先日のTC1000で,ひらりん2000GTさんから「ブレーキング時に限界までタイヤを使い切れているのか? もっと縦Gを意識すべきだ」とアドバイスを頂きました.
その際の指標として「
Sタイヤであれば1.5G,ハイグリップラジアルであれば1.2G出せているかどうか?」だと教えて頂きました.私はSタイヤを履いた事がないので実際に1.5G出るのかどうかは分かりませんが,ハイグリップラジアルの方は「1.2Gくらいは出るだろうなぁ~」と感覚的には思いました.
通常Gというと横Gを指している気もしますが,ひらりんさん曰く「縦Gもそれを狙うべき」との事.A052のブレーキングで1.2Gと言われると,さすがにそこまでは毎ラップ出せていない気はしたので,「1.2Gはさすがに出てないと思いますけど,1.0G前後くらいのブレーキングは毎回していると思いますよ」と答えたら,「本当に1.0G出ているのか? 仮にそれが0.6G程度だったら,大きな詰め代じゃないか.確認してみるべきではないか?」とアドバイスを頂きました.
・・・という事で,今回は「TC1000 1ヘアのブレーキングで何G出ているのか?」を確認してみたいと思います.
まず,私の感覚的には,1ヘアのブレーキングで1.0G前後くらいは毎回出せている気がしていて,これを1.2Gまで上げるとフロントタイヤがロックする認識です.よって,手始めにこの日のベストラップと,過去に最も派手にタイヤをロックさせた時(↓),
この両者のロガーデータから比較してみたいと思います(赤:ベストラップ時 青:フルロック時).
1ヘアは緑丸のポイントですが,1.0G前後は出ていそうですね・・・.拡大してみます(↓).
ベストラップ時(赤)は1.03G,フルロック時(青)は0.99Gでした.ベストラップ時(赤)とフルロック時(青)で色々仕様が異なりますが,一番大きな違いはタイヤの銘柄です.サイズは同じ205幅ですが,ベストラップ時(赤)の方はA052,フルロック時(青)の方はRE-71Rを履いています.
巷で言われているように,「縦のBS」と私も認識しているので感触的には縦のグリップはA052よりRE-71Rの方が僅かに上な気がしています.従って,その縦のRE-71Rでフルロックするレベルの減速Gよりも,更に大きな減速GをA052で出したとなると,タイヤの縦グリップの限界はちゃんと引き出せているように思えます.
さて,A052とRE-71Rで縦のグリップはどちらが上か?は主観が混じるので,ここでは一先ず横に置いておくとして,車載映像が示す通り,RE-71Rで1.0Gに達するとフルロックする(タイヤの縦グリップの限界を超える)事は間違いありません.
だとすると,先述の「ハイグリップラジアルの限界は1.2G」という話と辻褄が合わず,本当にRE-71Rの限界は1.0Gなのか? 私のブレーキングスキルが低い(ドライバーの腕が悪い)せいなんじゃないか?と疑問が浮かびました.
そこで,こちらの方(↓)にご登場頂き,
ロガーデータを見てみます.上記の車載はRE-71Rで走って頂いた時のものなのですが,1ヘアのブレーキング時にロック→解除を行い,限界ギリギリのコントロールをしているのが確認出来ます.このプロのコントロール時のデータなら間違いないだろう・・・という事で見てみると(赤:私 青:プロ),
なんと,
1.32G!
さすがはプロですね.1.2Gを軽々と超えてきました.そして,このグラフの赤線は同じ日に走った私の方のデータなのですが,やっぱり1.0G止まりで,私の感覚ではここら辺をタイヤの限界だと判断しているようです.
一体,この0.3Gの違いは何によって生み出されているのか? それを解き明かすために他のデータを見ていると・・・というところで,話が長くなりそうなので一旦ここで切ります(
次回へ続く).
Posted at 2021/09/23 19:36:21 | |
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