
フロントスプリングをHAL springsの中反発→低反発に変更した事によって発生した
ナックルアームとの干渉問題は,
キャンバー角を30分起こす形で暫定対策を行ったものの,これだとやはりタイヤのショルダー摩耗が進んでしまいました.
このため,恒久対策としてASLANの「
偏心ピロアッパー」を手配し,キャンバー角も無事元の数値に戻ったので,早速TC1000でテスト~と有休を取ろうとしたら,ファミ走の日に会議を入れられてしまい行く事が出来ませんでした・・・.
前回のテスト結果から,リアのグリップをかなり引き上げないとバランスが取れなそうな事が見えてきたので,
リアのキャンバー角を1°増やし(↓),
その効果を早く確認したかったのですが,次回に先送りですね(泣).
ちなみに,今回のリアキャンバー増し作戦は,昨年の夏頃からリアタイヤの摩耗状態を見て,「少しキャンバー角を増やした方が良いかな??」と思っていた事がきっかけでもあるのですが,それに加えていくつか追加の効果が期待出来そうというのが選んだ理由でもあります.
1つ目はスライドが始まった後のコントロール性の向上.現状,
リアのリバウンドストロークが決定的に足りないため(↓),
ブレーキングで追い込んでいくと左右両輪共に浮いた状態となり,最早ステアリングを切らずともスピンモードに入ってしまう事から(↓),
滑らさないように走らせるのではなく,滑った後でもコントロールして走らせる(=スピン挙動を穏やかにする)意味合いでキャンバー角を増やしてみました.同じ効果を得る方法としてリアタイヤの内圧を下げる方法も思い浮かんだのですが,そちらはウォームアップの妨げになるのと,少しでも「
EF9の動き(↓)」に近づけるため,今回はキャンバー増しの方を選択してみました(内圧下げだと腰砕けになって,クルマが前に進まない可能性がある・・・).
2つ目は,昨年夏に
調べ物をした時に知った効果(↓)があったので,それを確認してみようかと.
来月TC2000を走る機会がありそうなので,あの長いストレートで検証してみようかなぁ~と思っています.
3つ目は,リアタイヤのウォームアップ促進.こちらは単純に接地面積が減った分だけ面圧が上がるので,「その分だけ温度上昇も早いでしょう~」という安直なアイデア.さすがに
7°もついてないので,直進安定性の向上効果まで得られないと思っていますが,はてさて違いは出るのか?
・・・とそんな感じで色々画策して今回はリアのキャンバー増しを施してみた訳なのですが,根本的な問題は「リアのリバウンドストローク不足」なので,所詮は付け焼刃に過ぎません.本質的な対策として最も期待出来るのは
2wayダンパーの投入(↓)になると思っているのですが,
かなり高額になるのと,年末に
新たなイグニッションコイルの発売を知ってしまったので(↓),
どちらかというと,資金はそちらに回したいなぁ~という気持ちが湧いて,先送りする気満々(笑).
・・・という事で,現状のダンパーのままスプリングで何とか対処出来ないかなぁ~?と考えていたのですが,やはり定番の
ヘルパースプリング(↓)が頭を過ぎりました.
ただ,今使っている7インチスプリングだと
ダンパーの調整代は使い切っているため,ヘルパースプリングが入る余地はなく,メインスプリングを短くする(6インチ化)しかありません.
そう思った時に「6インチ化して本当にヘルパーが入るのか・・・?」と疑問に思ったので,スプリングを引っぱり出して並べてみると(↓),

(左が7インチ,右が6インチ+スペーサー+ヘルパースプリング)
6インチ化しても,ほとんどリバウンドストロークは増えないのでは・・・? (-_-;)
使おうと思っているヘルパースプリングがレート:0.2キロとほぼ無視出来る代物なので,同レート(14キロ)で6インチ化した場合,メインスプリングの縮み代(
以前行った皮算用から14.8mm)は,7インチと同等と見なして良いはず.そうなると,メインスプリングが短くなった分=1インチ(25.4mm)だけヘルパースプリングが入る事になるのですが,スペーサーの厚みが約9mm,ヘルパースプリングの密着高が11.18mmという情報を踏まえると,一応ヘルパーが入る事は入りますが,ほとんど動かないスペーサー状態になりそうな気が・・・(汗).
そもそも,リバウンドストロークはいくつ必要なんだっけ?と
以前画像から導き出したものを引っぱり出して確認してみたところ,
約38mm(≒1.5インチ)でした.やはりメインスプリングを1インチ短くするだけでは不十分,2インチ短くしないとダメそうとなると,
5インチか・・・.(;-ω-) ウーン
HAL springsの14キロ・高反発は,許容ストローク:62mmなので,軸重の小さいリアで使う分には問題なさそう(線径密着しなさそう)ですが,ヘルパーを入れるとはいえ5インチかぁ~.オレさまが5インチを毛嫌いしていたから,ちょっと引っ掛かるんだよなぁ・・・.
そもそも,同レートでスプリングの長さ(自由長)を短くするとどういう違いが出るんだっけ?と調べてみると,
・自由長が変わろうが,レートが同じであればスプリングの縮み代は同じ
・縮み代が同じなので,コーナリング中のロール量は変わらない
・変わるのは乗り心地
・自由長を長くすると動きがマイルドになり,短くするとシャープになる
・この違いは,スプリングのたわみ量に起因している
・自由長の違い=スプリングの巻き数の違いと言える
・例えば,ここに巻き数が違う2種類のスプリングがあったとする(長い方が20巻,短い方が10巻)
・両者共にレートが10キロだった場合,100kgの荷重を受けると10mm縮む事は変わらない
・但し, 長い方のスプリングは,10mm / 20巻き ⇒ 1巻当たり0.5mm縮む
・一方,短い方のスプリングは,10mm / 10巻き ⇒ 1巻当たり1.0mm縮む
・つまり,自由長が短い方が,1巻き当たりのたわみ量は多くなる
・たわみ量が多いと,スプリングの元に戻ろうとする力(反発力)は強くなる
・従って,乗り心地の違いは反発力の違いとも言える
なるほど! そういう事なのか.リアのスプリングを7インチ→5インチ化すると,高反発なスプリングが更に高反発になるって事かぁ~.
イイじゃねぇか!(笑) ( ¯꒳¯ )b✧
反発力が上がると,縮み側は街乗りでの突き上げ感は増えて苦になるかもしれませんが,伸び側はリバウンドスピードが上がるのでリアの接地性が上がるはず.ヘルパースプリングによるストローク稼ぎと合わせて狙っている効果がより得られるかもしれませんね.
以上,リアのリバウンドストローク対策案でした.
ヘルパースプリング作戦がダメだった場合,バネレートを下げてリバウンドストロークを増やし,バンプラバーで縮み側を規制して辻褄を合わせる方法を考えないといけないかと思っていたのですが,思いの外5インチ化はメリットが有りそうですね.唯一心配なのは,ヘルパースプリングを入れるとはいえ,5インチスプリングでダンパー長が足りるかどうか(ダンパー側が長過ぎて天井突き当てにならないか?).
7インチ→5インチで-51mmだから多分大丈夫な気がしますけど,もしかしたらバンプラバーをカットする必要は出てくるかもしれませんね.