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2014年06月17日 イイね!

Virtual Insanity –Nissan GT-R–

Virtual Insanity –Nissan GT-R–今回のブログ記事はひとつ、批判を覚悟の上で書いてみます。
結論だけ先に書くと「GT-Rの本質はムダであり、コンセプトに無理がある、ないしは破たんしている」と述べようとしています。
以下、GT-Rファンの方及びスカイラインファンの方は覚悟を決めてお読みください。




タイトルの「Virtual Insanity」はJamiroquaiの曲名にも使われていますので、ご存知の方は多いと思います。タイトルを翻訳すると
Virtual … (名目上は違うものの)実質、虚像の
Insanity … 精神錯乱、愚かさ、無鉄砲
という意味があります。


一方のGT-Rです。主要スペックのみを書き出してみると(14MYのカタログデータより抜粋)
全長×全幅×全高 … 4670mm×1895mm×1370mm
車両重量 … 1740kg(最軽量仕様:GT-R Pure editionの数値)
エンジン種類 … V型6気筒DOHC ターボチャージャー付
総排気量 … 3,799cc
最大出力 … 550ps / 6400rpm
最大トルク … 64.5kgf・m / 3200rpm-5800rpm
燃料消費率(JC08モード燃費) … 8.7km/L
燃料タンク容量 … 74L
となります。この数値だけ見ているとすごく立派な車に感じられます。

しかし、車両重量で見てみればスカイラインクーペと比べて+70kg以上(最大+110kg)も重く、フーガの3.7L(370GT、1730kg)とほぼ同等の重量を有しています。これもアルミ材やカーボン材を用いて軽量化を図っていてこの数値です。
エンジンスペックもかなり立派ですが、代償として
・エンジンオイルすら自由に交換できない
・高性能4WD+高性能タイヤが必須で、タイヤ交換で約45万円は必要
(条件が緩和されている模様で、同等タイヤを持ち込み交換の場合は約35万円)
が待ち受けています。しかし批判したいのは整備の問題ではありません。

同じカーボン材やアルミ材のハイブリッドボディを、仮に現行の86サイズに組み込んだならば車両重量はもっと軽くなります。
車が軽くていいのならば、同じスペックを有するブレーキやタイヤを装着すればより運動性能は上がりますし、同じ運動性能を発揮するレベルにするならばブレーキやタイヤももっと現実的な仕様にすることができ、しかも安くなります。
当然に同じ運動性能でいいならばV6 DOHCツインターボではなく、もっと現実的なパワートレインにすることができますし、同じ技術レベルを投入するならばGT-Rよりもモンスター級の運動性能を発揮することができます。

つまりGT-Rの技術は、1740kgもあるボディを何とかポルシェ911ターボ級の動力性能を確保するために使われており、そのために整備拠点も限られて整備代金も高額になり、あげく車両本体価格も高額になっている…。これでは自縄自縛になってしまっていることになりませんか?

ならば、なぜGT-Rはそれでコンセプトが成立しているのか?
それは時を遡ること50年前の「ポルシェを抜いてスカイラインが勝った!」という伝説の第2回日本グランプリ(鈴鹿)に端を発すると考えています。
当時出走したスカイラインもフロントノーズを200mm延長、エンジンはグロリア用を積み込んだという、かなり乱暴な技術によって作られたクルマです。
…まるで今のGT-Rと同じ状況ではありませんか。早くてレースに勝つためならば手段は問わない。確かに目的を達成する手段としては、ある意味合点のいく開発方法であると考えることもできます。


しかし最大の違いもあります。それはGT-Rが純粋にレースへ出るために作られたクルマではない、ということです。
今や全日本GT選手権に出ているGT-Rは別モノです。それならば今のGT-Rはなぜ存在するのか?

スカイライン=中型乗用車から端を発した、そのプリンス自動車の一ラインアップだったクルマがレースに出てスポーツイメージがつき、以後スポーティーカーの代表的存在として存在感を誇り、日産自動車の代表車種まで成長しました。
一方、スカイラインの立ち位置がスポーツカーなのかセダンなのか迷走し、GT-Rを作ってもそのイメージが固まらなかった。結果販売低迷に陥るもスカイラインファンを見離したくなかった。

ならばスカイラインを本来の「中型乗用車」として開発し、徹底的にコンセプトを突き詰めて国際戦略車に仕立てる。
GT-Rはその伝説を生かすために名前とモデルを存続させ、やはり同じく徹底的にコンセプトを突き詰めて日産のイメージリーダーに仕立てる。
これが今の日産が出した答えなのではないかと思います。

スカイラインのレビューではないのでGT-Rに話を戻すと、中型乗用車が純スポーツカーにも化けた!という伝説のために、中型乗用車とほぼ同じ図体が必要になり、その図体を何とか純スポーツカーと同じ性能をたたき出すために技術が用意され、その技術の対価として車両価格の高騰と徹底的な整備と整備代金が必要になったクルマ、それがGT-Rです。

それはつまり、実質上の狂気でしかないと思っています。
本当ならばもっといいものを作れる。でも伝説という目に見えない何かのためにその性能が縛られている。それでいいのか。これはいったい何なのか。
その答えは誰も知らないのではないでしょうか。
Posted at 2014/06/17 01:48:29 | コメント(9) | 自動車関連 | 日記

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