
私はサーキットではフロントタイヤの2本を毎回交換しているのですが,その脱着の度にハブボルトに鉄粉が付いているので,「ああ,また削れたか・・・」と見てました.
最近,左フロントの1本のボルトの動きが渋く(ロック状態から緩めた後に片手でレンチをクルクルと回せないレベル),ナットを替えても変わらなかったため,「あらら,そろそろボルトが寿命か??」と思い,
ショップで点検してもらったところ,「鉄粉を噛んでる.その鉄粉はホイールから来てる」との事でした.
ホイールナットはホイール本体のテーパー部分に接触して固定されるので(↓),
このテーパー部分が摩耗して表面が荒れると,そこが削れて鉄粉が出続けるようです.ホイールナットの方は
今年の春に一度新品に交換したのですが,ホイールの方はそのままだったので,結局再び削れて鉄粉が出たようです.
(今フロントに使っているのは,2020年1月購入ですからサーキット走行の回数を考えれば仕方ないか?)
当面の間はタイヤ交換の度に鉄粉の除去をしてケアしていきますが,遅かれ早かれホイールが寿命に達するのも近そうなので,新たなホイールの物色を始める事にしました.
さて,サーキット用のホイールなので,当然の事ながらスペック優先.現状の要求値を纏めると,以下のような感じ.
・INCH ・・・ 15インチ
・SIZE ・・・ フロント:7.5 リア:7.0
・INSET ・・・ フロント:+40 リア:+48
・HOLE ・・・ 4穴
・P.C.D. ・・・ 100
このうち,リア側の「リム幅:7.0」「インセット:+48」というのは,ちょうどヴィッツレースの指定サイズという事もあって各社揃えているのですが,フロント側の「リム幅:7.5」「インセット:+40」というのは,ほとんど選択肢がありません(
コチラを参照).それもそのはず,15インチのハイグリップラジアルで標準的な205/50R15の推奨リム幅は「6.5」ですし,サーキットでは僅かに引っ張るといっても+0.5あれば十分なので必然的にリム幅は「7.0」で事足ります.一方,225/50R15であれば推奨リム幅が「7.0」で良いのですが,このサイズだとFR用のINSET(0~+15)が多く,「+40」なんてものは少ないです.
そもそも205/50R15を履いているのに,なぜこんな広いリム幅のホイールを希望しているか?というと,使っているタイヤがA052である事が原因で,
A052の場合,一般的なリム幅+0.5程度では引っ張り量が足りないので,+1.0引っ張る必要があり,「7.5」を希望しています.ただ,リム幅が広がれば当然ホイール自体の重量も増すので,標準的な+0.5で事足りそうなRE-71RSにスイッチすれば,ホイールの選択肢を広がりそうだなぁ~?とも考えたのですが,私が購入しているところだとRE-71RSよりA052の方が安いので,結局,A052継続で考える事にしました.
要求スペックが決まったところで具体的な製品を探してみますが,予想通りなかなかない・・・.前後で異なる銘柄を組み合わせれば要求を満足しなくもないのですが,どうせなら同じメーカー・デザインで揃えたいので,どっかないかなぁ~?と調べてみたところ,ENKEIの「RC-T5」が要求に合致しました(↓).

(ENKEI:
RC-T5より)
じゃあ,コレかな?と思いたいところですが,この「RC-T5」は競技用ホイールで耐久性に主眼が置かれているため,とにかく重いんですよね・・・.

(ENKEI:
RC-T5より)
同じサイズの鋳造品(RPF1)と比べても,

(ENKEI:
RC-T5より)
1本当たり1.5kg近く違う・・・.
グラム単位の差であれば多少重くても目を瞑りますが,さすがにキロ単位で重くなるとなると少し躊躇します.
とは言いつつ,「選択肢がねーんだから,しょうがねーじゃん!」というのもごもっともなので,う~ん・・・と悩んでいたところ,ふと思いました.
Σ( ˙꒳˙ ハッ…
「こんだけ重いんだったら,2ピースもアリなんじゃね!?」
1ピース・2ピースというのはホイールの構成の事です.サーキット走行で要求される「軽量」「高剛性」を満足するためには,リム部分とディスク(スポーク)部分が一体化された「1ピース」が多いです(↓).

(WORK:
マルチピースホイールより)
これに対し,「2ピース」はリム部分とディスク部分が分割されているため(↓),「剛性」は低くなるものの,INSETを自由に設定出来るというメリットがあります(半オーダーメイドという事です.故に「コスト」は上がります).

(WORK:
マルチピースホイールより)
ちなみに,ここから更にリム部分をインナとアウターに分割した「3ピース」というものもあるのですが(↓),

(WORK:
マルチピースホイールより)
こちらは,リムをインナーとアウターに分割している都合上,少しでもホイールが変形すると継ぎ目からエアが漏れるリスクがあるそうで,さすがにサーキットユースではないんだろうなぁ~と思っていたのですが,さすが,技術は日々進化しているようで,最近ではこんなの(↓)も出てきたみたいです.

(SSR:
Professor SP5より)
「3ピースなのに1ピースに引けをとらない超軽量!」というセールストークが少し気になりますね・・・.
(残念ながら15インチがラインナップにないので,今回の選択肢には入りませんけれど)
話を戻して,じゃあ「RC-T5」と「2ピース」を比べたら,どっちが重いの?という事で調べてみたのですが,なかなか重量に関する情報が見つからない・・・.
WORKの新作である「EMOTION RS11」とか少し気になっていたのですが(↓),

(WORK:
EMOTION RS11より)
WORKのホイールは1ピースものしか重量が分かりませんでした.INSETが変わる都合上,やっぱり数値は出てないのかなぁ~?と思ったのですが,WedsSportのこちらも新作である「RACING」に重量が記載されていました(↓),

(WedsSport:
RACINGより)

(WedsSport:
RACINGより)
同じリム幅:7.0で比較すると「RC-T5」に対して+0.6kgと,やっぱり軽さでは1ピースに勝てないみたいですね・・・.
(同じWedsSportの「TC105X」と比較すると,+1.7kgとなりますから圧倒的に重いですね)
以上,2ピースの重量ってどれくらい?というお話でした.
2ピースだとリム幅やINSETの問題は解消するので,もしかしたら・・・?と思って調べてみましたが,やっぱり1ピースには敵わないみたいですね.う~ん,こうなったらランニングコストの上昇は許容して,やっぱりタイヤをRE-71RSにスイッチしてホイールの選択肢を広げた方が良いのかな? それともそろそろSタイヤ解禁か??
YOKOHAMAがHoosier対抗のSタイヤ(?)を出すみたいですし(↓),

(Yokohama Tire:
ADVAN A055より)
そこら辺も含めて考えないとダメですね.ちなみにこのタイヤ,205/50R15のサイズで,A052が8.5kg,A050が9.4kgであるのに対し,A055は8.1kgと驚異的に軽いみたいです(溝の面積が明らかに少ないのに軽いという事は・・・).