
EF8で使っているバケットシートは購入から既に13年が経過し,そろそろ新しいバケットが欲しいなぁ~と思っているのですが,RECAROの「PRORACER RMS」はEF8に使えるシートレールがなくてガックリきていたところ,今月に入って「
ZETAⅣ VERIA」という製品の情報が流れてきました.「小柄なドライバー向けのシート」と銘打たれ,お尻の高さを持ち上げたり,BRIDEのロゴがピンクだったりして,誰をターゲットにしているのか明らかなのですが,このご時世なので表現に気を遣っている様子が窺えます.
それはさておき,このシートの特長として書かれた「サイド部のクッションウレタンを左右合わせて約30mm厚くなっており~」という部分が個人的には気になりました.

(BRIDE:
ZETAⅣ VERIAより)
「PRORACER RMS」が気に入った理由に1つに,腰~太ももにかけてのフィット感があったので,「サイド部のクッションが厚いならコレも・・・?」と興味が湧いているOXです(どこかで座れないかなぁ~?).
さて,
先日の走行では1本目でフロントの感触が良くなったので,これに合わせたリアのセットを詰めるべく,2本目・3本目でリアタイヤの比較テストを行いました.前回はざっくりのフィーリングに関して述べたので,今回はロガーデータでより細かく見てみます.
まず,タイヤの詳細は以下の通り.
16インチ ・・・ A052 195/50R16(外径:602mm 幅:201mm) + RAYS CE28(7.0J INSET:+48)
15インチ ・・・ A052 195/55R15(外径:595mm 幅:201mm) + RAYS CE28(6.5J INSET:+45)
幅は同等ですが,16インチの方が若干外径が大きく,INSETも大きいです(トレッドとしては縮小方向).一方,15インチの方はそれに加えて推奨リム幅+0.5インチという事で引っ張りの足りない,ヨレる特性があります.
続けて,コンディションですが以下のように全て16インチの方が有利な条件です.
16インチ ・・・ 気圧:1016.6hPa 気温:19.4℃ 路面温度:34.9℃ 湿度:49% タイム:42.242
15インチ ・・・ 気圧:1015.3hPa 気温:20.6℃ 路面温度:40.9℃ 湿度:43% タイム:42.366
そして,以下がロガーデータの比較結果です(赤:16インチ 青:15インチ).
タイム的には16インチ(赤)の方が0.12秒速いのですが,どこで差がついているのか?はパッと見では分からないので細かく見ていきます.
ホームストレート~1コーナー
完全に互角ですね.1コーナーはボトムスピードも一緒です.違いが出るのは立ち上がり.16インチ(赤)の方がボトムからスムースに加速していくのに対し,15インチ(青)の方は若干の停滞が見てとれます.この辺りが引っ張り不足によるヨレの影響でしょうね.トラクションが掛かりづらい状況なんだと思います.
2コーナー
ここは乗っている時は「16インチ,曲がんねー」と思っていたのですが,どうやら16インチ(赤)の方がトラクションが良いせいで旋回速度が上がっていたようです.このせいで2コーナーの外側の縁石に達してもステアリングを戻す事が出来ないくらいアンダーなので(↓),
操舵抵抗で失速している様子が窺えます.
ヘアピン
進入のブレーキングは完全に互角.差が出るのはボトム部分で,3.3km/hほど16インチ(赤)の方が高いです.2コーナーのアンダーっぷりからすると16インチ(赤)の方がよく曲がるのは意外な気もしますが,これがINSET:3mmの差(トレッドで6mm短縮)の効果なんじゃないかな?と思います.タイヤ自体は喰いつきつつも,旋回時に邪魔をしない特性ですね.
インフィールド
ここも進入は互角.差が出るのはボトム~立ち上がりですね.乗っている時の感触としては,15インチ(青)の方が向きの変わりが良い印象を受けたのですが,これを見ると16インチ(赤)の方が良く変わってますね.この辺りはリアタイヤのヨレに起因した向きの変わり方と,トレッド縮小による向きの変わり方の違いなんじゃないかと思います.ヨレの方は動きが唐突なので,その分ドライバーとしては「あっ!変わった」と分かり易いです.一方でトレッドの方はリアが邪魔せず,フロントに追従して曲がる感じなので変化を感じ取りにくいんじゃないかと思われます.こういった「乗って良いと感じた=速いとは限らない」というのがセッティングの面白いところですね.
バックストレッチ~洗濯板
16インチ(赤)の方が立ち上がりで速かった分,この区間で15インチ(青)をグングン引き離して,3.3km/hも高い車速で洗濯板に進入しています.結局ここでついた0.18秒がほぼそのまま最終的なタイム差となるので,やっぱり「TC1000の肝はインフィールドの立ち上がりだなぁ~」と感じました.
最終複合
乗っている時はここで差は感じなかったのですが,データで比較すると16インチ(赤)の方が向きの変わりが悪く,途中でアクセルを少し戻していますね.戻す位置としてはこの辺り(↓)だったようです.
ここは16インチ(赤)だろうが,15インチ(青)だろうが,変わらずもっと曲がって欲しいポイントなのですが,ヘアピン・インフィールドと似た低速コーナーで動きの良かった16インチ(赤)の方が逆に曲がらないのは興味深いですね.最終の複合は定常円旋回なので,ブレーキを使わずにアクセルのON⇔OFFだけで向きを変えるのですが,ヘアピン・インフィールドとは違ってブレーキによる姿勢変化を使えない微妙な変化に反応するのは,「ナロートレッド」よりも「ヨレるタイヤ」という事なんでしょうかね・・・.
以上,リアタイヤ選定 データ分析編でした.
纏めると,16インチの方がアンダー傾向が強かったのは,タイヤのヨレが少なくトラクションがしっかり掛かる事に起因した旋回速度の向上が原因だったようです.タイトコーナーでリアの荷重を抜いてしまえば,逆にナロートレッドが効果を発揮して16インチの方がより小回りが出来るようです.その一方で,ブレーキを使わず,アクセルワークで姿勢を作るコーナーはタイヤがヨレた方が向きを変え易く,コーナーによってメリット・デメリットがある事がよく分かりました.
2コーナーのアンダーを別の方法で解消する必要はありますが,総じて見れば16インチの方が私の好みかなぁ~?と思いましたが,何とかこの両者のイイとこ取りが出来ないか?という事で,この後,もう1つ試してみます.
ブログ一覧 |
セッティング(タイヤ) | 日記
Posted at
2023/04/06 12:31:26