
前回、納車報告を掲載してからはや1ヶ月。8年落ち3.1万kmという良質個体、手元に入れてからのマイレージは早くも4000kmを追加し、オイル交換のサイクルに。相変わらずの、低走行良質個体を過走行個体に変貌させる道楽?は変わっておりません。
さて今回、何故にレガシィB4を新たに迎える事になったのか?前車EP3シビックタイプRは、素晴らしいVTECエンジンと特徴的なインパネシフトのクロス6速MTがもたらすNA4気筒では世界最高峰と言っても過言ではない魅力的な加速フィーリング。その割に軽々と街乗り10km/Lを超える燃費。足回りはガチガチながら、それを見事に吸収し疲れを全く感じさせずどこまでも走り続けたくなる純正レカロシート。3ドアながらリアシート、ラゲッジスペースともに広々としたパッケージング効率の良さ。街中で全く見かける事のないその希少性の高さなど…
今振り返っても魅力的な部分ばかり。昨年の秋口にMTオーバーホール&クラッチ・マウント交換を行い、今年春には17インチタイヤホイールを新調した事からも分かる通り、正直まだまだ車検を通して乗る覚悟でいました。
状況が大きく変わったのは、ちょうど秋頃。2年で4.5万kmというハイペースで距離を重ね、またサーキット走行なども行っていた事から、次第に経年劣化具合が顕著に。車検でフルコース20万円オーバーが確実となりました。そこでひょんな事から下取り価格を聞いてみると…なんと驚きの価格。これだけ2年間で酷使したのにも関わらず、次回店頭に並べるならば2年前僕が買った時と同じくらいの値付けで並ぶのでは…?といったほど。愛着があり、昨年のベスモ同窓会でも長く乗ろう!と決意したのに、いやはやクルマ好きの虫はタチが悪いものです^^;
そんな中、前ブログでも記したように、レヴォーグやWRXS4の登場によって、BP/BL型レガシィのオーナーの皆さんがこれでようやく買い換える車が登場した!→つまり中古市場にはおいしい展開、という事で、今回のレガシィB4と出会えたのでした。条件は先ほども書いた通り、ライン装着のメーカーオプションをフル装備しているだけでなく、サス・ブレーキ・ホイール・シフトノブなどの内外装に至るSTI製パーツてんこ盛りという、千載一遇の素晴らしい個体に巡り合えました。
納車後、一般的な街乗りからワインディング、高速ロングラン、ウェット、スノー、はたまたミニサーキットまで一通りのシチュエーションで試す事ができたので、その印象を記します。
最初は、何と言っても最大の特徴であり、この車を選ぶ最大の理由でもあった、エンジン。
EZ30-R型のNAボクサー6のこのエンジンのフィーリングは、K20Aから乗り換える理由に十二分に成り得る望外に素晴らしいもの。またEJ20型ターボとは違いチェーン駆動方式であるのも、中古車でしか手に入れられない事も考慮すると有り難い要因の1つです。この次に登場した排気量拡大版のEZ36型はトルクアップ分との引き換えに、可変バルブリフト機構が除かれレギュラーガソリン対応が成されている為、ユニットとしてのスポーツさはEZ30-Rが1番。あらかじめ分かり切った事を伝えると、レガシィというのはあくまでセダン・ワゴンまたはクロスオーバーSUV…アウトバック…つまりは実用車なのですが、このEZ30を載せる3.0Rシリーズの心臓は、完全にスポーツカーのそれ。
250psというピークパワーこそ3.0L NAエンジンとしてはごく一般的ですが、4500rpm~レッドゾーンの7000rpmまでの吹けの良さと滑らかさに関しては、本当に素晴らしいものがあります。またそれとの対比で、アイドリング~2500rpmの常用域付近のトルクの薄さは、3.0L NAエンジンとしては全く一般的ではありません(笑)。高回転を露骨に重視した意図的セッティング、このトルク特性、まさにこれは以前乗った987型ポルシェボクスターの2.9Lフラット6ユニットとまさしくオーバーラップする印象なのです。
ただ不満点がないわけではありません。そのトルクの薄さと上の気持ちよさも相まって、また基本的に回し気味になる事から察して、燃費の方はお世辞にも褒められたものではありません。ズボラな運転をしていると、街乗りで6km/L台という、最近ではなかなかお目にかかれない数値と対面できたりします。これでもこの後期型になって、低速トルクと燃費性能の向上が図られたというもんですから、前期A~C型はさぞさらに厳しいものだったかと。。。幸いこのシェールガスバトルによる恩恵で円安にも関わらずガソリン大幅値下がりで随分有り難いのですが、さすがにこれは少し厳しい^^; また、非常に気持ちいいフィーリングを持ってはいますが、サウンドに関してはかなり幾分ジェントルで大人しいセッティング。前車のシビックRのK20A+無限マフラーまではいかずとも、ちょっと手を入れたいな…というのは早々のインプレッション時点で既に考えに及んでいました。
というわけで、納車から1か月で2点ほど手を入れました。1つ目はEZ36用の点火プラグへ交換。そもそも水平対向エンジンはその特殊なレイアウトが故のメンテナンス性も考慮され、点火コイルや点火プラグに関しても、かなり高寿命で良いものが装着されています。しかしEZ36へのエンジン変更時に、中心電極がイリジウム針、外側電極に白金チップの突起を付け低速時での着火性能向上を図ったという事を教えて頂き、これはいいかもしれない…という事で入手。フラット6のプラグ交換は想像を遥かに超える難易度の高さで、かれこれ4~5時間ほど悪戦苦闘しながら何とか6本全て交換。
その印象ですが、これが結果大当たり。まず低速からのピックアップ、アクセルのツキがはっきりと変化をし、街乗り~高速まで全てSIドライブは「I」固定でも全く問題なく、登りもキックダウンする事なくスルスル加速…ようやくこれで3.0L…いや世の中の2.5Lくらい(笑)の低回転時の粘り、トルクを獲得。それに合わせて燃費の方も目に見えて向上し、街乗りで8km/L台を割る事はなくなり、高速ステージにいたってはスタッドレス装着の悪条件の中13km/L超え。今のところネガティブな部分は全くなく、大成功。このEZ36用プラグへの変更は是非お勧めです。
もう1つは、少しジェントルすぎる排気系。本当はエキマニから中間パイプからフルセットだ!…といきたかったところですが、これからの楽しみを残すために(本当は予算的な問題で)、ひとまずリアピースのみ。STIの4本出しとも悩みましたが、選んだのはHKS ESプレミアム。見た目はなかなか高級感と迫力があり、サウンドも適度にスポーティながらうるさ過ぎず。ちょうどいい塩梅を得られ今のところ大満足です。
次に足回り。この代のレガシィで、3.0L後期型でスペックBを選べたのは僅か1年だけ。その経った1年しか設定されなかったのが実に惜しいと思えるほど、この車のハンドリングを含めた動的質感の高さには、驚くものがあります。はっきり言って、大型化し軽快さがなくなった5代目は質感という面に置いて、ついぞこの4代目を1度も超える事ができなかったと思っています。名前が代わりレヴォーグになって初めて凌駕した…そう思えるほど、今年で9年落ちとは思えないくらいにフットワークのバランスの高さは◎(STI製の足回りが入っている影響も大ですが)。VTD-AWDの制御をこの時点でスバルは完全に物にしている感があります。ちなみにシューズはミシュランのパイロットスポーツ3。シーズンインをもって、最近パトカーでお馴染みなBMレガシィ後期17インチ+BSブリザックレボGZに履き替え、今年は雪山を目指します。
全体的なリアのスタビリティ、既にフレキシブルタワーバーがあっても最新車と比較すると拭いきれないボディの若干の弱さ(それでも絶対的なレベルではまだカチッとしています)、またステアリングインフォメーションがもう少し濃密なものになれば、今現時点でも通用するのでは。ステアフィールに関しては、春先に少し対策を施す予定。もっとも、電動ではない古典的な油圧式パワーステアリングのナチュラルさとその偉大さを、享受するには十分なスペックをもっています。レガシィでよくウィークポイントに挙げられるブレーキ。こちらに関しても、ステンレスメッシュホース+STI製ブレーキパッド(ダストが猛烈に凄い)のおかげが、効き・タッチともに1520kgの車重に対してプアなイメージは感じられず。
さて、またつい長くなってしまいました。また後々パーツレビューなども更新しながら、春先に再度総ざらえができれば・・・と。春のベスモ同窓会もコイツでお邪魔予定です。
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スバル | 日記
Posted at
2015/01/10 21:00:22