こんにちは、銀匙です。
2回前のブログにて、α7Cについて幾つかの懸念事項があり、購入を見送ったとお伝えしました。
昨年9月の事なので、今から半年ほど前の事です。
で、今回α7Cを購入しましたので、懸念事項として挙げていたものはどうだったのかを改めてお伝えしようかと思います。
最初に結論から。
1.アンチダスト機能
→結論:あった。
α7系に従来からついていた「クリーニングモード」は引き続き存在していました。
実行してみるとかなり手に振動が伝わるほどの震え方をします。
良く取れそう。
2.画面表示切り替え
→結論:あった。
普通に従来のα7系にあった、全情報表示、情報表示なし、水準器、ファインダ撮影用等の選択肢がありました。
3.水準器搭載不明
→結論:あった。
2項でもお伝えしたとおり、電子水準器は従来のα7系と同じ形式の物がありました。
4.MF支援機能搭載不明(ピーキング・マーカー・グリッドライン)
→結論:あった。
以前のブログの2020/9/19AM追加事項でお知らせしたとおり、MFアシストの設定にて赤、黄色、青、白の4色からピーキングカラーを選べるようになってました。
5.LA-EA5でのモータ無しレンズAF駆動可否不明
→結論:ダメ。
コメントで教えて頂いたとおり、2021年3月10日時点でもLA-EA5を用いて、ミノルタA等のモーターのないAFレンズは駆動出来ない状況です。
従ってLA-EA4を用いるか、AFを諦めるしかありません。
なお、LA-EA4を用いればミノルタの28mmF2(I型)や、24-85mmF3.5-4.5(New)はAF駆動出来ました。
え?
購入見送ったんじゃないのかって?
まぁ聞いてください。
田舎なのに緊急事態宣言の対象県になっている私は、数少ない出かける機会の中で、持ち出したカメラ、持ち出さなかったカメラ、持ち出して後悔したカメラ、持ち出して良かったと思ったカメラの整理を続けてました。
その結果、
尖ってないカメラ、総重量が重いカメラは使ってない
という事に気が付いたのです。
前者は例えばGR3、後者は例えばα7R2でした。
GR3については以前から申し上げていたように、GRD4以降のGRやGR2は、GRD4の後継とは異なる路線を歩んでました。
それがGR3になって変わったという話が広まったので、私も3度目の正直とばかりに買ってみたのですが、言い方は悪いのですが、これはGRD系というよりCX系の、いわゆる無味無臭のカメラ、機械なのです。
その場の空気感というより、ただそのままを切り取る。
GRD4にあったような撮り手を喜ばせる演出が一切無い。
それは数字で見る性能という面では向上したのかもしれませんが、GR3でなければならない理由が無い。
正しく写しとるカメラなら、それこそRX100初代で良いのです。下手するとスマホの上位機種でも事足りてしまう。
ちょうど、沈胴のズミクロンにはあったのに、最新のズミクロンで失われた、味という奴です。
次にα7R2ですが、やはりα7無印からα7Ⅱで感じたのと同様、α7Ⅱと比べても重いんです。
これにNOKTON40mmF1.4はともかく、Distagon25mmF2.8とかつけると鞄がずっしり重くなる。
・・・いや、NEX6とSEL1855でいいや、となってしまう。
更に言うと1枚42MPもの高精度な必要性が全く無いどころか、1枚1枚の保存時間が長くて撮影のリズムが狂ってしまうのです。
NEX-6なんて16.1MPですからね・・
いや、dp0やDP2Mは速度求めてないので・・
軽さはパワー、小型こそジャスティス。そして尖った描写の為の機能(レンズ選択肢の多さ、あるいは画像処理部の味の濃さ)が備わってなければならない。
これが私が求めるボディに対する結論でした。
ゆえに使ってない機材を相当数下取りに出し、更に追金を払い、中古で売られていたα7Cを購入したのです。
購入額と下取り額の差は高額であるほど悲しい差になりますね(涙)
色についてですが、実機を見ると黒一色は本当にα6000系と見間違えるほどです。
悪い訳じゃないのですが、α7系としてどうか、もっといえばα7Cらしいかとなると、ちょっと違う気がしました。
で、銀と黒のモデルですが、銀の部分が安っぽいプラ製ではなく、触るとひんやりとした金属の感触である事と、色合いが僅かに茶色みを帯びた、ごく薄いシャンパンゴールド的な物でしたので、ほぼ即決でした。
実際、手持ちのORION15(フルアルミ製)を装着すると、わずかにボディの銀部分とレンズの色が異なります。
しかし調和を乱すほどではありません。
なによりこれで629g。
α7無印の602gには27g負けますが、手振れ補正もついて、これだけコンパクトになって、なによりライカL系の小さなレンズにとてもよく似合う訳です。
サイズ感を感じてもらうために、シグマのコンデジであるDP2メリルと比べてみましょう。
実際、α7CとライカM9を比べると、M9は角が丸く、背が高く体積が大きく感じ、重さはかなり重いです。
現在のライカMレンズならM9の方があっているのでしょうが、オールドレンズ、つまりバルナック時代の沈胴LスクリューやコードなんてないM系レンズなら、私はα7Cとの組み合わせは似合うと思います。
ヘリコイド付きのEマウント→ライカMアダプタを経由すれば、例えば28mmのORION15では19cmまで寄れますしね。
エフェクト反映した状態でEVFや液晶モニタで見られますから、こういう寄った写真も失敗しにくいです。
α7Cには、小さいレンズが似合います。
またシャッター音も短い「カシャ」という感じですから、MFでフォーカスを合わせ、1枚1枚撮る、そんな使い方が似合うと思います。
EVFにゴムパッドがつけられない点は私も最後まで気にしてましたけど、使ってみると超逆光の時に若干見難いくらいで、どうという事はありませんでした。
また、0.39型の0.59倍EVFゆえRX100系の使いにくさが出てくるかと思ったのですが、実機で見るとα6500に近い、0.39型という他のα7系0.5型より小さいサイズと感じさせない、見やすいEVFでした。
RX100系の少し遠くに小さい画面がある感のファインダとは異なります。
また、NEX6やα6000系と同じくEVFが左にオフセットされているので構えやすいです。
古い国産レンジファインダーと似た感覚ですね。ライカボディは使い込んでないので解らないのですが・・
なお、バッテリーはNP-FZ100というバカでかい物になったので、スタミナ充分です。(α7ⅡまでのNP-FW50は1020mAh,α7CのNP-FZ100は2280mAh)
別の見方をすれば、これがα7無印に重量で負けた最大の理由とも言えます。
(NP-FW50は42g、NP-FZ100は82g)
じゃあ欠点はないのかというと、あります。
例えばLA-EA4を使った時の「段差」はα7Ⅱより高いです。
α7Ⅱの時は凝ったアダプタをこしらえましたが、今回は段差解消に加えてバッテリはアダプタをつけたまま着脱出来る事を優先したので、ごく簡単な下駄になりました。
こんな風に木片に穴をあけ、W1/4の三脚ネジを埋め込み
エポキシで接着後に頭を削り・・
底面にスポンジ付きの両面テープを貼った後で全体にビニルテープを巻き、カメラとの接合面には面ファスナーの柔らかい方を貼り付けて完成。
幾つか試作を経て、気に入ったのを採用。
これで段差はこのように解消されました。
ただまぁ、LA-EA4を使わない時は外しますけどね。
後は背面液晶の再生時、実際に撮れる絵よりもビビッドに見えます。コントラストも彩度も濃い感じ。
なので現地では確認程度にして、失敗したかなと思っても持ち帰って家で確認する事を勧めます。
最後に豆情報2つ。
初代UltraWideHeliar(12mmF5.6)で超逆光を取ってもパープルフリンジなどの問題は出ません。ご安心ください。
次に、手持ちにMFレンズが多い方は、例えば背面のホイール中央のボタンにピント拡大を割り当てるかと思いますが、α7Cでは、初期設定状態ではシャッターボタンを半押ししても解除されません。
これを解除出来るようにするためには、カメラ1の【ピント補助】メニュー(13/14)にある、
・ピント拡大中のAF を 「切」
・MFアシスト を 「入」
にすると、可能となります。
小さな事なのですが、これが出来ると出来ないでは撮影リズムはかなり変わるのでお勧めです。
α7Cはオールドレンズ母艦、特にライカオールド系やミノルタSR系、オリンパスOM系といった、小さなMFレンズにピッタリのカメラだと思います。
FEマウントレンズで似合いそうな物が無いのでソニー大丈夫かと思ったりもしますけど(汗)
それでは、今回はこんな所で。
参考になれば幸いです。