前回タイヤの横剛性に関して勉強し直しましたので,今度は縦剛性のお話.
「低扁平率は実は横剛性が低い」という事でしたが,「じゃあ,扁平率を下げるメリットってないじゃん!」とも思いました.ベルトで補強すれば同じくらいの横剛性は出せるにしてもトレッド面が固くなるので,それによって乗り心地は確実に悪くなりますし,重くもなります.
「じゃあ,低扁平率にするメリットって何なの?」と調べてみたところ,「縦剛性(リング剛性)は低扁平率の方が高い」のだそうです.
「リング剛性」とは,読んで字の如く「リング(輪っか)」の剛性です(↓).
「輪っか」の形状を維持する力とでも言えば良いでしょうか? 円の形から変わりにくい(変形しにくい)度合みたいなものですかね.タイヤは車体の重量を支えているので,縦方向には常に力が加わっており,少し潰れています.
「リング剛性」が高いという事はこの潰れの量が少なく,円の形を維持し易いという事なんだと思います(↓).
円の形を維持し易いという事は,そのままだと接地面積が減るのでグリップも下がってしまう訳なのですが,元々の潰れ量が少ないのであれば,その分空気圧を下げて接地面積を稼げばいいじゃん!という考え方も出来ます.
しかし,空気圧を下げて縦剛性を下げる(縦のグリップを上げる)場合,同時に横剛性も下がってしまう(横のグリップは下がる)ので,低い空気圧で使いたいタイヤは横剛性を上げる必要があり,必然的に扁平率を上げる必要性が出てくるようです.
以上を踏まえつつ話を一番最初に戻すと,A052とA050で縦のグリップが違うと言われる所以の1つは,この「低い空気圧で走れる」という点が大きいんじゃないかと思いました.A052に比べて横剛性が高いA050は,同じ扁平率でも低い内圧で走らせる事ができ,それが縦のグリップ増加に繋がっているのではないか?と.
従って,A050の過大な縦のグリップによってエンジンパワーを喰われる状況を生むのであれば,内圧を上げて意図的に接地面積を減らし,帳尻を合わせ込むのが良いのでは?と思いました.
勿論,接地面積を減らすという事は横のグリップも減る事を意味するので,前後・左右のバランスを見つつ最適な点を見出す必要があるとは思いますが・・・.
ブログ一覧 |
セッティング(タイヤ) | 日記
Posted at
2023/06/07 12:33:42