
無事
TC1000でも40秒台に復帰し,現状やれる事はやり切った感があるので(あとは重箱の隅を突っつくだけ),
年末のブログに書いた通り,エンジンのオーバーホールに向けて準備を進めようと思っています.
私の「B16A」としては通算2回目のオーバーホールとなるので,まずは
前回のオーバーホールで何をやったのか? 19年前(2007年)の記録を呼び起こしてみます.
まず,大枠としてはHONDATWINCAMの「B16TN」仕様のメニューに+αで色々やったようです(↓).
・ポート研磨
・ヘッド面研
・バランス取り
見積書から分かる交換部品をリストアップしてみるとこんな感じ(↓).
・ピストンリングセット(0.25mmオーバーサイズ)
・ピストン (0.25mmオーバーサイズ)
・メタルガスケット (無限)
・インテークカムシャフト (EK9用)
・エキゾーストカムシャフト(EK9用)
・強化タイミングベルト (FEEL'S)
・ロッカーアームASSY
・ロッカーアームシャフト
・インレットバルブスプリング (B18C用)
・エキゾーストバルブスプリング(B18C用)
・オイルポンプASSY
ピストンは純正流用とあるのですが,「B16A」ってEF用とEG用で違ったんじゃなかったっけ?と調べてみると(↓),

(HYPER REV Vol.31より)
ああ,やっぱりそうだ.ん~,そもそもEF用の「B16A」とEG用の「B16A」で何が違うんだっけ?と気になったので調べてみると(↓),

(HONDA FACTBOOKより)
まず,圧縮比が「10.2」→「10.4」に上がっています.ボア×ストロークは81.0mm×77.4mmで一緒なので,ピストンの高さで圧縮比を上げているようですね.
そして,ピストンが違うという事はカムも異なり(↓),

(HYPER REV Vol.31より)
バルブタイミングと(↓),
【吸気側】
EF用 ・・・ 開:BTDC10° 閉:ABDC40° (=230°)
EG用 ・・・ 開:BTDC15° 閉:ABDC45° (=240°)
【排気側】
EF用 ・・・ 開:BBDC40° 閉:ATDC 5° (=225°)
EG用 ・・・ 開:BBDC40° 閉:ATDC 7° (=227°)
リフト量が異なるとの事(↓).
EF用 ・・・ 吸気:10.4mm 排気:9.4mm
EG用 ・・・ 吸気:10.7mm 排気:9.4mm
これで160PS→170PSへのパワーアップを実現している訳ですね.そして,チューンナップメニューとして入れられている「B16B」用のカムは,これを更に上回るバルブタイミングとリフト量となっているのだそうで(↓),

(HYPER REV Vol.31より)
【リフト量】
B16A用 ・・・ 吸気:10.7mm 排気: 9.4mm
B16B用 ・・・ 吸気:11.5mm 排気:10.5mm
【吸気側タイミング】
B16A ・・・ 開:BTDC15° 閉:ABDC45° (=240°)
B16B ・・・ 開:BTDC18° 閉:ABDC45° (=243°)
【排気側タイミング】
B16A ・・・ 開:BBDC40° 閉:ATDC 7° (=227°)
B16B ・・・ 開:BBDC45° 閉:ATDC10° (=235°)
なお,この「B16B」のカムは,1つ上のエンジンとなる「B18C」のカムよりも吸気側の開弁期間が若干長いそうで(↓),
【吸気側タイミング】
B16B ・・・ 開:BTDC18° 閉:ABDC45° (=243°)
B18C ・・・ 開:BTDC15° 閉:ABDC45° (=240°)
【排気側タイミング】
B16B ・・・ 開:BBDC45° 閉:ATDC10° (=235°)
B18C ・・・ 開:BBDC45° 閉:ATDC10° (=235°)
「B16B」⇔「B18C」でリフト量が同じである事から,最も吸入量が増えるカムなんだそうです.
ピストンに戻って「B16A」「B16B」「B18C」の違いを見てみると(↓),

(VTEC SPORTS Vol.011より)
3つ共,形状が異なるのが分かります.見た目的に大きく異なるのが「B16B」と「B18C」で,この2つにはピストンスカート部にモリブデンコーティングが施されて黒くなっています.

(HONDA FACTBOOKより)
加えて,ピストンの軸受け部には4本の溝とピストンピン部へのオイル供給穴が追加され,潤滑性の向上とフリクションロスの低減が図られているそうです.ご覧の通り「B16B」のピストンの方が山が高いため,「B16A」にこのピストンを組むと圧縮比が「10.4」→「10.8」にまで上げられるのだとか.
但し,「B16A」と「B16B」はブロックが違うため,ピストンと組み合わせるコンロッドの長さが違うとの事(↓).

(VTEC SPORTS Vol.011より)
ならば,「B16A」用のコンロッドと組み合わせれば良いのでは?というと,ピストンとの連結部分の幅が異なるとの事(↓).

(VTEC SPORTS Vol.011より)
「B16B」用のコンロッドは,軽量化のために「B16A」用のコンロッドよりも細くなっており,これに合わせて「B16B」用のピストンは幅が2mm狭くなっているのだそうです.なので,「B16B」用ピストンの転用は容易ではなく,前回のオーバーホールでは「B16A」用のままだったのでしょうね.
ちなみに,「B16B」は親メタルの幅も異なり(↓),

(VTEC SPORTS Vol.011より)
「B16A」用よりも1mm幅が広い「22mm」となっているのだそうです.これによりフリクションロスの低減と高負荷への耐力向上を図り,材質も「オリエンテッドクリスタル・ベアリングメタル」という独自のものを使用しているのだそうです.このメタルは表面への電気的な焼き付け処理を変える事で,表面の結晶がピラミッド状の四角錐が連なった形状となり,結晶と結晶の間でオイルを保持し易くなるため,高面圧でも油膜切れがなくなるのだとか(このメタルのためだけにクランク&コンロッドを変えても良い,というくらいのモノだそう).
これだけ色々と違うと,部品単位で変えるよりエンジンを丸ごと変えてしまった方が楽に思えますが,3つの中で一番最後発となる「B16B」でも既に四半世紀前のエンジンですからねぇ・・・(ベースエンジンが手に入らない).
あと,途中,圧縮比の話が出て来ましたが,圧縮比はピストンだけでなくガスケットも組み合わせて実現するので,こちらも確認してみると(↓),
私のEF8で唯一(?)の無限部品となるガスケットの厚さは「0.47mm」だそうです.純正ガスケットの厚みは「0.8~0.85mm」くらいだそうなので,ヘッド面研と合わせると「B16A」用ピストンのままであっても,圧縮比は上がっているのでしょうね.
バルブに関してはスプリングしか記載がないので,「B16A」用そのままなのかな?

(VTEC SPORTS Vol.011より)
上の写真は,上段が「B16A」で下段が「B16B」.右側が吸気で左側が排気なのですが,Wスプリング化されている事が分かります.加えて「B18C」用はスプリングが楕円形状にもなっているのだとか.
バルブ本体も「B18C」は,軸の径が細くなった上に傘部もスリム化されていて軽量となっています(↓).

(HONDA FACTBOOKより)
加えて,バルブシートの開口部の角度が「60°」→「45°」に鋭角化されているので(↓),

(HONDA FACTBOOKより)
こちらも流用は容易ではなかったのでしょうね.
以上,B型エンジンのお勉強でした.
初回オーバーホール時はショップにお任せで,何がどう違うのか知らずにやりましたが,「B16A」に低コストで流用出来るモノは流用して,容易に出来ないモノは見送った仕様だったようですね.オーバーホールした後の記憶を辿ってみると,エンジンのフィーリングは全くの別物で,吹け上がりのレスポンスが鋭過ぎて,街乗りでは細心の注意を払ってアクセルペダルを踏んでいた事をよく覚えています.次のオーバーホールでもあの感動を再び味わえると良いのですが,それなりに手の入った状態からだとそこまでの差は感じないかな?
ま,それよりも「ゴソーダンブヒン」という呪文を連発されるのが目に見えているので,方々を回って部品を搔き集めていくしかないですね・・・.