
色んな会社からチューニングヒューズが販売されていますが,CUSCOも出している事を最近知りました.「
CUSCO+ ICE FUSE」というのだそうで,端子にコーティングするタイプの製品ではなく,金属部分を「極低温冷却処理」という技術で製造したものなんだそうです.
「極低温冷却処理」はオーディオ製品なんかにも使われている技術なんだそうで,ヒューズだけでなく,アースボルトの設定もあるとの事.1個単位で買えるようなので,お遊びで試すには面白そうだなぁ~と思ったOXです.
さて,先日
リアタイヤの比較テストをしてきたので,そこの詳細分析を行いたいところなのですが,FFの場合,フロントが決まらないとリアを語っても仕方がないと思っているので,変更したスプリングの感触に関して先に振返っておこうと思います.
まずは仕様のおさらいから.
前回 ・・・ フロント:HAL 7インチ 12キロ(高反発) リア:HAL 7インチ 12キロ(中反発)
今回 ・・・ フロント:HAL 7インチ 12キロ(中反発) リア:HAL 7インチ 12キロ(高反発)
今回は前後同サイズ・同レートのまま,反発力だけ入替えるリバースストラテジーを試してみました.実はこのタイミングでスプリングを替える予定はなかったのですが,
テンションロッドの交換に伴いアライメントを取り直す事になるので,「だったら
スプリングも~」という流れで交換しました.このため,新しいスプリングを手配する時間的な余裕がなく,手持ちのスプリングを見比べながら捻り出した作戦が上記でした(笑).
とはいえ,ただ単にその場の勢いで替えた訳ではなく,高反発をフロントに使った時に「同じレートでもロールが大幅に減る」という事実を学んだ事から,これはスタビを固めたのと同様の効果なので,「だったらリアに高反発を入れて,疑似的にリアのロール剛性を上げれば,前後バランスを改善出来るのでは?」と考えました.

(いつさん,写真有難う御座います<(_ _)>)
加えて,「縮んだ時に早く戻る」という高反発の特性を活かし,リアのレート・減衰設定が同じままでもリバウンドスピードを上げる事が出来るはずなので,これを活かして接地性を高める(インリフトしにくい)効果も得られるんじゃないか?とも考えました.

(こちらの写真も,いつさん,有難う御座います<(_ _)>)
結果は,両方とも狙い通りで,リアがしっかりと支えつつ,フロントが沈み込む姿勢を作り出せるようになりました.
ただ,レートの絶対値は変わらないので,反発力を無視するくらいの急激な荷重を加えると,スプリングが荷重を支えきれずに潰れて,前後同じタイミングで沈み込むのですが,そこからすぐにリアだけが反発して起き上がり(ロールが元に戻り),
コーナリング中に外側のリアが,沈む→起きる→沈むみたいな上下動をしているのが感じとれました.ブレーキングを終えて加速体勢に移る際,リアタイヤに荷重を掛けようとした瞬間に,このポヨン!とした跳ね返りがあるので,一瞬これを「アレッ? リアの荷重が抜けた?? エッ!? スピンするの???」と誤認してしまい,内心では結構冷や汗をかいてました・・・.実際は荷重が抜けている訳ではないのでクルマは安定しているのですが,この感覚のズレに早く慣れないとダメですね.
続けて,ロガーデータの比較に入りますが,その前に細かい数字を押さえます.
【前回(41.514)】
気圧:1017.1hPa 気温:14.6℃ 路面温度:21.2℃ 湿度:100%
【今回(41.637)】
気圧:1017.1hPa 気温:14.1℃ 路面温度:18.6℃ 湿度:78%
コンディション的にはほぼ同等.路面温度・湿度の面では今回の方が有利ですが,タイム的には0.12秒遅いですね.
この比較結果が以下です.緑線が高反発,青線が中反発,上が車速,下がタイム差です.
(反発力はフロント基準で書きます)
最高速は中反発(青)の方が1.8km/h高く,助走のズレかな?と思いましたが,最終コーナーの立ち上がりを見ると,こちらも中反発(青)の方が車速が高いので,実際車速は伸びていたという事なんでしょう.久方振りに安定して130km/h台が出た気がします.
高反発(緑)と中反発(青)で顕著に差がついたのは1コーナーで,中反発(青)の方はリアの上下動に慣れていないため(計測2周目),アクセルONが遅れているのが見てとれます.これでボトムが2.8km/h低く・0.1秒遅いのです.その後は多少開いたり・縮まったりはするものの両者概ね互角なので,今回0.1秒遅かった原因は,やはりこの1コーナーなんでしょうね.
次に目に見える差が出るのがヘアピン.ここは中反発(青)の方が落とし過ぎに見えます.なんでかなー?と思い縦Gのグラフを見てみると(↓),
ブレーキングの仕方が変わっていました.フロントに高反発(緑)を入れた場合はブレーキングしてもなかなかノーズダイブせず,結果,踏力を徐々に抜きながらもエイペックス付近まで荷重を残す事が出来ていたようです.一方,中反発(青)の方は反発力が弱く,荷重移動を素直に受け入れてノーズダイブするので,早めに「ブレーキング完了」とドライバーは判断して踏力をスパッ!と抜いてしまっているようです.このため,エイペックス付近での荷重が不足し,タイヤのグリップを全て引き出せず,横滑りしてボトムが落ちたようです.この辺りはタイヤ(CR-S)の特性もあるのでA052でどうか?という感じですね.
インフィールドは,やはり中反発(青)の方が姿勢を作り易いので,早めにアクセルを開けられているようです.ここは狙い通りといった感じですが,やはりCR-SだとA052ほど低荷重域のグリップが良くないので,思ったほどには曲がらない印象を受けました.A052を履けばもう少し+αがあるんじゃないかと思います.
最終の複合も中反発(青)はロール量が大きい分,自然とアウト側に膨らむ傾向が見られ(↓),
それを使ってワイドなラインを自然と取れる分,アクセルONのタイミングは高反発(緑)よりもワンテンポ早いようです.これがホームストレートでの車速の伸びに効いています.やはりフロントに中反発(青)を使った方が姿勢を作り易く,私の好みですね.
以上,(仮)がようやく外れた中反発 vs 高反発でした.
クルマ全体の動きとしては私の好みに近づいてきたので,今回の変更は成功と言って良いんじゃないでしょうか.低・中速コーナーでよく曲がるようになったので乗ってて気持ち良いです.反面,高速コーナーは動きが大きくなったので,肝を冷やす場面が多く,早くこの動きにドライバーが慣れないとダメですね.前後バランス的にはマズマズの仕上がりですし,特に大きな不満もなく,暫くはこのセットで走って向きの変え方・タイヤのグリップの引き出し方を探ろうと思います.