先週、同級生のタカくんが岐阜は川辺町の物見山へ行くというので、久しぶりに同行するつもりだったのだけど、所用で行けなくなってしまいました。
良いところだと聞いたので、ぼくも行ってみます。
川辺町や八百津町には何度も行ってますが、いつも行き当たりばったりなので、たまにはピンポイントで出かけるのもいいです。
R1、R41を道なりにどんどこ北上すれば到着できます。
通過しちゃわなければ。w
06:05
夜明け前なのに、街には多くの車。
平日は、もう少し早く出かけるべきかな。
06:20
夜が明けました。
通勤時間帯に突入。
いくつかの街を通るので、何度か渋滞に並ぶことになります。
07:05
渋滞に並ぶのもストレスだし、かと言ってスリ抜けはしたくないので、いったん国道をはずれ農道やら水路沿いの道へ。
200メートルぐらい離れた国道の渋滞を横目にスイスイ。
大口町まで来ると、御嶽山ですかね。
雪をかぶった山が見えます。
07:25
犬山を抜けてしまえば川辺町はもうすぐ。
気温は8℃。
08:05
予定通り通過。w
目印になる平和錦酒造は国道から1本北側の道にあるので、そのつもりでいないと見つかりませんね。
08:20
今日歩くだろう道筋の地図。
全部は回れないかな。
前鳥拱渠
人一人通れるだけの狭いトンネルでJR高山線の下をくぐります。
08:30
トンネルの向こう。
列車を触れるほど近くまで。
ここを去った後、2本通っていきました。
スマホで時刻表を確認すればよかったな。
08:35
登る高さは200メートル足らず。
足取りも軽く。
と意気込んだのは最初だけ。
山に来るたび、日頃の運動不足を痛感します。
でもトレーニングはしない。w
一気に標高が上がる、けっこう急な坂を登ることに。
道幅は狭いですが、よく整備されているのが幸いです。
ヒーヒーゼーゼー
山頂につく頃には、膝がパンパン。
気温はおそらく4~5℃ですが、汗をかいてしまいました。
08:55
絶景~!と言うより、絶壁~!
高いところ苦手なので、腰が引けてしまいます。
秋のような空
早々に本日のメインイベントを終えた…
ん? あっち側にも道があるな。
こわいこわいと震えながら、足場を探りながら更に50メートルほど先に。
下に見えるは飛騨川橋でございま~す
なんて余裕はなく写真を撮るのが精一杯。
垂直の崖にしか見えないけど、こんなところ登る人がいるんだよなぁ。
足場は狭く、時間が経てば経つほど躰が萎縮して動けなくなります。
早く「平らな土地」に戻らねば。
09:10
這々の体で登山道にもどり、次なるビューポイント 南天の滝へ。
上りよりは歩きやすいですが、10~20メートル毎に折り返す長い長い九十九折を下ると林道に出ました。
滝はこの林道を少し下ったところにあります。
上には岩盤に開けられたトンネルがあるそうなので、あとでTLで行ってみましょ。
09:30
コンパクトながら、美しい。
雨が続いた後なら、もっと水量はあるんだろうな。
09:35
だいぶ下りてきたので、街までもうちょっと。
いゃ待てよ、この林道、そもそも通行できるのかしら?
車両通行止めだったら面倒なので、とりあえず徒歩でトンネルを見に行くことにしましょう。
どうでしょう、長さ15メートルぐらいかな。
特にイワレはないようです。
では街へ戻りましょう。
09:50
林道脇にスロープ。
よく見ると、小さな祠が祀ってあります。
帰る前に挨拶してきましょ。
10:00
予想通り林道にはゲートがありました。
役場へ申し出れば、ゲートを開けることはできるようですが、そこまでしてねぇ。
理由も「ただ走ってみたい」ってだけですし。
10:10
花がきれい。
駐車場から数百メートル西に出たので、鉄道沿いに歩きます。
古い水路があるところで立ち止まって眺めていたら、通りかかったお父さんが声をかけてくれました。
10:15
山の手入れをしなくなったので、水路には水が流れなくなったとか。
この水路から西が上川辺、東が下麻生地区で、ぼくはちょうどその境目に立ってるらしい。
材木の運搬を川に頼っていた時代、上流で切り出した材木を飛騨川に流し、ここ下麻生で筏に乗せることを生業としていたそうです。
当時の賃金は、一般の50倍。
人口も多く、店もたくさんあったようです。
政府にとっても重要な基地とされ、水害に遭った時は、復旧のために何百両もの資金が提供されたそうです。
このすぐ西にあるJR下麻生駅は、実は下麻生にはなくて上川辺。
長い一級河川である飛騨川に掛かる橋に、他のどこでもない「飛騨川橋」の名が与えらたのも、当時の下麻生地区が大きな影響力を持っていた証なのだそうです。
お父さん、名古屋市の生まれで、子供の頃 争から逃れてきて以来 こにお住みだそうです。
学校で習ったり書物で読む歴史にはまるで興味はないのですが、こうして実際に経験してきた人の話は その人の歴史を聞くようで興味深いです。
朝一番にくぐった「前鳥拱渠」は、この土地の有力者の私有地にあるそう。
知らずに平気で通っちゃいましたが。
線路の向こうへ渡るのに、個人でトンネルを通させた例は、他にはないんじゃないかという話。
それほど栄えた街も、鉄道や他の交通手段の出現とともに、急速に廃れたようです。
こんな話を聞くことができたのも、のんびり歩いていたからこそですね。
10分ほども立ち話をしていたでしょうか。
「そろばん博物館 見ていきますか?」
そろばん博物館?
誘われるままについていきます。
道から奥に入った場所に「それ」はありました。
入館は予約制なのだそうですが、それはお父さんが野良仕事などで出かけていることもあるから。
10:30
おぉ、こりゃすごいコレクションだ。
江戸時代のものもあれば、ロシアや中国のものも。
象牙や白檀で作られた玉とか。
経文を読んだ数をかぞえる珍品も。
この他に表が5つ玉 裏が4つ玉のリバーシブルとか、手や玩具みたいなものまであって、よくぞ集めたりです。
昔はそろばんで割り算もしていたなんて、初めて知りました。
「そろばんキチガイ」がいて、カップにタバコのラベル、缶ビールのプリントにまで「そろばん」仕様を作っちゃったそうです。
お見それしました。
水害のあと、政府から来た視察団の写真。
向こうの橋は「飛騨川橋」かな?
ほんとに貴重な話をありがとうございました。
手作りのお土産までいただいちゃって。
また来た時には顔を出しますね。
10:40
たぶん右手が見晴らし岩のあるところ。
左手は1時間半前に硬直して動けなくなっていたところ。笑
出発の時、ちょうど平和錦酒造さんがシャッターを開けているところでした。
ちらりと「見学できます」と書いてあるのが見えたので、覗いてみることにします。
10:50
残念。
明日明後日は、酒蔵びらきをするそうで、その準備でてんやわんや。
見学はごめんなさいとのこと。
写ってませんが、ものすごいたくさんの種類が並んでました。
またの機会に拝見することにしましょう。
10:55
ちょっと早いけど、お昼にしましょうか。
飲み食いしないのが当たり前のツーリングでしたが、この頃ちゃんと食べるようになりましたね。
平和錦酒造さんの壁に貼られている案内、「九兵衛」に行ってみましょ。
平和錦酒造さんから、ものの1,2分の場所。
いい具合にランチタイム~♪
山から下る時、逆コースですれ違った男性と再会。
オニギリでも持って登ったのか、
「しまったなぁ、上で食べてきちゃったので、お腹すいてないんですよ。」と。
それは残念でしたね、良い旅を続けてください。
11:00
素晴らしく立派な柱と梁の家。
築150年、昔 庄屋さんだったそうです。
「田の字」に配された客間は、ふすまを外すと大きな部屋になる構造。
古いステレオにかけられたLPレコードが、寺尾聰の「ルビーの指輪」を流してます。
ぼくの生家は28年前に建て替えてしまったけれど、残っていたら築130年。
廊下から中庭を眺めながら どこか懐かしい気分になります。
注文したのは「九兵衛定食」。
1,300円也。
いろんな料理がたくさん乗っています。
一点もので満足したい向きにはちょっと…かも知れませんが、女性に受けそうなメニューですね。
ペロリと平らげちゃうだろうと食べ始めましたが満腹。
デザートのミニぜんざいで締め。
玄関に鎮座する大きな金庫。
長年「開かずの金庫」だったものを、昨年暮れにテレビ番組で開けてもらったそうです。
中身は何だったんでしょうねぇ?
あぁ、懐かしい気分に美味しいお昼で満腹。
ごちそうさまでした。
11:45
さて、おつぎはと。
県道402を走って潮見地区にある「かもしかドライブイン」へ行ってみましょう。
道を管理する地域が変わると、道の状態が激変するのが面白いです。
ん?
見覚えがある場所。
たしか10年ほど前、向こう側から走ってきて、この先のカーブあたりで休憩したことがありました。
印象に残る景色でもないのに、たまに明確に思い出すことがよくあります。
同じ方向でも忘れちゃうぐらいなのに、逆ルートでここだ!と覚えているなんて、脳ミソの中にどんなふうに刻まれているんでしょうね。
12:10
福池地区にある、ごみ収集ステーション。
昔は学校関連の備品などを販売していた店の跡のようです。
半世紀は前の建物は、景色に溶け込んでいい感じ。
12:25
着きました。
ドライブイン。
ハンバーガーとジュースの自販機がある、不思議な場所。
昔、ここ「潮見石油」で給油した気がします。
小綺麗に維持されています。
きっと維持する人たちも、立ち寄る人たちも良い人ばかりなのでしょう。
あ、ぼくが最初の悪人かも?
飲み物の自販機。
「ヒカリ」というメーカーのドリンクが入ってます。
徳島県の会社ですが、製造は長野らしいので、地理的にはここにあってもおかしくないかな。
え?
amazonでも売ってるの?
12:45
潮見地区には何度も来てます。
来るたびに通れなくなる時間・区間が長くなるのは気のせい?
5年前、オランちゃんで来た時は、土砂崩れを超えるのに難儀しましたな。
いつもは
「しおなみ山の直売所」から南下してR418まで行くのですが、今日は少し西側の県道353を使います。
ちらりと「通行止」が見えた気がしますが、気のせい気のせい。
どんどん進んで、R418との辻。
東側に向かう道は通行止めになってるけど、西の八百津方面は行けそうじゃない。
13:20
空に林に川、いい色。
もうじき八百津町に抜ける~
あと1キロのところで、通行止め。
一人で待機している警備員さんに聞くと、3月末まで木の伐採を行う予定だそうです。
本社から「熊が出るから気をつけるようにと連絡があったのですが、どうしろって言うんでしょうね。」と心細げ。
そう言えば、昨年だったか八百津でクマが出たってニュースでやってた気がする。
ここで毎日一人か、、
それは怖いでしょう。
そう言えば、せっかく
買った熊ベルをすっかり忘れて持ってくるの忘れてたよ。
「毎日17時には作業が終わるので、その後なら通れますよ。」
いゃ、さすがに待ちませんって。
距離は知れているので、来た道を戻ります。
13:40
丸山ダム近くは、ずいぶん長いこと工事しているなと思ってましたが、どうも第二丸山ダムを造っているようです。
この周辺も沈んでしまうんですかねぇ?
14:00
久しぶりに見ました、ニホンカモシカ。
直ぐ目の前。
若いオスみたいです。
成長したらバカでかくなるんだろうな。
襲われたことはないけど、近づきたくはない。
湿地の中を抜けます。
こんな山奥でも、生活する人たちがいるんだなぁ。
中山道に入りました。
石窟が3室。
それぞれに1体のお地蔵様が祀られています。
未舗装でいい感じだったのですが、「この先車両通り抜けできません」の注意書き。
南は松野湖畔、西は県道65に通ずる数本の道があるようで、そこまでは行けるとも読めますが、今日のところは引き返しましょう。
14:40
県道366で南下し、松野湖へ。
この湖は周囲が入江のように凸凹と入り組んだ形状になっていて、ちょっと変わった眺めです。
14:55
さて、家まであと2時間ぐらいかな。
土岐市・多治見市・瀬戸市から、日進・豊明を抜ける頃に、日が沈み始めました。
ギリギリ通勤時間帯に突入する前に帰ることができそう。
無事帰着~
17:05
あぁ、楽しい一日だった。
4月は花が咲いて、近隣の山々も素晴らしいよ、と地元の人が話していたので、その頃また行きたいな。
と言いながら、たいてい忘れちゃうんだけど。
走行距離:212km (GPS:201km 歩行4km含む)
消費燃料:3.8L
全工程
美濃加茂・恵那市周辺
八百津町周辺
物見山散策
1995年
生家取り壊し中の写真。
九兵衛さんほど立派ではありませんでしたが、いい柱使ってましたね。
2階への階段は跳ね上げ収納できるようになってました。
玄関から台所までは土間。
風呂は五エ門、便所は中庭に。
この家が一番好きだったな。