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2010年10月24日

〔過去試乗記〕 トヨタパッソ1.OX

日産マーチ試乗インプレッション、編集中…

その間に、マーチの感想を言う前に振り返っておくべき1台、トヨタパッソの過去試乗記をお届けします。今現在このセグメントの国産はいわゆる「二分化」していますが、その一方の際たるポジションにいるのが、このパッソ。クルマ好きからは一番距離の遠いクルマ…かもしれませんが、この清き割り切りっぷりと現実志向は、トヨタのマーケティングおそるべし、と言ったところ。

少し言葉が悪いですが「この程度の出来」のクルマでさえ、キチンと商品としてそれなりに売れてしまうあたり、一般ユーザーとクルマ好きユーザーの価値観の剥離に改めて気付かされてくれる1台でもあります。それが良いか悪いかは別にして、現実主義「車」としてのパッソには、少し視野の根幹を揺さぶる「ユルさ」がそこに存在します。




トヨタのパッソに試乗する機会があったのでレポートしたいと思います。テスト車両は売れ筋と思われるベーシックな1.0LのX。ボディカラーはどれも特徴的な名前がつけられていますが、この色は「キナコメタリック」という薄茶色。

ボディサイズは先代から全長が若干伸びただけで、全幅も5ナンバー枠いっぱいではなく1665mmに抑えられました。最小回転半径は13インチ仕様で4.3m、またピラーの形状最適化やサイドのウエストラインが下げられた事により、解放感や視界の良さは抜群。まだ運転に慣れていないビギナー層に喜ばれそうなポイントです。愛嬌たっぷりの大きな明るいヘッドライト、またLEDのリアテールもポジション時とブレーキ時の点灯場所が異なっており、後方からの視認性も良くなっているのは○。



インテリアは直線志向でシンプルにまとめられており、先代に比べて格段に質感が向上しています。小物入れの数、形状も使い勝手よく考えられており、ダッシュボードが低いおかげで閉鎖感もなし。ただそれはあくまで先代比であって、同クラスコンパクトと比較すれば、価格なりの出来。しかしながら開発コンセプト自体そこを狙っているのでしょう。「チープだけどオシャレ」という目的は達成できているように思えます。



シートはイマドキ珍しいヘッドレスト一体型のハイバックタイプ。しかし見た目よりはサイズもサポート性も結構マトモで、「+Hana」のヘッドレスト別体ベンチシートよりも、むしろ好印象。しかしながら女性ユーザーの事を考えるならば、シート座面やベルトアンカーの調節は欲しいところです。



さて走った印象は、まず1,0L3気筒エンジンのフィーリングは幾分改善されたように思えます。プルプルとした微振動や「いかにも」な安っぽい排気音も無視できる範囲ではないものの、かなり抑えられた印象。とはいえ、プレミアムコンパクトを謳うiQならば難癖をつけたくなるものの、このパッソの雰囲気とポジションを考えれば、この3気筒のフィーリングとのミスマッチさも感じられません。また、先代の4速ATからCVTと変わったおかげで、限られたパワーをさらに無駄なく有効に使えるようになり、900kg+αの軽量な車重に対して必要十分な動力性能。価格的にもグッと高くなる1.3Lの存在意義は全く感じられない、と言いきってもよいでしょう。燃費も高速6割一般道4割、渋滞にも遭遇しエコランをほとんど意識しなかったのにも関わらず、19km/L台と実用燃費はかなり良さそうです。

ハンドリング、乗り心地、ステアリングフィール…云々は、このパッソに関しては多く語る必要のないクルマ、かもしれません。ハンドルは軽く、ブレーキもよく効き、女の子が運転しやすいと感じる要素は確実に抑えています。逆に言えば、クルマ好きの心をくすぐるような乗り味や楽しさは皆無。軽量コンパクトで数値以上によく走るだけに、それらを押さえていればとても面白い素材になるのに・・・と思ってしまいますが、これもある意味マーケティング重視の超現実主義「車」としての役目はキチンと果たしていると言えます。



ただ1つ、タイアサイズに関してだけは注文を。今時いくらコンパクトとはいえ軽量とはいえ、155の80扁平の13インチはあまりにキャパシティ不足。別にスポーティな走りを意識しなくても、ちょっと速いペースで曲がるとすぐにド・アンダー、そしてちょっと素早いハンドル操作をすれば、リアがズルッとスライド。やはり最低限のスタビリティを考えれば、オプションの14インチタイアは装着しておきたいところです。7万円少々でVSCを装着すれば14インチはセットで付いてくるだけに、こういった運転に関心のない女の子に多く選ばれるクルマだからこそ、ぜひマストでお勧めしたいオプションだと言えます。

こういったパッソ・ブーンのようなクルマは、クルマや運転に全く関心はなく、けどもナノイーという言葉には反応する…そんな女の子に気に入ってもらえるかどうか、それが全てなのかもしれません。そういった透き間ポジションにも抜け目なくラインナップする事ができるのが、トヨタ…または日本車独自の強みなのかも。ただ確実に勢い迫る中国車などの脅威を考えれば、こういった日本が得意とするクルマ作りだけでは生き残っていけないのかもしれません。アジア市場をも視野に入れる割安な層をいくのか、それともVWポロを代表する欧州プレミアムコンパクトにも勝負していくのか…もうすぐ登場予定の新型マーチ、次期ヴィッツ、フィットハイブリッド………今後の日本車の明暗を分けるのは、このクラスでどういった舵取りをしていくのかにかかっているのかもしれません。

ブログ一覧 | トヨタ | 日記
Posted at 2010/10/24 01:08:48

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この記事へのコメント

2010年10月24日 6:57
「クルマってこんなもんでしょ」という、軽自動車の弊害のように思えます。クルマの性能を消費者が見抜けない構造を、問題視すべきかもしれません。
コメントへの返答
2010年10月25日 0:12
まだ限られた枠で様々な提案がなされている、軽自動車のほうが志高し、かもしれません。

個々で求める性能が違うのは当然ですが、最低限超えるべき性能のラインの底上げというのは、これから日本車が問題視するべきでしょうね。

話変わりますが、マツダ車特別試乗会、当選されたようで羨ましいです!

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