
惨敗を喫した
三河遠征ですが,このままだとメンタル面の反省しか残らないので,いつもの如くGPSロガーを使って敗因を分析してみます.
まずは,昨年冬の自己ベストとの比較(青:今回 緑:自己ベスト時).
当然の事ながら,気温が20℃以上(ひょっとすると30℃?)異なるため,エンジンは比較にならないくらいパワーダウンしています.1つ目・2つ目の赤丸を見て頂ければよく分かりますが,3速にシフトアップしてからの加速の伸びが非常に鈍いです.
「じゃあ,今回の体たらくは暑さのせいだね!」で片付けたくなりますが,この2つのポイントでのロスは合計しても0.4秒.つまり,他に1秒近くロスしている原因があるという事です(しかもCコースの部分で).
車速のグラフだけ見ると,それほど大きなロス(差)はないように思え,「一体,どうしてこれで1秒も遅くなるんだ??」と疑問が深まってしまったのですが,ライン取りの方を見て原因が分かりました(青:今回 緑:自己ベスト時).
LAP+は三河のフルコースに対応していないので,コース図がありませんが,それがなくとも一目瞭然ですね.今回(青)の方がログハウス前,2ヘア,最終コーナーと全て大回りに旋回していて距離的に大幅にロスしています.これじゃ,1秒遅くなるのも仕方がないですね・・・.
しかし,不可思議なのは車速がほぼ同程度なのに,これだけ大回りとなっている原因.ドライバーはボトムを引き上げるためにワザと大回りした訳ではないので,これは自然に生じたアンダー(グリップ不足)によって引き起こされたと考えられます.その証拠に,上段の車速グラフの3つ目の赤丸を見ると,気温の影響を受けにくい2速の加速領域でも伸びが鈍っている(縦方向のグリップが足りない)事が確認出来ます.
では次に,この大回りの原因は本当にグリップ不足なのか?を検証してみます.前年同月のデータと比較した結果を以下に示します(青:今回 緑:昨年7月).
1つ目の赤丸・3つ目の赤丸を見ると,今回の方が車速が高く,同等のパワーが出ている事が分かります.その一方で,1コーナーのボトムは5km/h以上低く,やはり曲がらない事が分かります.
そこで,今度はタイヤの内圧を下げた(グリップを稼いだ)タイムアタック2本目と比較してみます.
(青:1本目 緑:2本目)
1コーナー(1つ目の赤丸)は,横滑りする事なく,しっかりとV字のラインで加速出来ていますね.また,高速の左コーナー(2つ目の赤丸)でも,しっかりと車速が伸びています.
・・・となると,車速が伸びなかった原因は,やはりタイヤのグリップ不足にあった事は間違いないようです.
それでは最後に,タイヤの内圧を下げた2本目と自己ベストのデータを比較してみます(青:2本目 緑:自己ベスト).
1コーナーの車速は届いていませんが,高速の左(赤丸部分)は真冬時とほぼ同等のレベルにまで速度が伸びています.但し,トップスピードに到達する時間が遅く,グリップ不足による加速の鈍さが確認出来ます.
以上を纏めると,気温を考慮したらパワーの低下代は昨年と同等で,これらの影響は大体0.6秒程度.残る1秒近い遅れはタイヤのグリップ不足に由来するものと思われ,グリップ不足に起因した「加速せず」「曲がらず」によって引き起こされた結果と思われます.
まぁ,「加速せず」「曲がらず」を走行中にドライバーが認識して適切にアジャスト出来ない点も問題ですが,その一方で,予想以上にはタイヤのグリップの影響が大きかったのも事実だと思います.
日光やTC1000に比べ,MLMはコーナーの旋回時間が少なく,必然的にタイヤのグリップがそれ程重要視されないコースだろうと思っていたのですが,この結果からすると,その認識は見当違いだったようです.
確かに荷重移動や空力に頼る事が出来ない低速セクションでは,メカニカルグリップが絶対的な要素になりますが,これ程顕著に効くとは思いませんでした.16インチは205/45R16で決まり!と思っていたタイヤの選択ですが,今回の結果を踏まえると,もう一度検討する必要がありそうです・・・.
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モーターランド三河 | 日記
Posted at
2018/07/26 23:19:48