メーカー/モデル名 | レクサス / LBX クール(CVT_1.5) (2023年) |
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乗車人数 | 2人 |
使用目的 | その他 |
乗車形式 | 試乗 |
おすすめ度 |
3
|
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満足している点 |
1.直列3気筒を感じさせないNV性能(ANC必須) 2.納得できるレベルの後席居住性 3.3ヶ月という短い納期 4.最廉価グレードを買っても満足出来る仕様設定 5.便利なウエットアーム式ワイパー |
不満な点 |
1.突き上げの強い乗り心地 2.少々大人しい動力性能 3.リーズナブル(納得感)じゃない価格 4.PDAのお節介が邪魔 5.36Lという小さなタンク容量 |
総評 |
●「スニーカーのようなクルマをつくってほしい」 2023年11月にデビューしたLBXはレクサス初のBセグメントクロスオーバーSUVである。レクサス初の3文字の車名で「Lexus Breakthrough X(cross)-over」を意味するとプレスリリースにあるが、本来なら「BX180h」と名付けられていてもおかしくない。 TNGA-Bプラットフォームをベースにした1.5L THSのクロスオーバーSUVなのだから、「レクサス版ヤリスクロス」というゲスの勘ぐりをしない方が不自然だろう。 ボディサイズは下記の通り、ヤリスクロスとホイールベースまできっちり変えてきたあたり、意地でもヤリクロと言わせねぇ!という強い意志を感じた。こういう強さは「強いトーションビーム」と揶揄されたあの高級ミニバンのRrサスを独立式に変えたときと同じ熱意を感じた。 ![]() レクサスのエントリーモデルは長年に亘りCT200hが担ってきた。HS250hの兄弟車でありながら、Aクラスや1シリーズを意識したコンパクトハッチバックで2010年代の国民車とも言える3代目プリウスをベースにキビキビした走りとレクサスの世界を結びつけて若年ユーザー・女性ユーザーから好評を博してブランドの裾野を拡げてきた。 2018年にはCT後継を狙ってUX200/UX250hが発売されたが、CTを継承せずに中途半端なナンチャッテSUVというキャラクターがどっちつかずに見えたのか、ラゲージ容量が小さすぎて忌避感が出てしまった。結果、CTをやめるにやめられず2022年11月末まで併売を続けざるを得なくなってしまった。 どんなブランドも高齢化が進むとブランドそのものの活力が無くなるので、廉価で元気なエントリーモデルが本当は必要だったのにレクサスはCTを育てずに放置し、安易にSUVブームにあやかったのがどうにも軽薄な印象を与えてしまったことも私は残念に感じている。(仮想的のAクラスも1シリーズもちゃんと進化を続けている) そんな中、現われたLBXはそんなレクサスのエントリーモデルとは何かを考え尽くした戦略モデr・・・・・、いや・・・・実は豊田章男社長(当時)から「上質で毎日履き倒せるスニーカーみたいなクルマができないか」と言われて開発が始まったコンパクトカーだった。 Premium CasualをコンセプトにしたLBXは極めて私的なニーズによって産まれたというのが何とも「今の」トヨタらしいエピソードである。 スニーカーは気軽に履きやすく、歩きやすく、時には走れる。ファッション性もあり機能も重視される。だから毎日履いている人も居る。そう言われれば確かにLBXはそんな風にも感じられてくる。全長が短いから都市部でも扱いやすく、それでいて上質感のある内外装はレクサスが視野に入る層にとっては手頃なクルマと受け止められるだろうし、ラージセダンやミニバンを卒業した高齢者層にも魅力的な選択肢になる。 実際に運転して、なるほど基礎体力がしっかりしており例えば静粛性が高く、信号待ちで周辺の音を入れないという点で私のプログレを超えている。(25年も新しいんだから当たり前であって欲しいが) 一方で、高速域の余力の無さと市街地で残る突き上げ感はオールマイティさに欠けると感じた。思えばCTもちょっと脚が堅かったので、これがレクサスがやりたいことだったのかも知れないが、真の都市型を銘打って高速性能を重視しないというなら、もう少し乗り心地の角を丸くした方が我が国のオーナー達には嬉しさがあったんじゃないかと感じられた。或いはモアパワーのために例えばMORIZO RRのNA版の1.6Lを搭載して余力を産んでくれても良いのになと思った。ターボは強力すぎて一般の人には過剰だ。 LBXはそんなレクサスにとってとても重要なエントリーモデルとなった。クロスオーバーと言いつつ、世が世なら初代ISTの様にプレミアム2BOXと呼ばれてもおかしくないスタイルで、実質的にはプレミアムハッチバック車である。最近になって街でも見かけるようになってきた。 価格の面では、最廉価のカジュアル(420万円)が最近のトヨタ・レクサス車の水準よりも比較的お買い得な仕様設定なのが目新しい。CTを放置してエントリーモデルを蔑ろにした作り手の中にも後ろめたいものがあったのだろうか。 確かにヤリスクロスと較べるとグッと良くなっている、或いはノンプレミアムだがノート・オーラ辺りと比べても完成度が高い事は認める。しかし、価格に見合っているかと言われると「本当はまだやれるだろう?」と言いたくなってしまう。25年前の小さな高級車を所有しているからこそ、これが最新の小さな高級車だと認めたくない気持ちが私の中にある。高級車は大衆車では受け入れねばならない限界をカネを使って拡張して「我儘を聞いてくれる」からこそ高級車なのでは無いだろうか。その意味でLBXは装備水準もさることながら、都市型の域を出ないあたりもう少し自動車としての底力を発揮してくれないだろうか。 ![]() 個人的にはモアパワーだ。M15A-FXE型は回すとE/G音が目立つので、もっと低回転で出力が出せるようなE/Gを組み合わせて高速巡航中の静粛性を維持したい。例えばG16E-GSE的な自然吸気E/Gを準備してでも余力が欲しい。 一方であくまでも都市型高級コンパクトとして動力性能を割切るのなら、せめて市街地での硬めの乗り心地をソフトに改めて欲しい。そして、他の方も指摘されているがせめて助手席パワーシートと電動チルテレは必要だろう。LBXで初めてレクサスの世界に足を踏み込む人も居るだろうが、そんな大切なゲストをガッカリさせてはいけない。 「シルバニアファミリー」でも「プラレール」でも新規参入者に対して一通りのパーツが揃う入門セットがおもちゃ業界にはある。子供達が楽しめる内容を厳選し、親が買いやすい価格で引き込んで沼に誘うわけだ。 LBXが特定の人(モリゾウさん)を喜ばせるためだけに産まれたとしても、量産されて販売されているのだから多くの人たちの笑顔につながる仕様設定も蔑ろにしてはいけないと私は思う。 |
デザイン |
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デザインコンセプトは「Premium Casual」とし、サイズのヒエラルキーを超えた上質さと存在感を併せ持ち、高い審美眼をもったお客様が日常でカジュアルに使いたくなるコンパクトクロスを目指し開発したという。名付けて「ユニファイド スピンドル」というそうだが、今後のレクサスの新しい顔として今後はこの顔が増えていくのだろう。
![]() 全体的なシルエットで面白いのは「鏡餅理論」による低重心スタイルの追求である。「具体的には、アンダーボディにコンパクトなキャビンが乗る構成により、トルソー(胴体)とキャビン(室内)を明確にすることで、より重心が下に向かって見え、心地よく地面に食らいつくというようなプロポーションをつくり上げる新たな考え方です。」 と公式サイトで語られている。LBXはBセグクロスオーバーではあるが、4つのタイヤが大きく張り出して大地を掴み、キャビンは小振りに見える斜め後方から見た時のボリューム感はBセグの範疇を超えている。 実車を前にしてもコンパクトだなと言う印象はあまりない。「小さいと馬鹿にされる」とコンパクトカーを忌避する人も、もしかすると納得できるレベルかもしれない。実際に車幅は1825mmと立派なサイズだ。 ![]() ただ、パッケージング的にはSUVルックを借りて来ることで大径タイヤを履かせ、プレミアム感のあるBセグハッチバックを作ったという基本構成であるから、2002年の初代istや2015年のマツダCX-3の再来とも言えるのでは無いかと私は考える。ただ、LBXはレクサスブランドゆえにお金がかけられているので装備水準などは全然異なっているが。 インテリアはグッと大人っぽくレクサスらしさが感じられる。例えばスイッチでドアを開閉できるEラッチも慣れると非常に便利な機能である。また、センターコンソール幅一杯に配置されたセンタディスプレイは9.8インチ。AUDI Q2の8.8インチにはちゃんと勝っている。 ![]() A/Cコントロールやオーディオ類を集約することで狭い空間を有効活用しているが、実用上残されたハザードスイッチが周囲に埋没するほど小さいのは気になった。 センターコンソールも幅を狭くして広々感を確保している。電気式シフトを活かしてシフト下のスペースは空洞にして女性用の小振りなハンドバッグが置けそうなスペースもある。 その分、収納関係は控えめだが必要充分で不足と感じることは無いレベルにはある。コンパクトカーは室内を広く見せることが大切だがこのセンタークラスターからコンソールは質感を維持しながら効果的に広々感が出ているし、エアコンレジスターがトリムと一体化してドアトリムにつながって見せていることや、助手席のグローブボックスのえぐりが大きいことも広々感の演出に役立っている。 総評するとLBXの内外装デザインは確かにレクサスに見えるし、SUV的な力強さがコンパクトカーにありがちな弱々しさを打ち消している。個人的にも好感を持って見ていることができるのがLBXだ。確かに全幅1825mmのどこがコンパクトなのか?という素直な疑問も沸かないでは無いが。 |
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走行性能 |
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ドアを開け、乗り込んだ。ぼむ・・・・というドア締まり音の良さが嬉しい。このドア締まり音の演出は貼付け型の制振シートなど工夫して作られているのだろう。
室内は静粛性が高く遮蔽感がある。周囲の音から遮断される静粛な室内、これは高級車なんだと期待が膨らむ。 シートポジションを合わせ、ステアリングを調整しようとして驚いた。チルテレが手動式だったのである。Bセグメント用の電動チルテレが無いと言うことなのだろうが、運転席だけのパワーシートに3人分のシートポジションメモリ機構をつけるのなら、電動チルテレつけてくれた方が親切なのにな、と思う。 ![]() それはさておきドラポジは比較的容易に決まる。ステアリングセンターが過度に中央よりということも無く、運転姿勢を調整できることは確かだ。 起動させて販売店の敷地を出た。歩道から車道に入った時の一発目の段差で「あ、硬い」と感じた。幹線道路を加速させてうねったアスファルトや段差を乗り越えたときに、自分の求めるイメージよりもダイレクトにショックが伝わって来たし、コンクリート路面を走行したとき、路面の凹凸をそのままブルブルと伝えてきたのでその点は不快だった。 比較対象は25年前の小さな高級車プログレになるのだが、LBXは不快では無いもののリラックス出来る街乗り主体の高級車としては少し硬すぎるように思う。 信号待ちで隣のトラックから聞こえるカラカラ音が聞こえてこないことに気づいた。ドアガラスは分厚いアコースティックガラス(遮音性のある中間膜付)が奢られている。トヨタのBセグでアコースティックガラスが奢られている事例はJPNTAXI(のスライドドア)以外に私は知らない。更にドア下部の水抜き穴はガッチリ埋められていたり、細かいところの隙詰めができているのだろう。高級車にとっては高い遮音性による隔壁感は大切な演出要素である。 信号が青に変わった。電動車特有のレスポンスの良さを見せつけてスーッと加速するが、周囲の流れと同じような加速度でもE/Gがなかなか起動しない。 駆動用バッテリはアクアと同じバイポーラ電池が搭載されている。内部抵抗を減らして大電流を流すことができるため、従来型相当のサイズにすれば使える容量が増え、EV走行からE/G起動までの時間を稼ぐことができる。昔の20プリウスあたりでE/Gがかからないように足の裏がツリそうなほどの繊細なアクセルワークでEV走行させていた(比喩)あの時代とは違う。そしてE/Gが起動したとき、私の中では大きな驚きがあった。E/G起動時の音が目立たないのである。 LBXが搭載するのはヤリスやシエンタと同じM15A-FXEである。直列3気筒1.5Lなのだが、とにかくE/Gが起動するとガッカリしてしまうような雑味のあるサウンドと振動が悲惨だったハズなのにE/Gの音が目立たない。やった、遂にやりやがった、と私は悟られぬように嬉しくなった。 ![]() あとで調べると、ヤリスやアクアには装備されないバランスシャフトが装着されたのだという。ハイブリッド車はアイドリングをしないので不要とこれまで主張していたがレクサスともなると話は別なのだろう。トヨタの3気筒E/Gで初めてと言って良いほど振動が気にならないE/Gが出現したが、2020年のヤリスから実に3年もの月日を要した。 振動を消し、起動時ショックも許容出来るくらいには低減されており、残るE/G音も防音材で遠いところから聞こえるようになったし、低周波のこもり音はANCによってスッキリと消されている。ANCとはアクティブノイズキャンセラと言い、こもり音の逆位相となる音をウーハーから出力して打ち消すという凄いことをしている。おかげで加速時のLBXから聞こえてくるE/G音が許容レベルに収まっているのだ。 本体価格420万円くらいになると、こんな高級装備が・・・と思ったら25万円もするマークレビンソン(プレミアムオーディオ)の付帯装備なのだそうだ。確かにこもり音を打ち消せる重低音はプレミアムオーディオと抱き合わせで無ければキャンセル音を発音させられないだろう。 ちょっと興味があるのはマクレビ無しの素の使用でどれ位こもり音が出ているかである。25万円もの大金なので躊躇した結果、3気筒を感じさせるこもり音が出ていたらせっかくの高級車が台無しになってしまう。 少しの区間だけ流れの速いバイパスも走らせたが、瞬発力のある加速や中高車速の加速は実用車的なレベルに留まっていた点は少々気になる。 システム出力は136psとCT並をマーク。類似する質量のシエンタの116psよりは余裕を見せてくれているが、市街地で感じた「オッ」という感じは随分スポイルされた印象だった。高速域だとCTよりも投影面積がでかいLBXは空気抵抗も大きく受ける。そのあたりも高速性能でビハインドになるかなと予想している。 このあたりは割切ったのかなとも思える。あくまでも都市型コンパクトカー的な立ち位置の範囲内では充分に走ってくれるが頻繁に高速道路を走るのならUXをどうぞ、と言いたげな味付けであった。私はどうしても長距離走れる車が欲しいのでここは好みから外れていた。 市街地で及第点の動力性能と3気筒をうまく誤魔化したNVは好ましいが、その分乗り心地に疑問符が付いた。また相変わらずPDAの介入は鬱陶しい。 あと少しの動力性能の付与があれば4★でも良いかなと思える感覚だった。 乗り心地に関しても、静粛性は良い線行っていると私は騙されたが、乗り心地の堅さが惜しい。 |
乗り心地 |
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積載性 |
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運転席に座り、ドアを閉める。ドア締まり音に重厚感があり高級感が楽しめる。着座姿勢は低めでCTもそうだったな、と少し懐かしくなった。
室内は特に狭苦しいわけでも無いが、センタークラスターからコンソールにかけての幅が細く、室内スペースの確保に苦心した跡が窺える。全幅1825mmはグラマラスな意匠実現のためものもであり、室内幅は1444mm。ちなみに25年前の小さな高級車プログレの場合、全幅1700mmでありながら室内幅は1465mmである。 ![]() センターコンソールのサイド部はソフト触感になっていて当たっても気にならないように配慮されている点もプログレに似ている。更にカップホルダー配置も一個は設定があるが、助手席用にはセンターコンソールリッドをスライドさせて出現するロジックがプログレと同じで懐かしく思った。実際はドアポケットのボトルホルダーを使う人も多いだろう。 運転席に座った時の頭上の余裕は握りこぶし2個入る余裕があり大きな不満は無い。一方、後席はあまり広くない。RRドアが小さく、分厚いのでCRSを取付けて子供を乗せ降ろしするのは至難の業である。ファミリーを想定していないから、当たり前なのだが個人的にはまだ重視したいポイントなので少々残念だ。しかし、大人がすこし身体をよじって乗り込む分には問題ないし、むしろドアを閉めて姿勢が決まったあとはタイトだが収まりが良く、私は大いに気に入った。アップライトに座らせてサイサポートが良いので、体重がより良く分散されて心地よいのである。 TNGA要素の一つ、シート直締め構造の弊害で右後席の場合、右足がシートレッグと干渉し、不自然に避けねばならないレイアウトが脚引きの良さによって気にならないレベルまで改善されているのは好感を持った。 後席空調吹出し口が無いのは前席優先(むしろ運転席優先)で割切られてしまったのだろうが広すぎないキャビンなら許容できるかも知れない。 前席でドラポジをとったあとの後席の余裕は膝前が握りこぶし2個強、頭上空間は指二本分と、不足は無いが余裕も無い。ドアトリムのベルトライン部もカチカチの硬質樹脂で見るからに後席はコストの割付け上冷遇されている。 ![]() 更にラゲージも別にウリにはしていない。バックドアを開けると開口とツライチになるように2段デッキボードが置かれ、高級車としてMUSTとも言えるソフト触感のデッキサイドトリムに安心した。 容量そのものは大きくなく、試乗したFFモデルのトノカバーとデッキボードをつけた状態ではVDA法で216Lとなる。その下に50L程のスペースがあるので普段使わないものをデッキ下に入れる事もでき、2段デッキボードを外して自宅保管すれば、310Lにスペースアップできる。普段の買い物の荷物はバックドアとツライチだと、野菜や缶が転がって出てきてしまうので、私ならデッキボードを外すだろう。出来ればデッキボードを自宅保管しなくてもよくなるようにできればいいのだが。 後席を倒してしまうと、フラットな荷室が得られ、695Lというステーションワゴンライクな積載性もある。高級車としてはゴルフバッグが積めなくてはいけない、と昔から言われているがLBXはUXの様に後席を畳まなくても一つ積むことができるのは優れている。 このようにLBXは背の高いプレミアムハッチバックをシングル/カップルで使う場合には充分な積載性と居住性を持っている。本当は後席の膝前スペースをもう少し確保したいのと、乗降性を確保するためにホイールベースを伸ばしてほしいところなのだがUXに近づきすぎるし、mm単位のせめぎ合いでエイヤと割り切られてしまったものと想像する。 カップルまでの使用であれば問題ないが、ファミリーで使うには荷室より後席スペースが少々キツい。街ゆく自動車の平均乗車人数が1.7人とか言われている昨今、それでも充分なのかもしれない。個人的にはもう少し後席が広くても良いと思う。 居住性2.5、積載性3.0でトータル2.75、四捨五入して3である。 |
燃費 |
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LBXのカタログスペックはWLTCモードで27.7km/L、ヤリスクロスの27.8km/Lとほぼ同等である。CTの23.9km/Lよりも優れている。
今回の試乗では市街地中心で17.1km/Lであった。トヨタの燃費計はかなり正確なのでこれはカタログ燃費との乖離が少し大きい。61%の達成率でありもう少し伸びてほしいのが私の素直な感想だ。燃費より質感を重視している可能性もある。 試乗車のトータル燃費は16.0km/Lであり、実際に所有して長距離走らせるなどすれば20km/L位は走ってくれそうだ。 ただ、5代目RAV4ハイブリッドが2.5Lという大排気量E/Gを積みながらコンスタントに20km/Lをたたき出す実力を知っているので期待値ほどいい燃費ではないなという感想につながった。燃料タンクが36Lと小さいため、燃料ランプが点く30L時点での航続距離は航続距離は513kmと悪くは無いが、少々物足りない。 もっとも、LBXは燃費よりも上質を選ばねばならない性質の車である。プログレはプレミアムガソリンをがぶ飲みして8km/Lという実燃費なので、高級車と言えども、燃費性能は「たしなみ」の一つなんだろうなとは思う。あまり燃費性能に執心して動的質感がスポイルされてもつまらない。 決して悪くは無いが良くもないので★3つ |
価格 |
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レクサスのエントリー価格は2010年にCTがデビューして355万円となった。仕様変更と価格改定が進み2020年には387万円に値上げされていたが、2013年のNXの428万、UXの390万円などCTを下回るモデルは無かった。
2023年、UXのガソリン車がなくなり456万円スタートとなった中で、LBXが発売された。当初の価格は、内外装の選択肢が460万円スタート。UXとほぼ変わらない強気な価格設定はヒエラルキーを無視したともいえるほどのものであった。 その後、超高性能版のMORIZO RRが追加され、新車効果がひと段落した2024年10月に「エレガント」という廉価グレードが追加され420万円が開始価格となった。 ![]() マーケティング的にも最初から安い仕様を出さずに、あとから追加して需要喚起するというやり方は教科書的で正しい。ブランニューモデル故、あまり安売りすべきじゃないと言う判断もあっただろう。 エレガントは廉価グレードであり、クールとリラックスは同価格の基本グレードである。 エレガントから装備を見て行こう。 225/60R17タイヤには当然ALホイールが着き、ドライバ異常時対応システムを備えたLSS+(レクサスセーフティセンス)はアダプティブハイビームやレーダークルコン、レーントレーシングアシストなどの運転支援だけでなく、ミリ波レーダーと単眼カメラを併用したプリクラッシュセーフティが着く。パノラミックビューモニターやスマートキー、D席パワーシート、などの快適装備や9.8インチディスプレイオーディオ、ETC2.0、EPBなどの基本装備は当たり前についている。また、ウエットアーム式ワイパーが標準装備なのも素晴らしい。ブレードの直前でウォッシャー液を噴射するため飛び散らず、拭き上げる所作が美しい。ウォッシャーのズルの配置が難しかった初代エスティマで採用された技術であるが、最近ではシビックが採用するなどその利便性が知られつつある機構である。 基本装備が充実しているが、エレガントはL-TEX(合皮)製のシート、ステアリング、シフトノブとなっていて、この部分が差異の大半を占めている。 上級仕様は225/55R18タイヤとALホイール、ITSコネクト、内装イルミ(50色に切り替え可能)は共通して変更される。 「クール」はデザインコンシャスなクールはルーフを黒く塗った2トーンカラー、ブラック塗装に切削加工されたALホイール、キャリパーのブラック塗装、さらに本革×スエード調生地を組み合わせて細かいところもカッコよさ重視でまとめたグレードである。 リラックスはもう少し伝統的な価値観を意識し、本革シート、メタリック塗装の18インチのALホイールとモノトーンながら豊富なカラーバリエーションとタンカラーの内装が選べる。 不思議なのはクールとリラックスの価格差がないことである。少し男性っぽいカッコよさを志向したクールの充実度のわりにリラックスは、ほとんどカラーバリエーションの選択肢が豊富なだけだからだ。 原価的な考え方で言えば、2トーンルーフは確かに塗装費用は高くつくが、工場の中の取り回しだけの話なので内製費用として、社内での工夫で安くできるがユーザーが後からモノトーンを2トーンにしようとすると最低でも30万円以上はかかるような大掛かりなものになるので、7.7万円の差額(ブラックマイカ価格から推定)は商品価値としては高い。 一方で、リラックスのセミアニリン本革シートは天然素材の皮革を購入して作っているので恐らく原価がかかる。(クールのウルトラスエードは合皮であり、本革使用部位を減らすことで原価自体は安くできるはずだ) 私の少々乱暴な意見だが、クールは男性が好み、リラックスは女性に選ばれそうな予感がある。(クールにはちゃっかりキモオタブルーもラインナップされている) 更にわがままに仕様を選びたい人のために「ビスポークビルド」という仕様がある。100台限定だが、初代RAV4のパーソナルセレクション並みとまでは行かないが選択の自由が付与される。高級車の良さは「私のためにしつらえてくれる」感覚的な面も多くこういった設定があること自体は良いことだが、その分標準仕様にももう少し選択しがあるとよいのだが。内装オーナメントもCTの時はフィルムもバンブーも本目も選べたが、その辺りは大胆にオミットされている。CTにはこういった選ぶ楽しみが「プレミアム」らしい体験として用意されていたのに残念だ。 MOPも多数存在している。エレガント専用には18インチALホイールとITSコネクトが選べる。乗り心地面では17インチも悪くないのではないかと思うが、リラックスに寄せる目的で選ぶのも悪くない。 このほか、ビスポーク以外の全仕様共通としてドラレコやLSS+の渋滞支援機能追加、デジタルキー、アクセサリーコンセント、ソニックカッパー、カラーヘッドアップディスプレイ、マークレビンソンオーディオや寒冷地仕様などがある。 個人的にはマークレビンソンの25.2万円というOPT価格の高さにひるみそうになるが、3気筒E/Gのこもり音を逆位相の音で打ち消すANC(アクティブノイズコントロール)が着くのは看過できない。試乗して感じた良さはANCによってもたらされていると予想しているので推奨OPTとしたい。 個人的なおすすめグレードはエレガントである。セカンドカーとしての普段使いのお供や、富裕層のご子息の通学用であればエレガントで十分満足できる設定に居なっていると私は思う。「廉価グレード買わせない作戦」が嫌らしい他のモデルと比べてLBXは良心的ですらあるといえよう。 CTのVer.Cより高いという事実はさて置き、LBXのおすすめグレードはエレガント、マークレビンソン推奨、18インチはお好みで、という事になる。ちなみに、実際はマークレビンソンはOPT価格が高いのでつける人は半分以下らしい。中古車を買う人は注意されたし。 上記を含んだ本体価格は450万円。「だったら、クール/リラックス買うわ」と言われかねないが、真の富裕層は背伸びをしない。意外とエレガントで着飾らずに選ぶ人も多いのではないか。 また、次の年次改良でクールのテイストを持った廉価仕様が追加されるとの情報もある。海外ではエレガントよりも安いグレードがあるようだが、モデルライフの終盤には追加されるかもしれない。 人に勧めるならエレガント、と書いたが個人的な妄想で言えば、「MORIZO RRの外装をすべてCOOL仕様にしたMT車」に乗りたい。ボディカラーはカッパーでキモがられたいところだ。そもそも買ってないけど宝くじが当たれば、当選金の一部を使ってそんな遊びをしてみたい。 価格は★2。レクサスラインナップとして価格の絶対値は下がったが、仕様・性能も下がっている。例えばRR席関連の質感が割切られていて、電動チルテレが無く、ルーフモールが素地色だったり、フードダンパーステーが着いていなかったり、ダッシュアウターサイレンサーの見栄えが悪く(黄色いグラスウールが丸見え)、ナビが時限式(数年で使用できなくなる)だったりと高級車の当たり前が大胆に切り下げられている事もCTより高額な価格を考えると気になる。 自動車としては昨日は悪くないが決してお買い得ではない。しかしながら、コンパクトで扱いやすい高級車は需要があるのでコンスタントに売れるだろう。 面白いことに営業マンが強調「LBXは3か月で納車できます」ということを頻りにアピールしていた。 (上客じゃないと)買えない中では誰でも3か月で買えることは重要なのだろう。生産しているトヨタ自動車東日本ではLBX専用のラインがあるから、と聞いたが他の車両はレクサス車とトヨタ車混流ラインなんだろうか。真偽は不明だが、買えるという事実は大きい。 |
故障経験 |
こんな新しい車で故障なんて、と思ったがバッテリー上がりが多数起きていると営業マンから話があった。 何でも電装品が使う電流が多く、2週間乗らないでいるとバッテリーが上がってしまうらしい。そんな馬鹿な!高電圧大容量バッテリーを持っているのに!と思うのだが、起動していなければ自動で補機バッテリーに充電されないので上がってしまうとのこと。ちなみに、補機バッテリーが上がってしまうとTHSは起動しない。だったら、OFF状態でも自動で駆動用バッテリーから充電するようにしておけば良いのにね、と思うのだがそうは行かないらしい。 |
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