
では
基礎編の続き.
フロントブレーキのリフレッシュで思った程フィーリングが良くならなかったので,残るキャリパーに目を向けて,本当に効果があるのか? 効果があるならどういう方向性にしていけば良いのか?というのが前回のお話でした.
その中で「対向型」「ピストン数」といった話が出てきた訳なのですが,純正流用チューニングとしては「NSXキャリパー」が有名です(↓).

(REVSPEED 2019年12月号より)
片押しの「浮動型」でありながら2ピストンで,上に書かれている通り剛性感はかなりあるとの事で,TYPE-Rがこれを流用しているのを良く見かけたのですが,数年前,車検でブレーキのチェックが厳しくなった時期にこの「NSXキャリパー」を付けていたDC2が車検で落とされていました(デカデカと「NSX」と書かれているので社外と見なされたらしい・・・).
今もそうなのか分かりませんが,こういう話を聞くと検討書をちゃんと出してくれる社外メーカーじゃないと怖いなぁ~と思いつつ,今でも手に入りそうなものを調べてみます.なお,私のEF8は既にEK9のキャリパーに変更されているので,調査対象はEK9用です.
最初に出てきたのは,SPOON.
EK9用で調べると,282mmローター対応の「ツインブロック」と300mmローター対応の「モノコック」があるようです(共に4ポッド).何が違うんじゃ?と調べてみると(↓),
「ツインブロック」はその名の通り2分割(セパレート)されたブロックをボルトで止めて連結させたものので,「モノコック(モノブロック)」は分割せず一体で成型されたもののようです.なるほど.当然一体成型の方が剛性は高いんだろうなぁ~と思って調べてみたところ,どうもそうとも限らないらしい・・・.
これはSPOON製の話ではなく一般論としてですが,この手のキャリパーは軽量化を狙ってアルミ製で出来ているのですが,「モノブロック」という事はブロック全体がアルミとなるのに対し,「ツインブロック」はアルミとアルミの間に恐らくクロームモリブデン鋼であろう固いボルトが複数本貫通している事になります.このため,固いボルトがある分だけ「ツインブロック」の方が変形量が少ない可能性があるのではないか?との事です.
まぁ,捩じり方向で考えれば一理あるかなぁ~という気もしますが,2つのブロックが接した面を開く方向(横方向)として考えた場合は,どうかなぁ~?という気もしたのですが,もう一つ「モノブロック」の剛性が高くない理由があるそうです.それがパッドを入れる側の開口面積.

(REVSPEED 2023年1月号より)
「モノブロック」は一体成型なので,ピストンを入れるための穴は内側から治具を入れて加工する形となります.となると,必然的に開口面積は治具が入る大きさにする必要があり,分割式で正面から穴を開けられる「ツインブロック」よりも大きな開口面積となるそうです.ENDLESSの場合は,その大きな開口面積を逆手にとって分厚いパッドを入れる事で耐久性の向上に繋げていますが,剛性という意味ではやはり開口部の大きさは致命的ですね.ここまで聞くと剛性面で「モノブロック」>「ツインブロック」とは必ずしも言い切れないのかなぁ~?と思いました.
加えて,SPOON製の場合,「モノコック」を選ぼうとするとローター径を上げないといけないですし(コントロール性が落ちるのでやりたくない),大径ローター用という事で,どうやら「モノコック」の方が「ツインブロック」よりも重たいようですし,「ツインブロック」の方でも純正の5200gの半分以下となる2400gで十分軽量ですし,選ぶとすれば「ツインブロック」で十分かなぁ~?と思いました.
1個目で長くなってしまいましたが,それ以外としては先述のENDLESS.
こちらのEK9は選択肢がなく「4POT」のみ.重量は2143gでSPOON製よりも軽量ですね.SPOON製より高そうですが,良さげに思えるので調べてみると,こちらではダストブーツの話に当たりました.
ENDLESS製以外もそうだと思いますが,社外キャリパーはダストブーツがないそうです(↓).
サーキット走行を繰返していると,ダストブーツが熱でやられてボロボロになる事がよくありますが,社外キャリパーの場合,ピストンの外側ではなく,内側にダストシールという形で保護が入っているそうです.内側にあるため,熱でボロボロになる事は少ないそうですが,耐候性・耐防塵性という意味では外側にあるものよりも劣るため,ピストン部分が雨等にさらされて錆びる可能性は高まるそうです.このため,社外キャリパーはオーバーホールのサイクルが短いのだとか.なるほど,これは知らなかったなぁ~.
そんな話を聞くとダストブーツ付の社外ってあるのか?と調べてみたら,出てきたのがD2 JAPAN.
EK9用で調べてみても,なんだか凄いラインナップがあります.
ローター径を上げない前提だと一番左端なんでしょうが,「モノブロック」「スポーツホロー(2ピース?)」共にアルミ鍛造だそうなので,値段が恐ろしい事になっていそうですね・・・.ただ,「D2 Racing」は昔から刷り込まれているメーカーなので,ホンダとは全く関係ないものの,あのロゴを自分のクルマに付けてみたい憧れはありますね(笑).
以上,キャリパーのお勉強・考察編でした.
車検等も含めて考えると一番良いのはENDLESSの「4POT」なんですかね? 安い買い物ではないので,情報収集をしながらじっくり考えたいと思います・・・.
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セッティング検討(ブレーキ) | 日記
Posted at
2024/03/24 21:07:12