
先日,
TC2000のダンロップコーナーの話をしたのですが,皆さんの関心が高いようなので,折角ですので
前に日光の高速コーナーでやった比較を,このダンロップコーナーでもやってみる事にします.
ちなみに,ダンロップがどんなコーナーか分からない方は,タイトル画像にある通り,カルガモが渡る事で有名なコーナーだとでも思って下さい(笑).真面目な話,TC2000でタイムを出す上では重要なコーナーではあるのですが.
さて,今回の計測区間は,この画像のラインの辺り(↓)から,
このくらいの位置(↓)までにします.
コース図的に言うと,この黄色いセクション(↓).
分かる人には分かる言い方をするなら,ダンロップ進入時の目印にするコレ(↓)から,ダンロップ外側の縁石終わりまでです.
まず,基準として,私のEF8に
プロが乗った時の結果を示します(↓).
最高速 ・・・ 123.1km/h
最低速 ・・・ 103.3km/h
距離 ・・・ 203.6m
タイム ・・・ 6.613sec
この時のタイヤはRE-71Rでしたので,私が
RE-71Rで走った時(1'08.783)の結果がコレです(↓).
最高速 ・・・ 123.3km/h
最低速 ・・・ 102.4km/h
距離 ・・・ 203.2m
タイム ・・・ 6.589sec
最高速はほぼ同等,ボトムは0.9km/h低いものの,この区間だけに限ればタイムはプロとほぼ同じですね.
次いで,オレさまFD2(RE-71R装着時:1'05.960 ※ロガー計測値).
最高速 ・・・ 127.4km/h
最低速 ・・・ 100.8km/h
距離 ・・・ 206.7m
タイム ・・・ 6.599sec
最高速はさすがパワーがある分,EF8よりも高いですね.一方でボトムが100km/h台まで落ちるのは車重が影響しているのでしょうか? タイムは私と同じですが,ポイントは距離.私よりも3.5m長く走っています.パワーがあってスピードも伸びているのに,私と同じタイムなんですから,やはり,
テールスライドで向きを作ろうとすると,距離が長くなって遅いんじゃないかなぁ~??
FD2の車重の影響が気になったので,ボンバーFD2も見てみましょう(A052装着:1'04.299 ※ロガー計測値)
最高速 ・・・ 126.1km/h
最低速 ・・・ 105.2km/h
距離 ・・・ 200.2m
タイム ・・・ 6.204sec
さすが,4秒台のクルマは速い! 最高速は1.3km/h,オレさまFD2より低いですが,ボトムの方は4.4km/hも高いです.距離も200mフラットと短く,この僅かな区間だけで0.4秒も稼いでいます.車重の差はタイヤにグリップがあれば補えるって事ですかね?(当たり前の話ですが)
では,EF8でA052を履くどうなるか?
自己ベスト時の結果(1'07.713)を見てみましょう.
最高速 ・・・ 118.7km/h
最低速 ・・・ 109.0km/h
距離 ・・・ 199.2m
タイム ・・・ 6.447sec
最高速は今回の中で一番低いですが,反対にボトムは一番高いですね.4秒台のFD2より3.8km/hも上なのは嬉しいですが,これはさすがに高過ぎですね(苦笑).距離もボンバーFD2より1m短いのは良いとして,タイムが0.24秒遅いのは,ボトムを上げるのに頑張り過ぎちゃって,コーナー出口が苦しくなっちゃったパターンですかね・・・?
確認のために,RE-71Rのプロ(赤)とA052の私(青)のライン取りを比較してみます.
ダンロップへの進入は,私(青)の方が早めに切り込んでいますね.これだとやっぱり出口が苦しいのかなぁ~?と思いましたが・・・,
アレッ? 出口でいる位置は一緒だ.ただ,続く80Rへ切り込むタイミングが,プロ(赤)の方が早く,私(青)の方が遅いですね.
私がプロと同じタイミングで切り込めないのは,クルマの姿勢のせいでしょう.ダンロップに進入する際,手前から徐々に切り込んで,ロールスピードを抑えながら(タイヤにじわじわ負荷を加えながら)曲げるのは良いと思うのですが,ロールを抑え過ぎて,ロールが終了するポイントがクリップを過ぎてしまっているのでしょうね.コーナー出口でロールがおさまっていないから,ステアリングを右→左とすぐに切替せないのだと思います.
ようは,
「先(80R)の事を考えず,ひたすらダンロップだけ頑張っている下手くそ」って事なんですが(苦笑),こういったブレーキを使わないコーナーは,ボトムを上げれば上げるほど簡単にタイムを削り取れちゃうので,狙いに行っている時は,ついついこういうドライビングになっちゃうんですよねぇ~.「
フラットカー」を意識して,姿勢重視で走らせた今回は
見事に撃沈しましたし,この辺りのバランスの見極めがホント難しい.
・・・という感じで,私から見て,同じクルマ(セットアップ)のままでもドライバーが修正すればタイムを削り取れる代が残っているように見える場合は,『ドライバーを直せ!』と判断します.そのセットアップの限界点をちゃんと見極めてから変更した方が,更に良いセットアップが見つかると思っているので.
例えば,上記のA052を履いた時の私なんて,走ってる時は「ダンロップがアンダーだ~」と思ってますよ.でも,上記で説明した通り,アンダーなのは,進入で早くインに寄り過ぎ,出口で早く姿勢をフラットに戻していないからですよね(=ドライバーの操作の問題).仮にこれをセットアップでオーバー寄りに修正しちゃったら,進入は良くても,コーナーの中盤で姿勢崩れてトラクション不足に陥り,ボトムが大幅に下がったりすると思うのですよ.それはクルマのレベルを下げる事になりかねないですし,セットアップの変更がドンピシャでハマれば良いですが,ハマらなかったら迷路に迷い込む可能性が高いと思ってます.
(まぁ,世の中には,このセット変更を1発で合わせ込む『スペシャルな人』もいるんですけど)
セットアップで一番重要なのは,「ここまではドライバーで対処する,ここから先はクルマで対処する」という線引きをちゃんとする事だと思っています.ですが,この線引きって本当に難しいんですよね.知識も経験も圧倒的に足りない素人がやるのはホント容易ではないです.だから,私はGPSロガーや車載映像に頼って行っているんですよ.
『クルマを直す』『ドライバーを直す』は単純な二元論ではないので,どっちか一方だけやればいいなんて思っていません.でも,どちらを先にやるか?といった優先順位は必ず必要だと思っています.そして,私の場合,その優先順位が『ドライバーが先』なだけです.
「セットの合ってないクルマでドライバーが試行錯誤するのは時間の無駄だ」と仰る人もいると思いますが,それはゴールをどこに置いてトライ&エラーをしているか?次第ではないかと.「無駄だ」と思って見ていれば,何でも無駄に見えると思いますし,反対に「何かヒントがあるかも」と思って見ていれば,ヒントは得られるものだと私は思っています.故に,自分よりタイムが遅かろうが速かろうが,ATだろうがCVTだろうが,MRだろうがRRだろうが,フォーミュラだろうがラリーだろうが,プロだろうがアマチュアだろうが,首を突っ込んで勉強させてもらってます(笑).
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筑波サーキット・コース2000 | 日記
Posted at
2020/12/16 19:44:02