
しばらく時間が空いてしまいました。
昨年末から戦い続けてきた就職活動ですが、先日ようやく某社から内々定を頂く運びになりました。とりあえずはホッと一息…しているつもりなのですが、続いて卒論やらバイトに追われ、のんびり休むにはまだまだ時間がかかりそうです…(苦笑)
というわけで久々の更新は、以前告知していたポルシェボクスターの試乗記です。書きたい内容がもう多くて、いつも以上に長く…そのあたり、ご了承を…^^;
ポルシェ…。
フェルディナントポルシェ博士をルーツに始まり、数々の名スポーツカーを生み出してきた、シュトゥットガルトに本社を置くメーカー。クルマ好きならずとも必ずや1度は耳にした事のある、ポルシェという名の響き…。
クルマを愛する者として、その名を意識しなかった事はありません。しかしながら、それは憧れであり、手に入れるクルマという概念は持ち合わせていませんでした。ただ、散々クルマ雑誌を読みふけっていたクルマオタクが実際に免許を取り、ドライビングの世界を覗き始め、国内外いろいろなクルマを体験していくうちに、このポルシェというメーカーが放つクルマたちが、なぜ、これほどまで強烈に支持され続けるのか…その疑問を、常に抱き続けていました。
雑誌での試乗文面や、今は亡きベストモータリングで見る国産勢とは格の違う走りのレベル。キャスター勢の驚嘆。確か92年の号、冒頭で徳さんが930の前で語り始め、その後は964カレラRSやガンさん928(オートマ)を交えてのバトル、清水さんのポルシェ解説なんかもあったなぁ…今でもすぐ思い出せるくらい、それだけ鮮明に記憶に残っているあのポルシェの残像…
さて、前置きが長くなりましたが、そんな憧れであり、どんなもんなのかと妄想し、いつか乗りたくて乗りたくて仕方のなかったポルシェに、今回幸運にも22歳にして、たっぷりと乗る機会に巡り合う事ができました。
987型ポルシェボクスター。ポルシェのラインナップの中では、廉価版(!?)と言いつつも、だからといってポルシェ濃度が薄い…という事は、世界中の評判を見る限り、全くなさそうです。ポルシェとはなんたるものか!を味わう事に、全く不足はありません。それに、個人的にも、911よりボクスターのほうが好き…(笑)
というわけで今回のテスト車をご紹介。ソリッドブラックの標準仕様ボクスター。前後にLEDライトが施される2010年モデル。唯一の「非」直噴の2.9Lに、7速PDKの組み合わせ。右ハンドル。「2速発進が基本で、実質的に4速ATと変わりない」と言われていた5速ティプトロではなく、幸運にも最新の7速PDKでボクスターを味わえる事となりました。
またオプションとして、キセノンヘッドライトやシートヒーター、フロアマット、ウィンドディフレクターなどが装着されていました。もっとも、「オプション詐欺」で有名なポルシェ。素の状態での装備の貧弱さについては、知らない人ならビックリするはず。今回のテスト車両は、最低限の必要とされるであろうオプションを装着した、日本に輸入されている割り当て生産枠の基本的な仕様と見ていいでしょう。逆にこの基本4点セットを装備せず、わざわざ何にもついてないモデルを本国オーダーする人なんていないのでは…。ちなみに、この4点で約35万円。他に触手が伸びるようであれば、さらなるエクストラを要求されることに…いやぁ、さすがポルシェ。(笑)
ちなみにですが、ポルシェはMT=左ハンドルという時代遅れの定説がいまだ根強く、国内市場で右ハンドル+MTの組み合わせは、そうそうお目にかかる事ができません。例えば中古車情報でも、右ハンドル+MTという組み合わせで検索すれば、全国規模でも数台しか出てこないという、そんな状態。
さてさて、ポルシェ事情を話したところで、今回一緒に過ごす事を許されたボクスターへと話は移っていきます。まず第一印象は、ブラックのボディカラーとも相まって、思っていたよりグッと引き締まってコンパクトに感じた事。ボクスター(986)がデビューしたのは96年ですからもう15年前。その時に周りのクルマに比べてとても大きい印象を持っていましたが、よくよく考えればマツダのロードスターだって、まだ初代NAを新車で買えた時代でしたから、周りのクルマが相対的に随分と大きくなったのも影響しているのかもしれません。987で前後デザインが大きく変わり、そして09年のマイナーチェンジで前後には流行のLEDテールを採用。基本的なプロポーションは15年前と大きく変わっていませんが、古臭さなどは全く感じません。
さて、ドアを開けて室内に乗り込みましょう。低い位置にあるドアノブは斜め上に引き上げるような形で引く事ができ、キチンと開閉のし易さを考えられた設計。ドアはドイツ車らしいずっしりとした重さ。そしてシートに座り、重いドアが「ガシッ」と歯切れのいい音を立てて閉まる、その瞬間ですでにもう、ボディの堅牢さをヒシヒシと感じる事ができます。
インテリアの質感は、価格を考えれば並。安っぽい部分もないですが、価格相応という感じもしません。まぁもっとも、ポルシェにインテリアの豪華さなんて自分は求めませんが、高級車だと思ってポルシェをポンと買うようなセレブの方は、大人しくアウディあたりを買うほうがよさそうです。個人的には、シンプルですっきりとまとまっており、各スイッチの場所もすぐに認識できる分かりやすさは、運転環境に最適で大変好印象でした。
09年のマイナーチェンジで、クラリオン製のHDDカーナビが標準で装着されるのは嬉しいポイント。やはりナビの使い勝手は日本製が一番だと改めて認識。モニターの位置がやや低めではありますが、実際にはさほど不便には感じませんでした。助手席の前の細長いフタをポチッと押すと、中からカップホルダーがニョキっと2つ出現。ポケット類も色々と用意されており、実用性は十分。
また実用性と言えば、ラゲッジ容量についても言っておかなければなりません。ボクスターはMRなので、前後にトランクスペースがあります。エンジン後ろのリア側はもちろんの事、意外に便利かつかなり広いのがフロントのラゲッジスペース。今ではスペアタイアもレスとなり、深さ・形状ともにかなりのもの。大きいものをドカンと!とはいきませんが、前後合わせればかなりの量の荷物を積む事ができます。
シートは前後と高さ調整は手動で、リクライニングのみ電動。調整量の大きさはステアリングのチルト・テレスコとも相まってさすが!ステアリングに合わせるとペダルが窮屈で、ペダルに合わせると…なんて事もなく、すぐさまベストポジションをバッチリと決める事ができました。 ステアが近めなポジションが好みな自分は、大抵テレスコ装着車だと一番手前の位置まで引っ張ってくるのですが、ボクスターの場合自分のベストの位置よりもさらに手前にまだ調整幅の余裕がありました。
さて、色々と見回ったところで、エンジンをかけましょう。セルが回ってドルンとボクサーエンジンらしいサウンドが後ろから聞こえてきます。エンジンが温もる前までは、若干背中に「振動」ではなく「横揺れ」の波動が伝わってきますが、しばらく暖気をするとそれも落ち着いてきます。目の前にはセンターにタコメーター、そして左側のスピードメーターは数字が50km/hごとなので、日本の公道の法定速度内ではほとんど役に立たない(笑)ので、タコメーター内のインフォメーションモニターに速度をデジタル表示に。実にカチッとした感触のシフトセレクターを動かしてDレンジをセレクトし、ゆっくりと走りだします…
と、随分と長くなってきたので、この続きは後篇にて…。
ポルシェとはなんたるか。その実力の高さと凄さを、動き始めて、まさに数m、1つ段差を乗り越えた瞬間から、まざまざと実感し始めます…。
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ポルシェ | 日記
Posted at
2011/06/06 23:15:35