メインのオーディオで真面目に聴いてみました。ハイブリッドSACDなので、その辺の感想も。
録音は1970年ですが、古臭さはまったくなし。
音量は平均的な現代のCDに比べて5dBくらい上げて聴きました。もうちょっと上げてもいいかな。
CD層の44.1kHz/16bitの音を『普通』だとすれば、プレイヤー側でコンバートできる96kHz/24bitの音は「より、しなやか」であり、SACD層の音は「より、しなやか」に付け加え、『克明』になった音でした。
先日書いたナロウな感じはメインオーディオだとやっぱりしませんでしたが、ナロウに聴いても味のあるアルバムです(笑)
少しズルいんですけど、アキュフェーズのアナライザーで再生周波数をチェックしてみたら、SACD層では、ちゃんと20Hz未満、20kHz以上の音が出てました。特に低い方はドラムが鳴るとニョキニョキと芽を出してましたね。とは言っても自然に付与されてる出方であって、盛られてる出方ではありません。
それから私的に特筆したいのがシンバルの音。
「チッ、チッ」とか「シャーン」とか「ジュワーン」とか、擬音にすると色々あると思うんですが、それってシンバルの音ですよね。でもハイハットをペダル操作してオープン/クローズで鳴らすことを除いて、基本的に何かで叩かないとシンバルって音が出ません。……そう、スティックで叩いた感触の「カッ、カッ」って音も微かですが上記の擬音に紛れて、ちゃんと録られてるんです。だから端的に言うと、生々しいんですね。
サックスは左右にばらけてますが絶妙にお互いがスピーカー間で溶け合う感じで(これはスピーカーを離してると音量を上げないとダメですが)、左にベース、右にドラム、ドラムの響きは左に飛ぶ、ピアノはボディ全体の音ではなく打鍵の音であって、ピアノはこの聴かせ方だとこれが正解なんでしょうねぇ。最近ではそうそう聴けない懐かしい感じのする録音。古き良きジャズが好きな人にはたまらんでしょう。
確かに現代の録音と編集のように、低音がドゴーンと来て、高音がズバーンと来るような音ではありません。でも安心感があっていいですね。中音域が音楽の基本なんだっていう菅野沖彦さんの言ってることを音に体現してますね。
それにしても変な言い方ですが、静かです。音しか聴こえない。集中しちゃうというか聴き入ってしまう。古いロック音楽は余計な音がなくてメロディで聴かせるものってありますよね、そういう感じでしょうか。演奏もかっこいいです。ですから、かっこよく再生したいものですね。しっとりしてて情緒もあります。エロいです。収録曲は合わせて40分強ですが、これくらいが丁度いいかなあ。
ハイブリッドSACDなので定価4,200円でしたが、
何度も何度も聴いて1演奏の単価を下げたいと思います(笑)
Posted at 2017/06/02 19:31:16 | |
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音楽 | 日記