• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2013年10月03日

ステーションワゴンな話題

ステーションワゴンについて振り返ってみました。
文献や個人研究の結果、
自分の生きていない時代の記述もあります。
色々間違いがあるかもしれませんがあしからず。


●ワゴンブーム到来以前
モータリゼーションが加速した1960年代以前、
街角で見かける車といえばタクシーやハイヤー、
社用車やライトバン、トラックだった。



写真のように、乗用車=格調高いセダン=個人所有は憧れ

当時の日本人は乗用車に憧れを抱きながらも、
仕事に使うためにコロナラインの様なライトバンを買い求め、
平日はビジネスに、休日はレジャーに使用していたらしい。


この写真は当時のカローラバンのカタログだが、
バンとセダンで装備品の違いはほとんど無く、ワゴン感覚。

セダンベースのライトバンはベース車と
装備品はほとんど変わらず、高級感があったし、
荷室のユーティリティを遊びに使えることを精一杯アピールしていた。
とはいえ、我々の祖先はセダン(乗用登録)こそがステータス、
憧れの象徴であり、生活臭のするライトバンを敬遠する心理状態が
大多数を占めていたようである。

当時の自動車のお手本であった米国では既にステーションワゴンは
人気のボディタイプとなっていたことを反映して
国産メーカーもライトバンを豪華に仕立てた
ワゴンボディを設定したが、あくまでも人々の憧れはセダンであった。

1960年代、欧州ではバックドアを持つハッチバックが発明され、
日本でもこの流れに沿ったモデルが登場したものの、
バックドアつき=ライトバン、と言われてしまい、ヒットすることはなかった。


1970年代に入る頃にはわが国のステーションワゴンは
徐々に日陰者扱いにされていき、ワクワクする新技術は
よりセダンやパーソナルカーとしての資質を磨いたクーペ、HTに投入され、
ワゴンはなんだかオジサン臭いバリエーションになっていった。

一方で破竹の勢いで伸びた輸出仕様ではステーションワゴンが求められることから、
バンベースで装備をかなり豪華にしたワゴンが設定されていた。



1970年代中期にはトヨタがカローラクーペを
ベースとしたリフトバックというバリエーションを追加した。

これは、クーペをベースにルーフを延長、リアデッキを拡大し、
大型のバックドアを取り付けたもので、スポーティなクーペを
ベースに若者向けのお洒落で遊べる車を目指して開発されたものである。

その低重心なスタイリングと包容力のあるユーティリティは
シューティングブレークの先駆けともいえるものだったが、
わが国ではまたしても「バンみたい」とそっぽを向かれてしまい、
海外では成功したものの、国内ではさっぱりという状況であった。

1980年代に差し掛かるごろになると、同じくクーペをベースとしながら、
Rrドアを追加し、流麗なバックドアをつけたサニーカリフォルニアがヒットしたりもした。






●ステーションワゴンブーム到来

1990年ごろまで、徐々にステーションワゴンは遊べる車として浸透しつつあり、
サニーカリフォルニアやスプリンターカリブの様にバンボディを持たない
ステーションワゴンと平行して従来どおりのライトバンを豪華にした
ステーションワゴンも販売されていた。



このステーションワゴンが一躍脚光を浴びたのは1989年のスバルレガシィが発端だった。
事実上の先代モデルであるレオーネと違い、乗用車ボディのみで商用車臭さがなく、
シンメトリーAWDと水平対抗4気筒ターボエンジンが持つ圧倒的な走りが
「普通の車」に飽き始めていたユーザーの心に響き大ヒット。

大メーカーが提案してきたヒエラルキーに従わないクラスレスな魅力が新しく、
カローラ→コロナ→マークII→クラウンという従来のヒエラルキーは
分かりやすい一方で、そこからはみ出したいと言う心境を人々に植え付ける事に成功した。

そんな中、ステーションワゴンのレガシィやクロスカントリーのパジェロと言った
名作が「レクレーショナル・ヴィークル=RV」としてブームになり、
ステーションワゴンは一気に市民権を得ることとなった。
もはやRVという言葉も残っていないが、
当時は「RVこそが新時代のファミリーカー」ともてはやされた。



面白いのはこのブームに乗って
従来同様のバンベースのステーションワゴンも一緒に売れたということだ。
1995年にフルモデルチェンジしたカローラは、バブル崩壊の反動で
商品性が下がり、セダンもクーペも売れ行きが思わしくない中で、
フルモデルチェンジされずに残置されたステーションワゴンが若者を中心に
大ヒットするといった現象もあった。

1990年代からのRVブームで乗用車の中心はセダン・ハードトップやクーペから
ユーティリティ重視のRV(ステーションワゴン、ミニバン、クロカン)に移ってゆく。

●現代のステーションワゴン
90年代、ステーションワゴンは今までのようなセダンの代わり型ではなく、
メインの車型のひとつとして数えられるようになった。

セダンに飽きた層、若者層を中心にワゴンは一世を風靡した。

私自身も、何回か友人が所有するステーションワゴンを借りて出かけたことがあるが、
ユーティリティの高さに惚れ惚れするようなシーンがあった。




週末にまとめ買い、DIY、週休5日制でレジャーの機会が拡大・・・・

我々のライフスタイルが変わってきたからこそ、
このような車が真価を発揮するようになってきたともいえる。

ところが90年代の終わり頃からは、
ユーティリティを求めるファミリー層はミニバンやミニミニバンに移り、
若者層はコンパクトハッチバックに徐々にスイッチすることとなった。

販売サイドも一年車検のライトバン代わりに
二年車検のステーションワゴンを売る動きが加速された。
結果として、何年もかかってライトバンイメージを払拭したにも関わらず、
ステーションワゴンは再びライトバンの代替物へと変貌してしまった。

2013年の現代となっては、例えばトヨタのラインナップでは
プロボックス/サクシード、カローラ・フィールダー、プリウスα、
アベンシス、マークXZioだけになってしまった。

ただ、どうやら欧州ではステーションワゴン流行の兆しがあるらしく、
オーリスやシビックにステーションワゴンが追加されるという。

●まとめ
かなり乱暴にステーションワゴンという車型を振り返った。
かつてのセダンのお供え物だった事と比べると、
現代はDセグ以下ではむしろセダンこそが
ステーションワゴンのお供え物のような状況になりつつあり、時代の移り変わりを感じる。

個人的にはこの流れは1990年ごろに潮目が変わったように思う。
あの時代こそが私があこがれた旧き良き時代との分水嶺だったのかもしれない。
(もちろん今の車も大好きだが)

わが国や欧米もセダンからステーションワゴン、そこからミニバンに発展したが、
ミニバンの腰高な走りや燃費の悪さから、再びステーションワゴンが
見直される動きも十分ありうると思う。

そこで次回、私は重要なターニングポイントとなった
1990年ごろのステーションワゴンに乗ってみたいと思う。
今回はそこまでの予習。
ブログ一覧 | 調べてみた | 日記
Posted at 2013/10/04 00:15:30

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

だから、私のにはシビエのドデカフォ ...
P.N.「32乗り」さん

裏表使えるってイイネ
ターボ2018さん

東北も春ですな~( ̄▽ ̄)
まおうアニキさん

曇り(法務省)
らんさまさん

ブラボーゾロ目
nogizakaさん

久しぶりに飲みました!
のうえさんさん

この記事へのコメント

2013年10月4日 0:32
え,増車予告?
コメントへの返答
2013年10月4日 0:34
あれは1982年のワゴンでしょ。
もう売れちゃったらしいよ。

二日ほど1991年のワゴンに乗ります。
2013年10月4日 8:09
同じ税金払うなら積載空間の広いワゴンです。
昔はバンを商用&乗用兼用な世相もありましたが、あの時代大半はDX等の普及グレードが大半でした。カタログに載ってるような毛の生えたワゴンは一握り(自分の所も軽油のバン全盛v)。
初代レガシィは秀逸です。室内ピラー部分まで植毛の豪華さ。淡色に見慣れてますが濃色も良いですね。
120カローラ、コレも出来が良いです。構造も単純ですし、しかしAピラーの角度の問題で斜め横の視界がイマイチです。

あ、あの1991年のワゴン♪
アレはイイですよ、、見切りが良いというか、旧来からのワゴンの基本形というか。

すみません、ワゴン好きなのでつい喰いついて長文コメントでございます。
コメントへの返答
2013年10月4日 14:25
子供のころはワゴンは見かけませんでしたね。私は1stカーがセダンですが、静粛性が高かったり、荷室のにおいが入らなかったりと確かにメリットは感じます。

そんな中で初代レガシィは時代を変えましたね。単純に速いだけならダメだったでしょう。
クラスレスなほんものが持つ魅力、という陳腐な表現ですが、レガシィは確かに当時他の誰にも似ていませんでした。

120カローラは私が友達に薦めて買わせました(笑)
Aピラーの問題はまぁ購入を否定するほどのファクターにはなりませんでした。

91年のワゴンは今、絶賛試乗中です。
一泊で軽い旅行に出かけてきます。
2013年10月4日 20:53
はじめまして
だいぶ前から拝読しておりました。
的確かつ判り易い文章に共感してきた次第です。(購入の際、並盛おしんこ付にしたのは、こちらのAクラスの分析の影響を受けています・笑)

ステーションワゴンの予告編とのことですので、今後の展開を楽しみにしております。


初代レガシィが発端というのは、当時を知る自分も同感です。
輸出専用だったV20系のカムリワゴンを3年前に国内販売していたら、若干違った歴史になった気もするのですが、4ドアハードトップの全盛時に提案できるはずもなく。EDの影響を受けて他車は同じような提案に走りますが、スバルだけはあえて4WDワゴンを提案したからこそ、歴史が動いたのだと思っています。
コメントへの返答
2013年10月5日 21:30
はじめまして。
私の拙いブログをお読み頂き感謝します。
並盛おしんこ付、良い選択だと思います。
メーカーは高い仕様を売りたがりますが、私は極力そのモデルの魅力が損なわれない程度に安いグレードを探す方が楽しいし「かしこい選択」だと思います。

ステーションワゴン、本日試乗を終えレポートを鋭意作成中です。

レガシィは当時小学生だった自分にも何だか違うぞ、と思わせる何かがありました。

1980年代末期、セダンのほかにはクーペがあり、セダンの変り種はHTが担っていたりしましたね。スバルも本当はセダンをメインに開発していたのかもしれませんが、販売でワゴンをどんどん押していったやり方は巧みだったと思います。当時、あんなに速さを誇ったワゴンはありませんでしたね。
2013年10月5日 9:05
高速安定性とユーティリティ面での両立を考えると、これ以上ないパッケージングだと思いますね。自分も120系フィールダーに乗っていたのでよく分かります。

もし自分も実用的なクルマを買うなら間違えなくステーションワゴンです!
コメントへの返答
2013年10月5日 21:29
これからホントにステーションワゴンが見直されるのでは?と思っていますが、まず背が低くても歩行者保護性能を満足できるプラットフォームが開発されないことには・・・・という印象です。

120フィールダー、IKEAに家具を買いに行くのに大活躍でした。収納もアイデア満載。

名車の予感、です。

プロフィール

「新宿は小雨 セルシオどこへやら、、、。外交官ナンバーでした。至る所でこの青いナンバー見かけますね。」
何シテル?   04/11 22:03
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

   12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

リンク・クリップ

スバル フォレスター Premium (再)試乗記 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/04/14 10:35:09
キャニオンゴールドさんのホンダ フィット 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/16 20:52:21
ロータリーエンジン じゃましないでね 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/02 08:18:40

愛車一覧

トヨタ カローラ トヨタ カローラ
1989年式(マイナーチェンジ直前) カローラGT。 ヤフオクで発見し、 不人気車ゆえに ...
トヨタ RAV4 L トヨタ RAV4 L
1996年式 標準グレード。 私が小学生だった1994年、RAV4が颯爽と登場した。私 ...
トヨタ プログレ トヨタ プログレ
2000年式 NC250。 長年、趣味の先輩達と車談義を重ねる中で定期的に「プログレは ...
シトロエン DS3 シトロエン DS3
2011年式 スポーツシック・エディションノアールII。 ラテン系ホットハッチ(プレミア ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation