
知り合いに「(エンジンに関連する単語で)VEって何の略?」と聞かれたのですが,「Value Engineering」しか思い浮かばず,多分違うなーと調べてみたところ「Volumetric Efficiency(体積効率)」の事でした.
「体積効率」というのは,エンジンがどれだけ空気を吸えているか?を比率で表したもので,例えば,排気量が1600ccのエンジンなら1600cc分,空気を吸えていれば体積効率100%となります.NAで100%にするのはかなり大変なのですが,ターボの場合は過給しているので簡単に100%を超えるんだよなー,なんて話を思い出したOXです.
さて,
A052との相対評価で期待外れに終わったNANGKANG CR-Sの225/45R15ですが,そもそも再びCR-Sを使う気になったのは,周りのGK5やらZC32Sやらが225/50R15でタイムを出していたためで,何とか彼らに一矢報いるために「再び225幅を使うか!」と思ったのが事の発端です.
「だったら履けよ!」と言われそうですが,これは既にテストして答えが出ていて,「
TC1000においては225/50R15⇔205/50R15でタイムは変わらない」という結論に達しています(日光とTC2000なら225の方が速いです).この時の見解としては,205/50R15→225/50R15で外径が20mm大きくなるので「これのせいかなー?」と思い,外径を落とせる45扁平を探していたのですが,国産にはそんなマイナーなサイズの設定はなく,海外製・・・という事でCR-Sが再び登板しました.
恐らく今後225/45R15なんてサイズを使う機会は訪れない気がするので,1年前に使った同じくCR-Sの205/50R15と比較し,結果を纏めておこうと思います.
なお,比較条件はこれまた色々異なるので,以下に列挙しておきます.
【コンディション】
225/45R15 ・・・ 気圧:101.5kPa 吸気温:20℃
205/50R15 ・・・ 気圧:101.5kPa 吸気温:19℃
【スプリング】
225/45R15 ・・・ フロント:HAL springs 12.0キロ リア:HAL springs 12.0キロ
205/50R15 ・・・ フロント:HYPERCO 14.3キロ リア:HYPERCO 11.6キロ
【フロントタイヤ】
225/45R15 ・・・ CR-S(外径:583mm 幅:225mm)
205/50R15 ・・・ CR-S(外径:587mm 幅:214mm)
【リアタイヤ】
225/45R15 ・・・ A052 195/55R15(外径:595mm 幅:201mm) + RAYS CE28 (6.5J INSET:+45)
205/50R15 ・・・ A052 195/50R16(外径:602mm 幅:201mm) + ADVAN RZⅡ(7.0J INSET:+48)
コンディションは偶然にもほぼ一緒,路面温度は分かりませんが225の方は曇り空,205の方は8時台という点を踏まえると恐らく同等でしょう.スプリングは結構違いますが,この組合せ同士なら感覚的には似たようなものかな?と思います.リアタイヤの差に関しては結局,冬の間丸々テスト出来なかったので何とも言えません・・・.
続けて,今回サンプルにするデータはコチラ(↓).
【225/45R15:41.514】
【205/50R15:41.533】
タイヤの外径はほぼ一緒,幅を10mm増やすのに2本で7,520円追加で掛かる訳なのですが,それで稼げるのがたったの0.019秒だとするとホント辛いですね・・・(泣).
準備が整ったところで比較に入ります(赤:225/45R15 青:205/50R15).
ホームストレート~1コーナー進入
205(青)の方が0.8km/hほど進入速度が高いですが,他の区間を見ると車速の伸びに差は見えないので,恐らく助走のズレでしょう(無視します).面白いのはブレーキング.幅の太い225(赤)よりも205(青)の方が止める時間が短いですね.やっぱり225(赤)は高反発スプリングのせいでタイヤを潰し切れていないんでしょうか? それともブレーキロックに反応して人間ABSが入っているんでしょうか・・・? ただ,225(赤)はブレーキが緩い分,減速域の旋回速度は上がっているので結果的には0.1秒リードする事にはなっています.
1~2コーナー
完全に互角ですね.笑っちゃうくらい差がないです.厳密には205(青)の方が1コーナーのアクセルONが早かった分,0.01秒速いという状況ですらあります.2コーナーは前後・左右のGとの戦いなので,タイヤ幅が太い事で横Gに強くなったとしても,太い事で抵抗が増えて前には進まなければ結果は一緒という事なんでしょうか・・・?
ヘアピン
ここは太さの勝利ですね.ボトムは225(赤)の方が5km/hも高く,更に0.08秒リードを広げています.
インフィールド
ここは225(赤)の方が「やや突っ込み過ぎでミスっている??」と思いたくなりますが,やっぱり「高反発スプリングは曲がんない」という証左なんじゃないかとも思います(HALの高反発はHYPERCOで+2キロするよりも高反発なんだと重ねて思います).ヘアピンとは一転して225(赤)の方が5km/hもボトムが低いので,これがこの後ジワジワと効いてきます.
バックストレッチ~洗濯板進入
車速の伸び等は両者共に変わりませんが,225(赤)はインフィールドの立ち上がりで遅れたので,全体的に205(青)の方が僅かに車速が高く,どんどん差が縮まっていきます.
最終複合
225(赤)の方が太いはずなのに,205(青)の方が全域上です.これで完全に追いつかれます.最終の複合は定常円旋回みたいなものですが,これでタイヤの幅が活かせないってなんなんでしょうね? タイヤの「太さ」と「抵抗」の損益分岐点みたいなものがこの辺りにあるって事なんでしょうか・・・?
以上,225/45R15 vs 205/50R15でした.
なんだか途中からタイヤよりもスプリングの要因の方が強いような気もしてきたので,フロントのスプリングを替えてもう一度確認してみたいとも思いますが,一先ずはA052の時と同様に「TC1000においては両者に差はない」という結論になりそうです.
差がないのであれば,安い方を使うのが道理だと思いますので,やっぱり225/45R15を使うのは今回で最後かなぁ~?と思いました.
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セッティング(タイヤ) | 日記
Posted at
2023/03/27 12:24:03