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2010年10月26日 イイね!

フーガHV登場 改めてフーガを振り返る

フーガHV登場 改めてフーガを振り返る本日、フーガハイブリッドが登場しました。

画像は、昨年の東京モーターショーで公開されていたハイブリッドモデルのプロトタイプです。市販型で異なって見えるのは、ホイールがブロンズ塗装になっている程度でしょうか。

19km/Lの燃費、リチウムイオンバッテリー、2つのクラッチを有し7速ATを生かしたドライブトレーン、その他今ある日産の最新鋭技術がふんだんに盛り込まれたその内容には、興味津々。もっとも、ベースより200cc少ないものの、それでもすでに必要十分以上のパワーがある3.5Lエンジンに、バッテリーを搭載して「圧倒的な性能」と「燃費」を両立するコンセプトには、クラウンHVと同じく疑問符が残りますが…。2.5Lベースのハイブリッドならば、さらに燃費コンシャスにすることも可能なはず。現状では、やはり「ハイブリッド」という名前の記号に頼っているというのが現状かもしれませんが…



しかしその割には、このフーガハイブリッドは、エクステリア上での差があまりになさすぎ。パッと見エンブレムとホイール色が若干違うだけで、ボディカラーもベース車と同じく地味な色ばかり。過去失敗してきたハイブリッド車の定説を見事に受け継いでしまっています。まだ、センスの悪いクリアテールを採用しなかっただけマシかもしれませんが…。



シーマがなくなり、V8がなくなり、このハイブリッドは実質日産のフラッグシップ。577万円スタートという価格は内容を考えれば非常に魅力的ではありますが、399万円の廉価版フーガとなんら違わない見た目…。この素晴らしく魅力的な内容を生かしているようには全く思えません。それとも、もうそういう見栄やフラッグシップとしての意識は、エルグランドに譲ってしまったということでしょうか?せめて、まだあまり街中で見ないタイプS仕様のエクステリアに18インチ専用ホイール、くらいなら簡単にできると思うので。


と早速辛口気味ではありますが、機会があればぜひ乗ってみたい!楽しみです。そしてこの機会に…ベースとなった現行フーガの250GTと350GT・VIPの過去試乗記を振り返りたいと思います。






新型フーガに試乗する機会を得ましたのでレポートしたいと思います。いくつかエンジン・サスペンションの組み合わせが存在するフーガですが、その中で今回は2種類の個体を試す事ができました。1台はホワイトの250GT(ノーマルサスペンション仕様)と、もう1台はブラックの370GT VIP(コンフォートサスペンション仕様)。残念ながら注目の20インチタイア+スポーツサスペンション仕様のタイプSは試す事は出来ませんでした。

当日は残念ながらあいにくのお天気で、豪雨で路面もヘビーウェット状態。そんな中、250GTの方は市街地~高速までの少しまとまった距離を、370GT VIPでは距離と時間は僅かながら、リアシートでの乗り味のチェックも行う事ができました。



さて、早速ドアを開けて室内へ。以前お伝えした通り、他の日産車との共通部品が本当に見当たらず、各スイッチ類のタッチや動作部分の動きの質感など、非常にしっかりと煮詰められています。8インチとなって見やすくなったモニターの視認性も◎。もちろん豪華に感じるのは当然最上級モデルでフル装備の370GT VIPのほうですが、「普通の」本木目パネルにファブリックシートの250GTでも、基本的な上質さに大きな違いはありません。

唯一大きな差として感じるのは、プレミアム本革が使用されるステアリングの質感の違い。これは標準仕様と直接比較すると、一度握るだけでそれはそれは明確な質感の差が存在します。贅沢を言うならば、これは是非全グレードに展開してもらいたかったところ。



さて、左側のスイッチを押してエンジンスタート。一瞬振り切れるメーターのウェルカムアクションと共に、かなり豪快なエンジン音が室内へ。特にこの季節のコールドスタートの時は、排気系の音が耳につきます。

他の風切り音やロードノイズ、サスからの音などの遮音性は非常に優れているだけに、発進直後と2000~3000回転の常用域に後方から聞こえてくるこの音は明らかに意図的な演出によるものでしょう。これは走り始めてから常に耳に残り意識する音であり、これを「高級車らしからぬノイズ」と判断するか、はたまた「心地いい演出されたサウンド」と評価するかで、このフーガのイメージは個々で大きく変わってくることかと思います。今回は豪雨の中での試乗ということで、他からの侵入音もかなり大きめではありましたが、とりわけ3.7Lモデルの後席ではこの排気系の音は少し過剰に思えるほど響いてきました。

いきなりネガティブな書き出しになってしまいましたが、従来の日産車から比較して大きく改善されたのは発進時の際のスロットルマナー。このクラスの日産車はどうしても初期のアクセルレスポンスが敏感すぎる嫌いがあり、ここぞ!という時の瞬発力はさすがなものの、ジェントルかつスムーズに走りたい時にはかなりアクセルワークに神経を使わされる傾向がありました。

しかしながら、新型では「ドライブモードセレクター」の存在によってドライバーが任意にコントロールできるようになり、完全にこの悪癖は克服されたと言っていいでしょう。個人的には街乗りだけならば「ECO」状態で十分。これでパワー的にはなんの不満も感じられません。



3.7Lモデルはこれでも十二分な極太なトルク感を味わう事もできますが、このVIPには今回注目の装備の1つであるエコペダルが搭載されており、アクセルを踏む事をやんわりと拒絶されます。もちろん、セレクターを「SPORTS」にし、ドカンと踏み込めば怒涛の加速を味わう事ができますが…。

ここ1発でのパンチ力で有利なのは当然3.7Lモデルですが、せっかくのパワーをエコペダルで抑制して…というような走りのリズムに、どこかチグハグさや矛盾が感じられたのも事実。このエコペダルがVIPのみに標準装備されている理由もなんとなく分かったような気がします。

ということで、個人的にバランスの良さを感じたのは、圧倒的に2.5Lモデルのほう。こちらは3名乗車で高速走行も行いましたが、確かに最初の一踏みでのトルク感では排気量のハンディを感じる事がありますが、それを実に上手くカバーしてくれるのが、今回2.5Lモデルにも搭載された7速AT。こちらはギア比・ファイナルともに3.7Lと共通ではあるものの、トルコンの滑りを感じさせずスパッと変速してくれるつながり・マナーの良さ、そしてシフトダウンは日産お馴染みのシンクロレブコントロールでブリッピング。十分に走りを楽しむ事ができます。

そしてその印象の良さはフットワークにも。標準状態で245幅の18インチという大径タイアを履きつつ、とくにフロア剛性の高さも手伝って、持て余している感じはほとんどありません。少し低速では若干硬めなものの、高速域ではダンピング性も直進安定性も非常に落ち着いたマイルドなセッティング。電動化が進む中、油圧式パワーステアリングにこだわるだけあって、ステアリングフィールも接地性をキチンとリニアに伝えてくるあたりは大変好印象。また、ヘビーウェットでも効きとコントロール性が抜群に良いブレーキもクルマのフットワークの良さを引き立ててくれる一因と言えるでしょう。気をつけたいのは、このクラスのFRセダンとしては予想以上にハンドルの切れ角が少ないこと。大きなボディサイズも含め、取りまわし性能にはそれなりの覚悟が必要です。



さらに乗り心地を…という方には、VIPのコンフォートサスペンションもお勧め。その名の通り、ノーマルサスで若干感じられた硬さはこちらでは全くと言っていいほど払拭されており、それこそ歩道の段差を1つ乗り越えるだけで明確な差が感じられます。同条件でワインディングなどペースを上げた状態で比較できなかったのは残念ではありますが、極端にこのフーガのフットワークの良さを犠牲にするのでなければ、他のグレードでもオプションで選択可能なこのコンフォートサスは、なかなかお勧めかもしれません。

もちろん、それが電子制御を用いて、1つの足でこの良さそれぞれが両立する事ができれば言う事なし、なのですが…。しかし、いわゆる「素」のサスペンションとボディバランスでここまで大きなクルマをこの乗り味にまで仕上げてくるシャシー性能の高さは、フーガ最大の美点かもしれません。

繰り返しになりますが、今回のように2台をいろいろな条件でたっぷり試乗できる機会に恵まれただけに、タイプSを試せなかったのが非常に残念。また機会があれば、ハイブリッドと合わせて、このモデルの印象をお伝えできれば…と思います。
Posted at 2010/10/26 22:07:08 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日産 | 日記

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