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銀匙のブログ一覧

2020年03月29日 イイね!

2020年現在、私がおススメしたいミラーレス用オールドレンズとかカメラシステム

こんな時間にこんばんは、家に籠ってる銀匙です。

さてさて、ふと気づいたら前回NEXやα7向けのおすすめレンズを記事を書いたのって5年も前だったんですね。


まぁそれからも色々失敗しましたし、色々後悔もありますけど、今現在防湿庫に残ってる個体はいずれも理由があって取っておいてるわけですし、おススメできる理由があります。
なので5年ぶりに、現在おススメできるオールドレンズとかカメラボディとかの話を書いてみようと思います。

※以前にも紹介してる物もありますけど、それは重ねておススメという事でご容赦を。

さて、まずカメラボディの方ですが、中古まで視野に入れるのであれば、オールドレンズ母艦として適切なのはやっぱり
NEX-6
α7
α7Ⅱ
NEX-5R(5T)
この4つになると思います。順位もこの通りです。


以前プロカメラマンのコメントを紹介しましたが、オールドレンズはあくまでも趣味です。
趣味にバカほど予算突っ込める人もそう居ないですし、私は何度も言ってますが予算を突っ込むべきはレンズであってボディは二の次です。
ただ、最低限レンズを運用する為に必要な物があります。
例えばこんな感じです。
・電子水準器があること
・MF用に拡大できるEVFがあること
・イラつかない程度のレスポンスを確保していること
・マウントアダプタが豊富にあること
・2アクション以内で露出補正出来ること
・重すぎないこと
例えばどれだけ良い超広角レンズであっても、水平線が5度も傾いていたら写真として破綻します。
しかし超広角レンズの映像を見て正確に手持ちで水平が出せる人間はそう多くないのです。
ゆえに光学ファインダではなくEVFになりますし、電子水準器は絶対に必要なのです。
レンズを装填する時は出来るだけ1つのアダプタでレンズとカメラをつなぐ方ががたつきが少なくて済みますから、専用のマウントアダプタが豊富にそろっている方が良いわけです。
露出補正は出来れば専用ダイヤルがあるほうが良いですが、しょっちゅう操作するわけでもないので2アクションでも良い。でも3アクション以上かかるのは頂けない。
まぁ全部書いていくとふざけんなってくらい長くなるのでこの辺にしておきます。
あとはトータルとして、バッテリの種類は4つくらいまでにしておいた方が良いと思います。
充電器の管理が結構大変。ボディ直充電可能というのも、実は専用ケーブルでないとダメというパターンが多いし予備バッテリが充電できないという別の問題もあるので、あればベターだけど必須ではないんですよね。

というわけでやはりNEX-6がぶっちぎり1位で、条件付きでα7、α7Ⅱと続きます。
α7とα7Ⅱはどんなレンズを使うかで順位が入れ替わります。
EVFのない5R(5T)が入ってるのは後述するたった1つのレンズの為ですが、そのレンズには明らかに5Rが最高の相性なのです。

では、ボディの話はこの辺にして、レンズ行ってみましょうか。
ご紹介するにあたっては、レンズ単体よりは組み合わせとしての見た目や話もしたいので、セットにしてご紹介していきます。
まず全体での私の印象を一言で示し、製品名、セットでの総重量、外観写真、コメントの順で書きます。
また、NEX6ではマウントアダプタとしてフォーカルレデューサー付きのアダプタを装填しています。
フォーカルレデューサーとはレンズのイメージサークルを0.7倍に縮小し、NEX6のAPS-C受光部に「ほぼ」フルサイズのイメージを取り込めるようにするものです。
つまりNEX+オールドレンズと言えどもフルサイズレンズの撮影画像を切り取らず、フルサイズのまま撮影出来る環境という事です。
したがって素通しのマウントアダプタよりは重いです。
というわけで、セットでの重さを記すことにしたのです。


あと、最初に書いておきますが、現在SONYが売っている24mm-70mmの標準ズームレンズ(SEL2470GM)は886gです。
いいですか、レンズ単体で886gですからね。


では始めます。

「鬼才」Sigma dp0 quattro 596g

もう何を差し置いても1番に紹介すべきカメラでしょう。
実レンズは14mmF4、それをAPSCフォビオン受光部で受け止め、35mm換算21mmとなるシステムです。
クアトロ世代になってフォビオンのいなし方に慣れたのか、シグマのカメラは暴れなくなりました。
設計者が光学的にベストだけど、まさかこのまま通るとは思わなかったという14mmF4レンズもそのまま採用されました。
ゆえにdpクアトロはメリル世代から極めて高性能と評判の高かったdp3クアトロと、この「ゼロディストーション」dp0クアトロの2台は別格の存在です。
画面端にまっすぐな物を配してもまっすぐなまま写し取る、常識が通じない14mmレンズ。
単なる曇り空でさえドラマに仕立てる脂の乗ったクアトロ世代フォビオンセンサー。
それらをマネージメントするSPP(SigmaPhotoPro)というPC現像ソフトウエア。
このカメラを運用するにあたっての注意点はただ1つ。
絶対に、間違っても、jpg保存してはいけない。
SPPでFillLightを適切に設定してこそ、その真価が発揮されるのですから。
中古で5万台まで下がってる今こそ、だまされたと思って買ってみてください。
雄大な自然にレンズを向けてあげてください。それこそがdp0の生まれてきた理由です。


「デキる執事」GRDigital4 218g

もう何度紹介したか忘れましたけど、結局風景を28mmで切り取る仕事を任せられるのはいつだってGRDigital4しか居ないのです。
今はGR3が出ましたけど、28mmというたった1エリアの為に10万投じられる人は多くないはず。
そしてGRはGRDigitalの後継ではなく、よりスナップシューターとしての性能を強化しています。
だからこそ、たった1/1.7インチの1000万画素センサーで、発売から9年も経ったコンパクトカメラを手放せないのです。
確かに最新のコンパクトカメラ、例えばRX100シリーズに及ばない性能は多々あります。高速で動く物を対象になんてできません。
しかし、RX100では到底たどり着けないステージに、片手で簡単に切ったショットで到達するのです。
撮影者すら気づかなかった領域、見た目以上となる解釈を「こうでございますか?」とひょうひょうと描写してくる。
50万かけて組んだ一眼レフよりも、迷った時に頼れる存在。
決して出しゃばらず、ポケットにじっと潜む、主人以上にデキる執事。
それがGRDigital4というカメラです。
中古で2万円前後になって久しいですが、ずっとそのまま下がらない。
9年経ったコンパクトカメラでまともな値段がつくなんて個体は、あとはCONTAXのTVSデジタルくらいでしょう。
リコーの究極の名機です。
1万5千円台で買えるGRDigital3でも大体同じことが出来ます。GRD4なら白でも黒でも中身は同じ。
買うならグリップのべたついてない個体をどうぞ。


「超広角の終着点」NEX5R-UltrawideHeliar12mmF5.6 457g

NEX-5Rはこの為に生まれてきたのだろう、というのは大げさです。
ですがマゼンタ被りのしにくい秀逸なAPS-C受光部を内に納めつつ、同じ受光部を持つNEX6よりも引っかかりにくくコンパクトな筐体を有するわけです。
本当にコートのポケットにねじ込めるのに、いざとなれば軽機関銃のように秒間10コマを刻める能力もある。
一方、UltraWideHeliar12mmF5.6の初代レンズは、ライカスクリューLマウントでありながら、同じくコシナがフォクトレンダーブランドで発売したベッサLという距離計の無いカメラでの使用を想定したため、ライカの距離計に連動しません。
であるがゆえにきちんとしたヘリコイドを有する12mmという超広角レンズでありながら信じられないほど小さい。
※第2世代からは距離計に対応し、フィルタを付けられるボディにするために巨大化してしまいました。レンズ構成はメーカー曰く初代も第2世代も全く同じとのことです。
そしてこれよりも望遠であるSuperWideHeliar15mmF4.5はデジタルカメラに装填すると派手なマゼンタ被りを起こすのですが、UltraWideHeliarはα7で周辺部に薄目のマゼンタ被りが出る以外は出ないのです。
それでも安全を求めるならα7Ⅱで注意して運用するか、最初からAPS-Cで四隅を切り落として18mm相当として運用するかのどちらかです。
私は徹底的に安全主義なので後者を選び、その為にNEX-5Rを用いました。
元々距離計概念が無いNEX5Rとの相性は大変良く、ほぼ大体が無限遠設定で良い風景撮影においてはUWHの距離設定が無限となってる事を確認し、映像を背面液晶で見つつシャッターを切る。
信じられないほど小さな筐体はそれだけで35mm換算18mmの映像をメモリーカードに納めます。
このレンズ、逆光耐性が信じられないほど高いです。今時の超広角にありがちな緑の多重円がベターっと画面いっぱいに広がる事もありません。
湖に沈む夕日とか、これでしか撮れない世界は確実にあります。
また、実際の所はα7Ⅱでマゼンタ被ったことはほとんどないので、時々α7Ⅱにつけて「12mm広い~」と言いながら楽しんでます。
惜しむらくは12mmというあまりにも広角なことと、初代が発売された時、距離計非連動だったために売れず、個体の生存数が少なすぎることでしょうか。
上述した15mmのSWHはたまに見かけますが、マゼンタ被るので買わない方が良いです。
売ってるとすれば全て揃ってて5万くらい、専用ファインダが無くて4万くらいですかね・・
超広角をお探しの方はぜひ。北海道とか連れてくと楽しいですよ。


「中望遠の結論」NEX6-SIGMA60mmF2.8Art 548g

銀塩一眼の世界では、中望遠=85mmF1.4という図式がありました。
しかしF1.4を達成するため、その筐体は太り、ガラスは大きく重くなりました。
そこに一石を投じたのがタムロンの52系(90mmF2.5)でした。
要はF1.4なんかなくてもボケが綺麗なら使い物になるよ!ということを示し、今尚名玉として初代52B、通称茶筒はリストに載ってます。
しかし、90mmをAPSCで運用すると135mm相当になり、ちょっと長すぎる。
APSCとフルサイズの係数は1.5ですから、55mm~60mmが中望遠という事になります。
ただ、ボケ具合はあくまでも焦点距離並みですから85mmの方が良くボケますし、解像度も高い・・はずでした。
その常識を打ち砕いたのがDP3メリルにも搭載された、この60mmF2.8レンズでした。
APSC専用レンズとして、このレンズはArt、つまりガラスレンズの設計だけで諸収差を抑え込む大変凝った設計をしています。
超解像、剃刀などの名を欲しいままにしつつ、ボケの質も滑らかで、それでいて大変軽くコンパクトな仕上がり。
もう85mmF1.4に固執する理由はなくなりました。
今はディスコンとなり、ボディ側での収差や歪みの補正を前提とした56mmF1.4を中望遠(換算すると85mmF1.4である為)の後継としていますが、私はこれこそ中望遠に求められていた要素をしっかり持っているレンズだと思います。
電源OFFにしたときに振ると小さくカタカタ音がすることとか気にしないでください。
NEX6の起動が遅くなるなら撮影する間電源入れっぱなしにしてください。
そんなことがどうでも良くなる位の仕上がりをもたらしますから。



「標準ズームのお手本」NEX6-SEL1855 545g

545gです。
ボディもレンズも全部ひっくるめ、バッテリもメモリカードも、プロテクトフィルタもフードも入れて、全部込々での重量です。
レンズ内手振れ補正も入ってます。ちゃんと仕事してくれます。
1インチセンサーのコンデジに比べたってちゃんとAPSCミラーレス一眼たる描写をしてくれます。
換算28mm-83mmの標準レンズとして、普通の使い方をする限り、音もなくしっかり働くAFが入ってます。
特殊な環境条件は苦手です。開放では端の方の描写は緩いです。でも標準ズームとして多くの人が求めるレベルとしては及第点です。
後継のSEL1650に比べて鏡筒が大きいと敬遠されますが、実はこちらの方がちゃんと写ります。意外とボケも滑らかです。
SEL16F28はゆるゆるの描写ですが、こちらは普通に使える標準ズームです。一緒にしては可哀想です。
ミラーレスが一眼レフを駆逐していった最たる理由である、「ちゃんと一眼並みに写るのに軽くてコンパクト」を体現するセットです。
PENTAXの18-55と並び、私がお金を出して買っても良いと思う標準ズームレンズです。
一本は普通のレンズも持っていこうかな、そんなときにピッタリです。



「ありえない筈の広角」NEX6-Distagon25mmF2.8 866g

今、なぜか知りませんが広角でF値を低くするのがブームのようです。
24mmF1.8とか。
それは寄って寄ってF値を低くして、ボケにくい広角レンズでボケを生み出そうとしてるのかもしれません。
ボカしたいなら標準域買えよと思うんですけどね。
それはともかく、このY/Cコンタックスマウントの25mmレンズ。
開放値はF2.8です。普通ならボケないと思いますよね。雑にピント合わせてもF値を5.6辺りにしておけば何とかなると思いますよね?
残念ハズレです。
このレンズはEVFでしっかりピントを合わせたいところを睨みながら細かくフォーカスリングを回して厳密にピントを合わせないといけないんです。
あり得ないほどの剃刀ピントなんです。
他の広角レンズなら上に書いたことが常識です。
ですがね、だからこそピントが合っていれば物凄くしっかり解像してくれます。
富士山の5合目から街灯1つ1つを粒として点としてしっかり描けるレンズなんです。
さらに重いです。そのうえKIPON製のフォーカルレデューサーも重いです。でもYCコンタックスのレンズには並のフォーカルレデューサーではパワー負けしてしまうんです。
納得しましたか?じゃあ重さを我慢して連れ出しましょう。
帰ってきて確認した時、EXIFを見なくてもディスタゴンで撮ったと解るほど、
「うへ・・すげぇ」
そう呟く結果を得るために。
なお、このレンズはα7系で運用しても変わりません。フォーカルレデューサーが重いのでNEXでも重量的なアドバンテージが無いんです。



「お洒落なミラーレスの具現化」NEX6-MD45mmF2 615g

ミノルタSRマウントはフランジバックが一眼レフとしては大変短いマウントでした。
ゆえにAF機であるα7000を売り出す時、マウントを変えざるを得なかったのです。
見捨てられたマウント、長らくそう呼ばれてきたSRマウントレンズは、ミラーレスで息を吹き返します。
短いフランジバックはマウントアダプタの長さを短くしてくれます。
とはいえフォーカルレデューサーレンズを組み込める程度には長さがありました。
ゆえに無駄のないみっちりとした高密度感を味わえるのです。
また、このMD世代の45mmF2レンズは、当時流行ったパンケーキレンズのような外観をしていますが、パンケーキレンズに向くもののボケに雑味が酷いテッサー型ではなく、徹底的にこだわったダブルガウス型を採用しています。
つまりパンケーキレンズなのにボケが綺麗なんです。前玉がしっかりと大きいのもポイント。
短いSRマウントアダプタとパンケーキレンズが相まって、NEX6を不格好にしない珍しい組み合わせになってます。
描写はいかにも80年代の一眼レフといった味付けですが、今でも通用します。
家族の旅行写真とか撮ると濃ゆい味付けをしてくれると思います。
特に上の世代の方にとっては「懐かしく古き良き描写」と感じるようですよ。

ちなみにα7ⅡにMD45F2をつけると・・


「ちょっとレトロチック」α7Ⅱ-MD45mmF2 821g

となります。ほんとに80年代の銀塩一眼レフに標準レンズ付けたような感じですよね。
描写に差はありません。フォーカルレデューサーを入れてない分、ごくわずかにα7Ⅱの方が広範囲を写せます。


「極めて平凡な従者」NEX6-MC28mmF3.5 741g

SRマウント2本目は、50mmF1.7に次いでタマ数の多い28mmF3.5です。
50mmF1.7はカメラボディを買うとついてきましたから、実質一番買われたレンズという事になります。
GRDigital4でも選ばれたとおり、28mmという焦点距離は人がちょっと全体俯瞰してみる時の、見たい時の焦点距離なのかもしれません。
人によってそれは35mmだという人と28mmだという人に分かれるようです。
お好きな方をどうぞ。
こちらのセットはGRD4とは違い、見たままそのままの描写です。
ただ、四隅がボケてボケて直らないといったこともなく、実に素直な光学系なので現代のレンズが時折やらかす、特定条件下でのバグのような変な描写はありません。
要は主の言う通り、歯向かわないという事です。これが出来てない躾の悪いレンズが結構あったりするんです。最新のレンズでも。



「マスコミの標準」NEX6-SuperMultiCoatedTakmar35mmF3.5 641g

かつて銀塩一眼と言えばペンタックスSP、そう言われた時代がありました。
ちょうど、前回の東京オリンピックの直前でした。
作っても作っても作るそばから売れていく。まさに飛ぶように売れたペンタックスSP。
市民ももちろん買いましたが、主に買っていったのはマスコミ、そして警察でした。
警察は何の為かというと、現場写真の為。マスコミは何の為かといえば、報道の為。
どちらも徹底的に写実性を求めます。
彼らは55mmF1.8では満足しませんでした。いわく、ボケは要らないんだ、と。
画面の端から端まですっきり見たままに写してほしい。出来ればパッと見た範囲全部を。ちょっと55mmじゃ狭いんだよね。じゃあ頼むよ、と。
そんなニーズに応えるためにペンタックスが用意したのが、このSMCT35mmF3.5でした。
ボケが求められない以上無駄なF値は要らず、携行性と最も売れていたISO100フィルムで実用的なシャッター速度を出せるよう、軽く絞ってF4とするために開放Fは3.5としました。
一方でF8で5mに合わせれば2.5mから無限遠までピントが合うようにしました。常にそこに設定しておけばフォーカス要りませんよということです。
パンフォーカスという事ですね。
こちらは35mmがしっくりくるという方におススメです。
今見ても実に見たまま、ありのまま、そのまま、そういう形容詞がしっくりはまります。
ですがどことなく、いつかの新聞で見たような写真のような仕上がり。
記憶というよりマスコミの写真のイメージたる描写。
現代レンズとは異なる描写ですが、SMCT、つまりマルチコートですから扱いはオールドレンズとしてはとっても簡単。
沢山作られたので値段もお手頃。タクマー55mmF1.8を買って楽しんだら、次に如何ですかという1本です。
モノクロだと一層新聞テイストかもしれません。


「ロシアンパンケーキ」NEX6-INDUSTER50mmF3.5 549g

このレンズは40年以上前に作られた、M42マウントのカメラボディならパンケーキになるレンズです。
パンケーキはテッサーという常識に忠実であり、ピントを合わせた所への鋭い描写は40年以上たった、ノンコートのちっこいレンズとは思えません。
とはいえミラーレスではM42の分厚いミラーボックスの分だけアダプタに厚みが必要なのでパンケーキにはなりません。
ちょっと垢ぬけず、全体に寂しさを薄く乗せるかのようなロシア的描写を楽しむなら、この2千円程度で買えるレンズは良い選択肢でしょう。
モノクロだと一層ロシア的です。あまりピントが合ってなくても雰囲気濃厚なんですよねぇ。不思議。


「メーカーの威信をかけた描写」NEX6-AutoYashinonDS50mmF1.7 727g

80年代の一眼レフでは大体50mmF1.8か50mmF1.7を標準レンズとしてボディとセットにしていました。
つまり顧客が一番最初にファインダ越しに眺めるレンズとなる訳で、これで印象が悪いとラインナップしてるレンズを買ってくれません。
ですから実はとてもお金と時間をかけて良い印象となるように設計されたレンズであり、数が多いので安価でもあるのです。
ヤシノンレンズですが、富岡製かどうかは私には解りません。
ただ、同じヤシノンの50mmF1.9とならび、ボケの蕩け具合は十分に納得出来る1本です。
F1.4以下でないとボケじゃないなんて思ってるあなた、ぜひお求めください。
メーカーがしっかり設計した、これぞ単焦点という要素が満載ですよ。



「望遠x携行性xボケ=」NEX6-TeleTakmar200mmF5.6 911g

例えば雲海を撮る時、望遠でありながらボケに留意しないといけないことがあります。
しかし、100mmを超えるレンズでボケに配慮されているレンズは意外と少ないのです。
特に絞り羽は少なく、簡素になる場合が多い。
ところがこのPENTAX TeleTakmar 200mmF5.6は違うのです。
絞り羽が10枚もあるんで、最小のF22までずっとほぼ円形を保ちます。
それは絞りの制御が完全手動、つまりピント合わせの時に勝手に開放にしてくれる機構が入ってないために出来た事。
しかしミラーレスでのオールドレンズ運用ではそれが当たり前ですし、EVFであれば別に絞ったままフォーカス出来るから関係ないわけです。
NEX6にあえてフォーカルレデューサーなしで装填すれば300mmF5.6レンズになり、その割に大変コンパクトです。
当時のPENTAXが山岳に持ち込むことを想定して、徹底的にコンパクトに仕上げた1本ですからね。
ピントを合わせた所からボケに至るまで綺麗につながった描写をしますよ。
ちなみにPENTAXの200mmF4は完全にハズレなのでご注意ください。
F値が小さいほど偉いなんてことは無いんです。



「対天の川作戦」NEX6-SAMYANG12mmF2 626g

続いては天体系です。
天の川を撮影する時に必要な事、求められる事、それは短時間で暗い星の群れを写すことです。
天の川は暗い星の群れですが、その広大な面積を写すには地上も写し込んでしまいます。
ところが時間をかけて写すと、その間に地球が自転して星が流れてしまうのです。
シャッター速度を上げるにはISOを上げるかFを下げるしかありません。
しかしISOはあまり上げると写真に偽色とかが出てしまうので好ましくない。
ゆえに開放Fの小さい超広角レンズという、なかなか無茶なオーダーになる訳です。
私はUltraWideHeliarという12㎜レンズも持ってますが、こちらは開放F5.6です。
F5.6では天の川は撮れません。例えばRX100M3の24mmF1.8とかを持ってこないといけません。
そして徹底的にこだわる星系写真家が認めるレンズの1つが、このサムヤン12mmF2です。
12mm(APSC専用レンズなので撮影範囲は18mm相当)でありながらF2、そして小さい。
よぅ作ったなという1本ですね。韓国メーカーもなかなかやりますわ。
オールドではないのですが、天の川といった夜間の広域撮影なら1本持っておいて良いと思います。


「地対空ミサイル」NEX6-TeleTokina800mmF8 about 2300g
「究極の万能」WX500 233g

これだけ床置きで撮影が雑ではないかと思われるでしょうが、こんな大きなレンズを飾れるような台が無いのですよ。
重量もNEX6に着けても2.3kgという比喩抜きに「鈍器のようなもの」という重さになります。
まぁこのレンズは三脚につけて部屋から出さずに運用してますからね。辛うじて運用が成立してます。
何を撮ってるかといえば、月面です。地球の空気の流れがファインダ越しに解ります。
これだけはNEX6にフォーカルレデューサー無しで取り付けてますから換算1200mmの超超望遠レンズです。
もう地対空ミサイルのように鋭く一直線に月面を睨む存在です。
え?傍らにあるコンデジはなんだって?
ソニーのWX500というコンパクトカメラですよ。良くメモカメラとして持ち出してるんです。
でもこのコンデジ、24-720なんていう高倍率ズームレンズ持ってましてね。
更に電子処理で2倍に出来るので換算1440mmまでズームできるんです。
ええ。ですから月面撮影はこの2本でしか出来ません。
どっちが綺麗に写せるかって?比べるまでもなくTeleTokinaです。それはもう明確に違いますよ。
ただWX500は部屋の外に持ち出せますからね、旅先で気軽に撮影するには向いてるんですよ。
夜間だと偽色出てきますけど、まぁメモカメラですから。


「切れ味鋭き麗人」α7Ⅱ-NOKTON40mmF1.4 848g

直前のブログで居住まいの為だけに買ったかのような書き方をしてしまいましたが、実際撮影してみると写りの鋭さに唸ってます。
というわけで切れ味も鋭く、麗しき組み合わせとなりました。
ライカLMマウントのアダプタが残念なのは、薄すぎてフォーカルレデューサーレンズが入らないという事ですね。
ゆえにフルサイズで撮影したければフルサイズの受光部を持つα7系でないといけないのです。
まぁAPSCで写る範囲だけ使う手もあるんですが。


「接収されてもゾナーはゾナー」α7Ⅱ-Jupiter3-50mmF1.5(1952年製ツアイスガラス・銀鏡筒) 831g

こちらも何度か紹介してますが、元々ドイツツァイスの技術者と工場とガラスをソ連が接収して作らせたレンズです。
オリジナルレンズとは設計を変えてますが、ゾナーはゾナー。
まさにゾナーの改良版です。
ガラスも製造工程もドイツ製なのは1953年半ばまでのわずか3年弱だけ。
ええ、わかってますよ。それだけ拘って何万も高く払って描写にどれだけ違うが出るんだよってね。
正直わかりゃしませんよ。1960年代のJupiter3だって良い描写をしますからね。
ただ、黒鏡筒時代のJupiter3はちゃんとメンテナンスしてくれるカメラ屋から買わないと製造工程でレンズ裏返しに嵌めてるなんてことがまかり通るくらい製造品質が悪化してるので注意です。
ちゃんと設計通り製造されたレンズなら銀鏡筒でも黒鏡筒でも良い描写ですよ。
このレンズだけは、どこから買うかというのが重要です。
日本ではKing2くらいですかね。信用できる販売元は。
いや、今となっては事実上世界で唯一信用できるロシアレンズの店かもしれませんけどね・・
とにかくまともに整備されたJupiter3は大変いい写りをするんですよ。整備されてない個体があまりにも多いだけなんです。



「信用できる超広角」α7Ⅱ-OM21mmF3.5 888g

OMマウントは全体的に安価でF値の大きなレンズの方が良い写りをすると言われてます。
それはレンズ設計時に無理をさせてないからというのが理由のようです。
代表例としては28mmF3.5ですが、この21mmF3.5も良いんですよ。
とても小さくて、操作しやすくて、色転びやマゼンタ被りも起こさないければ後玉も飛び出ていない。
確かにOM系レンズにしては4万近い値段は高いですよ。でもオールドレンズ全般を見渡した時、20mmクラスの超広角ってほとんどないんです。
以前私は広角はいっそ標準レンズに任せてオールドで追わない方が良いと書きました。
今も金額的にはそうですし、このOMレンズもタマ数は大変少ないです。
どうしても揃えようと思うなら、こういう手もありますよという一例ですね。



「実はエルマー」α7Ⅱ-FED10 769g

またまたロシアレンズですが、じつはこの外観のロシアレンズは大抵テッサー型なんです。
よく写るという意味では正解ですし、更に言えばそれが発展したのが「ロシアンパンケーキ」たるINDUSTER50mmF3.5なんですよ。
ですから私は、あえてエルマー型のFED10を選びました。
この頃のロシアの思想は「社会主義になるとみんな良い暮らしが出来る。その証拠にドイツ製高級カメラと同じものを皆が手に出来ているだろう?」という感じでして、だからこのレンズもライカスクリューLマウントのエルマー50mmF3.5を忠実に再現してるんです。
ニッケルエルマーとかその辺りの世代だと聞いたような気がします。
今でもニッケルエルマーは結構なお値段ですが、こちらは1万円くらい。
手軽にエルマーを楽しむには良いんじゃないでしょうか。


「本日の立役者」NEX5T-MINOLTA28mmF2 742g

さてさて、今までの写真はこの組み合わせで撮ってきました。
この世代のミノルタAマウントレンズは、本当はLA-EA4経由でα7にくっつけてあげればAFも効くんですけど、売ってしまったんですよ。
LA-EA4は下に出っ張るのが嫌いで買い直してないんですよね・・
こっちのアダプタだとMFになりますがフォーカルレデューサーが入ってるのでNEX系でもフルサイズに出来ますし、悩ましい所です。
描写は悪くないでしょう?


さて、ご紹介してきましたとおり、例外はありますがやはりNEX6系のセットの方がα7系より軽いです。
それはカバンに入れて持ち運ぶと良く解ります。
そして冒頭に述べた、ソニーの24mm-70mmの標準ズームレンズ(SEL2470GM)の単体重量である886gを下回るセットも沢山あるんです。
NEX6にSEL1855を付けたセットなどはたった545gしかありません。
いかに現在のミラーレスがファットになってしまったかが解ると思います。
あとはベイヤーセンサーはそろそろ円熟というか衰退期に入ったような気がします。
技術革新が行われても結果的に出力される絵に、金を出して買い換えたいほどの変化がないんですよ。
フォビオンのぶっ飛んでる性能を見続けてきたせいかもしれませんけども、正直最近発売されたもので興味が湧いたのfpだけでした。
思い切って軽量化に舵を切るとか個性を作っていかないと、ただ高くなっただけと思われたら買ってもらえなくなりますよ。
デジカメの売り上げが下がってきてる理由を、メーカーさんには今一度考えて欲しい。
私は自分の防湿庫を見ながら、そう思うのです。

どうぞ皆様、良いレンズシステムを構築してくださいね!
Posted at 2020/03/29 03:44:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | My fun lenses | 日記
2020年03月28日 イイね!

SIGMA fpで悩みに悩みまくる。

こんにちは、銀匙です。

今までのカメラ関連ブログは「買ってから結果を書く」パターンだったのですが、今回は、買ってません。
しかも写真もありません。文字オンリー。
ですので「それはないわ・・」って方はブラウザバックしてくださいね。


さて。
タイトルにも書きましたけど、うんうん悩んでるのが

 SIGMA fp

というカメラでございます。

fpは「Fortessimo Pianissimo」の略だそうですが、最近勢いに乗りに乗ってるSIGMAさんが、ライカのミラーレス規格であるSLマウント(正式名はLマウントですが、これだとライカのスクリューマウントたるLマウントと分からなくなるのであえてSLと書きます)を採用したカメラです。

機能としてツボを押さえており、シグマのdp0でも良くお世話になっている「FillLight」パラメータをボディ内で設定可能としていたり、dpメリル系のころんとした真四角ボディだったり、フルサイズなのに軽かったり、ああいいなぁ、おっ良いねさすがだね、と、購買意欲も高まってたんです。

高まってたんですが・・

まぁざっくり言って20万という値段は簡単にポチれません。
そして、「おっ良いね!」の真逆である「ゲッなんで!?」という点が幾つかあるのが、このfpの残念な、迷いに迷う所なのです。

私がfpを買った場合、間違いなくその用途はオールドレンズ母艦、つまり今でいうNEX6やα7Ⅱの代わりです。
NEXやα7系の良い所は幾つかありますが、撮影を支えてくれるのはしっかり正確なフォーカスが出来る環境と受光部です。
dp0で言えば遅いけど成功率の高いAFとフォビオンセンサーです。
手振れ補正は無くてもよろしいが電子水準器は必須です。

ではfpでオールドレンズを積んで同じことを求めるならば何が必要かと言いますと、フォーカスはMFになりますから「肉眼で確実なフォーカスをすること」であり、具体的には高精度EVFになります。
ところがfpはdp0と同じく、なぜか背面液晶を光学レンズで拡大するという方式を再採用してしまいました。
2つの間に作っていたSDクアトロはEVFにしてたのに・・どうして後退してしまったのよシグマさん。EPSONからEVF買おうよ・・
同じライカSLマウントのパナソニックはEVF積んでるんだから出来ないとは言わせないぞ・・

そしてもう1つは、受光部がフォビオンではなくベイヤーセンサーである事。
これについては今年フォビオン版を出す予定だったのですが、少なくとも2020年内にフルサイズフォビオンの生産目途が立ちませんでしたと清々しいニュースリリースが出てしまったので、当面はfpしか選択肢がありません。

fpでも綺麗な絵であることはYoutubeなんかで流れてます。
ただしそれらは「動画」なんです。
静止画ではフォビオン系程には突き抜けた絵になれないんじゃないかというのが私の印象です。

そう。
fpの主たる想定顧客は静止画(スチル)ユーザーではなく、動画(シネマ)ユーザーなんです。
だからこそプロ向け機材を装備出来るようにボディは立方体になり、シネレンズ装填を想定していたり、シネマDNGに対応していたり、直近のファームアップで動画の様々なアスペクト比を表示する等の機能強化が図られる予定だったりするわけです。

私・・動画やらないんですよね・・

そして動画をメインとしたがゆえにさらに問題があります。
それは電子シャッターのみという事です。
電子シャッターオンリーだと何が起きるかというのは、私はPENTAXのQにDレンズを付けていた時に体験しています。
ローリングシャッター問題です。
一般的には高速で走ってくる電車とかを撮影すると、その車体が斜めに歪む現象として知られ、「こんにゃくシャッター」とか呼ばれますが、自分が動いている、つまり走行中の車窓などから景色を取ると景色全体が斜めに歪むのです。
これが私がPENTAXのQシステムを手放した理由でした。
Qは大変コンパクトだったがゆえに、懐に入れていつでも取り出してささっと撮影する役割が多かった。しかしレンズ側にシャッターがついている標準ズームなどを除き、電子シャッターオンリーとなるレンズでは頻繁にローリングシャッターの犠牲になってしまった。
そしてfpもコンパクトなボディを生かすとすれば、小さなカバンにdp0と一緒に入れておき、とっさの1枚を任せる事を期待してしまいます。
2万程度のQでさえがっかりしたのに、20万のfpでこんにゃく写真を連発されたら発狂してしまいます。
α7SやGRの時もそうでしたけど、大枚はたいて買ったものほど致命的に自分の用途と合わない点が見つかって売り払う時の心理的ダメージと経済的ダメージは大きいのです。

だから自分が主たる想定のユーザーではなく、主たる機能を死蔵し、ローリングシャッターが出るというレビューを見ているにもかかわらず、ベイヤーセンサーでEVFのないカメラに20万突っ込んで良いのかなあと悩むわけです。

なんか久しぶりにシグマが悪い意味でやっちゃった感がするんですよね・・

そりゃまぁパナソニックの30万だ50万だのラインナップに比べれば破格ですし、これがCANONとかオリンパスが出したのなら最初から気にしません。
まぁ世の中そういう需要もあるでしょうから頑張ってくださいねで終わりです。

しかし!
あのシグマが・・dp1xやdp2sやdp0であれだけ私を魅了したFillLight機能が使えてレンズ交換できるフルサイズセンサーを持つコンパクトなカメラを無視するのは・・無視するのは・・

まぁそういうわけであれは絶対嫌だけどこれは欲しくてたまらないという、私にとっての強烈な光と影を持つfpは悩ましくて仕方ないのです。
SDクアトロがSAマウントじゃなく、SLマウントならねぇ・・

改めて考えるとNEX6やα7またはα7Ⅱは操作系が洗練されてます。
オールドレンズ母艦の二つ名を他メーカーが奪えない理由は、こういう所なんだと思います。
(α7ⅢやR・S系はオールドレンズ運用母艦としては何かしらの大問題を抱えてるので除きます)

シャッターを押すまでの意思決定に対する機械的支援の的確さ、迅速さ、撮影者のリズムを決して狂わせないレスポンス、マゼンタ被りの許容範囲、ボディサイズ、総重量、そしてコストパフォーマンス。すべてが許容範囲。
素晴らしいの一言です。
dp0の操作性は良いとは言えません。
特に撮影リズムはカメラ主体にされますし、あの大きな光学ファインダーを外に持ちだす勇気もスペースもありません。

しかし、出来上がりの写真を見る段になると様相が逆転します。
例えば風景においては、α7RⅣであってもdp0の描写には勝てません。
α系はあくまでも、見た通りです。肉眼で見える世界を100とした場合、どこまで100に近づけるかにすぎません。
一方でdp0は簡単に200の世界に飛び込んでいきます。
予想を、現実を、やすやすと超えていく。
現像結果が信じられなくてぽかんと口を開いてしまう。
そういうカメラです。
フォビオンとFillLightはそれだけの威力を持ってるんです。
一見すると地味なスペックで妙に嵩張る14mmF4も意味があるのです。
そういうカメラを送り出したシグマだからこそ、恐ろしい欠点があってもfpに手を出すか悩みに悩むのです。

SLマウントで、静止画専用で、フルサイズフォビオンで、1/1000程度までの静かな物理シャッターつけて、EVF付きのライカM3、いや、M6でも良いからああいうボディ作りませんかシグマさん・・
動画機能無くても、手振れ補正無くても、MFオンリーでも、FillLightはSPP現像のみであっても、20万出しますから・・ほんとに・・
Posted at 2020/03/28 13:47:04 | コメント(2) | トラックバック(0) | カメラ関連 | 日記
2020年03月08日 イイね!

フォクトレンダー NOKTON CLASSIC 40mm F1.4を買ったという話。

フォクトレンダー NOKTON CLASSIC 40mm F1.4を買ったという話。ご無沙汰しています、銀匙です。

私のキャンプシーズンが終わりました。
何でかというとハエのような小さい虫が活動を始めたからです。
虫が嫌いな私は啓蟄を全く喜べないんですよ・・
なので終了。次の晩秋までさようならです。

で、今回は久しぶりにレンズ、それも新品で買ったものの話です。
それがタイトルにもある、フォクトレンダーのノクトンクラシック、40mmF1.4というレンズになります。

このレンズ、VM、つまりライカのMマウントレンズであり、ライカのフォーマット通り最短は0.7mです。
これだと地味に使いづらいので、私はいつも通りヘリコイドを搭載したマウントアダプタを経由してα7Ⅱにつけています。

大体30cm位まで寄れるようになりますので、まぁマクロとはいきませんが普通の40mmレンズとして使えます。

購入した理由は、α7Ⅱとして見栄えの良い居住まいになる事です。
昔の銀塩一眼に50mm標準レンズを付けた時のような、カメラボディに対し少し控えめなたたずまいにしたい。そういうのを持ち歩きたくなったんです。

大きさ的にはSONY純正ではゾナー35mmF2.8辺りなのですが、あれは鏡筒の太さに対してレンズが小さくて正面から見ると不格好で、なによりあのレンズはAF性能はともかく写りに良い所がなく、高い。良い事なし。ゾナーの名をなぜ与えたのか疑問です。
SONY純正に限らずFE系のズームレンズは軒並み鏡筒が太い。長い。そして重い。FE50F1.8は良いんだけど、50mmは割と良い玉が既に揃っている。
逆に、最近タムロンが出した20mm、24mm、35mmのレンズは写りは良いけどなぜあのように無駄にファットな鏡筒で揃えたのか理解できません。
あんなつぶらなレンズなら49mmフィルタと55mm鏡筒で良いじゃない。なんぜあんな安っぽく太い鏡筒にするのか解らない。
シグマDP0の14mmレンズだって58mmフィルタなのに。
M42系のレンズはマウントアダプタが長すぎるので全体的にレンズが外に出すぎてバランスが悪い。
OM系でももうちょっとだけアダプタが短い方が良い。
そう、アダプタはライカLかM辺りが良い。
で、大戦直後のライカLジュピター3(50mmF1.4)やFED10、沈胴ズミクロン辺りでは銀色の鏡筒と小さなレンズであり、α7Ⅱには小さすぎます。
そしてライカMの純正は、ちょっと桁を数え直したくなるようなプライスタグが並んでる。これは昔からですけどね。
そんな中で目に留まったのがコシナがフォクトレンダーブランドで売っているノクトン40mmF1.4だったわけです。
ライカマウントのフォクトレンダー系はウルトラワイドヘリアーのほか、以前はカラースコパーの21㎜も持ってましたが、実に信頼性が高いレンズ群です。
35mmF1.4や35mmF2.5も考えましたが、私は28㎜派なので35mmはあまり使いませんし、PENTAXの35mmF3.5があるので買い増す意味が薄い。
50mm系はそれこそジュピター3と被ってしまいます。
35mmでもなければ50mmでもなく45mmでさえない40mmという世界をα7Ⅱのフルサイズ空間でちょっと体験してみたくなりました。
そして40mmでもF1.2は鏡筒が長く、F1.4とF1.2という僅かな差の為に払う金額差ではありませんでした。
40mmF1.4に決めた後、マルチコートとシングルコートのどちらにするかは最後まで悩みました。
世間的にはシングルが圧倒的に高評価で、下取り値も2千円くらい高いようです。
ただ、なぜシングルを選んだかを見てみると、薄いコントラストとか逆光で出る強いゴーストといった、オールドレンズ(それも質の悪い)風味を望んだ、そんな感じがしました。
メーカーのホームページでもそういう記述があったのですが、私はそんなこだわりは無いので、万能選手であるマルチコートを選びました。

今回新品を買った理由ですが、なぜか今は中古の方が高かったんです。
私はおぎさくで買いましたけど、2020年3月7日時点で36000円。フジヤだと下取りがあれば34000円で買えます。ちなみに中古では軒並み4万超え。
じゃあ新品買うよということでポチったわけです。

そんなこんなで手に入れて装着したのが冒頭の写真ですが、そうだよ、こういう佇まいだよと納得の状態。
鏡筒ぎりぎりまである大きな前玉、マウントくらいの直径で短い長さの鏡筒、滑らかなヘリコイド、軽いクリック感があって音はしない絞りリング。
EVFではありますが、ピント合わせは快適です。

ちなみにF1.4の最短(マウントアダプタまで繰り出して)だとこんなボケ。


F5.6でこんなボケ


ボケの質も滑らかだと思います。

すこし硬めの設定にして町中でモノクロで撮ってみた1枚。


まぁ最新の工場でちゃんと調整して出荷された新品レンズですから文句ない写りですよ。持った時のサイズ感や重量感は昔の銀塩一眼に50mmF1.4をつけたような感じですね。悪くない重さ。
撮影範囲は50mmよりは明らかに一回り広く、かといって35mmほどは広くなく、F1.4なのでちゃんとボケる。なによりフィルムじゃないので幾ら撮影しても懐は痛まない。
悪くないセットだと思います。

これからあちこち連れ出して撮影してみようと思います。
DP0辺りと一緒に持ち出すと補完関係になってくれそうな感じですね。


2020/3/22追加
またまたモノクロで申し訳ないですが、もう1枚追加。


手前のフォーカスした枝の解像度と、背後の柔らかなボケ具合。
鋭さと柔らかさを両立出来ている良いレンズだと思います。
どっちかだけを達成しているレンズは多いのですけどね・・
Posted at 2020/03/08 16:58:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | α7とオールドレンズ | 日記

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