ご無沙汰しています、銀匙です。
※作業中に撮影した写真が全部消えてしまったので写真無しで行きます。
SDカードの突然死は予測できなかったんだ・・・
※さすがに写真0だと解らないので施工後に撮り直した写真を入れます。
それはさておき。
標題の通り、今回パジェロミニに行ったのは以下の2つの作業。
・シーリングスクリーン交換
・ドアの防音加工
です。
別にパジェロミニに限らず効果が出ると思いますし、セットでやるととても効率的なので、一緒に紹介します。
予備知識としてシーリングスクリーンって何ってコトですが、ドアの内張を外すとドア側にビニールシートが貼られてますよね。
あのビニールシートをシーリングスクリーンと言います。
「シーリング」というだけあって、目的は防水です。
ドアガラスの側面を伝ってドア内部に入り、サービスホールから水や湿気が車内に入らないようにしています。
なので、プロがデッドニングの為に金属テープなどでサービスホールを徹底的に塞いである車ではシーリングスクリーンを外すこともあるようですが、大体の車ではついてるようです。
じゃあ今回はデッドニングするのかというとそうじゃなくて、ビニールを新しくします。
パジェロミニ君は今年で製造27年目だけあってビニール自体が縮んでおり、サービスホールを隠しきれてなかったのです。
応急的に養生テープやアルミテープで塞いで誤魔化してきましたが、作業するたびにテープが裂けたりブチルゴムがベタベタくっついてきてうっとうしかったんです。
↓これが施工前状態
で、このシーリングスクリーン。
当然純正部品でもありますが、パジェロミニのように年数が経ってると廃番もありえますし、所詮は防水が出来ればよいので単なる厚手のビニールです。
なので市販品で代用します。
何で代用するかというと農業用ビニール、いわゆる農ビというやつです。
ビニールハウスを覆う為のビニールであり、耐熱(冷)性、耐埃性、耐水性、耐汚性があり、引っ張りや折り畳みに強い優れもの。
農業関係を扱っているホームセンターなら量り売りもあります。
私が購入したのはごく一般的な、厚さ0.1mm、幅3mで長さ10cm辺り25円というやつ。
3mも幅があるのでパジェロミニの長いドアでも2枚分の長辺が楽々入ります。
なので高さ方向(60cm)に少し余裕を足して80cm分購入。
ドア2枚分でお値段200円ちょい。
シーリングスクリーン交換の素材としてはこれが多分一番安いと思います。
ちなみに厚さ0.1mmがどれだけ厚いかというと、レジ袋が大体0.02mmなので5倍の厚さとなります。
超重量物用のビニール袋も0.1mmとなっている場合が多いですが、農ビの方がさらに丈夫。
試しにブチルゴムにしっかり接着した状態で引っ張ってみましたが、ブチルゴムが先に剥がれて農ビ自体は全然伸びませんでしたし、ちゃんとブチルゴムで接着できてます。
これに加え、電材コーナーなどで純粋なブチルゴムを買います。補修として継ぎ足すだけなので50cm程度。
最後にブチルゴムを相手にしますのでニトリル手袋と腕カバーを購入します。
腕まである手袋は高いので、腕カバーと普通の手袋の方が安く済みます。
マスクもあるとモアベター。
シーリングスクリーン交換だけならここまでですが、私は防音加工も行いますので以下の物も購入しました。
・シリコンコーキング剤(ガン装填型、300mlくらいの奴)x3本
・コーキング材吐出用ガン
・コーキング材用ヘラ数種類
・ニトリル手袋2セット
それに加え、手持ちの以下の物を使用しました。
・折りたたみ式の小さな椅子
・内装剥がし
・はさみ
・極太マジック
・養生テープ
・ゴミ袋
・ティッシュ
・ドライバー
・濡れ雑巾
さて、作業方法です。
まずは準備。
しっかり腕カバーとニトリル手袋を装着してください。
ブチルゴムは服にくっついたら本当に取れません。手や爪の間についても剥がすのに苦労しますからね。
続いてコーキング剤はガンで押し出すと惰性で出てくるので、ガンを置く床部分にゴミ袋を敷き、地面にコーキング剤が垂れても汚さないようにしておきましょう。
それなりの作業場所が確保出来るなら、小さな折り畳み椅子があると長時間の作業となっても足腰が痛くなりません。
準備が出来たらドライバーを使って内張を固定しているネジを外し、内張剥がしを使ってドアの内張を外します。
また、スピーカーも可能なら台座ごと外します。
復元時に配線の+-を間違えないよう養生テープで印などをつけておきましょう。
これから現物合わせで採寸していきますので、まだ古いシーリングスクリーンは剥がさないでください。
そして購入した農業用ビニールのドア1枚分を養生テープを使って古いシーリングスクリーンの上に重ねます。
貼る領域に対して上下左右の端まで足りてる事を確認したら、農業用ビニールに極太マジックを使って古いシーリングスクリーンや塗られているブチルゴムのやや外側となるよう線を引いていきます。
また、スピーカーの台座に農業用ビニールを挟ませるため、台座取付穴の少し内側で線を引いていきます。
なお、ドアノブや配線などの貫通穴は都度都度対応していくので線は引かなくて良いです。
また、スピーカー台座以外の部品でシーリングスクリーンを挟んでる部品があっても、ネジが外れないなら無理に外す必要はありません。ネジをなめる方が大問題ですので。
線を引く時は上部には余裕をもって、下部はタイト目に引いていきます。
なぜならドア上部が足りないと雨漏りしますし、ドア下部は排水穴が開いており、これを塞ぐとドアの内側がカビるので、これらを防ぐ為です。
引き終わったら線の1cmくらい外側にハサミをいれ、ビニールを切っていきます。
これで外周とスピーカー穴だけ開いた、新しいシーリングスクリーンの切り出しが出来ました。
↓こういうイメージになります。
ここで一旦シーリングスクリーンの作業は止めて、続いてドアの防音加工を行います。
新しいシーリングスクリーンは無くさないよう仕舞っておきましょう。
といっても購入した材料から分かる通り、やることはシリコンコーキング剤を塗るだけです。
どこに、というのがポイント。
1つはコーキング剤らしく、サイドドアビームとドア外板裏側との間の隙間を埋めていきます。
このとき排水性を考えて、全部塞ぐのではなく、ところどころ切れ目を作って下に流れ落ちるようにしてください。
コーキング剤を塗る部分の鉄板は先に濡れ雑巾で汚れを落としておき、コーキング剤はガンで塗布部分のどこかに一気に絞りだし、ヘラで伸ばしながら形を整えると良いでしょう。
そして次がポイントですが、スピーカーを台座ごと外したサービスホールの奥に見える、ドア外板裏側に薄く塗り広げてみましょう。
シリコンコーキング剤はホームセンターなどで乾燥後のサンプルが置いてある場合がありますが、非常に強力にくっつきます。
そしてシリコンコーキング剤は乾燥後も十分な弾力が残ります。
ですのでドア外板の裏側に塗布するとゴム板を張り付けたように振動を吸収し、なおかつ自力でくっつき、乾いた後はべたべたしません。
ブチルゴムとは違って。ブチルゴムとは違って!
また、上記ではスピーカー裏側と限定しましたが、サービスホールから見えるドア外板裏側にくまなく塗っても良いです。
ただ、そのように塗るとシリコンコーキング剤はあっという間に無くなってしまいます。
感覚的にはドア外板の下半分位塗り広げるだけでもドア1枚に対しコーキング剤1本くらいのペースで無くなります。
とはいえ、使い切ったところで溶剤込みで300gですからドアヒンジにダメージを与えるような重さではありません。
なので広い面積に塗り広げるならコーキング剤は多めに買っておきましょう。
作業中は内張を剥がす為、万が一足りなくなると車が動かせずどうにもならなくなります。
↓サイドドアビームとドア外板の内側との間を埋め、ドア外板内側に塗り広げたイメージ
あと、ヘラを駆使してもサービスホール越しの作業は大変なので、ニトリル手袋や可動部などにコーキング剤がついてしまうことがありますが、落ち着いて乾いたティッシュでふき取りましょう。
変に水拭きやパーツクリーナー使う方と薄く広がって事態が悪化します。
コーキング剤の乾燥には最低5時間、完全乾燥には丸1日はかかります。
なのである程度乾かしたら後は何度かに分けて揮発した溶剤を換気して追い出すと割り切り、新しいシーリングスクリーンを貼って内装も戻してしまいましょう。
さて、それでは復元手順です。
古いシーリングスクリーンは出来るだけ剥がしますが、ブチルゴムは再利用していきます。
ただし土やホコリの汚れが鉄板についていて、そこにブチルゴムを足す場合は汚れを濡れ雑巾などでふき取った方が良いでしょう。
新しいシーリングスクリーンを上から下に貼っていきますが、この時配線やドア内側のノブやリンク機構など、スクリーンを貫通させる部品については最小限ハサミで切れ込みを入れて通しましょう。
この時穴をくりぬくのではなく、ハサミで×印や一文字に切れ目を作っては通し、なるべくスクリーンを残しましょう。
上から下まで貼り終えたら、そこで明らかにブチルゴムが不足してる所だけ極少量追加します。
この時、ドア下部の水抜き穴をシーリングスクリーンやブチルゴムで塞がないように注意しましょう。
極少量、とわざわざ限定する理由は新しいブチルゴムは大変臭いからです。
シリコンシーリング剤は溶剤が抜けて乾燥してしまえば臭さはなくなりますが、ブチルゴムは何週間経っても臭いです。
後はスピーカーやドアの内張を元通り戻せば完了です。
文字で書き起こすと面倒そうに見えますが、やってみるとイメージよりはずっと大した事ありません。
とくにスクリーン交換のみなら全然大したことありません。ブチルゴム対策さえしていれば、ですが。
今回の作業を終えて気づくのは、まずはドアの閉まる音が変わります。
燃費を売りにしてる車や昔の車はドアの外板が薄いので、いかにもペラペラの鉄板がいつまでもバインバインと振動してるような安っぽい音を出しますが、それがバスッとしたイイ感じに締まった音に変わります。
走ってみると車内に入ってくるロードノイズやエンジン音もドア面積が広いほど減ります。
つまり2ドアの古い車であるパジェロミニでは馬鹿みたいに静かになりました。
ついでにいうとスピーカーから聞こえる音も良くなりました。共振が無くなってビリビリ音が減るんです。
コーキング剤なんて1本500円程度であり、シーリングスクリーンも含めた諸々合わせても1台分4000円も払ってないのにこの効果は嬉しい驚きでした。
お時間のある方はぜひお試しください。