AIのレベルを最高難易度の「8」にしてレースを楽しんでいるのですが,鈴鹿サーキット以外のコースだとクルマのセッティングが合わず,ターボ車勢に置いていかれて苦戦しています.
そろそろ「実車と同じセッティング縛り」を解除しないと厳しいなぁ~と思い始めたので,だったら実車で気になっている点から修正していくか!という事で比較テストを始めてみます.
その第1弾として,まずは「リアホイール」.
実車だとINSET優先でリアのみ16インチ化しているのですが,やっぱり重量を考えると15インチに揃えたいところ.昨年は手持ちのホイールを流用して15インチ化にトライしてみたのですが,リム幅とINSETが悪化方向になったので,あまりメリットを見出せませんでした・・・.
ならば,リム幅も,INSETも,なんなら外径までも全部同じで,純粋にホイールのサイズが1インチ下がっただけだったら違いはどう出るのか? バーチャル空間じゃないと試せないテストを今回はやってみたいと思います.
テストコースは出来れば筑波サーキットが良いですが,残念ながら「Forza Motorsport」には収録されていないので,鈴鹿サーキットの東コースを使う事にします.
(フルコースだと1周が長過ぎてドラビングのバラつきが影響するので,短い東コースにしました)
鈴鹿の東コースは,ダンロップ(現NIPPO)コーナーを右に曲がって最終コーナーへショートカットするショートコースで,全長は2243m,ストレート長は800mとなります.「Forza Motorsport」のテストドライブの場合は,これの1~2コーナーと逆バンクにミニセクターが設定されており,この区間だけのタイムも計測出来るようになっていました.
それではまず,基準作りから始めてみたいと思います.
リアホイールを16インチにした実車再現仕様でタイムトライアルした結果が以下の通り(↓).
ラップタイム ・・・ 1'03.740
1~2セクター ・・・ 12.045
逆バンクセクター ・・・ 6.073
ここからホイールを15インチに落としてみます.
【16インチ】
【15インチ】
ちゃんと重量が1kg軽くなってますね.グラフィックもタイヤの外径が変わらず,ホイールの径だけが変わっているのが分かります.タイヤ幅:195で外径が変わらないとなると,195/50R16→195/55R15へのダウンという事になり,タイヤとしては扁平率が増える事になりますね.
続けて,ベンチマークデータの変化としてはこんな感じ(↓).
加速(0- 97km/h) ・・・ -0.017秒
加速(0-161km/h) ・・・ -0.035秒
加速(0.4km) ・・・ ±0.000秒
最高速度 ・・・ ±0.0km/h
制動距離( 97-0km/h) ・・・ +0.1m
制動距離(161-0km/h) ・・・ ±0.0m
横G( 97km/h) ・・・ ±0.00
横G(193km/h) ・・・ ±0.00
データ上は加速側が良くなり,制動側が悪くなるようです.FFにおいてリアタイヤで加速が良くなる方向という事は,リアの沈み込みが減ってフロントが浮き上がりにくくなったという事なんでしょうか? リアの沈み込みが減れば,逆に減速時はタイヤが持ち上がり易くなるので,接地圧が下がって制動距離が延びるという理屈とも合っていそうです.
つまり,「扁平率が上がった事でリアタイヤが固くなった」という事を示しているのだと思うのですが,これは以前勉強した
タイヤの横剛性の話と辻褄が合っています.勉強した当時は少し懐疑的だったのですが,こうやって別のところで同じ事を言っているデータが出てくると,やっぱりそうだったんだぁ~と納得出来ますね.
そして,このインチダウン状態で走った結果が以下の通り.
ラップタイム ・・・ 1'04.116 (+0.376秒)
1~2セクター ・・・ 12.012 (-0.033秒)
逆バンクセクター ・・・ 6.240 (+0.167秒)
1kg軽くなったにも関わらず,タイムは0.37秒も落ちてしまいました・・・.落ちた理由は何か?というと,実は一目瞭然.映像で伝わるかどうか分かりませんが,リアのホイールを16インチにした時(左)と15インチにした時(右)の比較動画を作ってみたので,こちらをご覧下さい(↓).
最終コーナーを見ると分かるかもしれませんが,実は15インチ(右)の方が結構強いオーバーステア状態なんです.ちょっとアクセルを戻しただけでリアが滑ってクルマがIN巻き状態になるので,ラインを維持するのに苦労させられました・・・.オーバーステア状態になった理由は,恐らくリアタイヤの扁平率が上がってサイドウォールが固くなった(変形しにくくなった)事で,タイヤの粘りがなくなり,ちょっとした荷重変化に対して過敏にリアが動くようになったためと思われます.
ならば,リアタイヤの内圧を下げてサイドウォールを柔らかくしてあげれば,元の穏やかな挙動に戻るはず・・・.という事で,リアタイヤの内圧を2.5→2.4に下げてみました(↓).
この状態で再度走ってみたところ,狙い通りオーバーステアが弱まり,乗り易くなって16インチのタイムを超える事が出来ました!
ラップタイム ・・・ 1'03.567 (-0.173秒)
1~2セクター ・・・ 11.745 (-0.300秒)
逆バンクセクター ・・・ 6.139 (+0.066秒)
この結果から,「同じリム幅・INSETであれば,15インチホイールの方が軽い分だけ速い」という事を確認する事が出来ました.
以上,リアホイールのインチ比較でした.
ゲーム内で物理計算をしているとは言っても,どこか怪しい(途中で計算を簡略化しているだろう)と半信半疑だったのですが,今回の結果を見るとちゃんと理屈通りに変化して,それがクルマの挙動変化にも表れているようで驚きました.
やっぱり最近のゲームって良く出来ていますね!
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Posted at
2023/12/21 00:59:13