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2011年06月19日

New!試乗記 ポルシェ ボクスター 中編

New!試乗記 ポルシェ ボクスター 中編
さて、ボクスターの試乗記の続きです。
前編からこちら。







外から眺め、ドアを開け、シートに座り、エンジンをかける。ポジションを合わせ、一通りチェックを済ませて、いよいよ走りだす事にしましょう。

シフトノブをDレンジへ、ブレーキを離しゆっくりと動き出します。このあたりでの、人が歩くスピード程度の速度域でも、PDKの発進マナーは極めて良好。DCTにありがちな唐突さを感じる事なく、あくまでもナチュラルにスムーズな動き出しです。

ステアリングはスポーツカーらしいずっしりとした重さ。しかしただ重いだけでなく、その中から手の平に伝わってくる硬質感と、ラックとピニオンがカッチリと精密に噛み合っているのを感じ取れてしまえそうな、そんな実に濃密なステアリングフィール。間違いなく、今まで自分が体験してきた車たちの中でベスト。ほんの歩くようなスピードで、ゆっくり動き出し、歩道の段差を超えて角を曲がった瞬間、たったこれだけの領域で、ここまでやられてしまうとは。これが、ポルシェなのか。若輩者のクルマオタクはこの時点で慄くばかりであります。


さて、走り慣れない東京の街中、それも皇居付近の都心ド真ん中。それでもやはり東京は大阪に比べてマナーがいい、というか、交通戦争っぷりが全然穏やか(笑)なので、ゆっくりとしたペースで落ち着いて街中を駆けていきます。

ステアリングが重めで、着座位置がいかにもスポーツカーという低さ、という以外はこういった街中の渋滞でも扱いにくい点は全くなく、いたって実用的。見切りもよく、ハンドルもよく切れ小回りも効き(ちなみに、最小回転半径は5.2m)、幌を起こしていても斜め後方の視界は極端には悪化しません。このあたりはZ34ロードスターあたりのほうがよほど過酷です。

2.9Lボクサー6は255psと29.5kgmを発生させ、1400kgという車重に対してカタログスペックで見る限りは十分に高性能ですが、こういった街中では約3Lという排気量から想像するほどの低速トルクはなく、また燃費志向のセッティングですぐさまポンポンとシフトアップをする7速PDKの味付けとのマッチングもあり、流れの速いストップ&ゴーでは、ちょっと意識的にアクセルを開ける必要に迫られるように感じました。さらなる上を望むのであれば、3.4L直噴のボクスターSならば、こういった事も感じないでしょう。

また、エンジンサウンドも、街中領域…3000回転程度ならいたって普通の静かな実用車チックで、「ポルシェ」という名前に期待を込めていると「アレっ?」っと少し拍子抜けしてしまうかもしれません。運転しているとボクサーエンジンらしい鼓動はキチンと感じられますが、早く上までぶん回したくなるような、そんなゾクゾクさせてくるような高揚感を味わせてくるような感覚ではありません。…もっとも、この印象は後に大きくひっくり返される事になりますが、それはまた後で。笑




さて、試乗当日は実は生憎の空模様。次の日は雨の予報でもあったので、少し運転に慣れてきたところで、首都高に乗り都心を脱出する…その前に、オープンで走りだす事に。都心ド真ん中で嫌でも目立ちますが、そこはまぁ横に置いといて…

ボクスターの幌は電動開閉式。ですが最初と最後のロック部分は手動。この価格帯の他車ならフル電動ではありますが…ま、細かい事は気にせず、ロックを左手で解除して、センターコンソールのオープンボタンを長押し。開閉自体は20秒ほどですぐに完了しますが、それよりも嬉しいのは、幌車の利点である「走行中でも開閉が可能」という事。40km/h程度までならクルマが動きながらでも開け閉めできるのですが、これが実際に使ってみると想像以上に便利。完全停止を迫られず、ノロノロ運転時にサッとボタン1つで開け閉め可能なのは、最近流行りのメタルトップ車ではできない芸当です。簡易的な手動開閉式のボクスタースパイダーは、1250kgという軽量さが武器ですが、この便利さを味わってしまうと…ジェームス・メイみたいに、自分はずぶ濡れにはなりたくないと思う側の人間ですw(TGより)



さて、殺伐とした都心を脱出するべく、首都高へ。そろそろボクスターらしい走りを味わうべく、エンジンも十分に温もってきたので、ここは登り合流ポイントでマニュアルモードへシフトノブを倒し、前方が空いているのを確認、後方との位置関係にも目を配り、一気に2速へシフトダウン、アクセル全開!!先ほどまで普通すぎて拍子抜けしたエンジンフィーリングは、タコメーターでちょうどてっぺんの4000回転付近を皮切りに、いよいよ本領発揮、っと乾いた抜けるような「ポルシェサウンド」を響かせながら、アクセルに対し抜群のレスポンスで、クォォォォォォォォーン!と4000、5000、6000…、2速レッド7200回転で、速度計はすでに3桁…おっと、いけないいけない…。

いやー、しかし、なんて気持ちいいことか!屋根を開け放っている事もありますが、やはり踏んで上まで回してみると、俄然この2.9Lエンジンのスポーツユニットらしい本性が表れてきます。決してツインロケット的な、そんな強烈で爆発的な加速Gではなく、いかにも気持ちいいNAユニットらしいレスポンスと、回すにしたがって切れ味を増していくエキゾーストノート。このあたりの雰囲気と気持ち良さは、Zはまだまだ大きく敵わない…という事を改めて実感。

シフトノブをDレンジに戻しアクセルを一定に巡航モードに入ると、PDKはすぐさまポンポンとシフトアップしてトップギアの7速へ。首都高を7速ギアでクルーズしていると、エンジン回転数はわずか1500rpmほど。100km/h巡航でも2000回転に届かないというかなりのハイギアードっぷり。スピードメーターとにらめっこしていると、7速の守備範囲は67~8km/hからということで、ほとんど高速域専用ギアと言えそうです。

さて、首都高に入ってもう1つ感じた事。それは、乗り心地の良さ。…いや、ただ単にこんな簡単な言葉で片づけてしまうのは語弊があるかもしれません。とにかく、もう、抜群に、良い。乗り心地が終始快適そのもの。下手なプレミアムセダンが逃げ出すくらいの素晴らしいコンフォート性。むしろ、スポーツカーなのにこんなに乗り心地良くていいの?もう少しゴツゴツしたほうがいいんじゃない?と余計な心配をしてしまうくらい。

驚くべきは、前回も書いたように、今回のほぼ素のボクスターなので、大変定評のあるPASM(ポルシェアクティブサスペンションマネジメント。可変ダンパー)が装着されていない、コンベンショナルなサスペンションでこの出来という事。いったいPASM付ならどれほど凄いレベルなのか…。



また、乗り心地面で大きなポイントとしてあげられるのはタイアサイズ。テスト車はミシュランパイロットスポーツを履いており、サイズはF205/55R17、R235/50R17というボクスターの基本サイズ。イマドキこの程度の扁平率なら軽でも驚きませんが、このちょっとハイトの高めのタイアのおかげもあって、乗り心地面ではPASMなしでも全く問題なし。逆に言えば、18、19インチサイズのシューズを履きたい、けど乗り心地は犠牲にしたくない…という、そんなワガママな欲望を叶えてくれるのがPASMなのかもしれません。17インチは正直言って、見た目的にちょっと物足りないかなぁ…という印象でしたが、乗れば抜群のトータルバランスを見せてくれます。…でもやっぱり、最低18インチの踏ん張りは欲しいところでしょうか(苦笑)。

さて首都高から次は関越道へと抜けて、徐々にペースを上げていきます。乗り心地は、むしろ速度を上げていくほど快適になっていくような印象。終始路面に対してピタッとフラットな姿勢で、ハーシュネスの処理も完璧。フルオープン状態でもボディはがっしりとしていて直進性は抜群、矢のように進んでいきます。フロント荷重が少ないミッドシップながら、ステアリングから伝わるフロントの接地感の良さは驚異的とも言っていいほどで、アクセルを開けていき140~150km/h程度なら鼻息混じりで楽々クルージングレベル。…さすがに免許の心配もあるのでこのあたりで抑えましたが、状況が許せば200km/h巡航で数時間走りっぱなし、でもなんら問題なさそう。120km/hを超えるとニョキっと出現する、リアスポイラーもちゃんと効果が出ているんでしょう。

さすがドイツ車。いや、ポルシェ。他のメルセデスやBMWなどよりもさらに濃く、味わい深いドイツ車の世界を垣間見る事ができました。

さすがにこれくらいの速度域になってくると風の巻き込みも結構なレベルですが、法定速度+α程度なら、ディフレクターのおかげもあって、普通に会話や音楽を楽しめるレベルにあります。また、強烈に良く効いてくれるシートヒーターも、冬場のオープンエアの強い味方になってくれることと思います。



さて、1日目もそろそろ終盤…ここでまたまた最後にサプライズ。ご覧のメーターパネルの画像に注目。ここまで約100km、うち半分以上が渋滞区間で、高速に入ってからもエコランなんて全く意識せず。なのになんとメーター上では10.1km/Lの表示。躊躇せずアクセルを踏んでおきながら、3Lクラスのスポーツカーでひょいとこんな数字を眺める事ができる…おそるべし。淡々と高速ステージでエコランを続ければ、ひょっとしたら物凄い数字が…


なんて事も一瞬頭をよぎりましたが、限られた時間、せっかくのポルシェと過ごせる時間をそんな事には使いません(笑)


ここで1日目終了と同時に、文面も長くなってきたのでレポートは次の後編と続きます。次は引き続き高速ステージから、クルマ好き、スポーツカー好きには大好物、本領発揮のワインディングインプレッションへ。いやーここまでですでにこの絶賛っぷり。いったいどうなることやら…(笑)
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Posted at 2011/06/19 23:48:16

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この記事へのコメント

2011年6月20日 5:53
やはりポルシェはポルシェなのですね。

驚くのは、乗り心地と燃費です。

良い事は十分に分かりましたが、何でだろう・・・・? 普通じゃないよね・・・?? 

ぜひ、国産車も研究し、追いかけていって欲しいですね。
コメントへの返答
2011年7月2日 22:11
ロードスターの主査である貴島さんが、長年自動車のエンジニアリングとして目指しているのはポルシェ。と断言していた理由が分かったような気がします。

自動車屋さんにも、憧れの1台なのかもしれません。
2011年6月22日 14:23
こんにちは

ポルシェ・・・、段々乗ってみたくなってきました~。
コメントへの返答
2011年7月2日 22:11
乗れば乗ったで、絶対に無理なのに、次は欲しくなってきてたまらなくなってきてしまってます…^^;

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