2021年07月11日
ラムエアシステムのお話 エポ
画像は、70年代に活躍し、今はカワサキ マッハシリーズとともに絶滅危惧種の2st 3発マシンとして、旧車バイク愛好家からの絶大なる人気とともに、価格が恐ろしいほど高騰してしまっているスズキ GTシリーズのGT380です。
このサンパチのシリンダーヘッドにはカバーがしてあり、「ラムエア システム」と呼ばれています。
ラムエア システムが採用されたGTシリーズは、このサンパチのほかに、550、250、185、125があります。
GT750はご存知のとおり、水冷 2st 3発であります。
さて、「ラムエアとはなんぞや?」ということでありますが、走行風圧を利用して、冷却や吸気の効率を図るシステムであります。
エスロクではエンジンルーム内をより冷却するために、ラムエアによる送風システムを構築しています。
バイクの世界では、最近のSSはラムエアによる吸気システムを採用しているマシンが少なくないようです。
GT380やGT550のエンジンは4本マフラーと相まって、大きなシリンダーヘッドカバーにより、4st 4気筒エンジンのような貫禄があり、当時、2stマルチはマッハよりもGTの方が好きでした。
ちなみに、私は高校生の時に、免許センターでこのGT380に乗って受験し、見事に大型二輪に合格していますので、今も思い出深いバイクの一つとなっています。
高校生当時、他のメーカーには無いラムエアシステムというものはとても優れた冷却促進装置であるものだと信じてやみませんでした。
まぁ勿論、相当な効果はあったのでしょうが、停車している時は、カバー内に熱がこもりそうで、逆効果になりそうですし、他にも突き詰めれば一長一短があるシステムであったのかもしれません。
その証拠に、その後モデルチェンジをして2stマシンとして辛うじて生き残ったGT250のシリンダーヘッドは、ノーマルのフィンに戻されていました(汗)
しかし、旧車バイクマニアとしては、このラムエアシステムこそがGTの象徴の一つであり、当時の垂涎のメカニズムとして今も大いに酔いしれていることに間違いはなさそうです(笑)
ところで、エポのカスタムレストア作業は、サボって停止しているわけではありません。
ゆっくりではありますが、「カスタム」を色々と考えつつ少しずつ進めて、最後の仕上げ段階となっています。
さて、カスタムレストアの大きな最後の山場となっている「シリンダーヘッドの加工」であります。
ハスラーやウルフのシリンダーヘッドでは、チャンバーがヘッドに接して取付不可能となりますので、エポのシリンダーヘッドのフィンの高さに合わせて、邪魔になる部分をカットする必要があります。
ところがです … 画像のとおり、カット作業において、ちょっと失敗をしでかしてしまいました(汗)
勢いばかりのカット作業でグラインダーの刃をフィンの壁面に擦ってしまい、何箇所か擦りキズを遺してしまったのです(汗)
カスタムレストアに係るシリンダーヘッドは、一応エポのそれに倣って右側を短いフィンに変更することができたのですが、実はその低さ・短さが故の「放熱効率の悪さ」が災いして、姉妹車の中では一番のデチューンエンジンにも関わらず、一番のオーバーヒートエンジンだという話が噂されています。
それはとんでもなく大変なことです。
オーバーヒート対策をしなければなりません。
そして、失敗の証である擦りキズを隠さなければなりません(汗)
やはり …
スズキ車の2stマシンと言えば、誰がなんと言おうが、「ラムエア システム」であります(笑)
これでオーバーヒート対策ができて、擦りキズは完璧に隠蔽できました(笑)
我が家にある4st車両には全てオイルクーラーシステムを完備し、エンジン温度管理をしているので、唯一の2st車両となるエポのエンジン温度管理はこのラムエアシステムで行うのであります。
カバー前面上部は実車と同じように、インテークの開口部を拡大し、出口全体を小さくしてエアの流速を上げる工夫をしているので、ある一定の冷却促進効果は必ずあるものだと信じてやみません(笑)
プラグホールに簡単にアクセスできるようにカバー上面に穴を開け、さらに冷却風が上部に漏れ出ないように自転車のチューブで作成したゴムガードを貼り付けてその実用性も一応考えてあります。
シリンダーヘッドのフィンとカバーの接触によるエンジンビビリ音が発生しないように、カバーの裏側には自転車のチューブを適宜切り貼りしています。
GTシリーズのように、左右には「RAM AIR SYSTEM」のロゴを奢りました。
シリンダーヘッドの取外しの際には、カバーが邪魔になりますので、これは左右端の4本のビスを外せば、すぐに取り除くことができ、作業効率性も考えています。
エキゾーストは取り付けていませんが、ラムエアヘッドを取り付けると、こんな感じになります。
シリンダーのフィンとのバランスがいい!
全く別のエンジンビューであります。
ほんま、カッチョええわー!!(笑)
またもや世界でオンリーワンなカスタムに仕上がりました。
奇抜なアイデアが妄想竹として脳天から芽を出し、それに大切に育て、そして具現化をし、立派な竹に成長しました。
脳天の妄想畑にはまた太い妄想竹が一本増え、今とても満足しています(笑)
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Posted at
2021/07/11 13:01:32
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