さて、しつこくてスイマセンが、久々にAUDIにも行って来ました。
先代のA6に試乗に行って依頼でしたが、お店も引っ越していて、お店も新しくなっていました。
目的は、出たばかりのA6ハイブリッド。
BMW Active5に試乗した後だったので、比較という意味では、丁度良いかと思いまして。
ただ、価格帯や搭載エンジンでは、かなりの差がありますので、直接、比較するのはちょっと可哀想な気もしますけど・・・・
お店に行くと、丁度、ハイブリッドの試乗車を下ろしたばかりという事で、タイミングが良かったみたいです。
で、試乗ですが、まず、内装は、さすがですね。
インパネの配色などもなかなかおしゃれな感じで、ドイツ車っぽくない感じがします。
ボタン類の感触なども良いし、一つ一つの部品がきちんとデザインされており、ここは、BMWの5シリーズより遥かに高級感がありますね。
更に、試乗の後、お店に展示してあったA8は、更に内装のおしゃれぶりにはビックリでした。
ボタンやインパネなど光物が全て本物のアルミで、触ってちょっとヒヤッとする感触はちょっと感動モノでしたね。
ハザードボタンまでアルミにしてありました・・・
ただ、夏とか熱くて、冬は冷たすぎて、触れなくなるような気がしますので、果たして実用上、これで良いのかどうか・・
ただ、いわゆる、オーソドックスな高級感とはとか、ゴージャスっていうのとは一線を画すもので、モダンで、おしゃれな雰囲気を醸し出しているという感じで、好き嫌いがはっきりしてしまうかも知れません。
私的には、独自の世界を創りだそうとする拘りには感服致しますが、所有欲を掻き立てられるものとはちょっと違うような気がしましたが・・
さて、肝心の試乗です。
まず、タコメーターが無いのにちょっと残念に思いました。いわゆる、トヨタ発のチャージとパワーメーターが一体になった物しか無いので、エンジンが掛かっているか切れているか分かりませんね。
ここは、要改善ですね。
それと、A6という車格の割に、チルトとテレスコ調整機構が電動ではなく、手動であるのも、ちょっとびっくりしました。A6ハイブリッドはやはり、破格の価格付けを命題としているとの事で、贅沢装備を減らさざるを得なかったといのが、セールスマンの言い訳でしたが・・
後、乗ってすぐ感じたのは、電動パワステのフィーリング。
これは、欧州車っぽくなくて、どっちかというと、出来の悪い国産車の如何にも電動パワステという感じです。
実際、路面のインフォメーションは乏しく、特に低速時は反力が不自然というか、反力がほとんど無いので、運転中、若干の不安感が伴います。
AUDIっ、てみんなこうなのかどうか知りませんが、もう少し良い電動パワステのフィーリングを実現してもらいたいところだと思いました。
因みに、BMWも同じ電動パワステでしたが、油圧程の良さは無いとしても、ほとんど違和感も少なく、疑問の少ないチューニングが成されていると思いました。
もちろん、BMWはFRで、AUDIはFFがベースとなれば、パワステの構造からしても根本から違うとしても、多分、昨今の国産のほうが、よほどしっとりとした電動パワステのフィールが出ているという気がします・・・
それと、サスペンション系も私的には疑問を感じた部分です。
何にしても、硬い。
ディーラーを出発してすぐに、やや道の悪いところを通過した際、かなり左右に揺すられ、何か、芯があるような反力感には、前のA6に試乗した時を思い出しました。
以前、A6の試乗時にも感じましたが、とにかく、低速時に乗り心地が悪いと感じたこと。
ちょっとした道の凹凸に、キャビンが大きく揺すられ、硬さがダイレクトに伝わってくる乗り心地は、大いに疑問に感じまして、即刻、購入対象から外しました。
そのフィーリングが思い出された訳で、そういう意味では、先代のA6のフィーリングを踏襲しているといえるのでしょうか・・・・・
ここは、ランフラットだとしても、BMWのActive5の方が遥かに乗り心地が良いと思います。
私的には、先代の5シリーズも硬いと感じており、購入対象から外しましたが、当時のAUDI A6とはちょっと違う硬さを感じた事を思い出しました。
先代5シリーズのBMWの硬さは、どっちかというとスポーツカー的で脚は動いている分だけ、きっちりとボディー全体でダンピングが効いて衝撃を吸収してくれている感じで、硬さの芯を感じませんでした。
一方で、AUDIの硬さは、ボディーがうまく吸収してくれないで、キャビンにダイレクトに硬さが伝わってくる感じです。
後、脚がよく動いている感じも薄く、足回りのストロークが足りていないような気もします・・・
今回、残念ながら、新しいA6も似たような印象で、やや動かない脚と、衝撃をうまく分散してくれないボディーのせいで、ガツンガツンと路面の衝撃が伝わってしまう感じが強く、恐らくは、同乗者にも評判は良くないのではないかと推測されます・・・・
そして、肝心のハイブリッドの動力性能。
ここも悪いことばかり申し上げて、恐縮なんですが、ほんとにこれ、ハイブリッドなの?と思うくらい、モーターのアシストを感じないという物でした。
正直、単なる2リッター程度(あるいは未満?)の動力性能しか感じませんし、ハイブリッド自体の動力的なフィーリングもよくありませんでした。
特に、加速時は、エンジンの音ばかり大きくなるばかりで、加速Gが付いてきません。
まるで、出来の悪い国産車のように、トルコンが滑っている感じでした。
後、そもそも、エンジン音が良くないですね。BMWと比べると可哀想ですが、とても官能的な感じとは程遠いエンジン音でした。
ここは、多分、レクサス(トヨタ系)のほうがまだ、良い気がします・・
それと、一番、気になったのは、ブレーキ特性。
BMWのActive5も、回生と油圧の切替が分かる様な、ややお粗末な制御ではありましたが、AUDIは、切り替わり自体、露骨に分かるようなお粗末な制御はしていませんでした。
そこは、良いのですが、問題はブレーキングの踏力に対する制動時の減速感が一定ではない事です。
例えば、赤信号に向かって、減速をすると、ブレーキを一定に踏んでも、明らかに最後のほうで減速のGが増えます。
すなわち、一定の踏力でブレーキングしていると、ブレーキをかけ始めの減速Gに対して、20km/h近くになると、減速Gが増えてしまい、思っていたより手前に止まってしまう感覚にとらわれますし、実際、そうなるようでした・・
これは、油圧に対して、初期制動次の回生が弱いという印象なのですが、ちょっとこれは要改善という気がしました。
これだと、BMW Active5の方が、慣れてしまえば、まだ良い制動特性だと言える気がします。
このブレーキ制御はやはり、
日本勢のハイブリッド車のほうが違和感は圧倒的に少ないと思いますね。
レクサスなどは、回生と油圧の切替もほとんど分かりませんし、ブレーキGもほぼ一定になるので、よく観察しない限り、違和感は圧倒的に少ないです。
とは言え、所詮はバイワイヤ式のブレーキですので、ガソリン車に比べてしまえば、ダイレクト感に欠けるのは致し方のない所ではありますが、BMWやAUDIのハイブリッド車に比べると、遥かに高度な制御を行なっていると言えます。
とまぁ、散々な書きようですが、車としての外装や内装のデザインや造形美は、ほんと、よく出来ていると思いますし、レクサスにも見習って頑張って欲しいと切に思うわけです。
また、AUDIの乗り心地が好きな方もいらっしゃるとは思いますので、私の感覚が独特なのかも知れません・・
因みに、試乗後に見せて貰いましたが、ハイブリッドでもきちんと、両後席にトランクスルーを付けているのは、大したものだと思います。(カムリは片方だけしか倒れませんね・・)
ただ、電池が入っているので、明確な段差があるのでトランクスルーとはいえ、フラットにはならないのは仕方の無いところでしょうか・・
とまぁ、色々、書きましたが、きっと、この辺りのフィーリング面は、人の感じ方によりますので、私の私見に過ぎませんが、とりあえず、私的には、選択肢には入らない可能性が高いです・・