
前回の続き…を前に、少し四方山話。
現在この厳しい厳しいと言われ続け明るいニュースが全くない中、悲壮感も焦りも感じる間もなく就職活動を実践中。
今週末のマツダのセミナーに当選し、そこで出された課題として、各自動車企業のCSRについて今色々と調べています。いやー、まだまだ知らない事がたくさんたくさん…直接採用に関わる段階時期ではありませんが、毎日色々と本当に社会について必要な勉強を重ねている、と実感する毎日です。
と同時に、もうすでに卒業論文も同時に進めていかなくてはならず、こちらは「道路特定財源の特別会計を始めとする自動車関連税を地方財源へとする可能性」との仮題を設けて、地方の財政システムと自動車関連の税金について今資料などを調査発掘中。こちらもまだまだ知らない事ばかりで、これから先が思いやられそう…にはなりますが、そこは「好きこそものの上手なれ」ということで。笑
幼い頃から本当にクルマひと筋だったので、どうにか、どんな形でもいいので、クルマに携わりながら働けないか…と孤軍奮闘する毎日です。
さて、フィットハイブリッドの試乗記、走行編です。
ここでマイナーチェンジしたフィットのラインナップについておさらいを。ベースとなる1.3Lモデル、この素のフィットでも5速MTがチョイスできるのは、案外知らない人も多いかもしれません。今回のMCでMTは100psのままながら、CVTモデルは99psに。唯一1トンを切るMTモデルより20kg重いものの、燃費はCVTの方が良いのは、時代を感じさせます。今回ピストンのフローティング加工などで、ベースとなるエンジンにも結構手が入っているよう。
そして上級モデルの15XとRS。こちら1.5L搭載車はCVT同士の比較で1.3Lモデルと比較して+70kg(RS、15Xともに1080kg。ちなみにRSの6速MTモデルは1050kg)。この数値を見ても分かる通り、単純な排気量アップだけで+80kgも…?と思うのは当然で、排気量アップに伴い、タイアの大径化、リアスタビライザーの追加、静粛性向上の為の防音材追加など、シャシーからボディ関係に至るまで結構な違いがあるのです。
そしてハイブリッド、こちらは1130kg。そしてこれは装備内容を照らし合わせてみると、タイアも標準で15インチになるところを見ても分かる通り、足回りやボディ系は基本1.5Lをベースにしています。加えて空力対策のためのボディアンダーパネルが装着されていたりするので、単純にベース+120kg…をまるまるハイブリッド化による重量増と考えない方が良さそうです。(ちなみに、ベースの1.3LモデルのMT車には、ボディアンダーパネルがなぜか標準装着されています。笑)
ベースとハイブリッドとの関係性のトラップは装備にも。ベースモデルが123万円、ハイブリッドが159万円、その差36万円…ですが、実際の装備は圧倒的にハイブリッドの方が充実内容。その装備の差を埋めていくと…実質的なハイブリッド代は15万円ほどに考えられます。
つまり、強引な言い方をすれば、やろうと思えばフィットハイブリッド、140万円を切るくらいの価格で出そうと思えばできたかもしれない!?しかしそうすれば、間違いなくベースモデルへの売り上げの影響が…ここがホンダの実に上手い戦略であり、カタログを眺め色々照らし合わせていくと、この159万円という値付けの絶妙さに気付けます。
なので個人的には、フィットハイブリッドの比較対象は、装備やセットアップの近さ、加えてその走りのポテンシャルを含めて、149.8万円の15Xが真のライバルであると考えています。燃費向上分のガソリン代でハイブリッドとの価格差を埋めて…なんて思う人は、もう迷う事なく13Gを購入するべき。これで価格に対して十分な内容、パフォーマンス、充実した価値を味わえると思います。
さて、そんな話をしつつ、話はそろそろフィットハイブリッドの試乗レポートの方へ。ちなみにIMA搭載車は今まで、シビックHV(MC前)、2代目インサイト(MC前)、CR-Z、をそれぞれ1000km以上試しています。
セルの音がせずシュルルンとエンジンがスタート。Dレンジをセレクトしてスタート…今回地下駐車場から出てくるところから試乗を開始したのですが、坂道発進でも下がる事なく動き出しはスムーズ。このあたりは「左足ブレーキ」が必要だった先代フィットが懐かしく感じられます。
街中を走っていて感じるのは、加速の軽快さ。このあたりはインサイト比-110kgという軽量さが効いていて、インサイトではまだ若干感じられた、街中でのECONモードON状態でのかったるさは「全く」無くなったと言ってもいいでしょう。フィット同士で言うと1.3Lはもちろんの事、1.5Lモデルと比較しても、ゼロ発進~50km/h程度までなら、圧倒的にハイブリッドの方がアクセル開度に余裕があります。このあたりは一時的とはいえ、モーターアシストの恩恵サマサマと言ったところ。
アイドリングストップの制御の自然さもアップ。このあたりは、シビックHV→インサイト→CR-Zの順でどんどん熟成が進んでいる事がよく分かります。ただあえて意地悪に探ってみると、「ブレーキからアクセルへ素早く踏み変えると、大きめのショックが出る」「エンジンが止まるか否かのギリギリのタイミングだと、どうしてもギクシャクしてしまう」といったホンダHV車が抱える問題を根本的に解決するには至っておらず。このあたり、乗るドライバーが慣れで上手く運転できるかどうかで評価が大きく分かれそう。個人的にはコツを掴んでいるのであまり問題はないのですが、今後の事を考えればそろそろ抜本的解決策が望まれます。
次に感じるのはステアフィールの向上。先代初期ではグニョグニョ、それがMCでかなり改善されたものの、FMCで今度は何故かやたら軽すぎる「過剰」アシスト気味に感じられたステアフィールが、今回のMCで随分とナチュラルなものとなりました。特に中立付近から微舵を入れた時や、ある一定角からさらに切り足した時に改良幅を感じます。ただ個人的には速度が上がってきた時にはもう少し重めに、また全体的なインフォメーションは絶対的に少なく、駐車時の素早い切り返しでの「一瞬」のアシスト遅れも改善されたものの完治はできていません。歴代フィットを知っている身からすれば進化の程は十分に感じられるのですが、ライバルたちの躍進を考えここは少し厳し目に。
(実は、登場した際にそのコンセプトのブレっぷりと商品性の低さに「ボロクソ」な印象だった新型ラクティス。先週末に試乗したのですが、これが意外に好印象で…この結果も少し考慮しています。このラクティスについてはいずれまた徹底的に。)
「まるでベニヤ板の上に座っているよう」だった初期フィットの足からすれば、もうこれは「劇的」に良くなっている乗り心地ですが、基本はやはり今でも硬めのセットアップ。硬め…というよりも、頑張って足を動かしていようとはしているのですが、それに対するサスストロークがやや不足気味な印象。ボディ剛性も十分ながら、ポロやスイフトを知ってしまった今となっては…というのは、少しハードルが高すぎるかも。
ただこれは1000kmしか走っていないテスト車のコンディションも考えなければいけないかもしれません。事実900km程度走って返却する際には、最初に感じられたコツコツとした硬さは確実にやわらいでいました。また、バッテリー搭載によるリアの重量増のおかげで、リアのドタバタ感のなさは美点。と同時に、ハイブリッド専用のECOタイヤであるダンロップのエナセーブのややざらついたフィーリングで、やや相殺される印象です。ステアフィールに関しては、このタイアの件も考慮しなければいけないかもしれません。
さて、街中の印象に続いて、次はワインディングへ。先述したややザラっとした、そしてややロードノイズが目立つエナセーブですが、グリップバランスの良さに関してはエコタイアとしては○。派手なスキール音も出さず、流れ出しもナチュラルで、特にウェット路面での横グリップの頼もしさは期待以上でした。このあたりは先日乗ったマーチのタイ製の聞いた事もないブランドのタイアよりも、遥かに安心できます。
また、リアに搭載されたバッテリーの影響を感じるのは、乗り心地面よりもこういったワインディングかもしれません。○な点はブレーキング時の安定性とノーズダイブの少なさ。前後重量配分の良さか、リアの落ち着きはFFとしてはかなりの安心感を与えてくれます。これは街中のなんてことない普通の減速時でも、その恩恵は感じる事ができます。
ただ、ペースを上げ始めると今度はデメリットも。前後方向には大変良い効果をもたらすものの、特に減速しながら大きく回り込むようなコーナーやS字での切り返しでは、さっきまで実に頼もしく感じられていたリアスタビリティの高さを生む要因となっていたバッテリーの重さが、それが故に発生するリアの横方向へのヨーモーメントに、リアタイアの接地性がおぼつかなくなってきます。このあたり、この車重がフィットとしてのシャシーで対応できるギリギリのラインかな…と感じる部分。1.5L用に強化した足を使う理由が分かります。テスト項目で言うならば、「緊急制動テスト」では非常に優秀ですが、「ダブルレーンチェンジテスト」では少しボロが出ちゃうかな…といったところでしょうか(笑)。
もちろんエコカーで走るには少し非現実的な速度帯かもしれませんが、高速時の落下物緊急回避などのシチュエーションを考えても、このハイブリッドに関してはVSAが欲しくなります。オプション装着も可能ですが、お馴染みホンダの抱き合わせセットオプション商法(苦笑)が気がかり。いずれ義務化されますが、価格を上げたくないメーカーの気持ちも分かるので、せめて「単独オプション装着可」にしてユーザーへの選択肢の提案をしてほしいですね。
…と、これで終わらすはずが、また長くなってしまいました。苦笑
ということで2はここまで、次回は高速クルージングでの印象と燃費報告、そして総括したいと思います。
Posted at 2010/12/14 23:46:35 | |
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ホンダ | 日記