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九郎田一馬のブログ一覧

2011年05月15日 イイね!

New!試乗記 ~フェアレディZ34versionT~

New!試乗記 ~フェアレディZ34versionT~こんばんわ。

ちょうど昨日土曜日、富士スピードウェイにて、自動車雑誌「ザッカー」さん主催の、レクサスIS・CTの乗り比べ試乗会があり、参加する…「はず」でした。はず…

そう、まさかの面接被りしてしまい、せっかく山本編集次長さんを始めとする編集部の方からも案内があったのですが、泣く泣く辞退する事に…(涙

車好きとしてはなんともそそられるお話でしたが、そこは面接優先ということで…その面接は無事に終える事ができました。明日は朝から新幹線に飛び乗り、東京です。



さて、そんなこんなで、今回試乗記をお届けするのはコレ。



フェアレディZ34。久々のスポーツカー試乗記です。

現行Zに乗ったのは、これで2度目。初めて乗ったのは一昨年の東京モーターショウにて、デビューしたばかりのロードスターに乗ったのが初めてでした。この時気持ちいいオープンエアに酔いしれて、一発で惚れてしまって(笑)、その後もずっと気になる存在でした。



そして今回、7速ATのクーペをたっぷりと500km。幸運にもこの貴婦人と丸1日過ごす事ができました。ちなみに試乗は震災前、真冬の、しかも雨というコンディションでした。



ボディ拡大化が常という中、ホイールベースを100mmも短縮させるというダウンサイジングで登場した現行Z34。個人的には先代Z33のデザインもかなり好きですが、新型はさらにギュッと詰まった筋肉質なフォルムが特徴的。特にリアフェンダーのボリュームは外から眺める時はもちろんの事、運転中もドアミラーからチラリと主張してきて、所有感をくすぐります。こんな感覚は911だけ…かと思いましたが、今ではCR-Zでも同じような感覚が味わえます(笑)。GTマシンを彷彿とさせるカッコいいリアフォグは標準装備。もっとも、悪天候時以外の点灯はご法度です。



冷蔵庫みたいなドアノブがちょっと気になりつつ、室内へ。インテリアの質感に関してはZ33で散々叩かれ細かな改良を受けただけに、Z34は出始め当初からかなりの仕上がり。ソフトパッドの面積も増え、各スイッチ類のタッチも格段に向上。ただし見た目的には、ややフォーマルな印象が強いかな?そんな気も少しします。贅沢な悩みではありますが。



Z伝統の3連メーターがスポーティさを強く主張。ステアリングは微妙に形が変わっている変型タイプ。グリップの太さと革のステッチも、Z33より随分と良くなりました。そこから除くのはセンターにタコ配置のメーター。ポイント表示の燃料・水温表示のカッコよさにもしびれます。

さて、エンジンスイッチを押して始動。ブルンと獰猛なエキゾーストが車内に響きます。すっかりお馴染みとなったVQHRの3.7L。同じエンジンを搭載するスカイラインやフーガなどではこの音質がどーも高級車らしい佇まいに欠ける印象が拭えませんでしたが、なるほどZなら雰囲気として○。



Dレンジを選んで、走り始めます。さすがに3.7L、337psの迫力はダテではなく、走りのポテンシャル的には十二分にスポーツカー級。むしろエントリーモデルとして2.5Lがあれば…なんて妄想もずっとしていますが、結局叶わないのでしょう。一方フィーリングに関しては、一応レッドラインは7500で、昔のVQから比べれば本当にスムーズに回るようになりました。ただやはり上までぶん回して楽しむ性格ではなく、4000~5000あたりをキープしながら、分厚いトルクを味わいつつジェントルに乗るのがZらしい楽しみ方なのでしょう。サウンドは個人的には好きなんですが、吹けがスムーズなもののどこか重ったるく感じてしまうのがそう感じさせるのかもしれません。

驚かされたのは、ジャトコ製7速ATの出来の良さ。2、3、4速がクロスレシオなのはもちろんの事、それによってさらにシンクロレブコントロールの気持ち良さを味わえる事になり、シフトダウンをするたびに「グォォン!グォォン!」と獰猛なサウンドを響かせる…あぁー快感。このトルコンATの出来なら、街乗り+αの領域では、DCTの必要性を感じません。



MTでもシンクロレブがついて、ヒール&トゥなしでも気持ちいいシフトダウンができますが、肝心のシフトフィールがゴリゴリとしており気分が阻害。その点、ATはステアリングポスト固定式のマグネシウム&革コンビのパドルシフトの質感は◎。ロードスターならATかな…と思ってましたが、これならスポーティさ優先でATを選ぶ、なんて事だって有り得そうです。

ステアリングはずっしりと重く、切り始めからその反応はリニアそのもの。こういう部分では油圧パワステのナチュラルなフィーリングを実感。ステアレシオは十分にクイックでありつつ、高速クルージング時にはどっしりとした落ち着きがあります。ホイールベース短縮による影響がどこか出るかな…?と思っていましたが、少なくとも18インチサイズでは直進安定性の乱れや、荒れた路面でのワンダリングなどもなし。ブレーキも上級の「曙」仕様でなくとも、この標準仕様でもカチッとした剛性感のあるフィーリングを味わう事ができました。



むしろ、ワインディングへステージを移すと、この「リアタイアの近さ」というメリットが、FRらしいドライビングを楽しむには好都合に。今回は外気温が10度に届かない冬の雨というコンディションで、2速の立ち上がりなどではさすがに245幅のリアタイアも耐えられず、VDCが頻繁に介入してきましたが、その時のリアのピクッとした反応が、お尻からすぐに感じ取れるインフォメーション性の良さ。テスト車両がファルケンのショボい銘柄を履いていたのが少し残念でしたが…。

また、こんな寒い中なのに、ちょっとペースを上げて攻め込んでいくと、油温が110度超え。停車すると、ボンネットから湯気が…。ボンネットの中はもう目一杯ギュウギュウという感じで、熱の逃げに関しては結構厳しそう。冬のワインディングレベルでこれですから、夏場にちょっと激しく走ろうものなら…北米仕様ではオイルクーラーが標準ですが、日本仕様はなぜか設定なし。アフターマーケット品が充実しているのも頷けます。






いやーしかし、やはりFR2シータースポーツは、楽しい(笑)。このZがスポーツカーなのかGTカーなのか、という議論は色々あるかもしれませんが…2人しか乗れず、燃費もどーにか7km/L台…エコとは無縁な1台ではありますが、このご時世の中で、こんな1台が存在してくれる事、いやー嬉しいじゃないですか。

惜しむべきは、3.7Lで400万円クラスのプライス…性能、質感、それらはZ33から飛躍的に向上しましたが、それに伴って価格もグッと上がりました。それなりに落ち着いたおじさん世代が、再び貴婦人と…なんて所有の仕方が理想なのでしょうが、貧乏大学生だってよだれは出る一方(笑)

最初に書きましたが、せめて2.5Lモデルを、300万円切りで出してくれれば…なんて妄想をして、試乗記を終わりにしたいと思います。


Posted at 2011/05/15 22:26:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日産 | 日記
2011年04月27日 イイね!

New!試乗記 スバルステラ

New!試乗記 スバルステラご無沙汰の試乗記更新です。FT-86Ⅱにがっかりさせられたところで、サイオンFR-Sを見せられて再び鼻息が荒くなり、かと思えば自分の「青春バイブル」でもある、ベストモータリングがついに休刊との悲しいニュース…あぁ、筑波バトルがもう見られないなんて…。



さて今回のネタは、「スバル最後の軽乗用」となった、ステラのインプレッションを。

東日本大震災が起こった3月11日。その2日後の3月13日にステラの生産終了のアナウンスがあったのですが、当然未曾有の大災害の報道で、大きく話題になることもなくひっそりと終焉を迎える事となってしまいました。一応ステラの名前も、ムーヴのOEM供給を受けて残るようですが…。ステラはムーヴ、ルクラはタントエグゼ、プレオはミラ、ディアスはアトレー…サンバーの運命も、もうすぐ終わりか。(涙)

そんなスバル軽の歴史の始まりはもちろんてんとう虫ことスバル360。今回のステラで軽乗用53年の歴史が終焉を迎える事となります。

そんなステラ。少しモデルを振り返ってみると、「スバル軽の歴史の最後を飾る渾身の一作!」…っというわけでもなく、ご存知の通り、プレオからのモデルチェンジで勝負に出たスバルが出したR2。これがもうものの見事に大コケし、そのプラットフォームをはじめとして、できるだけパーツを共有しつつ突貫的に仕上げたトールモデル…なんて言い方をしては失礼ですが、事実ではあります。

さて、そんなこんなを言いつつ、実車の話へ移っていきましょう。テスト車両はモデル末期時の特別仕様車でもある「Lブラックインテリアセレクション」。オートエアコンやスマートキー、ブルーイルミ付(!)オーバーヘッドコンソールなど、装備充実で約104万円という、お買い得…叩き売り?グレードです。



スタイリングは、R2で見せたチャレンジングさ…を全て捨てきった、四角いシンプルな造形。あぁなんて両極端。けど、スバルはこっちのほうがしっくりくる。そう思わせてくれます。事実ボンネットが長めで安心感があり、グラスエリアが広くて視界は良好。悪天候時のテールランプの視認性も◎。R2置き土産のエンブレムごとのリアゲートハンドルなども、そういった理屈に合わせてデザインされたもの。と同時に、シンプルさの中に美的センスを感じる、というところまでいかないのがスバルらしいところ。ただひたすらに無骨で、不器用で、洗練度ゼロ。けどそれでいいのだと思います。変にデザインモチーフを捨てたり、ヘッドライトの形をいじくったりして、中国車以下の酷いデザインになっちゃった現行レガシィのように余計な事されるよりはよっぽどいいわけです。笑



さて、ドアを開けてシートに座ります。目の前に広がる光景はR1/R2そのもの。価格を考えれば、見た目もスタイリッシュで質感も上々。このあたりは「失敗作」が目指したプレミアム感の演出の恩恵を授かっています。少なくとも、現行のマーチやヴィッツよりはるかにマシ。まぁこの2台は、今の軽自動車たちにほとんど勝てないみすぼらしい室内になってしまっているというのもありますが…。

R2からのポン付け流用…などと簡単に言えるわけもなく、このスクエアなボディにこの優雅なラインのインテリアを組み合わせるのはやはり相当苦労したんであろうなぁ、と思わせる処理がAピラー付近にチラホラ。また、これまたR2時代に相当言われたんであろう、小物入れの少なさを改善するために、見てくれを犠牲にしてまでも色々なところにポケットを用意するいかにも日本的らしい努力の後が散見できます。



そんな評価の高いインテリアの中で、唯一、惜しい!と思うのがこのステアリング。これはR2が出た当初から言ってるんですが、見た目的に実に貧弱な2本スポークのステアリング。どうしても商用車を思い出させてしまうその見た目。グリップにはディンプルやコブがあったりでとてもよく出来てはいるんですが、どーも見た目が軽トラに見えて仕方ない。このステアリングデザインだけでインテリアの雰囲気を大きく落としているように思えてなりません。(※筆者ステアリングフェチのため、少しこだわりすぎの可能性あり) スバリストなステラオーナーの皆様、MOMOステに替えちゃいましょう。笑

さて、質感だけなら最近の他社軽だって全然素晴らしい。では室内でスバル軽の良さを感じる部分はどこか。これはもう即答します。シートです。

もちろん、「500km連続で走っても全然へっちゃら!」的な素晴らしいものというわけじゃないです。自分は400kmほど乗りましたが、普通に腰は疲れましたw しかし、他社軽と圧倒的に違うのは、そのサイズ。177cmの自分が座っても全く違和感なし。キチンとホールドしてくれるし、ヘッドレストもちゃんと届く。さすがにポジションは窮屈ではありますが、成人男性がキチンと座れるサイズのフロントシートを備える軽、って、実はほとんどないんですよね。その点ステラは合格。さすが運転者目線。



しかし、この弊害がどこかに同然出ているわけではありまして、それはお察しの通り、リアの居住性。もちろんこれはシートの影響だけではなく、パッケージングそのものに問題があります。「最近の軽は、本当に広くなった!」なーんて言いますが、残念ながらステラにはこの言葉、当てはまりません。同ハイトールクラスの軽と比較すれば、2世代前レベル。プレオ時代から大きく変わっていない、と言ってもいいでしょう。もちろん背が高くなって解放感はありますが、このあたりR2プラットホームの弊害がモロに出ている部分。4気筒エンジンを収めるエンジンルームの大きさも、影響しているのでしょうね。スバルは「後ろのチャイルドシートに座らせた子供との距離が近い!」なんていうとんでもない開き直り宣伝文句を言っていたのが、懐かしい。笑 デザイン的に安心感のあるボンネットの長さですが、幼い子供のいるママさんにはなんら不利要素でしかありません。

「ぐちゃぐちゃ言うな、スバル軽の本髄は走りなんだよ!」というスバリストの方からのブーイングを感じまして、さてここからはいよいよ走りだします。今回のテスト車はNA、EN07のDOHCエンジンは54psを絞りだし、それを伝統のCVTで伝えます。タイアサイズは155/65R14、幅は常識的なものの径の立派さは小型車並!最小回転半径4.7mも小型車並。(笑)



しかしそんな立派なサイズのタイアを、あろうことかNAの軽だというのに、発進時のラフにアクセルを開けるとなんとたまにスキール音!がするほどの、あぁなんという抜群の発進加速性能の良さ。さすがに4名乗車では苦しさが見えますが、1人で乗っている限りはアクセル開度には常に余裕アリで、相当に速い大阪中央環状線の流れにもスーイスイ乗れちゃう余裕ぶり。ターボ軽の速さに驚いた事は何度かありますが、NA軽でここまでの性能を感じたのはこれが初めて。ワゴンRも、ムーヴも、ライフも、それなりにやはりNAでは根性が必要でしたが…さすがスバル。元気なエンジンとそれを効率よく伝えるCVTの出来の良さ。これでスーチャーモデルなら…さぞかし楽しそう(笑)ホント、これには驚きました。

そしてもう1つ、特筆すべきは乗り心地の良さ。これはさすが4輪独立可変サスペンションの真髄、と言ったところでしょうか。まず感じるのはストローク量の長さ。おかげで結構なスピードでジョイントを通過した時も、サスが底付きする感覚がなく、あくまでしなやかにタタンと駆け抜けていきます。それに対してのボディのキャパシティも十分。タイアのオーバーサイズ感もなし。電動パワステのフィーリングもナチュラルで、巡航状態では室内はとても静か。あぁなるほど、確かにこりゃ凄い…スバル軽の実力をまざまざと実感。

…さて、褒めすぎたところで(笑)、クルマ好きの視点から少し離れまして、一般的な視点で見ると…これが、どんどん荒が目立ってくるんですよねぇ…(苦笑)

まず、NA軽としては相当なレベルの動力性能。が、この走りを味わっている時、アクセルをちょーっと踏み足すと…まぁこれが、うるさいったりゃありゃしない。個人的には「おぉ!高回転まで回しても振動が少ない!そしてこのサウンド!さすが4気筒ぉ!!」なんて興奮する要素もありますが、一般的にはこれは単に「ガーガーうるさい」。はい終了。というところでしょうね。巡航状態が静かなだけに、この落差が余計に目立つというのもあります。極端にCVTのセッティングが敏感だったりするわけではないので、これは単にもうエンジンの発するノイズがバカでかい。それに対する静粛性能の不足。なんでしょう。

そしてもう1つ、走りに関して。乗り心地に関して大変好印象を抱くものの、フットワークとなると印象はどんどんネガティブな方向へ。さしてステアレシオがクイックでもないのに、まぁーとにかくロールが大きい。そしてロールスピードが速い=ドライバーや同乗者に不快なロールに。下で踏ん張っても、上側のボディが動きを抑え切れていないというか、荷重がかかり沈んでいる方のサスから反発を喰らうような、そんな不自然な動きがチラホラ。例えるならば、クルマのシャシーとボディがまるっきり別々の組み合わせになっているような…って、実際そうなわけですが(苦笑)。

ペースを上げると、リアの接地性の良さやステア系の剛性の高さ、ブレーキのフィーリングの良さ…なんかにも感激もしましたが、このあたりはちょっと非現実的…もう少し日常域で気持ち良さを味わえるフットワークが恋しいところ。ちなみにブレーキに関しては、踏力に対して減速Gの立ち上がりが早く、ロックしそうになるまでタイアギリギリの性能まで使え…ろ、ロック?と運転を始めてすぐに調べてみると、なんとABSレス(!)仕様車である事が判明。以後、大人しく運転w お買い得仕様だけども、せめてABSくらいは、レンタカーでもオプション装着しといてください…^^;

スバルがこれなんだから、他の軽なんてもっと酷いんだろ?と生粋のスバリストは言うかもしれません。が、もちろんクルマにもよりますが、少なくとも他社の多くの軽はフットワークに関しては、もう少しマトモです。ようするに、素材はいいのですが、それらを生かし切れていない。セッティングの問題かもしれませんが、結局は他メーカーのトーションビームサスのほうが、熟成や改良を重ねて、よっぽどこのあたり手慣れています。ホント、普通のワゴンRでも、フットワークに関しては現行型とかは結構マトモですから。そのあたり、カスタムはもう少しセッティングが違うのかもしれませんが…。



えっ?軽にそんな贅沢な性能を求めるなんて不相応じゃないかって?いや、それを言うなら、別にスバルの軽じゃなくったっていいわけです。軽に贅沢な走りの性能を求めてスバルをあえて選ぶんですから、このあたりはしっかりしておかないと。いくら走りがよくてスムーズでも、このノイジーさはかつての軽の悪いイメージを同乗者に再燃させてもおかしくはありません。

そう、ここが最大のポイント。技術は僕たちのようなクルマオタクの心をくすぐってくれますが、果たしてその良さが、街中を普通に走るママさんたちに伝わるのかどうか。技術とは、それに対して詳しくない人が実感できて、役立って、初めて技術と言えるのではないか。

こう考えた時に、よく走る…けどうるさい、そして背は高いけど室内は広くない。やっぱ、他いっちゃうだろうなぁ…というのが、素直な感想なわけです。もっともステラをもってきてもそうですから。R1R2の頃を比べると、スバルの営業さんはさぞかし厳しく辛い思いをしたことと思います。04年にR2の登場と同時にプレオは商用モデルを残して生産終了…するつもりが、結局そのままズルズルと延び、翌年にはなんと乗用グレード復活(!)までして、結果07年まで乗用グレードが存在し続けていた事を考えると、やはり意欲的モデルで個人的にも好きな1台ではあるのですが、R2は本流を目指すべき1台ではなかった、という風な結論になってしまいます。R1だけじゃ、採算的に無理だったのかなぁ…。

思えば、その2004年の時点で、プレオの正統な後継車としてステラを開発していれば…たら、ればは禁句であり、実はもうとっくにスバル軽撤退は決まっていて、最後の最後のR2を理想の軽自動車像としてブチ上げたかったのかもしれませんが、この間の2年の月日は、あまりに大きいように思えてなりません。プレオを本格トールボーイに分類しなければ、93年のワゴンR登場からステラまで、13年。ヴィヴィオを作っていた技術者魂が邪魔をしたのかは定かではありませんが、あまりに遅すぎた。そうそれはまるで、ミニバンブーム時代にレガシィのユーザーを散々取りこぼし、そしてそのブームが完全に去った後にようやく出てきたスバルの7人乗り「エクシーガ」の登場の顛末にも共通するものを感じます。ちなみにこちらも奇しくも初代オデッセイ登場から、14年。あぁ、なんたる無情…。

けどそれでも、こだわりある実力派な1台。魅力的である事に変わりありません。散々文句も言いつつ、ダイハツの軽に六連星のエンブレムだけ貼り付けて、スバルのショールームに佇む姿の、あぁなんと哀れな事か…。寂しくて、惜しくて、なりません。

てんとう虫から続いてきた、スバル軽、百瀬イズムよ、永遠に。。。

Posted at 2011/04/27 23:48:33 | コメント(3) | トラックバック(0) | スバル | 日記
2011年04月13日 イイね!

踏み出そう。久々の更新です。

すっかりご無沙汰していました。


あの地震から、1カ月が経過しました。

現在でも引き続き大規模な余震が起こり、福島原発の問題は「レベル7」となって悪化する一方。テレビや新聞のメディアは信用できず、かと言ってTwitterなどでは様々な意見が飛び交い、何が本当で何が間違いなのか分からない、いやもしくはそれが否かどうかは自分で判断しなければならない…

政府の不手際、東電の不手際。しかしそんな細かい視点ではなく、もっと根本的な日本を救う打開策を追求すべきでは?と日々悶々とする、今日この頃です。


震災の影響は、現在の就職活動にも思いっきり出ています。

企業は選考を軒並み延期。延期ならまだいいのですが、会社自体の復旧や、また計画停電などの影響もあり、選考中止という状況もチラホラ耳にします。昨年の就職氷河期から、今年は若干持ち直しそう…そんな予測は、あの日以来吹き飛びました。特に自動車業界は。もっとも、実際に被災された就活生や、もしくは就職の内定を取り消されてしまうというような事態に比べれば、全然まだまだ恵まれてしますが。

ということで言い訳もしていられない、とにかく前へ。ということで励んでおります。そろそろちょくちょく最終選考まで進むところが出てきていますが、いやーここまで進んで落ちると凹み具合もより一層増しまして…苦笑 けど頑張るしかないです。予想よりもまだまだ長い闘いは続きます。



地震以来、報道をずっと見ていて、体調を崩しそうになった事もありまして、できるだけ問題を直視しないように日常生活を送っていました。被災地に直接何かできる事もなく、ただ募金を小銭の範囲で続けているだけ。もちろんガソリン不足叫ばれる中、趣味の領域での運転などもご法度です。

しかし、最近では「被災地以外では通常通り、もしくはそれ以上の日常消費生活」が、日本を復活させるべく大切な事…そういう考えも多く出てきています。自分はなかなかそういう気持ちにはなれなかったのですが、震災から1カ月。自分の大好きな「クルマ」という生きがいを、少しずつ楽しみ始めてもいいかな…そう思えるようになってきました。

というわけで長らく更新停止状態でしたが、今回再び始動宣言、というのも大げさですが、ぼちぼち試乗記の方を更新していこうと思っています。多忙ではありますので頻繁とはいきませんが、また以前のように明るく楽しく、クルマに接していく事で自分がまず元気を出そうと…


というわけで次回以降の試乗記予定をアップしておきたいと思います。上3台は震災前、最後の1台は震災後に乗りました。これからボチボチとまた、始めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


まずは前回にも日記で少し触れた2台。

1台目はスバルのステラ。



震災の影響で話題にはなりませんでしたが、つい先日生産終了した、純スバル製最後の軽乗用車。そんなこだわりまくりな「ホンモノの」スバルの軽の最終型を試しました。そのこだわりがあるが故の、良さであったり、同時になくなる運命になる事を予感できるような部分も…そのあたり含めて、試乗記にて。


2台目はトヨタの新型ヴィッツ。



まっさらなド新車をお借りして、いつものコースで400km。1Lモデルと1.3Lアイドルストップ付モデルの比較なども。なぜかスッキリ素直に褒めてあげることができない、現在のトヨタの迷いがまさに露骨に表れてしまったモデルかもしれません。…雲行き怪しくなるところも含め、詳細は試乗記にて。


3台目、ここかたは新ネタ披露ですが、
お次に紹介するのは日産フェアレディZ34。



ひょんなきっかけで、久々にスポーツカーのレビュー。しかも1日あらゆるステージでフルコースたっぷり味わえるという幸運に巡り合う事ができました。冬の雨というコンディションは悪い中、貴婦人Zはどんな表情を自分に見せてくれたのか。そのあたりの楽しさを含めて、じっくり紹介したいと思います。


4台目、こちらもクルマ好きには注目度の高い、
新型スイフト。



以前にチョイ乗り試乗記をアップしましたが、その時に感じた仕上がりの良さをさらに確認するべく、今度はベースとなる15インチを履くXGをお借りして、徹底的に約1000kmのロングラン。スイフトの良さを隅から隅まで味わい尽くした結果、たどり着いた結論は…こちらも今後更新予定の試乗記にて。



以上、今後はこの4台の試乗記をお届け予定です。お楽しみにして頂ければ幸いです。
がんばろう、ニッポン!



Posted at 2011/04/13 00:01:23 | コメント(3) | トラックバック(0) | コラム | 日記
2011年03月12日 イイね!

※激甚災害、今我々ができること

今回の地震、大変大きな被害が出ており、ニュースを見る度に胸が締め付けられます。


昨日大阪で揺れを感じ、大きくゆったりとした横揺れ、そして時間がとにかく長かった事もあって、反射的に「あっ、どっか遠くでデカいのがきたな…」と思いましたが、まさかここまで酷いとは…特に津波による被害が天文学的に大きいようで、24時間たった今も被害の全容が把握できていないようです。


さらには原発の問題もあり、関東地方は本日夕方より深刻な電力不足に陥る恐れが。スマートグリッドにより、すでに中部電力は関東地方への電力供給を始めているようです。

阪神大震災を兵庫でリアルに体験している身としては、もう本当に心痛むばかりです。かと言って今のタイミングで現地へ赴きボランティアをするのも、インフラが壊滅し自身の生活もままならないまま(支援物資をボランティアが虫食むなんてことは許されません)の今の状態では、ただ単に迷惑にしかなりません。


そこで。自分が今できること。
原発がやられ電力消費が厳しいなら、それを抑えよう。本当に僅かながらのことしかできませんが、今自分が考える精一杯の事です。


ご家族の方、大切な住まい、そして愛車、かけがえのない大切なものを失われた被災者の方々の心境は察するに余りあります。少しでも多く命が助かる事、そして復興される事を願って止みません。謹んでお見舞い申し上げます。
Posted at 2011/03/12 15:20:20 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2011年02月19日 イイね!

New!試乗記 日産リーフ(LEAF)徹底インプレッション その2

New!試乗記 日産リーフ(LEAF)徹底インプレッション その2さて、前回のリーフの試乗記の続きです。

その1はこちらから。







さて、リーフの走りはいったいどうなのか…エンジンをかけて、ではなく、左側のボタンを押してシステムを起動させ、走り出します。

まず気付くのが、クルマ自体の静粛性の高さ。もちろん無音という前提で、エンジン音がしないがために、ガソリン車では全く意識しない他の音が気になる…というEV独特の不満点、これが少なく感じられました。さすがこのあたりはアイミーヴと比べると「軽自動車と普通車の違い」を実感。アイミーヴも静かですが、リーフはそれにも増してさらに静寂、ロードノイズや風切り音なども目立ちにくい印象。

ちなみに、昨今話題になった「静かすぎる」問題で、プリウスはまるで亡霊のようなセンスのないアラームを歩行者対策で用意していましたが、このリーフはインバーターの音を拾いスピーカーで拡張されるので、全く違和感はなし。また歩行者の立場だとはっきり聞こえますが、運転している分ではほとんどこの「あえて出している」音は気付きません。ちなみに前進時だけでなく、バックする際にもトラックの如くアラーム音が車外に発せられます。これは事故防止の1つとして重要な装備と言えるでしょう。

動力性能に関しては、普通に走る限りはもう必要十分以上。ゼロ発進からの加速は間髪入れず俊敏に、高速本線への合流もストレスいらず、最高速はメーター上で150ちょいまで確認できました(爆)。ただアイミーヴから比べれば、グッと後ろにひっぱられるような加速Gの強烈さはなく、あえてフツー感を強調したのかな?と感じさせるセッティング。ECOモードだとちょっとかったるさがあるなぁ…と思うのも、むしろDレンジいらないだろ…と思ったアイミーヴとは違います。そもそも、ECOモードで走っていても、信号待ちで停車時にNやPにして、再び発進…となると勝手にDレンジに戻ってしまうという不可解な設定(苦笑)。というわけで色々試した後は、Dレンジ固定で走っていました。

また、アイミーヴはどのポジションでも少なからず、リーフの場合でもECOモードでは、アクセルを閉じた時に回生分の減速を感じるのですが、Dだとこれがほとんど回生減速を感じず、ほぼN状態でさーっと慣性で転がっていくような、「滑走」状態を味わう事ができました。いわゆる「充電」はできませんが、一般的な使い方で航続距離を延ばすには、このパターンもアリなのでは?と思ったり。プリウスでも低燃費を叩き出す為にはこういった領域をいかに作り出すか、というのが重要なポイントの1つになってきますしね。



さて、EVという観点に絞り過ぎず、フラットにクルマとしての評価はどうか。まず動き出しから感じるのはステアフィールの透き通った印象。あえてこう表現するのは、いわゆる欧州車のようなインフォメーション性あふれる手応えのあるステアフィール…ではないということ。そういう観点の評価だとはっきり言って物足りないのかもしれませんが、個人的には嫌なフリクションやキックバックもなく、好みで言えばもう少し重めのセッティングでもよかったような気がしますが、かなり軽めでスムーズな操舵感を与えてくれるこの緩い速度域での滑らかさを重視したセットアップは、これはこれであり。「がっしり」というよりも「すっきり」といった感じでしょうか。

そしてそれ以上に滑らかさを感じさせてくれるのが、乗り心地。もう頭から結論を言ってしまいますが、今回リーフに乗って最も気に入ったのは、この項目。「1520kg」と見た目よりかなり重めな車重も影響しているのでしょうが、前ストラット後トーションビーム、というありきたりな特にこだわりもないこのサスペンション形式で、これだけと滑るように走る滑らかさとしっとりとした高級感を生み出せるとは、ちょっと驚きのレベル。この感じは、現行フーガ…しかも標準仕様との比較なら完全にリーフの勝ち、オプションの「コンフォートサスペンション」仕様で良い勝負かな…と、ちょっと褒めすぎかもしれませんが(笑)、何せこの街乗り領域での乗り心地の良さには驚きました。



205/55R16というそこそこ結構立派なサイズの、しかも銘柄はBSエコピアというエコタイアど真ん中のタイアで空気圧指定も高め、という「乗り心地視点」での足元のハンディを抱えながら…と思うと、その印象はさらに強くなります。

おそらく、サスの設定自体がかなりソフトなセッティングになっているのも影響しているのでしょう。バネレートもダンパーも、相当に柔らか目な設定のはず。けどもボディ剛性は高く、普通に走っている限りではダンピング性やハーシュネスもキチンと管理されていて好印象。これも、ハイペースでの高速巡航…などの項目が重要視されない、EVならではの利点でしょうか。

けどもそれだけ乗り心地を優先したソフトな足をもちながら、操縦性…これが悪くない、というよりもむしろ良いんですよねぇ。床下に敷き詰められたバッテリーによる重心の低さ、また車体中央に重量物が集まっている事による慣性モーメントの少なさ…これらのEVだからこそできるウエイトバランスのおかげで、柔らかい足でもロールは全然感じられず、スタビリティの高さと旋回性能のバランスもなかなか。前途したような「緩さ重視のセットアップ」のため、決して機敏でスポーティ…というわけではありませんが、結構なペースで追い込んでみても、破綻を見せることなく、さらりとこなしてしまいます。



そして地味ながら「凄いなぁ」と思ったのが、普通に走っている限り、これがすごくFFっぽい。「バーカ、何当たり前な事言ってんだ!?」と思われるかもしれません。もちろんフロント駆動ではあるのですが、これだけ重量物の配置やバランスが異なっていながら、ノーズに重さを感じてフロントを軸にして旋回していくFFみたいな感覚…。

これって、当たり前のようで、実はこういった感覚は、あえて狙わないとなかなか出せないものなのでは。実際ボンネットを開けると、まるでエンジンのようにインバーターがデデンと構えていますが…。例えば普通の人がティーダから乗り替えても、「表面上」はなんら違和感なくスッと走れる、これが開発陣の方々の狙いなのかも…?機会があれば確認してみたいです。このあたり、あくまで普通さにこだわるリーフ。セッティング次第では、もっと面白い走りのテイストを生むような方向を目指す事だってできないわけではなかったはず。このあたりに、アイミーヴとの開発思想の違いが読み取れます。もっともあちらは、ベースのアイ自体が異質な存在ですが…。

そんなリーフの唯一「普通」とは違い、またクルマ好きとしてもどーしても納得し難かったのは、ブレーキのフィーリング。これは回生するがための弊害だったのでしょうが、このフィーリングには参りました。

具体的には、まずとにかく踏力に対してペダルの動きが固い。全体のストロークが短い。コントロール幅が少ない事で調整が難しい、そして何より石を踏んでいるようなチープかつ頼りないそのフィーリング。そのため、ややブレーキアシストが過剰気味に介入してくるのも気になります。車重に対する、絶対的な制動力のキャパシティ自体に不満は全くありません。なにせオカマ掘られるくらいに効きは十分(苦笑)。

しばらく乗っていると、コントロール自体の癖には次第に慣れていくのですが、「ブレーキを踏んでいる」のではなく「ブレーキペダルという物体を踏みつけている」というこの安っぽさは、かなりのネガティブポイント。「違和感」はなくなっても「嫌感」を払拭する事はできませんでした。自然なフィーリングを狙うがためにあえてブレーキ回生を搭載しなかったアイミーヴは、電気自動車としては致命的な弱点なのかもしれませんが、「自動車」であるべく視点から言えば、妥当な判断だったのかもしれません。




さてここからは一気により現実的なEV的な目線へ(笑)。巡航距離のお話です。

今回は日産レンタカーさんのキャンペーンに当選し、クルマを12時間無料でお借りさせて頂く機会に恵まれたのですが、幸いフル充電状態で貸し出しして頂けました。これ、当たり前の事と思いがちですが…違うんです。ちゃんと貸し出し条件の1つとして「80%充電以上」が項目として挙がっているのです。つまりは、フル充電状態になっていなくても、文句は言えないって事なんですね。ご存知の通り、フル充電→空っぽ、という事を繰り返すより、80→30→80→30…と、過度な充電、放出を繰り返さずに容量に余裕をもたせながら使っていくほうが、電池の寿命が伸びる…というのは、携帯電話なんかでも同じ。リーフも、日産としてはフル充電は必要な時だけ、日常的な使い方では80%前後の充電で終わらせる事を推薦しています。

しかしながら、この約20%の違い、限られたEVの巡航距離での中での話となると、結構大きくなってくるんですよね。一応リーフはカタログスペック上ではフル充電200km走行可能、と言っていますが、まぁこれは当然無理なお話。実用上で考えると、一番条件がいい状態で150kmほど。例えばかったるいエコモードでなくDモードならそれより減り、また気温が低ければさらに減り、そして加えてエアコンを使おうものならさらに減り……今回条件的に一番EVとしては最悪な時期だったのですが、上記の条件に全て当てはめるのを日常的な使い方とし、またそれが充電80%状態だとしたら…精神的にゆとりを持って走る事のできる距離は、まぁ約100kmと考えておいたほうが良さそうです。カタログスペック詐欺はガソリン車の燃費でも同じ事が言えますが、まぁ比較的どこでも、気軽に、素早く給油できるガソリン車と、まだまだインフラ整備が充実しているとはとても言い難いEVとで、このカタログ数値の信憑性を同列に語るのはまだまだ時期早々であり、また世間的な流布という意味でも、安易に行うわけにはいきません。

(そんな中、日産レンタカーの公式Twitterでは、「東京の皆さん。リーフに乗って箱根の温泉に行きませんか!」なんて、さも充電なしで東京箱根間をラクラク往復できると誤解しかねない、知識ゼロな素人丸出しのバカな発言がされており、それにまんまと勘違いするユーザーさんがいないかどうかヒヤヒヤ…変に風呂敷を広げて、後でイメージ的なしっぺ返しを食らっては、それこそEV普及の足を引っ張りかねませんしね。)



しかし、そういった不安点をしっかりとカバーしようとする対策…これこそが日産の本気の表れ。日産ディーラーほぼ全てに200Vの充電器、一部には急速充電器を配備。また一番これは良い!と思ったのは、日産の純正カーナビ。これは近くの充電施設の検索ができたり、あらかじめ充電中に暖房の設定ができたり、まぁとにかくリーフにはこのナビは必須!というくらいに重宝するもの。事実、この機能を搭載した日産のアフター品のナビを、アイミーヴが装着する例が増えているそう。レンタカーでアイミーヴに乗ったら、ナビの起動画面に日産のCIマークが…なんて事も、最近多いんだとか…


さて、そんな事を書きつつ、リーフの充電作業のお話へ。ちなみにこの時は50kmほど走って、12セグメント中5セグメントを消費。真冬ながら暖房OFFでこの数値。とは言っても、結構踏んじゃってるところもあるのでその分相殺か。ちなみにガソリン車と違い、EVは基本ギアがなくファイナルが同一なので、速度が上がれば上がるほど、それに同調してモーター回転数もアップ。つまりは高速域になればなるほど「電費」効率的には不利、ということになります。

最初は寒かった暖房OFFも、天気が良くて陽が差していれば、それほど厳しくはありません。ただ極寒地であったり、そうでないところも夜になると、さすがに冷えが…。寒冷地仕様のオプションで、ステアリングヒーターが用意されていますが、これ、ドライバーには非常に便利そう。シートヒーターなどで上手く電力消費を抑えて冬場は乗り切りたいところです。また、さすがに窓の曇りに関してはガマンできるようなものでもなく、ここはエアコンの力を一時的に借りる事となりました。乗員人数が多ければ、窓の曇りというのも1つ問題でしょう。



さて充電…と思いきや、なんと画像のような状態で、リーフとアイミーヴのまさかの充電待ち(笑)。なんか未来の風景だなぁ…とその時は感慨に浸っていましたが、これ、今後は頻繁に目撃するような光景になってくるかもしれません。ガソリン車と違い、最低でも1台10分以上は待つ…つまりは数台入れば、すぐ1時間オーバー。これはいずれ大きな問題になるに違いないでしょう。「あくまで急速充電は非常用」とのことですが、実際普及し始めた時、どこまでその「言い分」が通用するのか。基本は家庭での200V充電、という徹底が難しいのであれば、急速充電器などのインフラ整備は今後急務と言えそうです。



さて、待って待って、いよいよ充電。フロントの蓋をパカっと開き、ここのノズルを挿して充電。その時の姿は、なにか水を浴びるならに電気を吸う小象のよう。笑 充電中は、ダッシュボード上のブルーのインジケーターが点滅して、充電状態を知らせてくれます。


しかしここでまた問題が。画像のように、急速充電器は、駐車スペースに対して並行して設置されているケースが珍しくありません。アイミーヴのように通常の給油タンクの位置にプラグがあればいいのですが、リーフのようにフロントから充電するとなると、意外にそのコードの長さの関係から、写真にある「DQN駐車」のような状態を強いられてしまうのです。今回はガラっガラの駐車場だったのでまぁよしとしても、これ結構大きな問題になるかもしれません。ちなみに、家庭用200Vの充電もここから。この場所ってよく目立つのですが、案外実用的に考えると不便だったりします。まぁアイミーヴはMRレイアウトだからこそ、あの位置でOKだったのですが…今後のFFをベースとしたEVが、どう対策していくのか。初歩的な問題ですが、ちょっとこれは今後の課題かもしれません。



そしてもう1つ、これも今回初めて気付いた部分。急速充電器の謳い文句は「30分で約80%状態まで充電可能」というもの。今回は半分ちょっとまだ残っているので、まぁ15分もすりゃ充電できるかな…っと思ってスタート。ところが、結果12セグ中10セグまで充電するのに、なんと約25分も費やす結果に。おそらくほぼ空の状態で充電したのなら、さらに長く…4~50分くらいかかったかもしれません。

な、なぜ!?どうやらこれ、その機器によって、またEV本体だけでなく充電器も、気温による影響を受けるのかもしれない…そんな仮説が自分の中で立つことに。急速充電器なら30分でほぼフル充電、この前提にまず疑いをもったほうがいい…今回いくつか充電施設を回った上での答え。これは、昨年夏にアイミーヴに乗った際には感じなかった事でした。

さて、色々長々ダラダラ書いてしまいました。総論では、見た目はやはり理解不能。パッケージングにはもう一工夫欲しい。クルマの静的質感は~150万円クラス。インパネとメーターは高級感アリ。走りはEVの特性を生かしつつ、できるだけフツーにフツーに。けどその落とし所が、普通の人が違和感なく乗れ、こだわりある人にも単なる「ティーダ」のEVに感じさせない、絶妙な仕上がり。特に乗り心地は抜群。ただブレーキには難あり。航続距離は基本100kmと考えるべし。寒さはガマン、曇りは大敵。急速充電は基本アテにするな。以上、短くまとめるとこんな感じでしょうか。



いろいろ期待と不安が交じりつつ、けど実際は思っていたよりもちゃんとまとまってた…その印象が強いような気がします。もちろん、まだまだクルマとしての基本的な部分で煮詰めるところはたくさんあります。EVだから、といって、贔屓目で甘い採点をするわけにはいきません。しかし現時点でキチンとEVとして商品化できているアイミーヴと、そしてこのリーフ。世界中見渡せば、「リアル」な目線で、今間違いなく一番進んでいると言っていいでしょう。そしてさらに回生システムやナビ協調制御など、そして価格面でも、リーフはアイミーヴに比べて一歩進んだ存在であると言えます。

しかし。まず。根本的に。なぜ、このサイズなのか?
そこに、最終的には疑問が集中してしまいます。その航続距離からして、EVはやはりシティコミューター的役割が現時点ではベスト。このリーフのサイズでは、やはり色々と「上」を求めてしまう…つまりは、チョイ乗り用と割り切るには、大き過ぎるし、高級すぎるし、サイズ感がなんとも微妙なのです。色々考えるならやはりプラグインハイブリッド、またはボルトのようなエクステンダー式EVか。まぁ、アメリカならばこのサイズは必要最低限なのかもしれませんが、何もかもアメリカ基準=世界基準というのは、もう時代錯誤な気がしてなりません。

ここで、以前アップしたアイミーヴの試乗記の締めの文章を再編集したものを掲載して、この今回のリーフの試乗記の締めにしたいと思います。いざリーフに乗って、その実力を味わい理解した上で、以前に下したこの結論は変わる事はありませんでした。これが今自分の思う、本音です。

~~~~~

航続距離が短い事は欠点と言えば欠点ですが、それを今現在のEVの不満点として問う事は、例えばロードスターに積載性能を求めるようなものであって、少しお株違い。もともとそういう事を前提とした上でこのクルマと上手く接する付き合い方をしていくのがEVであり、その点で言えば意識改革を行うのは、我々ユーザーのほうかもしれません。

高価な軽自動車になってしまうという点で言えば、日産のリーフのほうがポテンシャルは高そうではありますが、個人的には先述したように、EVは軽自動車枠のサイズであるからこそ真価が問われると考えます。きっとリーフくらいにボディサイズも居住空間もゆとりがあれば、その分航続距離の短さなどのデメリットがより切実に感じられてしまうと思うのです。その点だけでも個人的には、アイミーヴの圧勝という気持ちでいます。


さて最後に、これからのEV評論について思う事を少し。アイミーヴに乗って感じた事は、まず自動車としての実力の高さがあった上で、初めてEVという価値観の素晴らしさが生まれるということ。よく「エンジンを必要としないEVは、バッテリーさえあれば、様々なベンチャーが自動車業界に参入できるチャンスである」というような報道もなされていますが、今の時代に必要とされる基準をクリアし、さらには自動車としてドライバーに魅力を兼ね揃え、商品的価値としての何かを盛り込む事は、ノウハウのないそんじょそこらの新興企業が成し得る事は並大抵のものではない…ということを、声を大にして言っておきたいと思います。テスラのような形態が増えるのであれば、これからのEV事業はもっともっと面白くなっていくでしょう。

そしてもう1つ。迫りくる海外勢の脅威も忘れてはなりません。今間違いなく世界で1番日本がリードしている分野であり、まだコンセプトカー段階の車を引き合いに出して、すでに市販ベースの日本車をコケ扱いする一部カーメディアの左翼的報道もどうかとは思いますが、ここ数年のスパンで間違いなくそのリードは着実に縮んでくるでしょう。

例えばゴルフEVが市販となり、リーフと比べた時に、EVという点でスタート位置が揃った場合、結局は今現在で言う「ゴルフとティーダ」の比較状況と同じようになってしまうのではないか。もちろん、速度域が低く、航続距離も短いEVに、ドイツ車の過剰性能過剰クオリティに追随しろ、なんて気はさらさらありません。ようはクルマ自体の魅力、テイストの範囲の話。そう考えた時に、果たして日本車はこれからどういう価値基準でクルマの魅力を作っていくのか。例えそれがEVであろうとハイブリッドであろうと燃料電池であろうと、「クルマとしての魅力作り」の歩みを決して放棄してはいけない、という事を最後に主張して、このレポートを終えたいと思います。
Posted at 2011/02/19 22:50:42 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日産 | 日記

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