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2022年12月28日

ハードブレーキングか? ソフトブレーキングか?

ハードブレーキングか? ソフトブレーキングか? 先日のTC1000,1本目となるA3枠(9:40~)で失火症状の件が一段落したので,2本目となるA7枠(11:00~)では,ここ暫く個人的なテーマとなっていた1コーナーのドライビングに関して比較テストをする事にしました.

これは簡単に言うと,1コーナー進入時のブレーキングで,強く・短く止めるか?(ハードにブレーキングするか?) 弱く・長く止めるか?(ソフトにブレーキングするか?)というお話です.

実はコレ,3年前に一度結論は出していて,当時の見解では「ハードブレーキングの方が速い」となっていました.

しかし,アンダーパネルを付けて以降,リアの安定感が増してしまったため,「そんなに強く止めなくても曲がれるなぁ~」と思うようになり,徐々にブレーキを弱く踏む方向にドライビングを変えていったのですが,そろそろどっちが速いか結論を出そう・・・と思った矢先に,失火症状に悩まされるようになってしまい,訳の分からないタイムになってしまったので,判断を保留にしてました.


ハードブレーキングとソフトブレーキングの違いは,「加速区間でタイムを稼ぐコーナリング」と「減速区間でタイムを稼ぐコーナリング」の違いとも言えます.文字にするとよく分からないと思うので,グラフで示すとこんなイメージです(↓).



赤がハードブレーキング,青がソフトブレーキングの例です.赤の方がトップスピードから急激に減速し,その後加速区間を長くとっているのに対し,青は最初なかなか減速せず,赤が加速段階に移った後くらいにようやく加速しているのが分かると思います.縦軸は速度なので,単純にその時その時で高い方がタイムとしては速くなります.上の図だと,減速区間では赤<青となっているのでソフトブレーキング(青)の方が速く,加速区間では赤>青となっているのでハードブレーキング(赤)の方が速い,という構図となります.


という事で,早速ロガーデータを使ってテスト結果を分析してみます.

今回は純粋に1~2コーナー間の差を見たいので,「1コーナー手前で最高速に達する地点」から「2コーナーを抜けた後,再び最高速に達する地点」までの区間をセクターとして区切ってみました(↓).



そして,同じA7枠の中で1アタック&1クールを繰り返し,ハードブレーキング×3回→ソフトブレーキング×3回の順番で試した結果が以下になります(↓).



区間タイムの平均値で見てみると,「ハードブレーキングの方がソフトブレーキングよりも0.1秒速い」という結果になりました.

ハードブレーキングの速かった要因を分析してみると,「ヘアピンの進入速度」がハードブレーキングの方が約2km/h高く,ブレーキングを終えた後の加速で伸びているのが読み取れます.ハードブレーキングの区間タイムが平均9.7秒で,ブレーキングに費やしている時間(最高速→最低速到達時間)は平均2.4秒ですから,ざっくりアクセルを開けている時間は約7.3秒となります.一方,ソフトブレーキングの方は約6.3秒ですから,ちょうど1秒間ハードブレーキングの方が長くアクセルを開けている計算となり,これが車速が伸びた要因になると思われます.

ただ,面白い事に,ソフトブレーキングで「最高速→最低速度到達時間」が約4.1秒と最も長かった3回目の結果を見ると,「ヘアピンの進入速度」はハードブレーキングと同等の117km/h台をマークしています.こちらの区間タイムは約9.8秒ですから,アクセルを開けている時間は先程より更に0.5秒短い5.7秒です.それにも関わらず,ヘアピンまでに同じ速度域に到達出来ているという点は興味深いです.

なぜ加速時間が短いのに,同等の速度域まで到達出来るのか?を掘り下げてみると,「1~2コーナー間の最低速度(ボトム)」が極めて高い点が目を引きます.平均値で見るとハードブレーキングの方が約2km/hボトムが高いのですが,ソフトブレーキングの3回目だけはそれよりも更に1km/h高い速度で旋回しているのが分かります.つまり,「アクセルを開けている時間が1.5秒短くなったとしても,ボトムを1km/h上げてコーナリング出来るなら,タイムは同等!」という事のようです.


では,ボトム88km/hのコーナリングを実現するために,ブレーキはどこまで残さないとダメなんだ?と思い,エンジン音を聞きながら車載映像で位置を確認してみるとココでした(↓).



ちなみに,ハードブレーキングした場合のアクセルを開けるポイントはココです(↓).



アレッ!? (・∀・) ??

確かにブレーキをリリースした際のボトムに差はあるのですが,なんだかアクセルを開けるポイントは同じように見えますね・・・.

でもロガーデータ上は,ソフトブレーキング(上)の方が再加速するまでの時間は長くなってるし,変だなぁ~?と思い,映像を見続けてみるとソフトブレーキング時に車速が上がり始めるポイントはココ(↓)でした.



どうやら,ソフトブレーキング時は先述の1コーナー出口付近からこの地点まで,アクセルを開けているもののクルマは前に進んでいないようです・・・.恐らく,ボトムを1km/h上げた事でタイヤのグリップを横に使っている分と,アクセルを開けて縦に使っている分がちょうど釣り合って,加速も減速もしない状態が1秒間くらい続いていたみたいです.

これって,一種のトラクションステア状態なんですかね? クルマは確かに加速も減速もしていませんが,同時に横に流れてもいないので,全てが釣り合ってアクセル全開で定常円旋回しているようなイメージに思えました.この領域までタイヤを使い切れば,ソフトブレーキングでも速いタイムが刻めそうですが,逆に言うと,そこまでしないとハードブレーキング時のタイムには追いつけず,あんまり効率の良い走りではなさそうですね・・・.


以上,ハードブレーキングか? ソフトブレーキングか?の分析でした.

乗っている時の印象としてはソフトブレーキングの方が速そうに感じていたのですが,結果はやっぱりハードブレーキングの方が速かったようです.アンダーパネルを付けて以降,クルマの動きが重くなったので,ブレーキ1発で向きを変えるのが難しくなり,ソフトブレーキングで少しずつクルマの向きを変えていくドライビングの方が良さげに感じたのですが,タイム的にはそんな事はなかったようです.

・・・という事で次回はドラビングを元に戻して,強く・短く止める事を心掛けつつ,その走らせ方に合わせて足回りのセッティングを探っていこうと思います.
ブログ一覧 | 筑波サーキット・コース1000 | 日記
Posted at 2022/12/26 21:28:11

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