。
性的に際どいこともサラリと述べる内容に、処女を捨てたばかりの彼女には新鮮な驚きがあったようだ。
その彼女は渋谷の超高級住宅街に住む医者の一人娘で、並みのお嬢さんとは異なる世界を私には見せてくれた。
いまは何をしているのだろうか。久し振りに松涛の街(渋谷から至近の距離にある)を歩いてみるかな。
閑話休題。

妻とテニス練習をした。妻の上達ぶりが際立っていて、大変に嬉しい。
盆過ぎに長野にあるテニスコートで二人楽しむ予定だけれど、これでかなりいい線まで、お互いにラリーできるのではと期待している。
Posted at 2011/08/12 23:36:57 | コメント(2) | トラックバック(0) | 書評 | 趣味

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「@ゴロンドリーナ この間はお会いできてよかったです。ホントにチバラギ界隈がご無沙汰でしたので。
本当に甘くて美味しいですね🍈」
何シテル?   06/14 23:38
帝都東京の地を根城とし、四方八方と旅する行動力の塊がワタクシ、ワルめーらでございます。 東京から大阪くらいまで(往復で1000キロ程度)なら日帰りで行き帰りす...

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