
さて、忙しさに苛まれて、すっかり月1更新ペースとなってしまいました。苦笑
バイトと就職活動の両立、セミナーや説明会に参加するためにバイトを休み、けどバイトを休めば収入が減り生活も就活の交通費も厳しくなり、けど説明会の予約を早い者勝ちで取りやり繰りするだけでも大変で、そしてバイトもすぐ代わりを見つけなければいけない…という悪循環の中、大学ではテスト期間に突入するという、まさに地獄(笑)の週間をなんとか乗り切りました。幸い単位取得には余裕があるので、留年や卒業できないなんて事にならないのが救い。テスト種目も最小限で済みました。あぁ、過去の自分に感謝。笑
経団連やら色々で就職活動の開始時期を模索しているそうですが、せめてやはり2~3月くらいにしてもらいたいですねぇ…と言いつつ、すでに始まっちゃってる2012卒の自分にはもう関係のない事ですが(苦笑)
さて、大阪在住の自分は、移動という点でまだとても恵まれている方なのですが(大きい規模でだと、東京か大阪、あとは名古屋が会場のメインでしょうか)説明会の予約状況次第では、東京へ足を運ぶ事も多くなってきました。ばびゅんと新幹線で2時間半?いえいえ、そこは予算優先で8時間かけて深夜バス。これが寝れないし狭いしツライ…運転大好き人間としては、自分で500kmちょいをピュッと運転して行く方が楽なんですけどねw
さ、前置きが長くなってしまいました。そういうわけでせっかくの東京行、説明会が終わりバスの時間までかなり余裕があったので、ずっと前から行きたかった池袋のアムラックスへお邪魔しました。目的はヴィッツとFJクルーザーの試乗。現在45分タイムレンタルが無料!という太っ腹な企画を開催中で、ちゃっかりこれに便乗してきました。
で、ヴィッツはまぁのちのちにしまして、今回最大の収穫だったのが、FJクルーザーの思わぬ良さに気付けた事。個人的にはMINIやフィアット500など、クルマとしての出来には共感できるものの、過去へのオマージュを現在のコンプライアンスの中で実現しようとする、ノスタリアズム?の傾向はあまりそう好むものではありませんでした。過去を美化し過ぎる傾向も。「あの頃はよかった」だけでは、技術もデザインも進歩しません。伝統は時として呪縛にもなります。
それに、FJクルーザーの北米デビューは2006年。中身は先代プラドがベースであり、技術的にも大してポイントがあるわけでもありません。むしろ、最新か否かで言えば、間違いなく「古い」1台。というわけで、雰囲気だけのクルマ、ということで舐めきっていたんですね。
…で、実際乗ってみました。結論から言うと、もうなんかすいませんでした。国産も「たまには」こういったプロダクトでクルマ作ってってください。…最初と言ってる事が真逆です(笑)。しかも、たまに?なぜこんな心境になったのか…は、追々。
さて、試乗車はベースモデルのブラック×ホワイトの2トーンカラ―。装備充実の「カラ―パッケージ」や、ビルシュタインサスをもつ「オフロードパッケージ」もありますが、装備的にはこのベースモデルでもなんら不満なし。「デフロック」やら「アクティブトラクションコントロール」やらオプションは豊富で、カタログを眺めるだけでも色々と妄想が…。
そんな中、個人的に「付けなくてもいい」と思えるのがアルミホイール。純正サイズの17インチアルミや、60扁平20インチのアルミも用意されていますが、このクルマには間違いなく「鉄っちんホイール」が一番サマになっていると感じます。70扁平17インチのバカでかい迫力ったらありません。(ちなみに純正17インチは265幅、オプションの20インチだと245幅と20インチのほうが若干幅狭に。最小回転半径はともに6.2mで同一。)
ブラック×ホワイトの鉄っちんホイール姿…いやぁー、カッコいいですね。欲を言えば、こんなにピカピカじゃなくて、いたるところそこらじゅう泥っだらけのほうが、さらに雰囲気が良くなるかもしれませんw。もし自分がオーナーなら洗車なんてせずに、徹底的に汚れさせておいてそのまま放置、なんてのもアリ?事前に「もし乗るなら…」と想像していた仕様そのままバッチリだったので嬉しさ2倍。もちろん、鮮やかなブルーやイエローの展示車もいい雰囲気でした。
さてドアを開けて、運転席に「よじ登り」、ドライビングポジションをとると、目の前に広がる景色は今まで経験したことのないもの。幅はバカでかく、しかし天地方向はとても狭く、ポジション自体は案外足を投げ出すような乗用車的感覚で、けどもアイポイントは尋常じゃなく高い。まるで正方形の箱に閉じ込められたような感覚で運転することとなります。視点の高さは4トントラックと同じ、そしてグラスエリアがトラックの半分以下でスポーツカーのよう、と言えば、なんとなく想像していただけるでしょうか。その証拠に、フロントワイパーは短いブレードの3本拭き。見た目だけの演出でなく、こうでもしないと雨の日は前が見えません。笑
インテリアの質感は…なんて、このFJクルーザーには愚問でしょうか。300万円ちょいという、見た目にしては割安に感じられる分、高級感を味わうところは皆無。しかし、グローブ装着前提で操作性を考えられているおかげで、シフトノブも、エアコンも、各レバー類スイッチ類がとにかくバカみたいにデカく、操作性は極めて良好です。試乗車はブラックなので、内装パネルの色もブラックなので一見地味な印象ですが、ボディカラーとインパネが同色となるので、とくにイエロー・ブルー・レッドはかなり目立ちます。運転中これほどまでに自分のクルマのボディカラーを意識させるクルマはそうありません。運転席からは、だだっ広いボンネットも常に視界に入ります。
ステアリングは思っていたよりも小径でグリップも細く、パッと乗った印象では案外取り回しでのステア操作は楽…なのは錯覚で、全長こそ常識的ながら、このボディ形状と大きさ、そして特殊な視界では取り回し性は国産乗用車最難関の分類に入ります。とりわけただでさえ狭いリアガラス面積をさらに覆うスペアタイアのおかげで、後方視界は最悪。かつてのいすゞ・ヴィークロスを思い出させます。ドアミラーが縦長なおかげで、ミラーtoミラーはなんとiQとほぼ同じ!との触れ込みがありましたが、そのiQのミラーtoミラーの数値自体が、アウディA4よりも大きい事を知る人はそういないでしょう。デカいタイアとオーバーフェンダーで、車幅感覚…とくに幅寄せなどは、相当に神経を使う事は覚悟しておく必要がありそうです。ま、このクルマが気に入った人にはどれも気にならない事でしょうがw
そんなボディな割に、リアシートやラゲッジスペースが案外広くない事も知っておく必要があります。RX-8と同じ方式の観音開きドアも使いやすいとは言い難く、リアシートの足元スペースは、狭いとまでは言わないものの、あまり長時間座りたいとは思えません。ラゲッジもフロアの高さ、その割に低い全高、短めの全長で思ったほどの広さではなし。申し訳程度にハッチガラスが付いていますが、こんな狭くて高い位置だとさして便利でもなんでもありません。苦笑
エンジンは4.0LV6。組み合わされるのは5速ATで、シャシーはフレーム。X-REASもビル足もついていない素の仕様。しかし乗るとさすがトヨタ車というか、荒れた路面や少しスピードを上げた時、コーナー時にモノコックとは違う事を意識させられますが、普通に走ればなんら違和感なし。乗り心地もいたって快適。パートタイム4WDなので街中だと常時FR状態で走らなければいけないのは少し残念ですが、ファッションでこのクルマを乗るユーザーには別にどうでもいいのかもしれません。ブレーキもストッピングパワーはこのクルマには必要十分。ロール・ピッチ・ブレーキング時のノーズダイブの大きさ、コーナリング時の挙動変化の大きさ、高速走行時の緊急回避時のスタビリティうんぬん…このクルマにそのようなオンロードで飛ばした時の云々を言うのは、愚問というところでしょう。のんびりまったりクルージングするには最高です。
エンジンは低速からトルクたっぷり、踏めば上までシュンとキレイに回ってくれます。車重を考えれば、十分にパワフルで余裕ある動力性能と言っていいでしょう。欲を言えば、ちょっと排気音がジェントルすぎるというか、優等生すぎるというか。ここはマフラーなどの排気系チューンでもっとドロドロとした迫力あるサウンドを……それか、むしろディーゼルの方がこのクルマのキャラクターにマッチしているかもしれません。
通信簿的に見れば、項目別で点数をつけると、良いポイントはさしてなく、逆に気になるところを挙げればそれはいくつも出てきます。しかし、なぜかこのクルマ、別に飛ばさずとも、街中を走るだけで、とにかく楽しいんですよね。もう運転しながら笑っちゃうんです。ニヤニヤしながら「良いわー良いわーこれ。」ってドライブが楽しめる。一応評論的に文面を色々書きましたが、正直そんな事、そんな基準はどうでもいい。クルマとしての商品的価値は間違いなく高い。逆に言えば、カイエンやレンジならともかく、今売ってるプラドやランクルになんて、自分は全く興味が湧きません。けど、このFJクルーザーなら、気になる…否、むしろカタログを見ながら「自分が乗るとしたら、あーでこーでこうしてああして、仕様が決まったらここをああいじって…」とついつい妄想が広がってしまう。
それはやはり、クルマ全体が醸し出す「雰囲気」の良さなのでしょう。いわゆる「右脳」タイプのクルマ。もちろん「左脳」部分…メカニカルな面も決して、優先しないというわけではありませんが、結局その部分に関しては、よっぽど工業製品的に突出して優れたレベルのものでないと、購入意欲をそそられないわけです。今のトヨタにそちら方向で訴えてくれるクルマがあるか?残念ながら、片手で数えられるほどしか個人的にはありません。それでも、クルマ好きにとって自分はまだ寛容派なほう。他の方ならトヨタ、否、国産車で欲しいと思えるクルマなんて、ない!という方も多いのでは。
ただ、個人的にそんな状況を嘆いたとしても、それを武器に批判しようとは全く思いません。それは同時に新型ヴィッツに乗り、その「温度差」をもうマトモに感じたから。それは、大衆を狙うのか、それともアウトローを狙うのか、で違ってくるのだと。おそらく普通の感覚をもったユーザーなら、確実にこのFJクルーザーなんて眼中に入らない事でしょう。FJクルーザーの魅力に触れ、トヨタの現在のクルマ作りを批判する自動車ジャーナリストが一部でいるようですが、そんなものはナンセンス。やるならば、それは徹底的に左脳視点で、ダイナミクスや安全性を追求提言すればいい。むしろ個人的には、そう感じた時点で、「あぁ、やっぱクルマ好きって、自分って、世間の価値観からズレてんだなぁ」という事を改めて認識した、そんな感じです。
いやー、つくづくクルマ作りとは奥が深く、そして難しい。もちろんこれは本流じゃありません。メイン車種までこんなぶっ飛んだ事しろ、強烈な魅力をもっと盛り込め、なんて言うのは滅相もありません。パッソだってヴィッツだって、カローラだってヴォクシーだってアルファードだって、どーぞどーぞたくさん作って売ってください。偏差値が優秀ということ、それで良く売れるということ、それはそれは素晴らしい事ですし、資本主義の企業としての基本であります。
けど、けどですね。下から上まで幅広いラインナップをもつメーカーならば、このFJクルーザーの「楽しさ」みたいな感覚を持ち合わせたクルマが、もう少しあってもいいんじゃないですか?バカみたい、無駄こそ正義、そんなはっちゃけたクルマが、もう少しあってもいいんじゃないですか?それでユーザー層がさらに広がれば、儲けもんですよ。だって、「企業」といえども、「『自動車』企業」なんですもの。基本ができれば、応用でちょっとおふざけしてもいいんじゃないですか?トヨタさん。ちょっとだけでもいいから、「夢」を売る仕事、でもあると思うんですよ、クルマって。
あ、そういえば、オートサロンではだいぶ「おふざけ」されてましたね。別に一般の方から白い目で見られても、会社の内部で批判が出ようとも、たまにはいいじゃないですか。僕ら「アウトロー」な人間が、とっても楽しみにしてますよ。ね?トヨタさん。
そうだなぁ…巨大化しすぎて、なのに今じゃ3列シートの北米仕様をそのままもってきたヴァンガードのほうが売れちゃって、全く存在感がなくなっているRAV4を、思いきって最近流行りのアンダー2Lクラスまでダウンサイジングして、ジュークやRAV4、もうすぐ登場するマツダCX-5に対抗するべく、このFJクルーザー風のデザインにして売るなんてどうでしょう?ハマーH2→H3の流れみたく。実際FJとH3が同じ大きさだけども。そうすれば日本でも、いやトヨタさんが苦手とするヨーロッパでも、結構いける、かも?そこんとこ、いかがでしょうか?
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トヨタ | 日記
Posted at
2011/02/01 00:15:17