11月になると、どうしても冠山峠を越えて大野市へ行きたくてたまらなくなります。
理由があるとするなら、
夜明けに見た美しい樹氷がまた見られたら…そんな期待と、
この時期を逃すと、また来年まで通れなくなってしまう…そんな切迫感、
それに
大野市で日が落ちて暗くなった国道158号線を名古屋に向かった時の心細さ、
ちょっとマゾっ気があるのかも知れません。
大野市へ行くなら他のルートもありますが、沈んでしまった徳山村を偲ぶ気持ちもあって、冠山峠は外せないのです。
念の為、池田町が発行した交通規制を確認したところ、11/20までは通行可能。
自分の地図では確認できないんだけど、「大野池田線」って林道があるみたい。
「冬期閉鎖予定」とあるのだから、通れるってことだよね?たぶん。
午前4時起き
3時頃に出発を考えていたんだけど、寝たのが12時過ぎちゃったので。
11月だと言うのに、ぜんぜん寒くない。
山間は冷えるとしても日中の気温は20℃近い予想なので、軽躁な秋のスタイルで。
04:40
国道23号線を西に走り、揖斐川沿いに北上。
伊勢大橋の中央で長良川と揖斐川を隔てる堤防上へ。
両側に水面が見える狭く照明のない道は、慣れていてもちょっと怖い。
05:15
東の空が白み始めました。
針のような三日月の上に、大きな星ひとつ。
コンパクトデジカメでも、意外と写るもんですね。
05:50
(旧)谷汲駅
7年前に来た時、保存されている車両を見ました。
立ち寄りたいけれど、今日はあまり時間もないのでね。
夜明けはやはりちょっと冷えます。
気温は6℃。
手がかじかむ程ではないけれど、通気性のグローブで来てしまったから、ちょっと痛く感じてきました。
冬の格好でも良かったな。
06:35
県道40号線を西に走りR303へ。
あ、でもこの先、コンビニも何もないよね?
今日は長丁場なので、とりあえず何か食べておかなくちゃ。
ちょっと戻るかたちになるけど、揖斐町市街地へ。
うちの近所なら数百メートル毎に見つかるコンビニも、ウロウロ走って何とか見つけました。
土曜日とあって仕事の人も多く買い物していましたが、マスクをしている人はほとんどいないですね。
まぁ、そう言う自分もあまり頓着はなくて、たまに忘れちゃうのですが、いちおうマスクは持ってきました。
肉まんのウマイ季節だけど、ローソンで買ったのはイマイチでした。
07:10
山間に入り、霧が出始めました。
前が見えないほど濃いわけではないのが幸い。
青空に映える紅葉の山と、霧と影のコントラストに不思議な感覚になります。
07:55
旧徳山村近く。
こんな毎朝を迎える生活があったのだと、しばし時をさかのぼります。
08:05
「ダム建設反対!」
そんな看板があったことも、もう忘れかけています。
立ち枯れた木々に、湖の中に滑り込んでいくような道路。
美しい紅葉に立ち止まり、水底の生活を想像しながら進みます。
08:35
バイパストンネルが完成すると、いつか冠山峠を走ったことも忘れてしまうかな。
08:50
こういう道の方が好きだな。
そう言うのは、観光目的の部外者なんだろうけどね。
ハイキングもブームは過ぎて定着したので、なくなることはないだろうけれど、この国道も少しづつ廃道化していくんだろうな。
09:05
XLRの愛車プロフに使っている写真の辺り。
今年は冬が遠い。
振り返れば、朝日を反射する湖面が見えます。
09:15
峠の頂上には、ハイキング目的の車が10台ほど。
年配の人たちと女性が多いようです。
09:20
福井側の紅葉は終わりかけかな。
峠のむこうとこっちでは気温が違うのでしょう。
遠くに見える、あの道を走って池田町へ行きます。
09:30
家を出て200キロ弱。
あと100キロは走れるだろうけれど、どのみち一度は給油が必要だし、これから林道に入ることも考えて、ここで給油しておきます。
ENEOSカードも大丈夫、、と言いつつ
「カードは面倒なので、現金でお願いできませんか?」
え?どゆこと?
何でも、新しい機会を導入したのは良いけれど、入力に時間がかかってしかたないそうで。
現場で効率の悪い機器じゃ、困りますよね。
おおよそ45km/L。
名古屋より標高が高いので上ってと考えれば、まぁまぁかな。
10:05
給油を終えたので、林道大野池田線に向かいましょう。
県道175号線沿いに入り口があるはずなんだけど、それがどこなのか分かりません。
先に進んでしまうと、尋ねたくても人がいないでしょうから、街外れのお宅で聞いておきましょう。
雪囲いのため大工仕事をしているお父さんが、丁寧に教えてくれました。
土地の地名など、半分は理解できませんでしたが。(^^;
「熊が出るから気をつけなよ」
「え?出るんですか?」
「出る」
ホーンを鳴らしながら走らなくちゃ。
お隣のお宅で作業していた女性が、
「名古屋から?」
「私は豊田市、あの子は尾張旭、その子はみよし市なのよ」
そりゃまたご近所さんですね。
雪囲いを手伝うために実家に戻って来られたようです。
こんなご近所さんがいる街なら、住んでみたいな…なんて、また夢のようなことを考えたり。
きっとまた立ち寄ると思います。
10:15
知らない土地で、そこに住む人と話すことができたおかげで、遠くに来ている不安感のようなものはずいぶん和らぎます。
なんかね、明日も休みだし この辺で一泊していこうかなって気分。
教えてもらった案内板がありました。
ここから3本目が大野池田線。
でも、どの道も「大野への通り抜け不可」となってますけど…
10:25
小路があったりして、それが案内板の道なのか、関係ない道なのか分かりません。
とりあえずこの道に入てみます。
10:30
雰囲気の良い林道なんだけど、方角的に池田の市街地に向かっている感じ。
(あとで調べたら、この道も先で合流していました)
数本入っては帰り。
これか?
10:45
この道で良かったようです。
こういう碑をマジマジと見ることはあまりありませんでしたが、区間を決めて徐々に伸ばしているようですね。
10:55
あそこを走るんだ。
大半がコンクリートの広い道。
良かった。
今回は大野市街地を歩くつもりで、トレッキングシューズを履いてきたので。
案内板に書かれた数字は、駐車場でしたか。
第5駐車場
ハイカーの増加で、各地あれこれと整備する必要がありますね。
日帰りの人たちも多いだろうから、客は増えても収益はわずかでしょう。
この案内板も「通り抜け不可」になってますが25年も前の話で、今は通れるようです。
11:10
さっきと同じ写真?と見間違えそうですが、こちらは平成5年度の区画。
砂利道ではありますが、路面はフラットに整備されています。
年配のドライバーが運転するワンボックスカーやクラウンなんかも走っています。
遠からず舗装されるでしょう。
山頂に雪を冠っているのは大日山ですかね。
11:30
のんびりしていたわけではないのだけど、美しい景色に足を止めてばかりいたので、大野に入ったのは昼過ぎ。
こりゃ、帰りは暗闇の中を走ることになるかなと、少々焦ったり。
焦っていると言いながら、お寺の案内を見てお参りしていこうなんて、おかしな行動。
ここは宝慶寺。
大野市街地からは、けっこう離れた場所にあります。
なかなか立派なお寺です。
雪囲いして、冬への準備が整ったようです。
112:15
大野の中心街に到着です。
春に専務と来たので、大野は今年 2回目。
しかたないことですけど。あまりに整備されてしまって、以前ほど親しみが湧かないのが、ちょっと寂しい気もしたり。
12:30
今日はお寺を回ってみます。
街の一角は、お寺の密集地帯。
隣り合わせに3軒も並んでいたりして、ちょっとビックリ。
周辺は石畳になっています。
継ぎ合わせたセメントが傷んで、ところどころ石が動くのですが、車が通ると「カタンカタン」と音を立てて、妙に風情があります。
大宝寺
真夏の暑い日に、この太子堂の軒をお借りして、小一時間も休憩したことがあります。
13:00
狭い路地の奥にも
密な地区もあれば、ゆったりした並びの場所もあり
街を流れる水路を眺めるのも また楽し。
台風の被害で、長期不通となったことがある越美北線。
赤茶色に錆びたレールが痛々しく記憶に残っていて、未だに光っていることを確認してしまいます。
13:15
さてと、そろそろお昼にしますか。
いつもなら食べないけど、これから名古屋まで帰らなくちゃいけないからね。
街のハズレまで来ると、なかなか飲食店がないんだよね。
あ、お好み焼き屋があった…
でも「準備中」残念。
通り過ぎようとしたところへ、お客が次々と。
おそるおそる覗いてみると、営業してるんだって。
豚玉をお願いしました。
美味しいけど、ふんわりしているから、満腹感が欲しい人は2枚注文かな。
ゆっくりしちゃったけど、もう帰らないとね。
「大野城って左へ行けばいいですか?」
「いや、そりゃ反対ですよ。」
ご主人が店の外まで出てきてくれて、指差す方向には。。。
街中どこからでも見えるんだ。
13:50
10分ほどで、メインストリートに帰着。
いつもお土産を買う山元さんで、今日はゆず味噌を。
店の奥にある木の樽は、かなり古いものだそう。
写真に写るのを嫌がる奥さんは、本日完全武装なのでOK。(笑)
14:10
さあ、日が落ちる前に細い山道を抜けられるかな?
サヨナラ、また来ます。
14:30
日が暮れかけるこの時間にも、けっこう対向車がやってきます。
麻那姫湖青少年旅行村でキャンプでもするのでしょうか?
山の日は落ちるのが早い。
に明るく輝いていた山が、見る見る裾から暗くなっていくので、早く帰らなくてはと気が急きます。
でも、山道に入ると路面を覆う落ち葉が怖くて、カラダがガチガチ。
まるでペースが上がりません。
根尾大河原地区
ここは廃村になっているのでしょうか。
まったく人気がありません
R157が通行止めの時は、ここから起波(おっぱ)を通って上大須へ抜けるのですが、今日は大丈夫。
16:00
まだ明るいうちに広い道に出ることができました。
日が沈む黄昏時。
今日は夜明けと日没を同じ場所で迎えることになりました。
17:10
真っ暗になりました。
木曽三川公園の脇を通り、朝と同じ道をたどります。
「例」の橋に乗り、あとはR23に出れば帰ったも同然。
17:50
良い一日でした~。
18:40
ぼくのツーリングは、必ずと言っていいほど 土地の人々のお世話になります。
今日も、お会いした皆さんのおかげで、よい旅になりました。
心より感謝。
本日走行:430km
消費燃料:8.8L
全行程
揖斐~大野市
徳山ダム湖
徳山村 旧地図
(R417号線が水没した区域)
池田町
林道大野池田線
大野市街地散策