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2025年11月02日 イイね!

アップデートの効果検証

アップデートの効果検証ジムカーナコース・左周りコースの両方で自己ベストを更新した先日のナリモ

いつもの如く反省会をやろうと思うのですが,ジムカーナの方はコース攻略をやり切ってますし,ドライビング的にも限界を超えた走りだったのが明白なので(もう1回やれ!と言われても出来る気がしない),今回は左周りコースの方で1年半前の結果と比較し,アップデートの効果検証を行いたいと思います.

まずはいつもの通りサンプルデータから.

【前回(45.44)】


【今回(44.75)】



続けてコンディションの比較.

  前回 ・・・ 気圧:1018.5hPa  気温:15.8℃  湿度:49%
  今回 ・・・ 気圧:1001.7hPa  気温:20.2℃  湿度:77%

全てのパラメータで今回の方が条件が悪く,パワー的には不利ですね.
では,ロガーデータを使って細かく見ていきましょう.


ホームストレートエンド



青が前回,赤が今回ですが,20hPa近く気圧が低くパワーが出てない割には今回(赤)の方が終端速度が3km/h高いです.車速の推移を見ると途中で車速が伸びている訳ではなく,スタートラインを通過した時点で既に3km/h分のオフセットを築けているのが読み取れます.すなわち「スタートダッシュが良かった」という事ですね.

これには1つ理由がありまして,通常のナリモのフリー走行だとグルッと回って助走してからホームストレートに向かいますが,この練習会はジムカーナ形式なので,コース左端の切れ目からゼロ発進でアタックに入っていく事になります(↓).



この切れ目,当たり前ですがクルマを置くようには出来ていないので,前走車の邪魔にならないような位置にクルマを停めると,左リアが土の上になるんですよね.加えて,アスファルトと土とで高さに差がありますから,左リアが下がって車体が傾く事にもなります.「左リアが下がる」という事は「右フロントが浮く」という事なので,FF車の場合「これじゃトラクションが稼げない・・・」という事になるので,今回は前走車が通過した後,ほんの少しだけ前進して左リアをアスファルトの上に乗せるように変更しました(↓).


(動画で見ると,前走車通過後,僅かに動いているのが分かると思います)

乗っている時は「正直そんなに変わらないかなぁ~?」とも思ったのですが,0.08秒を削り取るために,やれる事は全部やろうと思い試してみたのですが,どうやら正解だったようですね.これだけで0.03秒削れているのでチリも積もれば何とやら~です.


10R~15R
既に感想を述べていますが,SPOONキャリパーに変わっても1コーナーのブレーキングはさして違いを感じず.ただ,続く2コーナー(15R)に向けてのハンドリングに関してはコントロール性が今回(赤)の方がズバ抜けて良かったです.



フロントのロアーアームブッシュをピロ化した事で,動きが素直というか,曖昧さがないというか,切ったら切った分だけ積極的に曲がろうとするので,アクセルを開けてもアンダーステアに転じる事もなく,凄くコントロールが楽でした.ロガーデータ上でも,前回(青)はフロントタイヤと格闘して波形が上下に波打っているのに対し,今回(赤)はキレイなV字を描いているのが読み取れます(↓).




8R~13R
ヘアピン状の2コーナーを回り込んでS字状に抜けるセクションですが,ここもアンダーステアが出る素振りが全くない.今までだと,この辺りからアクセルを開け始めたら(↓),



アンダーステアが出て曲がり切れなくなるので,アクセル開度を微調整してギリギリコース幅が足りる部分を狙っていったのですが,今回はアンダーステアが全く出ないので躊躇なくアクセルを全開に出来ました.ロガーデータを見ると15Rコーナーを抜けた辺りの速度差が6km/h近く高いので,そりゃ今回(赤)の方が速いのも当然だわなぁ~という感じです(この時点で今回の方が0.3秒リード).


10R
S字セクションを抜けた先の直角コーナーですが,ここが少々不可解です.手前の13Rを高い速度で抜けて,ブレーキを踏まずにアクセルワークだけで右へターンしていくのですが,今回(赤)の方がここの車速の伸びが悪いんですよねぇ・・・(↓).



他は想定以上に曲がるのにここのコーナーだけが曲がらず,アクセルを開けられない(↓).



そのせいで前回(青)に比べて露骨に車速が落ちています.これがプロに指摘頂いた「大舵で曲がらない」の症状なんじゃないかと思います.この時点までに今回(赤)の方が0.3秒リードしていたのですが,アクセルを踏めなかったせいで0.15秒までリードが減ってしまいました・・・.

ピロ化によってこれだけフロントのレスポンスが良くなったにも関わらず,この症状が出ているので,これはサスペンションの問題ではなくタイヤの問題なんじゃないか?と内心思っているのですが,この辺りは別の機会に触れたいと思います.


7R~8R
ここは荒れた路面の部分(↓)をキッチリ避けるために,



ボトムは捨てて小回りを優先したのですが,いやはや,ここでもフロントのレスポンスが素晴らしい.曖昧な動きがなく,スパッ!と切り込んでいってくれるので,ここも今回(赤)の方がV字状の波形となっています(↓).




12R~18R~10R~15R
右のヘアピンを小回りで抜けた後,続く左のヘアピンをクリアして外周部分をアクセル全開で駆け抜けていく訳なのですが,ここのボトムの差がこれまた大きい(↓).



前回(青)は18Rで一度アクセルを戻さないと抜けられませんでしたが,今回(赤)はそんな事をしなくても曲がる♪ 曲がる♪ 次の直角コーナー(8R)までに再び0.3秒の差をつけていました.

ちなみに,先程の直角コーナー(10R)で起きていた「大舵で曲がらない」症状はここでは起きておらず,ステアリングを切ったままアクセルを全開にしているにも関わらず,スムースに加速していっているのがデータから読み読み取れます.やはり速度低下の要因には「舵角」がキーワードとなっているのが窺えますね.


8R
全開でコーナリングしてきた後,直角に左に折れるコーナーですが,ここはフロントのレスポンスの良さを活かして少しドライビングを変更しました.



前回まではどちらかというと進入のブレーキングで稼いで,ステアリングを切った後はコース内にと留まれるポジションにつけるまでアクセルを開けるのを我慢するような走らせ方だったのですが,今回は敢えて進入で飛び込まず,若干手前でブレーキングを終えて,ステアリングを切った後,アクセルを開けながらLSDを使ってラインを合わせていく走らせ方に変更しました.イメージ的には,下図で言うところの日本式→欧州式への変更という感じですかね(↓).


(AUTOSPORT No.1349:日本と世界はどう違う?[特集]スポーツドライビングより)

欧州式の方がラインの自由度が高いので,個人的には出来るだけこちらの走らせ方をしたいのですが,アクセルで向きを変えられる後輪駆動車とは違い,FFは「進入が全て」になるので,なかなかこういったアクセル踏みながら曲げていくドライビングが出来ないのですが,ピロ化のおかげでとにかく曲がってくれるのでこれが出来るようになりました.実際,ロガーデータで見ても(↓),



"待ち"の時間が全くなく,キレイなV字を描いて立ち上がれているので,単純に速いのが分かります.
(今回の方が0.38秒リード)


15R
グルッと回り込むヘアピンですが,ここは今回ブレーキングでミスりました.



これまでと同じイメージでブレーキングしたのですが,タイヤの摩耗が予想以上に進んでいたようで,フロントタイヤが負荷に耐え切れず,ロック気味になってアンダーステアを出してしまいました.



ロガーデータで見ても今回(赤)の方がボトムが7km/hも低いので,明確なミスですね.走っている時は「やっちゃったぁ~」と後悔しましたが,それほど致命傷にならなかったのが唯一の救いでした.

ちなみに,コレがSPOONキャリパーに変更してから初のフロントロックだったのですが,ペダルのタッチが全く変わらず,「えっ!? ロックするの?」という感じでした.これまでだとここまで攻めたらグニュッとした感触があって,「あ~,これはロックする,ヤバイ~」という予測が出来たのですが,SPOONキャリパーは板のように固いのでその予測がつきませんでした.まぁ,ロックと言っても白煙が上がるレベルではないので,そういう意味では「コントロール性が高い」と言えるのかもしれませんが,一度感覚をリセットして,重点的にロックの練習をしてフィーリングを覚えないと,いざ!という時に対処出来ないかもしれませんね・・・.


7R~12R
右のヘアピンを抜けた後の左のヘアピンですが,ここも本当によく曲がるようになりました.



今までだと,軽くブレーキを当ててフロント荷重を作ってやらないと曲がらなかったのですが,ピロ化後はノーブレーキで曲げられます(操舵抵抗による失速だけで十分,という意味).なので,ロガーデータを見た時にこれだけボトムスピードに差が出るのは(↓),



当然の結果だろうなぁ~と思いました.これで今回(赤)の方が0.47秒リードし,ここからゴールラインまでの間はグングン両者の差が開いていき,最終的には0.7秒タイムが縮まる結果となりました.


以上,アップデートの効果検証でした.纏めると,

  ・ロアーアームブッシュのピロ化は効果大
  ・滅茶苦茶クルマが曲がるようになった(フロントのレスポンスが良い)
  ・クルマの動きに曖昧さがなくなり,素直なハンドリングになった
  ・コーナリング中にアクセルを開けてもアンダーステアに転じる事がなく,そのまま曲がっていく
  ・FFらしからぬ,アクセルを開けながらコーナリングするドライビングが出来るようになった

  ・SPOONキャリパーの操作性は違和感なし
  ・効きも全く変わらない(本来当たり前なのだが)
  ・どんな踏み方をしても(ペダルを強く踏んでも)一定の位置でペダルが止まる
  ・そのせいか,踏み始め~最大制動力に達するまでの操作時間が短くなった気がする
  ・一方で,フロントがロックする感覚はまだ掴み切れていない
  ・これまで油圧特有のグニュッとした感触に頼ってロック判断していたのをリセットする必要がある

といった感じでしょうか.とにかくロアーアームブッシュのピロ化が大正解でした.アッパーアームなんぞより,先にロアーアームの方をやれば良かったと心底後悔するくらいです.



やっぱりサスペンション関係は,ちゃんと動きを理解して変更しないとダメですね.この2年間,遠回りはしましたが良い勉強にはなりました.


さて,これで残る問題は「大舵で曲がらない」.これに関しては1つ仮説が思い浮かんだので,次はそちらを試してみようと思っています.

Posted at 2025/11/04 00:09:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | ナリタモーターランド | 日記
2025年11月01日 イイね!

ポテンシャル開放!

ポテンシャル開放!(この記事は,刻め、ベストタイム!ラップタイム投稿企画を開催!について書いています)

今年2回目のアップデートを施して臨んだ日光では,交換したばかりのピロボールブッシュが抜けるというトラブルに見舞われて結果を残せませんでした.ただ,僅か4回に留まったアタックの中でも,ポテンシャルの片鱗は十分窺えました.


日光を走った翌日,早速ショップにEF8を持ち込み,ピロが抜けたアームを取り外してピロの販売元であるTRY・BOXにアームを送付.私のアーム専用のピロボールブッシュを新たに製作頂き,返送→再度アーム取付けという作業を1週間の間にこなして頂きました.なんでこんな突貫作業を依頼したのか?というと,日光を走った時点で翌週ナリタモーターランドで行われるジムカーナの練習会に申し込んでいたから(笑).会社の有志で行われているイベントなので欠席は申し訳なく,ギリギリの日程感でしたが何とか間に合わせて頂きました.ご対応頂いたTRY・BOX様,ホンダツインカム様,有難う御座います!<(_ _)>


という事で,クルマを引き取った数時間後にはナリタモーターランドへ.3連休の頭という事で都内脱出渋滞を警戒して30分早めに家を出ましたが,思っていた程交通量も多くなく,想定通りの時間で現地に到着(途中GoogleMapに変なルートに案内されましたが・・・).前日が結構な雨量だったので道中も路面は濡れていましたが,コース上もこんな感じ(↓).





「こりゃ,1本目は気をつけないとヤバイな・・・」と思いつつ,完熟歩行をしていると,外周の全開で駆け抜けるセクション(↓)が一番ヤバイ.





濡れた路面に落ち葉という最悪の組合せで,「午前中は捨てかな?」とまで思いました・・・.


一応,主催者には「もしかしたら,修理が間に合わないかも~」と事前に連絡を入れておいたので,本来,私は2番ゼッケンだったのですが,主催者の配慮でラストゼッケン(27番)に(↓).



この路面コンディションだと逆にこっちの方が嬉しく,ジムカーナでは名誉なラストゼッケンを務めさせて頂きました.


では,早速1本目.

今回は過去最多となる26台(当日1台欠場)が集まり,5台1グループで,1セッション2本という流れとなりました.1周1分足らずのコースではありますが,スタート&ゴールの猶予時間,パイロン修正等の時間を加味するとラストゼッケンである私のところまでに回ってくるのに大体75分くらい掛かりました.



一応,最警戒してコース上に出ましたが,10時過ぎなので気温もそこそこ上がっており,コース上も既に40本走行されているので路面は完全にドライ.最初の複合セクションを抜けた辺りで「これなら次は全開でも大丈夫だなぁ~」と思いつつ,リアタイヤの温まり具合が分からなかったので,1本目はチェック走行に終始して,タイムも 1'02.85 と「ま,そんなもんでしょ」という感じでした.


続く2本目.1本目ではウェット路面を警戒して減衰を前後共に6段下げていたのですが,1本目のチェック走行で「もっと締めても大丈夫だなぁ~」と思ったので,前後1段上げ(5段戻し).この状態でアタックしてみると,



いや,もう,クルマの動きが 素晴らしい!

日光で片鱗が見えたポテンシャルがいよいよ開放されたようで,クルマが滅茶苦茶曲がる.特に感動したのが前半のセクションを1周回って戻ってきた際の10R(↓)で,



今までは軽くチョン!とブレーキを踏んでフロント荷重を作ってやらないと抜けられなかったのですが,今回はアクセル踏んだままでも曲がれる! 一度フロント荷重を作った後の反応が滅茶苦茶良いので,全体的にコーナーの手前でブレーキを踏んで一度フロント荷重を作り,ステアリングを切ったら後は全開! FFだとやりづらい「エイペックスの手前からアクセルを開けていく」というのを意図も簡単に出来るようになりました.タイムも 59.90 と早くも1分を切り,マージンをかなり残した状態でコレなので,ここから先が楽しみです♪


1時間半のインターバルの後,3本目.

前回の日光では計測1の全開加速でピロが抜けましたが,今回は2度1速からの全開加速をくれてやっても大丈夫だったので,ピロの方はもう気にしなくて良さそう.路面は完全なドライになっているので,減衰設定をサーキット走行時と同じものにしてコース攻略を詰めます.



手応えは割と良かったのですが,タイムは 59.10 と僅かに58秒台には届かず.


サーキット用の減衰だとやはり固過ぎてフロントが逃げるので,前後1段下げて4本目.



ピロ化の動きが大分掴めてきて,ドライビングをかなり合わせ込めたと思ったのですが,タイムとしては 58.96 でギリギリ59秒を切っただけ.自己ベストは昨年11月に記録した「58.45」なので,ちょうど0.5秒落ちの状態ですが,この手応えで0.5秒落ちとなるとコンディションの差を埋めるのは難しいかなぁ~?と思いました.

  自己ベスト記録時  ・・・ 気圧:1028.8hPa  気温:15.3℃
  今回(11時半時点) ・・・ 気圧:1000.7hPa  気温:20.8℃


その後,次のセッションを迎える前にお昼休憩に突入.今回のお弁当は選択制だったので,私は「鶏もも肉のチリソース弁当」をチョイス(↓).



これで500円なんだそうで,このご時世にリーズナブルで助かります.


腹ごしらえも出来たところで,午後に向けて戦略を練ります.4本目の感触を思い出すと,サーキット走行の状態から1段下げてもフロントのグリップが足りず,外周で踏めなかったので前後共に更に2段下げて全体のグリップを底上げしてみます.その5本目のタイムは,



59.95.インターバルにお昼休みが加わり,リアタイヤのウォームアップを少し警戒した事もありますが,まだフロントのグリップが足りない.


続く6本目.結局,朝一と同じ位置まで前後共に減衰を下げる事となりましたが・・・,



結果は 59.10.やはりコンディションの壁が高いのか? 58秒台にも届かなくなりました.フロントタイヤの摩耗がかなり進み,ほぼ終わりかけの状態になったので,これ以上のグリップは引き出せそうにありません.


困った7本目.

フロントが限界に達したので,あとはリア側で何とかするしかない.何か手がないか?と考えて,一先ずリアだけ減衰を1段上げて前後バランスを意図的に崩してみます.また,ロアアームのピロ化の方はポテンシャルを引き出せたので,もう1つのアップデートであるSPOONキャリパーの方に目を向けます.



ここまで6本走った感触を思い返してみると,正直,EK9キャリパーとの違いを感じない.「違いを感じない」という点を良い方向で捉えると「違和感なく,意図通りに使える」という事なのですが,悪い方向で捉えると「1POTも4POTも変わらない」という悲しい結論に達してしまうので,本当にそうなのか?と自問自答.「いやいや,そんなはずないよな」「何か違いがあるはずだ」「なんでその違いを私は感じていないんだ?」と考えた結果,

  「ロックスレスレまで使い切れていないんじゃないのか?」

という見解に達しました.ロアアームのピロ化でクルマが想定以上に曲がるようになったので,それに頼ってブレーキの詰めを疎かにしているのでは?と.ならば「リアのブレーキに余力がある」という事にもなるので,プロポーショニングバルブをイジってリアの効きを1段階上げてみます(↓).



最悪これでリアがロックしても,ジムカーナであればタイトターンで有利に働くので,これで挑んでみる事にしました.そして,その結果は・・・,



本日のベストとなる 58.53.パドックに戻った際に拍手で迎え入れられましたが,自己ベストには0.08秒届かず,前回の練習会でも2度「58.53」をマークしてタイム更新を阻まれたので,内心では「また58.53かよ・・・」とかなり悔しい感情が沸いてました.


決戦の8本目.

7本目でブレーキバランスはリア寄りにしましたが,依然としてバランスは取れていました(リアはロックしていない).じゃあ,踏みが甘いのか?というとそんな事もなく,フロントに必要な制動力は出ていました.それでいてペダルタッチが「固い」という印象を受けなかったので,「どういうこっちゃ?」と思いながら実は走っていたのですが,走り終えて頭が冷静になったところで気づきました.

私がイメージしていた「ペダルタッチが固い」というのと,対向4POTで固くなるポイントが違っていたのです(↓).



私は「タッチが固い」というから,てっきり踏み始め(右)~制動力が出る部分(中央)までの領域が固くなるんだと思っていたのですが,対向4POTで固くなるのはそこではなく,制動力が出る部分(中央)~ロックさせる領域(左)の部分でした.



さすがにEF8でサーキットを走って10年以上経つので,ペダルをどこまで踏むとフロントがロックするか?というのは身体に染みついており,ロックスレスレの最大制動力が出るポイントに1発でピタッと合わせるのは意識せずとも出来るようになっているのですが,そのせいで最大制動力だと思っているポイントより奥の領域まで足に力を込める事がありませんでした.

今回,意識的に「ブレーキを強く踏もう!」と思って走ってみた結果,いつものポイントよりも奥までペダルを踏もうと思っても,そこまでペダルが行かない(そこから先が物凄く固くなっている)事にようやく気づきました.今まではこの領域は油圧らしいグニュ!とした感触があって,「あ~,これ以上踏むとロックするなぁ~」というのが手応えで分かったのですが,SPOONキャリパーはこのグニュ!とした手応えが全くない.



どんな踏み方(足の力の込め方)をしても,最大制動力のポイントでペダルがピタッと止まってくれるので「確かにこりゃ楽だ」と思いました.なるほどねぇ~,「ペダルタッチが固くなる」ってこういう意味だったんですね.やっぱ自分で試してみないと分からないもんだなぁ~と思いました.


という事で話を戻して,SPOONキャリパーの性能を実は最大限引き出していた事にようやく気づき,逆に言うと「ココはこれ以上伸び代がない」という事になったので,あと0.08秒を削る策がなくなってしまいました.orz

25hPaも気圧が低く・5℃も気温が高い悪コンディションの中で,自己ベストの0.08秒落ちまで迫ったのですから,「良くやった.もう十分頑張ったじゃないか」と囁く声が頭の中で聞こえてきたのですが・・・,

いや.あと0.08秒,何としてでも削り取る!
(`^´) ≡3


と気合を入れ,最後の策としてリアの減衰をもう1段階下げて8本目に挑みます.
スタート後,1~2コーナー間でリアが限界を超えて流れた時は「ミスったぁー!?」と思ったのですが・・・,



流れ続けるリアタイヤを何とか捻じ伏せ,もう1回やれ!と言われても出来ないドライビングでゴールした結果,
58.37 をマークし,自己ベスト更新!

ここのところ自己ベストはおろか,どこのコースを走っても,あと一歩届かないタイムで終わっていたので,25hPaの気圧差を跳ね返しての自己ベスト更新はかなり嬉しい!! 持てる武器を全部使い切って削り取ったタイムなので満足感がとても大きいです~♪


最後の9本目.

ここまで2本1セットで回してきましたが,最後は時間の都合で1本のみとの事.先述の通り「もう1回やれ!と言われても出来ない走り」で出したタイムなので,これ以上のタイムを出すのは無理.もう十分満足したし,フロントタイヤの摩耗も限界に達しているし,最後の1本は走らないで終わろうかなぁ~?と思いましたが,周囲を見渡すと皆さん最後の1本に集中して監視の目が薄れてる.

( ̄▽ ̄)✧ キラーン

これならミスコースしてもバレないな・・・という事で,自己ベスト更新のついでに左周りの正規コースでもタイムを出しておく事にしました.



結果は 44.75 で,0.7秒タイムを縮めてこちらも 自己ベスト更新!

途中フロントタイヤの摩耗が予想以上だったようで,ヘアピンでロックさせてしまいましたが,0.7秒も縮めれば十分でしょ(笑).ダブルの自己ベスト更新で非常に満足度の高いナリモ走行会でした!


その後,後片付けを終えて,帰りは渋滞回避の時間潰しのために酒々井プレミアム・アウトレットへ.



祝勝気分だったので,蒼龍唐玉堂 酒々井プレミアム・アウトレット店で「海鮮天津飯」をオーダーしましたが(↓),



1回食べれば十分かな・・・.18時くらいまで時間を潰した後,高速乗って酒々井SAで仮眠.暖房なしだと少し肌寒かったですが19時半くらいに目が覚めて,そこから先は渋滞ナシでスムースに帰れました.


以上,アップデートのポテンシャルが開放されて,ダブル自己ベストをマークしたナリモのジムカーナでした.
Posted at 2025/11/03 01:54:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | ナリタモーターランド | 日記
2025年10月24日 イイね!

アップデート 2025 その②

アップデート 2025 その②早々にリタイヤに終わった1年振りの日光ですが,僅か4周とはいえアップデートの感触を多少掴めたので,振返っておきます.

今回の変化点は2つ.

  ①フロントブレーキキャリパー変更  ・・・ 軽量化
  ②フロントロアアームブッシュピロ化 ・・・ アライメント変化抑制


1つ目はSPOONキャリパーの投入.



昨年の冬から前後のブレーキバランス(リアがロックする)に悩まされていたのですが,フロントのブレーキパッドを初期制動力の高いIDIの「SC6」に変更した事で制動力とコントロール性の両立に成功しました.これで問題なしだったのですが,「SC6」への交換と同時に今まで使っていたEK9純正キャリパーのダストシールが終了してしまったため,「これをオーバーホールするくらいなら・・・」と1年前から考えていたSPOONキャリパーを投入する事にしました.



1年前の調査で「モノブロック」は早々に除外していたので,迷わず「ツインブロック」を選択.ローター&パッドをそのまま流用出来るので,折角整えたバランスを崩さずに済むだろう~という狙いです.唯一のネックは手持ちのホイールで干渉しないか?でしたが,RZⅡであれば大丈夫そうな事が確認出来ました.


2つ目のロアアームブッシュのピロ化は,2年前に抱えた問題の解消を狙ったもの.



2年前の日光を走る直前にアッパーアーム側をピロ化したのですが,実際に走るとアンダーステアがかなり強くなっていました.その後,色々考察した結果,ピロ化すべきだったのはアッパー側ではなくロア側だったのでは?という事が分かったのですが,ブッシュの打ち替えは結構工賃が掛かるのでそのまま放置していました.その後,プロにアライメント変化の指摘を受けたので,「もはや逃げられない・・・」という事で,今回投入しました.

いずれもデメリットはないと考えていたので,問題はメリット分をどれだけ引き出せるか?だと思って楽しみに日光へ向かったのですが,残念ながら2個目の変化点であるピロがアームから抜けてしまい,途中リタイヤを強いられました・・・(泣).それでも一応計測は4回行い,100%攻め切ってはいませんがそこそこのタイムは出たので振り返る事にしました.


まずは,いつもの通りサンプルデータから.

【前回】


  41.731 (S1:09.649 S2:18.268 S3:13.814)

【今回】


  41.609 (S1:9.649 S2:18.104 S3:13.856)

セクタータイム的にはS2で0.1秒稼いでいるようですが,コンディションは今回の方がかなり良いので(↓),

  前回 ・・・ 気圧:1006.9hPa  気温:25.1℃  湿度:62%
  今回 ・・・ 気圧:1012.2hPa  気温:12.9℃  湿度:66%

そのせいかなぁ~?という気がします.


続けてロガーデータ(前回:青 今回:赤).



今回(赤)は限界まで攻め切れなかった事もあり,細かく見てもあまり意味がないのでザッと纏めると,今回(赤)の方がコンディションが良いので全体的なスピードが底上げされているのが読み取れます.0.1秒稼いでいるのが6コーナーの立ち上がり~10コーナーのブレーキングまでの高速セクションなので,パワー差がそのまま出た印象です.

アップデートした箇所に焦点を当てて見てみると,キャリパーの方はハードブレーキングとなる10コーナーの飛び込みで評価したのですが(↓),



トラブルを抱えていた事もあって,マージンを残しながらのブレーキングだったのですが(左側の緑丸),それでも今回(赤)の方が減速量が大きく(右側の緑丸),若干効きは強くなっているようです.前回(青)はギリギリまでブレーキングの開始を遅らせると,フロントがロックするか否かギリギリの感触だったのですが,今回(赤)はそんな感触は微塵も感じなかった(だからこそマージンが残っていると思った)ので,限界(というかコントロール性?)は結構上がっていそうですね.

なお,ブレーキタッチに関してですが,



計測1の踏み込みでは「おっ!? ペダルストロークが短い!」と固い印象を受けましたが,フルードが温まったせいなのか? 計測2以降はEK9キャリパーとの違いを感じず,ストローク量も同じくらいに思えました.残念ながら今回はロックするところまで試せなかったので,限界域でのコントロール性は確認出来ていないのですが,現時点では「良くも・悪くもなってない」といった印象ですね.もし仮に「良くなっていない」のだとしても,同等の効きでバネ下3.6kgの軽量化になっているので,アップデートとしてはそれで十分だと思っています.


次にピロ化の方ですが,こちらは6コーナーの進入で体感出来ました.



ブレーキングを開始して前傾姿勢になった状態からステアリングを切り込んだ時に,クルマの向きの変わりが明らかに早い.



感覚的には,今まで抵抗に抗うかのようにグイグイと力を込めてステアリングを切り足していくような感じだったのが,ピロ化後はクイッと1回ステアリングを切れば,スパッ!とフロントが切れ込んでいくような感触でした.端的に言えば「曖昧さのないシャープな感じ」とでも言えば良いでしょうか? ドライバーのイメージよりもクルマが早く動くので「早過ぎてついていけない・・・」とまで感じました(汗).これまでリアを含めては色々ピロ化してきましたが,こんなに違いが出たのは初めてですね.それくらい差があるので一番最初にココをやれば良かったなぁ~と後悔する程でした.

ただ,これでプロに指摘された「大舵で曲がらない」の対策になったか?というと,微妙な感じ.



先程も述べた通り,切り込んだ最初の瞬間は凄くシャープになったのですが,そのまま舵角を増やしていって,最大舵角になった辺りの感触を思い出してみると,そこで曲がるようになった印象がない.これまでと変わらず,大舵の時はフロントタイヤの反応が鈍い気がしたので,ピロ化とは別に対策を探す必要がありそうに思えました・・・.


以上,今年2度目のアップデート結果でした.
Posted at 2025/10/28 17:09:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | アップデート 20XX | 日記
2025年10月23日 イイね!

色々変わって,変わり過ぎた

色々変わって,変わり過ぎた今年のアップデートは1回のみと思っていたら,キャリパーのダストシールが終了して半強制的に2回目のアップデートを行う事となり,アップデートしたら早速テスト~という事で,日光サーキットへ行って来ました.

街乗りレベルの印象では,新たに投入したSPOONキャリパーは,冷間時だとEK9純正キャリパーとの違い(ペダルの固さ)は感じるのですが,フルードが温まってくると違いは感じず.



それよりも左右合わせて3.6kgのバネ下の軽量化が効いているのか,足の動きが微妙に変わっているのが気になりました.ただ,こちらは一緒に投入したフロントロアーアームのピロボールブッシュの方が効いている可能性もあり(↓),



両者を一緒にやってしまった事もあって判別が難しいのですが,とにかくフロントサスペンションの動きに軽さがあって,そのせいでリアの動きの悪さ(ドタバタしてる)が目立つようになりました.街乗りレベルではこの程度の事しか分からないので,キャリパーの方はともかく,ピロ化の方は2年前の惨敗に対するリベンジの意味も込めて,楽しみに日光へと向かいました.


4月の日光はハブトラブルで走れなかったので,日光を走るのは実に1年振り.
1年前は宇都宮ICに屋根がなくて驚いたりしましたが(↓),今年は屋根がついてました.



「1年経つと変わるもんだなぁ~」と思いつつ,ICを下りて119号線→293号線へと右折すると,宇都宮西消防署 富屋分署の隣(セブンイレブンの前)に見慣れない道が.


©OpenStreetMap contributors

アレッ? こんな道あったっけ??と調べてみたら,2023年7月に出来た新しい道(市道6193号線)との事.「やっぱり1年も来ないと色々変わってるなぁ~」と思いつつ(「いや,去年来た時にもあったはずでしょ!」とセルフ突っ込みを即座に入れつつ),293号線から側道に入ってサーキット側へ向かうと,途中にあるため池(?)に柵が出来てました.「ここ,夏に雑草が生い茂ると溜め池が見えないので,ドボンと落ちそうだなぁ~」と毎回通る度に思っていたのですが,これだけ目立つ柵があれば大丈夫ですね.

やっぱり色々変わるなぁ~と思いつつ,そのまま進んで東北道の下のトンネルを通ろうとしたら,入口付近の排水溝が新しくなってる事に気づき,ホント変わってるなぁ~と思いつつ更に進んでパドックへ進入して,屋根付きの北側にクルマを停めて降りたら,屋根エリアとの境界線に盛り土がされてる(↓).



屋根のある辺りは微妙に傾斜していているので,雨が降った時の堤防という意味合いなんでしょうね.パドック内の白線もキレイになってるし,ホント色々変わってるなぁ~と思い,隣に停まった坊愚さんに堤防の話したら「ソレ,大分前からありますよ」と言われてしまいました(苦笑).


そんな感じで色々変わってた日光の道中を味わいつつ,コース上でもクルマの違いを味わえたらいいなぁ~と思いながら1本目(9:00~).

気圧が高く・気温も低い,絶好のタイムアタックコンディションでしたが,いつもの通り前日はドリフト走行会だったので,路面が改善する3本目でタイムを出す事を想定し,1本目は新たなキャリパーの感触掴み.



3速全開で進入する10コーナーでのブレーキングで一番違いが分かるかなぁ~?と思っていたのですが,熱入れの最初の1発目は「おっ!? ストロークが短い!!」と固さを感じたものの,熱が入った2発目以降は違いを感じず・・・.「う~ん,効きが強くなったような気もするけど,固さはEK9キャリパーとそれほど変わらないような?」という印象でした.

まぁ,まだ感触掴みの段階で限界まで追い込んでないですし,仮に違いがないとしても軽量化にはなっているのでヨシとしよう~と,2速全開で12コーナーを立ち上がって,タイムアタックに入ろうとしたら・・・,



ガキン!

と何かがどこかに当たっているような金属音が・・・(泣).続く1コーナーのブレーキングでは音が鳴らないので,「なんだ? 気のせいか?」と思いつつ2コーナーに向けて再加速をすると,再びガキン!という音が.続く3~4コーナーでは音が鳴らず,一番負荷の掛かる6コーナーも問題なし.6コーナーが大丈夫ならイケるでしょ~と高速の8~9コーナーを9割くらいのペースで抜けて,マージンを残しつつ10コーナーでブレーキング.11~12コーナーの切返しをクリアして,再び2速全開で立ち上がろうとしたらガキン!

「あ~,コレ,多分右フロントだわ.クルマがロールして右フロントに負荷が掛かった時に何か当たってる」と思い,その後も試してみると,ブレーキング中には鳴らず,加速中に鳴るので,タイヤが後ろに引っ張られた時に何かが当たってる.となると原因は・・・,



変えたばかりのピロボールだよなぁ~(泣).何が・どう当たっているのか?まではさすがに分かりませんが,これでピットに戻ったら本日終了になる事は間違いないので,折角有休使って,そこそこ遠い日光まで来たんだし,再び乗れなくなる間に分析を進められるだけのデータは集めておこうと走行続行.

さすがに,クルマを100%信用出来ない状況(しかもコントロールを失うとダメージの大きな日光)なので,マージンを残しつつの走行となりましたが,4回アタックして 41.609 とそれなりのタイムが出たので,そこでピットに戻りました.




ここの走行会はメカニックさんが控えてくれているので,すぐにそこへ向かい事情を説明.
ジャッキでクルマを持ち上げて診てもらったところ(↓),



ピロブッシュの側面にアームからズレた跡があるとの事で,まさかのピロ抜け・・・.こういう変化は嫌だなぁ~(泣).一応,その場でピロをアームに押し込んで元に戻してもらいましたが,メカニックさんから「どうします? 確認で走ります?」と聞かれるも,必要最低限のデータは取れましたし,これ以上状況を悪化させても仕方ないので本日の走行はこれで終了する事にしました.


これでやる事がなくなったので,後片付けをしつつ,残りの時間どうしようかなー?と思っていたら,FD2乗りの-yoshiki-さんが日光攻略でお悩み中のご様子だったので(↓),



私のロガーとカメラを勝手に取り付けて,分析してみる事に(笑).


本人曰く「Sec1が遅い」との事だったので,1コーナーで飛び込めてないんじゃないのか?と定点観測してみると(↓),



なかなか上手いじゃーん.経験値不足から毎周ブレーキングポイントが異なっているのはご愛敬でしたが,上手くいった時の1コーナーは40秒台クラスと遜色ない飛び込みに見えました.その先の2コーナーでは,オープンデフなので頭が入らずアンダーステアに苦しんでいるようですが,そのアンダーを警戒してか? 1~2コーナー間も攻め切れていない印象は受けました.

ただ,外から見た印象だと,この走りならSec1で10秒切れても良い気がするけどなぁ~?と思い,「もしや・・・」と思って場所を最終コーナーに移して見てみると(↓),



Oh・・・.やっぱりか.これじゃあ,10秒切れないかもしれないな.
仮説が合っているかどうか分からないので,後でロガーデータで検証してみたいと思います.


そんな感じで走行会は終了.



残念ながら,この日隣にいた坊愚さんに大きなアクシデントが起きてしまったので,やはり日光はミスるとダメージが大きい・・・と思いつつ解散しました(坊愚さん,お身体が無事である事を願ってます).


その後,AT使いのBB6と一緒に佐野SAへ移動して昼食.いい加減上りの施設も完成しただろうと思ったら1年経った今でも工事中.仕方がないので,1年前と同様,階段で繋がっている下りのエリアに移動し,今回はSANONの「耳うどんアラビアータ」を頂きました(↓).



この「耳うどんアラビアータ」の購入時,券売機で注文するのですが,商品を選んだ後に「発券ボタンを押して下さい」と表示されるもそのボタンがなく,AT使いと二人でキョロキョロ周囲を見渡してしまいました(苦笑).ボタンを無視してお金を投入したら無事発券されましたが,注文後もオーダーを受けつけたのか? モニターに表示されないし(完成したものしか番号が表示されない),今時珍しいレベルのUIの悪さですね.1年前もここで食べたはずですが,その時はこんなに戸惑った記憶がないので,こちらももしかしたら変わったのかな・・・?


以上,色々変わって,変わり過ぎてた日光でした.

追伸:
EF8の先輩,券売機はイマイチでしたが,今回食べたSANONにはこういうメニューもあるようなので(↓),次回はコレをお目当てに日光へ来て下さい.待ってます(笑).

Posted at 2025/10/24 21:49:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日光サーキット | 日記
2025年10月19日 イイね!

2月まで待てるか・・・?

2月まで待てるか・・・?先月のTC1000でプロに試乗して頂き,前後のブレーキバランスにOKを頂きました.

これで昨年の冬から苦しまされた問題にようやく決着がついた訳なのですが,そのバランスを整えるに用いたブレーキパッド,IDIの「SC6」に交換する際,ショップのメカニックさんから「キャリパーのダストシールが・・・」とボロボロの写真を見せられました.


それまで使っていた「SC6.5」の耐熱温度がどうも低い気がしていたのですが,ダストシールにまでダメージがいってましたか・・・.その場でオーバーホールをオススメされたのですが,「いや,オーバーホールするくらいだったら,前々からやろうと思っていたSPOONキャリパーを投入する」と答えて,その場で発注しました.このご時世なので,どうせ納期は3ヵ月くらい掛かるんだろう~と,呑気に待つつもりだったのですが,アッサリと2週間後には到着(↓).



別件で依頼していたロアーアームブッシュのピロ化(↓),



・・・と抱き合わせで作業して頂き,サックリと1日で仕上げて頂きました(↓).



これでようやくキャリパーのサイズが固まり,ホイールの選定に本腰を入れられるようになったので,早速SPOONキャリパーとの干渉要件の洗い出し.


まずは手持ちのホイールの中で最小となるRAYSのCE28N 15×6.5J INSET+45をショップでトライしてもらったところ(↓),



結果は「NG」.外周部分は問題ないが,スポーク部分が当たるとの事でINSETが浅過ぎとなりました.「5mmのホイールスペーサーを入れれば大丈夫」というアドバイスも頂いたので,INSETは+40が目安となりそう.
(INSETが+40のADVAN Racing RZⅡ 15×7.5J↓は「OK」)



次期ホイールはリム幅を7インチにするつもりなので,15×7.0J INSET+42だとどうだ?と思い,試算してみると(↓),


(Fancy Craft:ホイールオフセット計算

INSET的には2mm足りませんが,リム幅が0.5インチ(=12.7mm)増えて中心点がズレるので15×6.5J INSET+40と同等な所に来そう.「これならイケるかなぁ~?」という事で,試着してみると(↓),



全然余裕~♪ さすがはGTRデザインですね.


ちなみに,「GTRデザイン」というのはYOKOHAMA WHEELの用語で(↓),



R32 GT-R専用に,スポークを大きくコンケイブした専用デザインを初代RGで設定した事に由来するそうで,基本となるデザインを「スタンダード」,そのスポークをよりコンケイブさせたデザインを「GTRデザイン」,そして,その「GT-Rデザイン」よりも更にコンケイブさせたデザインを「スーパーGTRデザイン」と呼ぶのだそうです.私が使っているRZⅡは「GTRデザイン」なのでこのコンケイブのおかげでキャリパーを避けてくれたようです.


これでYOKOHAMA WHEELであれば,入るINSETも正確に抑えられたので,目ぼしをつけていたホイールを手配しよう~と調べていたら,横浜ゴムがA050のタイムアタック競技向け新コンパウンドである「A1」を発表(↓).



まだ3サイズしかありませんが,今後「A1」のラインナップが増えていく事を想定すると,検討していたβ11ではなく,いっそSタイヤに行っちゃうか!?とか考えていたら,こんなニュースが飛び込んで来ました(↓).

  Øutlaw Motorsport :RE-71RSの廃盤とRE-71RZの登場

なんと! RE-71RSがモデルチェンジ だそうです(次はRE-71RTじゃないのね・・・).

RE-71Rの発売が2015年,RE-71RSの発売が2020年であった事を考えると,確かにそろそろBSのハイグリップラジアルがモデルチェンジしてもおかしくない.となると,前2つと同じパターンで,年明けの2026年オートサロンでお披露目し,正式発売は2月だな・・・と一瞬で妄想が広がりましたが(笑),おっとその前にニュースソースの信憑性を確認しなきゃ.


早速中身を読んでみると,どうやらニュースソースはIPRA-AUS(Improved Production Racing Association Australia)の議事録らしい(↓).



「アレッ? このロゴ,どこかで見たような・・・」と記憶を辿ってみると,ああ,アレだ.いつぞや見たオーストラリアの熱いレースだ! なるほど,あのレースを運営している団体か.この団体,州毎に7つの支部があるので(↓),



その支部の代表者が年に1回集まってFace to Faceで会議を行い,その議事録を公開しているようですね.ふむ,これは信憑性が高そうだぞ.ただ,なんでここで「RE-71RZ」の話が出てくるんだ・・・?と議事録を読み込んでみると,この辺りに単語が出てきました(↓).



  ・NA(National Administrator)はBSAL(BridgeStone AustraLia)との議論を促している
  ・NT(Northern Territory)のタイヤテストについて
  ・BSALは,キャンバー角を付け過ぎるとタイヤの内側に影響を与えるとアドバイス
  ・BSALは,キャンバー角の詳細とタイヤ表面温度に関して,競技者向けのウェビナーを開催

  ・BSALは,「RE-71RS」の後継である「RE71-RZ」について説明
  ・筑波サーキット(恐らくTC2000)でのラップタイムが0.5~1秒短縮し,摩耗も改善
  ・「RE-71RZ」はBSの第4世代であり,「RE-71RS」の後継となる
  ・BSALは,「RE-71RZ」のタイヤサイズに関してアドバイスした
  ・SA(South Australia)は,競技者が記入して各支部に提出できるタイヤアライメントシートを提案
  ・車両セットアップ用として,各支部はこれを活用出来る



議事録の「13. Bridgestone Discussion」の前には「6. Tyre Tender」という項があり,そこにはBSとの契約の話が出ています.現在IPRA-AUSはYHと3年契約を結んでいるはずなので(↓),



その契約が終了した後,次期タイヤサプライヤーとしてBSと契約を結ぶ流れのようですね.そして,そのBSから提供するタイヤとして「RE-71RZ」を提案したという事なんでしょうか・・・?


ここから先は完全な妄想なのですが,察するに「NT」で,次期タイヤ選定のためにBSタイヤ(恐らく「RE-71RS」)のテストを行ったという事なんじゃないでしょうか? 「NT」というのは「Northern Territory」の略で,オーストラリア北部の州の事(↓),



ここには「Hidden Valley Raceway」という全長2.9kmのサーキットがあるので(↓),



恐らく,ここでIPRAの参戦車両に「RE-71RS」を履かせてテストした結果,タイヤの編摩耗か何か問題が生じ,BS側がそれは「過度にキャンバーをつけたせいだ」とウェビナー(オンライン講習会)で説明したという事なんじゃないでしょうか? これに対し,支部の1つである「SA(South Australia)」は納得しなかったため,BS側は次期製品である「RE-71RZ」をプレゼンテーションしたという流れだと話が繋がります.


もし,そうだと仮定すると「RE-71RZ」は,「RE-71RS」のあの厄介なタイヤ自身がキャンバーを持つパターンを採用しない可能性が高そうですね.



「タイヤ自身がキャンバーを持つ」というと聞こえは良いですが,コレ,キャンバーを付けられないクルマに履かせる事を前提にした話なんですよねぇ.元々キャンバーが付いているクルマにこのタイヤを履かせると,キャンバー付け過ぎ状態になってコーナリング中の接地面積が増えないという・・・.

ショルダーが丸いタイヤのメリットは「キャンバーの変化に対して接地面積の変化が少なく,性能が安定する事」なんだそうですが(↓),


(レース用タイヤの歴史と技術開発より)

「安定する」という事は,逆に「増えもしない」とも言える訳で,欲しいところで欲しいグリップが得られなければ逆に扱いづらいタイヤになりますよね・・・.これがあるので,私は「RE-71RS」を避けてきたのですが,「RE-71RZ」がタイヤ自身がキャンバーを持つパターンを採用しないのであれば,再び有力な候補として戻ってきますね.


一方,「TC2000でのラップタイムが0.5~1秒短縮」という部分に関しては,RE-71RSの時がこんな感じだったので(↓),



TC2000におけるZC6のベストタイムは59.2秒だそうなので,1.1%短縮したタイムは58.4秒で0.8秒短縮だから,0.5~1秒のレンジに入りますね.つまり,「RE-71R」→「RE-71RS」で縮まった分と同じくらい,「RE-71RS」→「RE-71RZ」でも縮まる,と捉えれば相場通りで特に違和感はありませんね.

ただ,そうなると,A052を超えてRE-12Dに比肩するタイヤという事になるような気がするのですが,そんなタイムが出るタイヤがジムカーナの所謂PN規定(↓)に収まるのかなぁ~?



PN規定を満足しつつ,それでもTC2000で0.5秒縮まるタイヤなら,確実にβ11の上を行くでしょうね.「摩耗も改善」という一言があるので,TW(Tread Wear)は維持されそうですし,RE-71RSの代替として出すのにPN規定を外す事はしないでしょうから,こちらは大丈夫かな?

β11の投入に覚悟を決めて採用するホイールを絞り込んだところだったのですが,RE-71RZの登場で15インチ維持の芽も出てきました.「タイヤの銘柄変更を決めて買ったら,新型が出た」というパターンは10年前に経験して懲りているので,ここは辛抱強く待つのが吉か!? フロントタイヤは減ってそろそろなくなりそうですし,筑千職人のタイヤ規定変更は始まっちゃったし,刻一刻とタイムリミットは迫っているのですが,ここに来て悩みのタネが増えました(苦笑).


以上,RE-71RZが発売されるであろう2026年2月まで待てるか?というお話でした.
(注:2026年2月発売は完全に個人の妄想なので,鵜呑みにしないで下さい)
Posted at 2025/10/20 05:00:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記

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