2023年07月15日
myヴァリアントは今年の12月で満9歳を迎えることになります。
オドメーターはようやく77,000kmを超えたところ。
コロナ明け後は長距離運用にも戻り,このクルマが得意とする本来の使い方ができるようになりました。
エンジンをはじめ各部は好調で,燃費性能は今なお衰える気配がありません。タイヤとのマッチング(BSトゥランザT005:空気圧も含めて)が良いのか,乗り心地もニンマリするくらい良い時があります(路面状況や速度によりますが)。
一方,4月のとある日に複数の警告灯が同時に点灯したと思うと,何事も無かったように消えることが数回ありました。4月は何かと忙しく,5月になってから販売店で診てもらいましたが様子見に。。。
これまでmyヴァリアントは,2020年夏にウォーターポンプの交換(不具合はポンプ本体ではなく付帯機能部分)を,2021年の前回車検時にオルタネーターのプーリー部のみ交換をしていますが,ゴルフのウィークポイントであるDSGやドライブシャフトブーツ,各輪のスピードセンサーの不具合はまだ現れていません。
販売店からは,入庫の機会ごとに買い替えの提案を受けてきていますが,乗り替えたいと思うクルマが見当たらず「まだ寄り添っていたい」という私の考えや気持ちは動きませんでした。
「ここまできたら10年10万キロを目指そうか」と本気で考え、昨年12月の法定点検の時には,ちょうど4年が経過したバッテリーの交換を販売店に依頼しつつ,点検記録を見ながら冗談混じりで「ブレーキパッドは全然減ってないし,バッテリーはビンビンだぜ!これであと4年は乗れるなぁ」などど宣い,新車見積もりをしたがる担当氏を大いに失望させたりしていました。
尤も彼には以前から次に乗りたい車のイメージはしっかりと伝えてありましたので,私の要望に叶うクルマがVWには無く,有効な切り札を持ちえないことは彼も承知の上とはいえ,いろいろ都合もあって提案を繰り出さないといけないことは私も痛いほどわかっています。。。
私の理想形は,VW風に言えばオールトラック(最低地上高を少し上げたAWD)にTDI+48Vマイルドハイブリッド(eTDI?)でした。
他メーカーならメルセデスのCクラスオールテレインで,あれをVWでメルセデスの8分の5程度の価格で提供してくれれば即決という気持ちでいて,セールス担当者にもその旨を伝えていました。
2018年当時,あらたなTDIである「EA288Evo」の概要が発表されました。排気量2.0Lに12Vながらマイルドハイブリッド(BSG)組み合わせ,最高出力は100~150kW(136~204ps)とし,燃焼プロセスの見直しによるCO2排出量の削減,DPFやSCRといった排ガス後処理システムによるクリーンな排ガスを実現させ,経年安定性を改善するとのことでした。効果は前世代エンジン比でCO2排出量-10g/km、出力とトルクは最大9%向上という触れ込みで。
その後eTDIの商品化のニュースは待てど暮らせど伝わってきません。そしてゴルフは第8世代にバトンタッチ。やや遅れてオールトラックもデビューしましたが,TDIはマイルドハイブリッドではなく純内燃機関のみ。セールスさんからはオールトラックに積んでいる2リッター/147kw版は日本のレギュレーションに合致せず,日本に入る目途が無いという残念なニュース。無いもの強請り続けているうちに4回目の車検が半年後に迫ってきていた矢先に,新たな提案が切り出されたのでした。
それは、Golf Variant Platinum Edition
日本におけるフォルクスワーゲン車の正規輸入が1953年に開始されてから70年目にあたる今年,70周年を記念してフォルクスワーゲンの代表車種である「ゴルフ」と「ゴルフヴァリアント」に特別設定された記念車とのこと。
あっ,これじゃなかった。。。
こちらです(広告代理店が同じなのかな)
(概要)
▪️選択率の高いパッケージオプションを一部標準装備とした
・ディスカバープロパッケージ(税込価格:198,000円相当)
・テクノロジーパッケージの一部(税込価格:165,000円相当/IQ-LIGHT/デジタルコックピット/ヘッドアップディスプレイ)
▪️売価抑制または生産都合か,一部装備を省略(テクノロジーパッケージの一部であるパーキングアシスト/パワーテールゲート)し,オプションでも選べないようになった。
トリムレベルをプラチナム・エディションに集約し,フェイスリフトを前に,増えすぎたモデル選択肢の整理と製造の集中を行い,現行モデルの手仕舞いを図っているように思います。
実際,web見積りシミュレーションを開くと車種選択が36パターンもでてきて,自分の希望に辿り着くまで時間がかかります。また,車種選択を迷っている人にとっては,どれを選んで良いか見当がつかないのではないでしょうか。
TDI R-Lineの正札4,416,000円にオプション(198,000+165,000円)を加えた額が4,779,000円であるのに対し,410,000円ダウンの4,369,000円のプライスタグが付けられています(以下,すべて改定価格発表前の金額)。
オプションを付けた上でさらに安価になっているのには別のからくりがあります。
これまでTDIモデルは,eTSIモデルに比べ+206,000円の価格差がありましたが,プラチナムEDは両者の価格差を無くした値付けになりました。
EU圏内では,もはや主力になるはずもないディーゼルですが,EA288Evoの開発費を回収しないといけないVWは,いまだクリーンディーゼル車購入に補助金の出る日本を,その回収の場のひとつに選んだのではないかと思うのです。
加えてプラチナムEDでは,従来のTDI R-Lineが選択できなかったアダプティブシャシーコントロール(DCC)を18インチタイヤ・ホイールとのパッケージオプション(税込価格:220,000円)で選択できるようになっています。
今回、このプラチナムEDを検討するに至ったのは、DCCパッケージにラグジュアリーパッケージ(電動サンシェード付きパノラマ・スライディングルーフ+オーディオシステム:253,000円)を加えても約480万円というお得感に強く影響されたという訳です。
これまで、Mk8を検討しなかった理由はいくつかありました。
*eTSIだとゴルフ7からの技術的進化幅が小さく,自分としては魅力に欠けたこと
*2022年10月に追加されたTDIはマイルドハイブリッドにはならず,今さら感があったこと(私がディーゼルに熱心だったのは2014年頃)
*車両意匠の第一印象(伏し目がちなヘッドランプの表情と、バンパー開口部の特にフロントエンドの造形がゴルフらしくない)
*物理スイッチを大幅に減らしたコックピット周りの操作系
*荷室の容量は増えたが,数値に現れない使い勝手の部分で後退した箇所が散見されたこと
このランプユニットの造形を見た時,昔のトヨタマークXを思い出した。。。
わざわざステーションワゴンを選ぶのは,使い勝手を優先しているからこそです。荷室の二重床が廃されの上床を山折にして荷室を前後に仕切ることができなくなり、左右Bピラーにあったフック(撮影時などで濡れた上着など掛けるのに重宝している)が廃されています。
兄弟車とも言えるシュコダのオクタビアの方が,こうした使い手の要望がわかっているというのに!
(↓シュコダ オクタビアコンビ)
こうしたこれまでの経緯や,今の気持ちや考えを前にして,まずは実車で再検討をすることにしました。
住まいを建てたり買ったりするとき、美しいキッチンセットや、見栄えのするバスルームがとても割安で手に入るからと言って、建物の地震に対する堅牢性や、長期間の耐久性をないがしろには出来ないように,クルマに求められる基本性能に目を瞑る訳には勿論いきません。
改めてネガを洗い出し,置き換えられるそうなことや,目を瞑ってもよさそうなことなどに分け,プラチナムEDに向き合い,見つめ直すと晴れ間が見えてきたというわけです。
動力性能や乗り心地は2回の試乗で,荷室の使い勝手やその他のユーティリティーはショールームの展示車でつぶさに検分しました。
TDIの試乗はハッチバックのアクティブアドバンス仕様で行いました。トルクの出方,加速時や巡航時の音のレベル(巡航時にいくら静かでも,加速時に人が変わったようにボリュームが増大するのは好みではない),ずいぶんと重くなった車重(TDI化で+70kg)が乗り心地にどう影響するか確かめてみました。
以前,ヴァリアントe-TSI/R-Lineに試乗した時の記憶と比べると,今回の試乗車の方がクルマ全体から発する上質さを感じました。
ディーゼルというと,巷では「低速トルクが豊か」という判で押したような感想が目につきますが,これまで試乗したマツダアテンザやBMW3でも感じたのと同じで,それほど素晴らしい出足とは思いません。むしろ,NOxの発生を気にし,敢えて抑制しているように感じます。グレード問わず,ディーゼル搭載で相応の重量増も影響しているようです。
音は,なるほど従来型に比べかなり静かだという前評判通り気にならないレベルですが,ガソリン同等とは言えません。車外でのアイドリング時は明確なディーゼルサウンド。
でも音量,音質とも慣れの要素も含めて許容範囲に思いました。
特に感心したのは上位クラスを思わせるほどの乗り味。ディーゼル化で増えた重量を乗り心地の良さとクルマの安定感に活かしてあり,脚回りのセッティングがうまくできたことが明白。MK8が出た直後に乗ったeTSIのヴァリアントR-Lileではピンと来なかったクルマの印象が,写真でいうと焦点を合わせたいところにシャープにピントが合った感じに変わりました。
小回りの利くのがゴルフの利点。ホイールベースが若干伸びたのに,最小回転半径が0.1m小さくなり,5.1mとなったその効果は左程,感じませんでしたが,いまと同等と思えば十分な小回り性能です。
実車で確認できなかったのは,サンルーフのシェードの透過性。完全な遮光でないことは知っていましたが,R-Lineの濃灰色天井仕上げの場合,シェードを閉めた状態で,どれくらい光が漏れてくるのか分からずyoutubeで探して一応確認できました。
このほか,荷室下に配されたスペアタイヤとウーファー用スピーカーがどう両立しているのか(荷室が犠牲になっていないか)も知りたかったのですが,これは担当さんがどこからか写真を手に入れ送ってくれました。
R-Lineの標準のプログレッシブ・ステアリングは,今回の追試でその機会がなかったですが(以前乗ったガソリンモデルで体験したはずですが,印象に残っていませんでした),これもyoutubeに動画があり,低速時はロックtoロックで約2回転くらいということがわかりました。これまで所有したクルマで最もクイックだったのはV35のスカイラインで,ロックtoロックで確か2.7回転でしたが,車速によってはずいぶんと速いステアリングになりそうです。
AWDと最低地上高UPについては,林道やあぜ道,または雪道に入り込むのは年に数回程度であるので,ここは諦めることに。。。
当初は,ゴルフでこれをやるかと思わせた操作系も,あれから数年経った今では,フツーの光景。VWは未来を真剣に考え,それをカタチにしていたのかと却って感心することに。。。
ノーズは先端に向かって低く絞り込まれていますが,これはCd値低減を狙ったもので,効果は大きくハッチバックの場合Cd値はMk7の0.3から0.275へと減少したそう。普段は見えませんが,車底部は徹底的にフラットにカバーされているとのこと。
そして担当さんに希望の色などを伝え,注文後から納車までの間に予測される出来事と,それが顕在化した時の対処がどうなるかを確認したのが6月16日の金曜日の夕刻。
6月18日にふたたび店を訪ね,注文書を作成してもらうだけと思っていたら,早くも問題が顕在化。
2023年の25週(6/19)以降に出荷する全モデルが値上げとなるというお知らせ(この時点では対外的には未発表。6/30に正式にリリースされました)
これは,事前に担当さんと事前にピックアップしておいた問題が早々に姿を現しただけのこと。でも,金額を聞いて驚愕。
車両本体の約7%にあたる大幅値上げでした。どうも6月14日にはVWグループジャパンから各社に発信されたようです。
そして私の注文希望は国内に在庫はなく,船積はおろか製造計画にも載っていない状態。
金曜日の段階で知らされていたら,かなりの冷や水であったことは確かです。
担当さんからは色違いでサンルーフなしならVW日本法人の共通在庫があるとか代案提示もありましたが,6月に入って短期集中で検討し,希望の車種と車体色,その他装備の選択を決めてきたので再検討するのは難しい心理状態。後戻りはできないと正直に思いました。
値上げ幅については,いろいろと調整し一部を吸収していただくなど気遣いをいただいたので,注文書を作成してもらいサインした次第です。
今後は,生産開始予定―ラインオフ予定―出港予定―日本入港・通関予定―販売店到着予定を順次、案内いただけるとのこと。引き渡しを受けるのは早くても年末、遅ければ来春またはそれ以降でしょうから,気長に待つことになります。
それまではmyヴァリアントを労りながら(何しろまだ値の付く売り物なので!),でもそれらしく走らせながら,降りるその日が訪れるまで存分に楽しみます。
Posted at 2023/07/15 15:15:21 | |
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