
GPSロガーを使って求められる「フリクションサークル(摩擦円)」.
クルマの荷重が前後・左右のどの位置にあるのか?を視覚的に示しているものであり,タイヤの限界を把握するのに使われますが,視覚的であるが故に,今まで「大体そんな感じかぁ~」ぐらいの使い道しかしていませんでした(参考にはするけど,そこから何かを得られる事は少ない感じ).
それもそのはずで,あくまでこれはGPSの位置と時間から割り出した「加速度の推定値」.計測周期も粗いですし,VSA(Vehicle Stability Assist:横滑り防止装置)等で使われている加速度センサーで計測した「加速度の実値」に比べれば,精度が低いのは仕方ありません.このため,参考の域は出ないんだろうなぁ~と特に研究はしていなかったのですが,某SNSで「
フリクションサークルを使ってドライビングの改善点を分析する」という事を試みられている方を見つけ,年末・年始の冬休みの間にその手法を勉強してました.
時を同じくして,
taka@黒インテ(元)さんの日光での驚異のドライビングデータを入手出来た事もあり,未だに日光で41秒を切れない私にとっては最高のお手本になりそうだと思ったので,今回はこれらを組み合わせて自身の日光での課題を洗い出してみたいと思います.
まずは分析素材の準備.私の日光での最新データは残念ながらウェットで使えないので,その1年前のドライのデータを引っ張り出しました(↓).
この日のベストラップから,LAP+で計算させて加減速G・旋回Gのデータを抜き出し,それをグラフにプロットします(LAP+の加減速はDigSpiceのものとは上下逆な点に注意).それが終ったらプロット点の最外部(最大点)を線で結びます.
これ(↑)が私の日光ベストにおけるドライビングの限界値となります.
続けて,同じ事をtakaさんのGK5のデータでも行うと,こんな感じ(↓),
そして,この両者の線を重ねるとこうなります(↓).
黒線が私(EF8),オレンジ線がtakaさん(GK5)です.私(黒)の方が歪な形であるのに対し,takaさん(オレンジ)の方は比較的左右対称な形をしている事が分かります.これでようやく下準備が整ったので,細かく見ていきたいと思います.
まずは,加速領域.
概ね0.05GくらいGK5の方が加速が良い事が分かります(オレンジ線の方が外に来ている).ただ,0.05Gと言われても感覚的に分からないので,これを速度に直してみます.
0.05 [G] = 0.49 [m/s^2]
この加速度が3秒続いたと仮定すると(日光のストレートで,ステアリングを左右どちらにも切っていない区間が大体これくらいの時間),
0.49 [m/s^2] × 3 [sec] = 1.47 [m/s] = 5.29 [km/h]
つまり,3秒全開加速したら最終的に5.2km/hの差がつくという事です.やっぱり
L15Bのトルクは凄いのか!と思いましたが,日にちが違うデータなので,一応それぞれの気圧・気温を確認してみると,
EF8(黒) ・・・ 1001.7hPa / 14.6℃
GK5(オレンジ) ・・・ 1008.0hPa / 0.0℃
共にEF8(黒)の方が条件が悪いので,同じ条件であれば0.05Gも差が出ないかもしれないなぁ~と思いました.
続けて,左旋回で加速している領域.
矢印の出ている右上の部分です.ここは明らかに私(黒)の方が低いですね.では,このポイントはコース上のどこか?と車載で確認してみると,
3コーナーのエイペックス付近でした.ここはドライバー的には踏めるだけ踏んでいる部分なので,この差はタイヤの差(EF8:205幅 GK5:225幅)かなぁ~?と思います.
同様に,右旋回で加速している領域.
ここも同じく車載で確認してみると,
9コーナーの出口でした.ここもアクセルは全開ですのでドライバー的には踏めるだけ踏んでおり,やっぱりタイヤの差かなぁ~?と思います.
・・・という感じで,加速領域の分析が終ったところで,長くなってしまったので今回はここまで.加速領域は,結果的にクルマの性能差にフォーカスする形となりましたが,減速領域では一転してドライバーの腕の差が表れる事になると思われます(
次回へ続く).
Posted at 2022/01/20 02:06:25 | |
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