
コレクションホールの企画展「
GTカー&ツーリングカー Garage Collection」の車両見学のラスト,HSV-010とおまけのCR-Zです.
2010年 GT500 KEIHIN HSV-010
2013年 GT300 MUGEN CR-Z GT
HSV-010は結局市販されなかった幻のFR車両,一方のCR-Zもほとんど原型を留めていないMR車両ですね.
まずは,「HSV-010」の方から.
まず思ったのが,国内フォーミュラ用の3.4L V8をフロントに積んでいる事もあって,フロントタイヤ~キャビンまでの距離が長い!(↓)
フロントマスクは,当時あんまりホンダっぽくないなー?と思っていましたが,今見ても独特の佇まいですね.あと今回見て気づきましたが,このクルマ,カナードが付いてないんですね(↓).
ルーバーは,フェンダーというよりボンネットに近い位置なので(↓),これはラジエターの排熱用ですかね? 翌年には空力面を考慮してサイドラジエターに変更したそうですが,今度はバトルでぶつけられると即終了になるので最後の2013年には元のフロントに戻されたとか・・・.ルーバーの位置の兼合いもあるんだと思いますが,
前回のNSXで見たものよりは高さが低い印象でした.
じゃあ,タイヤハウス内の圧力はどう抜いているの?と思って見てみると,フェンダーの後ろから真っ直ぐ抜いているみたいですね(左側の枠).あと面白いなぁ~と思ったのがフェンダーの上部が波打っているのですが,そこから気流が漏れるのを避けたかったのか? 透明のフェンスが付いてました(右側の枠).
一方,リア側はガッツリ切り抜かれています(↓).
これだけの開口面積はなかなか見た事がないですね・・・(
LFAくらいかな?).
リアウインドウ後方のココ(↓)は,穴が空いているのか? 塞がっているのか? 分かりませんでした・・・.
最後,リアウイング(↓)は,後方に延長されたディフューザーの上にステーを生やして乗っかっている感じ.
これは,次のCR-Zにも引き継がれたそうです.
・・・という事で,その「CR-Z GT」.こちらは
2018年4月に一度見学していますが,当時は細かいトコまで見なかったので改めて見学.
フロントグリルは上半分残されてますが,ダミーで塞がれているので,空気の取入れ口は下半分のみですね(↓).
カナードは結構,急な角度で上に跳ね上げられてします(↓).
フェンダー上部はこんな感じのフェンス形状(↓).
この位置関係だと,抜けてきた空気がミラーに直撃する気もしますが,シンプルな丸みを帯びた形状なだけですね(↓).
2.8L V6ツインターボと発熱量の大きそうなエンジンを後方に乗せているので,リアフェンダー前の開口部はかなり大きいです.恐らくこの先はラジエターに繋がっているんでしょうね.
リアハッチにはいくつかの開口部が.Cピラー横の開口部は形状的に中→外へ抜くためのものに見えますが,反対にテールエンド付近に付いているものは外→中へ取り込むためのものに見えます(↓).
コレは何用なのかなぁ~?と思って
調べてみたところ,リアブレーキの冷却用のようです.前方側の開口部を全てラジエター(&バッテリー?)用に当てているので,ブレーキ用はここから取り込むしかなかったんでしょう.言い換えれば,それだけ熱的に厳しかったという事で,レイアウトに制限のあるGTカーだと,やっぱりMRでターボ車というのは難しいんですね.
そして,HSV-010譲りのウイングは,こんな感じ(↓).
HSV-010と同様にウイングのステーはディフューザーから生えてます.上から押さえつける力をシャシーの一番下の部分(≒ディフューザー)に加えられるので,効果的なんでしょうね.そのディフューザーの上にマフラーが乗っかっているのは「
NSX GT1」と同じですが,気になったのは中央付近にあるこのチューブ(↓).
まさかブローバイのラインではないでしょうし,一体なんなんでしょ?
以上,HSV-010&CR-Z編でした.
これで一連の「Garage Collection」シリーズは終了です.あ~長かった(笑).
ブログ一覧 |
博物館見学 | 日記
Posted at
2023/10/22 23:27:27