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OX3832のブログ一覧

2021年06月22日 イイね!

「跳ねる」ってナンだ?

「跳ねる」ってナンだ?先日,走行会終了後にEF8を走らせたら,リアがポンポン跳ねるのでダンパーが死んでる気がするという話をしました.

その後,走行会前後の差分をよ~く考えてみた結果,ある要素が思いついたので,それを走行会前の状態に戻して再度走ってみたところ,

「あ,跳ねがなくなった・・・」

という事で元に戻りました(笑).

厳密には,伸び・縮みのスピードが走行会前よりも若干速い気がしますが,これはスプリングが馴染んだせいでしょうから当たり前の話.一先ず,このまま走り込みが出来そうなので,一安心です.


さて,その跳ねに繋がる要素が何だったかというと「ガソリンの残量」でした.

私はアライメントを取る時は,いつもフルタンク(=一番重い状態)でやっているのですが,走行会終了後は半分以下に減っていたので,この重量差が効いたようです.ただ,「えっ? ガソリンの量って,そんなに効くの??」と疑問に感じる部分もあるので,少し調べてみます.

走行会終了後に給油した結果から,減ったガソリンは24.1L.ガソリンの質量が約0.75kg/Lですので変化量は,

 24.1[L] × 0.75[kg/L] ≒ 18.0[kg]

EF8のガソリンタンクの位置が大体この辺り(↓)なので,



ほぼリアスプリングにだけ,この質量が乗っかっている感じですかね(厳密には違いますけど).
ざっくり,後輪2輪にこの質量が乗っかっていると考えると,1輪分に掛かる力は半分なので,9キロ.

現在使っているリアスプリング(Swift製)のバネレートが 8.0kgf/mm ですので,

 9[kgf] / 8[kgf/mm] ≒ 1.1[mm]

つまり,1.1mmのプリロードが掛かっていないと,あんなポンポン跳ねた乗り心地になるって事ですね.


なるほど,なるほど・・・と思って,次にこんな図(↓)を眺めてみると,


ハイパコの特性2より)

仮に,この図の「他社製品」がSwiftだと仮定すると,Aの部分から20mmくらいまでは設計レートにならないようなので,プリロードが掛かってないとレートが低くなる(縮みが早く,伸びが遅い)可能性が高いってコトですね.そうすると,燃料が少ない時はバネレートが下がっている(スプリングが柔らかくなっている)というコトになるのですが・・・.

(-"-;) ??

「スプリングを柔らかくしたら乗り心地が悪くなる」って,意味わかんないですね.


そもそも「乗り心地」の定義って何だっけ?と思ってWikipediaを見てみると,



と書かれており,人の感覚なので曖昧なものみたいです.もうちょっと何かないのか?と調べてみると,


(KYB:ショックアブソーバとは?より)

「路面の段差等によって生じる車体の上下動を,ドライバーが感じない状態」というのが「乗り心地が良い」という事のようです.

という事は,私が感じているのは,

 上下動の動きが大きい = 跳ねる
 上下動の動きが小さい = 跳ねない

という事なんですかね?

プリロードが掛かっていない方が,確かに1.1mm分ストローク量が増えている(=動きが大きい)という事なので,辻褄も合っていそうに思えますが・・・.


乗り心地とタイムを両立するのに,リアスプリングのレートをいくつにすべきか?悩む中で,今回の「跳ねる」の現象をちょっと考えてみました.きっと,乗り心地を優先するならリアもスプリングは低反発の方が良いんだろうなぁ~.だとすると,ピッチング量のコントロールは,やはりリアではなくフロント主導にすべき? う~ん・・・(悩みは続く).
2021年06月06日 イイね!

ブレーキング時の姿勢作り

ブレーキング時の姿勢作り駆動系一新後にアレコレやって何とか復帰した41秒台.まだまだ今の仕様でタイムを出すために求められているドライビングが理解出来ていませんが,いずれにせよ,1ヘアの攻略が重要なポイントである事が改めて浮き彫りとなりました.

1ヘアはTC1000の中で一番のハードブレーキングが求められる箇所であり,ターンイン時のクルマの姿勢・ライン取りの僅かなズレが明暗を分ける事が今回走って証明されたので,これの改善が必須です.

そのターンイン時の姿勢ですが,ブレーキパッドの変更によりブレーキング時のコントロール性は良くなったものの,リアのスプリングを変更した影響でリアタイヤの接地が薄れている事が分かりました.
仕様変更後,初回のTC2000からブレーキング時の姿勢が不安定)

TC1000だと1コーナーが顕著ですが,ブレーキング→ステアリングを切り込んだ瞬間にリアが流れるので,ゼロカウンター気味になりました(↓).


(ステアリングセンターがズレているので分かりづらいですが,コーナーのこの位置↑で右に切ってません)

リアタイヤの接地が薄れている原因は,バネレートを下げた事(10キロ→8キロ)によって,リバウンド側(伸び側)のスピードが落ち,フロントのバンプ側(縮み側)のスピードに追いついていないためと思われます.この推測の裏取りをするために,前回の2本目ではリアの減衰を2段階落とし,疑似的にリバウンドスピードを上げて走ってみたのですが,狙い通りリアの不安定さは解消されたので,原因はこれで間違いようです.

リアのレートを上げていってもこれ以上は縮め代がないと判断して,逆にレートを下げてインリフトさせる試みだったのですが,ドライビング精度を向上させるためには,やっぱり安定したクルマの姿勢が欠かせないようなので,今回はこの問題の解決方法を考えてみたいと思います.


まずは今回実際やって効果が確認出来た「減衰を下げる」.一番安価で簡単な方法ですが,これだとロール(左右)方向の減衰も落ちてしまうんですよね.問題にしているのはピッチング(前後方向)の動きなので,減衰で対処するのは根本的な解決にならないかなぁ~と思っています.

次に「リアのバネレートを上げる」.簡単に言えばスプリングを元に戻すって事ですね.実際その仕様で40秒台に入れてますし,ピッチングの問題を解決した上でロールも抑えられるので良さげに思えますが,唯一縁石の走破性が下がるんですよねぇ・・・.TC1000だと洗濯板を下りた後の跳ねが課題になるので,安易にコレも選びたくない.

他には「リアの車高を下げる」がありますが,これもロール方向に影響に与えるのでパスですね.

う~ん・・・.<(;´ー`) コマッタナァ

絶対値を変えず,リバウンドスピードのみを変える方法がないか・・・?と考えて,

ハッ!Σ(゚0゚;)!!
ヘルパースプリングを外せばいんじゃね?


私のEF8は,CR-X特有のピーキーな挙動を抑えるためにリアに3キロのヘルパースプリングが入っています.



これがあるおかげで,私程度の腕前でもピーキーなCR-Xを安心して走らせる事が出来るのですが,ヘルパースプリングのレートは,当然の事ながらメインスプリングよりもレートが低いので,バンプ/リバウンド両方の過渡特性に影響を与えます.

絵を書きつつ,どう影響を与えるのか?改めて考えてみると・・・,


(絵はコチラから拝借しました)

バンプ時(縮み側)は,ヘルパースプリングが線間密着するまでの間,ヘルパーのレート(3キロ)でサスペンションは縮みますが,ヘルパーが完全に潰れて以降はメインスプリング(8キロ)のレートで縮みます.従って,ヘルパーを抜くとサスペンションの縮み始めからメインスプリングのレート(8キロ)となり,相対的にバネレートが上がる事になります.クルマの姿勢的には,ピッチング(前後方向)は加速時にリアが沈みにくくなり,トラクションの向上が見込め,ロール(左右)方向も,スプリングの縮み始めからメインスプリングのレートで立ち上がるのでロール量の低減が見込めます.総じて良化方向ですね.

一方,リバウンド時(伸び側)は,ピッチング・ローリング共に最初からメインスプリングのレートで伸びるため,リバウンドスピードが上がります.これは狙い通りでOKなのですが,ヘルパースプリングがなくなった分,サスペンション全体のストローク量は減ってしまうので,タイヤのリフト量が増える可能性があります.

以前,日光でヘルパースプリングの有無をテストした際,このコーナリング中のリフトが厄介で,最終的に「ヘルパーあり」を選択した記憶があります.

とすると,単純にヘルパースプリングを外すだけではダメで,リフト量を低減させるためのもう一工夫が必要・・・.

( ゚д゚)ハッ! メインスプリングを長くするか!

ヘルパースプリング分ストロークが減るのを,メインスプリングを長くして(6インチ→7インチ)ストロークを伸ばせば補えるのでは? 更に1インチ長さが増える事によって落ちる応答性に対しては,レートは維持しつつも銘柄を低反発(HYPERCO)→高反発(Swift)にする事で補えるのでは・・・? そんなアイデアを思いつきました.


一方,ここまでリアを中心に物事を考えてきましたが,「リアのリバウンドスピードを上げるのではなく,フロントのバンプスピードを落として,バランスを取ればいいんじゃないか?」という考え方もあると思います.フロントのバンプ(縮み)側のスピードを落とす最良の手は,フロントのバネレートアップですが,これは高速コーナーでのゲインも見込みめる事からやりたい事の1つです.

ただ,以前フロントのバネレートを10キロ→12キロに上げた結果,車高も上がってしまい,フロントタイヤの負担が増えてしまいました.もしかしたら,今のLSDの仕様であれば負荷を増やしても大丈夫なような(というかむしろそうした方が良いような)気もしますが,空力の事を考えるとやっぱり車高が上がるのは避けたいところです.

車高を上げずにバネレートを上げる(かつ車検対応90mmをを実現する)には,ダンパーの調整代を増やすしかなく,車高調の買い直しが必要になるのですが,駆動系一新に大枚を叩いたばかりなので躊躇していると,ショップからこんな製品を紹介されました(↓).




(ZEROFIGHTER:EG/DCフロントダンパーフォーク

ダンパーフォークの取付長さを純正から25mm短くする製品のようです.
(ちなみにダンパーフォークというのは,ココ↓です)



製品のセールスポイントにも「現在使用の車高調がこれ以上下がらない方やスプリングを遊ばせたくない方,現在の車高調は継続して使用したいけどさらに車高を下げたい方にオススメです」とあるので,ちょっと興味が湧きました.


タイヤとエンジンが変わらず,駆動系に若干ハンデ(?)がある状況で,あと0.4秒削り取るには,足回りを煮詰めていくしかないので,この夏も色々変えて試行錯誤していかないとダメだなぁ~と思う今日この頃でした.
2020年11月17日 イイね!

スプリングのお勉強 その①

スプリングのお勉強 その①ようやくRE-71RSネタの通知の嵐が治まりました(苦笑).

その後もRE-71RSを使った人達のコメントが目に留まるのですが,扱いに苦戦されている方が多いようですね.こちらの動画では「外側がガチッとしているが,そこだけで走っている気がする」と仰られているので,このフィーリングが合うかどうかがポイントなのでしょうか.内圧もA052よりも低めに設定しないとマッチしないかなぁ~?とか思いつつ,今の内圧よりも下げるとなると,私の場合はフィーリングがかなり悪くなりそうなので,きっと好みじゃない気がしました.


さて,そんな感じで当初目論んでいた「A052には設定がなく,RE-71RSには設定があるタイヤサイズの活用」というプランも白紙に返ってしまったので,タイヤサイズは現状維持のまま,次の一手を考える・・・とは言っても,タイヤ以外でのバランスチェンジはサスペンションでしか実現出来ないので,基本に立ち返って,スプリングに関して勉強し直してみます.


スプリングの話でよく出てくるのが,「同じレートでもメーカーによって特性が違う」という話.最初読んだ時は「そりゃそうなんでしょうけど,相対比較の感覚論で言われても分かんないよ~」というのが率直な感想でした(相対だろうが,感覚論だろうが,情報があるだけ助かるのですが).ここ最近は更に「低反発・高反発」の話も加わって,益々素人目には判断しづらくなっている気がしています.

それを知ってか知らずか,グランツーリスモの最新作「GT Sport」では,足回りの固さを「固有振動数」で言い表すようになりました(↓).


(ゼロから始める一眼レフLife。:【GTSport】セッティング特集その2より)

もうこうなってくると,いくつがどれくらいなのか全く感覚が通じない世界ですね・・・(推奨値が思い浮かばない).


さて,まずは基本を押さえるという事で,カタログスペックから確認してみます.

ID(65)・レングス(6inch)はダンパー形状でほぼ固定なので今回は割愛し,レートの確認から.
現在使っているHYPERCOのレートは,

 F:9.8kgf/mm  R:8.9kgf/mm

私のEF8の前後軸重は,

 F:644kg     R:337kg

厳密には違いますけど,1輪当たりの荷重は÷2なので,

 F:322kg     R:169kg
 
ここから1G状態でのストローク量を求めると(荷重÷レート),

 F:33mm     R:19mm

各スプリングの最大ストローク量は,

 F:94mm     R:94mm

なので,プリロードを掛けない状態のストローク量は(最大ストローク-1Gストローク),

 F:61mm     R:73mm

という事になります.


ここから荷重移動で縮む分を考えないといけないのですが,「それってバネレートによって違うんじゃ・・・?」と思っていたら,とあるサイトで「荷重移動にバネレートは無関係」と教えて頂きました.


(VD講座:第1回 スプリングで荷重移動は変わるか?より)

車重・重心高・ホイールベースは物理的に固定値なので,変動要素は「減速G」のみという事のようです.

そこで,最大減速Gを調べてみたところ,TC1000でMAXは「1.00」でした.
(「1.02」以上だとロックしてました・・・)

一方,EF8のホイールベースがカタログ値で「2300mm」,同じく全高が「1270mm」ですから,上図のH/Lが 1270 / 2300 = 0.55以下となる点を考慮すると,「ブレーキング時の荷重移動量はリアの軸重の半分以下」と言えそうです.


・・・という事で,ざっくり「リアの軸重の半分(169kg)が前輪1本に全てが乗っかった」と考えてみると,

 94[mm] -{(322[kg] + 169[kg])÷ 9.8[kgf/mm] }= 44[mm]

となるので,フロントのストローク量的にはまだ余裕がありそうですね.

横方向(ローリング)を考えるとレートダウンはそんなに簡単に出来ませんが,縦方向(ピッチング)だけ考えるなら,ブレーキロックの対策としてフロントのレートダウンもアリですね・・・.


さて,フロントの方向性が見えてきたところで,今度はリア.



リアは,この(↑)持ち上がる動きを考えないといけません.

先日の日光でも,すり鉢状の6コーナーや10コーナーでブレーキング時にリアが不安定になっているので,今のストローク量でも足りないという事なのでしょう.「足りないなら増やせば?」と安易に考えたくなりますが,加速時のスクォート(リアが沈み込む動き)の事を考えると,単純に増やせば良いという事にはなりません.「縮みにくく,伸びやすい」という特性がリアに求めるものであるならば,単純にバネレートでアレコレ考えても答えはなく,スプリングの特性に目を向けたくなります.

・・・という事で,調べてみたら,こんな絵(↓)を見つけました.


(Øutlawなモータースポーツ:スプリングメーカーごとの挙動についてより)

低反発と高反発のスプリングメーカーの立ち位置みたいなものを概念的に示したものですが,サスペンションプラスのUC-01とUC-03が対極的なのはともかく,私が使った事があるHYPERCOとSwiftも両極端なんだなぁ~と思いました.低反発・高反発の定義は要約すると,

 低反発 ・・・ 縮みにくく,伸びにくい
 高反発 ・・・ 縮みやすく,伸びやすい

だと私は理解しました.ただ,ややこしいのは「縮みにくい」=「固い」ではなく,縮むスピードの「速い・遅い」である事でしょうか.縮む絶対量がバネレートであるならば,一定量縮むまでの過渡特性みたいなものが反発力に相当しそうです.

この反発力の見分け方としては,

 低反発 ・・・ バネの巻き数が多い   ⇒ 多いから動くのが遅い
 高反発 ・・・ バネの巻き数が少ない ⇒ 少ないから早く動ける

という理屈だそうで,もう一点付け加えるなら,

 低反発 ・・・ 重い ⇒ バネの巻き数が多いので
 高反発 ・・・ 軽い ⇒ バネの巻き数が少ないので

という事でもあるそうです.詳しくはコチラ(↓)の動画をご覧下さい.




なお,クルマのセッティング的に言うならば,

 低反発 ・・・ 挙動を安定させたい時に使う   (≒減衰を強めた時と似た挙動)
 高反発 ・・・ 動きをクイックにしたい時に使う (≒減衰を弱めた時と似た挙動)

という事なのかな?と思っています.

リアに求める動きを実現するには「縮む時は高反発,伸びる時は低反発」なんて特性のモノがあれば良いのでしょうが,そんな代物はないので,ダンパーと組み合わせて作り出すしかないのでしょうね.

ただ,前後で低反発・高反発の組合せを変えると,「案外面白い姿勢を作り出せるんじゃないか?」と思ったのですが,それも前が支配的か?後ろが支配的か?を見極めないとハマっちゃうかなぁ・・・.


そんな感じで,手の甲をクルクル動かしてクルマの姿勢を考える,今日この頃でした(笑).
2020年02月28日 イイね!

伸ばすか?縮ませないか?

伸ばすか?縮ませないか?先日のTC1000で完膚なきまでにタイヤを壊したわけですが,負担の大きい左フロントは当然として,実は右フロントもワイヤーが出掛かっていました.

TC1000で右フロントに負担がかかるのは,インフィールド(2ヘア)とバックストレッチ~洗濯板の間の高速コーナーの2箇所しかなく,やはり足回りのセッティングが合ってないんだな・・・と思い知らされました.

これに加えて,もう一つ気づきがあり,前回のTC1000で走った時に感じたインフィールドのバイブレーション(↓).



バイブレーションの発生タイミングは,確かにブレーキリリース後なのですが,リリース直後ではなく,完全にブレーキペダルから足を離した後(≒ほぼアクセルペダルに踏み替えた瞬間)である事に気づきました.

「もしかして,フロントもインリフトしてる・・・?」


TC1000のインフィールドでは,私は旋回ブレーキを使っているので,荷重の変化以下のようなイメージ.

【①1ヘア脱出後の加速中】


加速中なので荷重はリア2輪に乗っかり,負荷が掛かっています(橙色).


【②インフィールド進入でステアイン】


ここから旋回を開始するために左にステアリングを切った結果,OUT側の2輪に過重が移動.リアタイヤのIN側は負荷が減り(橙色→灰色),OUT側は負荷キープ(橙色→橙色),フロントタイヤのOUT側の負荷が増加(灰色→橙色).加えてフロントタイヤにはスリップアングルがつくので,横方向に加えて縦方向の力もされ.最も負荷が掛かっているタイヤとなります(灰色→橙色→赤色).


【③ブレーキング】


この状態でブレーキングし,フロント2輪に荷重を移動.OUT側のリアタイヤの負荷は減少(橙色→灰色).OUT側のフロントタイヤは高負荷状態をキープ(赤色→赤色).そして,IN側のフロントタイヤの負荷が増加(灰色→橙色).


【④ブレーキリリース~加速】


ブレーキをリリースした瞬間,フロントに移動していた荷重が元に戻るので,再び②の状態へ.

そして,ここが今回のポイント.ブレーキリリースによって③で掛けたIN側のフロントタイヤの荷重が抜ける(橙色→灰色)のは仕方ないのですが,本来であれば,対角となるOUT側のリアタイヤでそれを支えて,IN側のフロントタイヤで生じるインリフトを抑制して欲しいところなのですが,リアのバネレートが低い事でそれを抑え込めてず,インリフトしてしまっているようです(先日のスタビの考察は,実はこの対策としても考えてました).


この対策方法は3つ.

 A.リアのバネレートを上げてフロントの浮き上がりを抑え込む
 B.フロントにテンダースプリング(アシストスプリング)を入れてIN側が伸びても接地するようにする
 C.フロントのバネレートを上げてOUT側が縮まないようにし,IN側の浮き上がりを抑え込む


AはEF8の柔らかいボディ剛性(&ショートホイールベースという特性)を考えると,効果は懐疑的ですね.
となると,Bか?Cか?

Bのメリット・デメリットは,田中ミノルさんのブログによると以下の通り.


よくわかる!HYPERCOテンダースプリングの解説!!②より)

【メリット】
 トラクションが得られる          → フロントが浮き易いFFでは効果的
 コーナーのイン側の接地が安定する → これだ投入の狙い!

【デメリット】
 レスポンスが悪くなる           → 少し心配
 フワフワとして安定しない        → かなり心配 

A052のショルダーの柔らかさを踏まえると,このデメリットを許容出来るかどうかは微妙な線・・・.


となると,やはり無難なのはCでしょうか.

バネレートアップはロール量の低減にも効きますし,ピッチング方向でも柔らかいA052を押し付けるのに効果的かもしれません.懸念材料は今のダンパーで減衰のバランスが取れるかどうか?くらいですかね・・・.


う~ん・・・.伸ばすべきか?縮ませないべきか? もうちょっと悩んでみます.

2019年06月15日 イイね!

インリフト量の調整

インリフト量の調整2連敗となったTC1000ですが,敗因の1つに2ヘアのバランス悪化がありました.

以前発生した2コーナーでのリアがムズムズする現象に対する予防策として,リアタイヤの内圧を落し,タイヤのOUT側も接地させる事で安定性の向上を図りました.事前のテストでも感触は良好で,2コーナー以外でのバランスの変化も感じなかったのですが,どうも路面温度が上がり過ぎると逆効果で2ヘアで向きを変えづらくなってしまいました.

当日,その場で色々対策を施し,多少の改善効果はあったので,細かく分析しておきます.


対策①:リアタイヤの内圧UP(220→225kPa)
1本目終了後,リアタイヤの表面温度を測ってみたところ,OUT側=IN側となっており,全面均一に接地してしまっている事が分かりました.

そこで,リアタイヤの内圧を5kPa上げて,タイヤの形状が凹→凸に変更.リアタイヤのOU側を接地しにくくする事でスライド量を増やす事を試みました.結果は以下の通りです(青:220kPa時 赤:225kPa時).



「これこれ.この感触!」という感じで,ステアリングの操作に合わせてリアがスライドし,狙い通りに向きを変えられるようになりました.エイペックス付近で狙い通り向きを変えられるので,225kPa(赤)の方が2ヘア出口で内側にいるのが分かると思います.

LAP+でこのセクター(SCT.3)のタイムを比較すると,

 220kPa ・・・ 11.062
 225kPa ・・・ 11.068

とほとんど変わりませんが(厳密には落ちてますが),その後のバックストレートのスピードは,向きが変わっている分しっかりと伸び,0.8km/h上回っています.


対策②:リアの減衰力低下(2段戻し→3段戻し)
対策①で効果が確認出来たので,更に内圧を上げるのも手だったのですが,20分の走行枠内でそれをやるのは非現実的だったので,今度はリアの減衰量を1段下げて,OUT側のロール量を増やし,それによって間接的にイン側のタイヤを持ち上げる(接地面を減らす)方法を試してみました.



結果は以下の通りです(青:2段戻し 赤:3段戻し).



3段戻し(赤)の方が出口で流れているのが分かりますね.当然タイムの方も,

 2段戻し ・・・ 11.068
 3段戻し ・・・ 11.097

と悪化していました.更に向きが変わり易くなっているはずなのに,なぜタイムが落ちたのか?その理由が次で分かります.


対策③:意図的にロールオーバーを起こす
2本目の結果から,向きが更に変わり易くなったので,これを活かすべく,ドライビングで意図的にロールオーバーな状態を作り出して更にインリフトさせる事を試みてみます.ちなみに,ロールオーバーというのは,ジムカーナで時折見るコレ(↓)の事です.



勿論,EF8の重心高+71Rのグリップ力では,ここまでのオーバーアクションに持ち込む事は出来ませんが,EF8ならではの方法で,近い挙動を意図的に起こす事は可能です.

これは,

 トップレベルのジムカーナ車両の挙動を学び, → <全日本ジムカーナ観戦>
 3月にやり方を考えて,                → <TC1000 インフィールド攻略>
 その後,ひたすら反復練習,            → <最多周回数獲得! そして夏ノ陣へ>

・・・して身に付けたものなのですが,こういう場面で役に立ちましたね.


では1回目のトライから動画でご覧頂きましょう.



進入で上手くインリフトをさせる事が出来たものの,角度がつき過ぎてカウンターを当てる状況になってしまいました.ラインも見てみましょう(赤:通常時 青:ロールオーバー時)



ロールオーバー発生時(青)の方がブレーキングで上手くイン側に切り込めていますが,その後,カウンターを当ててしまったので,結局アウト側に膨らんでしまいました.ただ,タイム的には,

 通常時        ・・・ 11.097
 ロールオーバー時 ・・・ 11.003

明らかに速くなりました.


続けて2回目のトライ.



カウンターの量を減らして,ロール量をキープするように微調整してみましたが,今度はロール量が大き過ぎてフロントの接地が薄くなり,トラクションを失ってしまいました・・・.



LAP+で比較すると明らかですね.青丸の部分で,ロールオーバー時(緑)の方がボトムで横滑りして,なかなかクルマが前に進まない(速度が上がらない)のが分かります.タイム的にも,

 通常時        ・・・ 11.097
 ロールオーバー時 ・・・ 11.096

という感じで進入で得たゲインを,立ち上がりで失っているのが分かります.
つまり,これは「やり過ぎ!」という事ですね.


以上,比較結果でした.

当たり前の事なのですが,やはりタイヤの内圧は路面温度に合わせて,細かく合わせ込まないとダメですね.フロントのシビアさは日光で学んで認識していたのですが,まさかリアも,ここまでシビアだとは思いませんでした(反省).

今回,対処療法的にリアのロール量を操作してみましたが,やはりリアの減衰を下げる方向性は間違っていますね.ドライビングがシビアになってしまいますし,LSDへの負担も大きいです.何よりローパワー車の命であるフロントのトラクションを失うのが痛い.

方向性としては,足はこのままで,ホイールのインセットかタイヤサイズで微調整する感じかな?と思っています.あるいはフロントの減衰をもっと上げてみるのも手(ダンパー交換が必要ですけど).個人的にはリアのスタビを太くして,フロントのロール量を減らした状況をテストしてみたいのですが,なんせEF8用のスタビなんて手に入らないからなぁ・・・.

あと,プロにも指摘されていますが,低速域に振り過ぎて,高速域がややナーバスになってきているので,更にリアの安定感を削るのであれば,そろそろ空力も考えないとダメそう.空力を試すなら年一の国際コースチャレンジの前に完成させる必要があるし,それを踏まえると時間はあまり残ってない.

色々と悩みが尽きませんが,次の冬に向けて引続き人もマシンも進化させていきたいと思います.

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「JP4が出来た理由? http://cvw.jp/b/1684331/48636424/
何シテル?   09/04 20:46
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