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2023年11月28日 イイね!

アップデート 2023 その②

アップデート 2023 その②規定のノルマは果たしたので,ようやく自分の反省会.

先日の日光では,かなり小規模ながら,新品タイヤの投入に合わせて2箇所アップデートしたので,その効果確認をしておきます.

 ①リアタイヤサイズの変更       ・・・ 旋回性改善
 ②アッパーアームブッシュのピロ化 ・・・ キャンバー変化抑制


①は,リアタイヤのサイズを195/55R15→195/50R16に戻しました.



アタックシーズンに入るとリアタイヤのウォームアップに苦しまされるので,ここ数年は毎年リアに新品を入れる事にしているのですが,昨年は軽量化を狙って195/50R16→195/55R15へのサイズダウンを図りました.失火のトラブルもあって,結局,軽量化の効果ははっきりしなかったのですが,逆に言うと有意な差は感じられず,むしろデメリットの方が色々ありました.

デメリットの1つ目は,高速コーナーでのタイヤのヨレ.



TC1000の1コーナーが最も顕著なのですが,130km/h台からブレーキングして,右にステアを切って,左側2輪に荷重をかけていった際,55扁平だとタイヤがヨレて,一瞬クルマがフラッとした動きをしてしまいます.「さぁ,ここからアクセルを開けるぞ!」というタイミングで,リアにフラッとした動きをされると「スピンするのか!?」と思ってアクセルを開けるのを躊躇してしまいます.恐らく,これは195/55R15をリム幅:6.5に組んだ事の弊害だと思うので(=引っ張りが足りない),この組合せはダメだなーと思いました.

デメリットの2つ目は,ホイールのINSET.


(FancyCraft:ホイールオフセット計算より)

16インチのホイールはINSETが+48だったのですが,15インチのホイールは+45で,左右合わせて6mmほどトレッドが拡大しています.この両者にはリム幅の差もあるので,上図の通り,外側断面で考えれば影響はないかなぁ~?と思ったのですが,リアのキャンバーを考慮すると内側3mmの影響が大きく,タイトターン(TC1000で言うとインフィールドの立ち上がり)でリアが踏ん張り過ぎて旋回の邪魔をしていました.

これらの結果を踏まて,「195/55R15(というか厳密にはリム幅:6.5インチのホイール)に価値はない」と判断し,今シーズンは元に戻す事にしました.街乗りで乗ってみた印象としては,リアの上下方向の動きが良くなり,トレーリングアームブッシュをピロ化してから気になっていたリアの跳ね(「固ったいなー,乗り心地悪いなー」という感じ)が,気にならなくなりました.INSETの変更でアームへの入力角が変わったせいかもしれませんが,察するに55扁平だと実は上下方向にもタイヤがヨレていて,タイヤのダンピングで跳ねていた動きが50扁平(&バネ下重量の増加?)によって低減されたせいじゃないのかなー?と思っています.


②は,フロントのアッパーアームブッシュをピロ化しました.



プロに乗って頂いた際,「フロントのキャンバーが足りない」と指摘を頂いたのですが,現状でも既に4°ついており,これ以上はブレーキング時のデメリットの方が大きくなるので,躊躇していました.

なので,リア側の変更で何とか対処出来ないか? アレコレ試してみたのですが,結論としては「フロントで対処すべき!(リアの限界をこれ以上下げると余計遅くなる)」となり,困ったなーとショップで色々議論していました.その中で出てきたアイデアの1つがコレで(↓),



メカニズムを説明すると,コーナリング中,タイヤに横方向の力が掛かるとテコの原理でアッパーアームが外側に引っ張られます.つまり,キャンバー角的には起きる方向になるので,相対的にコーナリング中のキャンバー角が減る事になります(赤線の方向).アームにブッシュを使っている以上,力が加わると左右方向に動くのはどうしようもないので,アッパーアームのブッシュをピロ化する事で左右方向の動きを規制し(青線の方向),キャンバー角を維持しようというアイデアです.


という事で前振りが長くなりましたが,テストの結果です.

【前回:41.242】


【今回:41.329】


残念ながら前回(10月)のタイムに0.08秒届きませんでした.セクタータイムで比較するとこんな感じで(↓),

  前回 ・・・ S1:9.613  S2:18.075  S3:13.554
  今回 ・・・ S1:9.623  S2:18.072  S3:13.634

S1・S2は0.01秒未満の差なので誤差のレベル.S3で0.08秒遅れているのが原因のようですね.
S3はバックストレートの影響も受けるのでコンディションも確認してみましょう.

  前回 ・・・ 気圧:100.0kPa  吸気温:28℃
  今回 ・・・ 気圧: 98.2hPa  吸気温:29℃

吸気温は同等で,気圧は今回の方が低く,パワー的には不利だったようです.路面のコンディションとしては,今回の1本目はとにかく酷かったですが,2本目で大分改善し,今回のタイムを出した4本目の時点では前回とほぼ同等だった印象です(前回もドリフト走行後で,決してグリップは高くありませんでした).


では,ロガーデータの比較に入ります(緑:前回 青:今回).



全体的に見ると,先程述べた「今回(青)はパワー面で不利」の結果がそのまま出ていますね.唯一1コーナーの進入だけは互角ですが,これは今回(青)の方が若干2速で引っ張る時間が長かったせいでしょう.S1・S2はいずれも0.01秒しかタイムが違わない割には,ロガーデータで見ると各コーナーで違いが出ているのが面白いです.S3に関しては11コーナーで何か致命的なミスを犯しているような感じですね・・・.


細かく見てきましょう.

1~2コーナー
1コーナーの進入までは笑っちゃうくらい同じですが,1~2コーナー間の動きは大分違うようです(↓).



今回(青)の方が旋回速度が9km/hも高いです.乗っている時は特にこの差を感じなかったので,恐らくこれがリアタイヤ変更の効果ですね.多分,前回(緑)は55扁平でリアタイヤが微妙にヨレていて,そのヨレを「曲がれる手応えがない」と感じ取り,アクセルを開けるのを無意識のうちに遅らせていたのでしょう.今回(青)は50扁平(&0.5インチ引っ張り)によってリアタイヤがヨレないので,「ここで曲がれる!」と感じ取って,早めにアクセルを開ける事が出来たのだと思われます.狙った通りの結果とはいえ,無意識のうちにドライビングに反映されるのが面白いですね.


3~4コーナー
2~3コーナーに掛けて,今回(青)の方のボトムがU字になっているのは(↓),



ブレーキバランサーの効果でしょうね.ただ,3~4コーナーに掛けて今回(青)の方はアンダーステアを出してしまっているようです(↓).



これがまさしく今回苦しんだところで,小舵の時にクルマが曲がらなくなってしまったのですよ・・・.
前回と今回の舵角を比較してみると,その差が良く分かるのですが(↓),



こんだけ舵角が違います.最初は路面コンディションのせいかな?と思っていたのですが,2本目・3本目と明らかに他のコーナーは路面が良くなっていくのに,この2~3コーナーだけは依然として曲がらなかったので,クルマ側の問題だと思われます.

クルマ側の要因の1つとして「リアタイヤが新品である事(=リア喰い過ぎる)」も頭を過ぎったのですが,さすがに3本目辺りまで来れば新品効果も消えているので,他に要因がありそう・・・となると,



ピロ化の弊害なんでしょうねぇ・・・.走行中に何となく起きている現象が想像出来たので,暫定対策として4本目はフロントの減衰を弱めて,ドライビングも変更して帳尻を合わせに行った結果,ご覧の通りS1は前回の0.01秒落ちに抑え込む事が出来ました.ただ,ピロ化の弊害がなければ,もしかしたらリアタイヤの効果で0.1秒速く走れた可能性もありますね・・・.orz


5~7コーナー
2~3コーナーで曲がらないので,当然その結果が響いて4~5コーナーの車速は全体的に落ちます.結果,6コーナーの進入速度も落ちる訳なのですが,その甲斐あって7コーナーでは舵角を減らせています(↓).



これによって7~8コーナー間の車速の伸びは,今回(青)の方が良く(↓),



前回(緑)に比べてパワーが出ないコンディションの割には健闘した結果となっています(8コーナー進入の時点では両者のタイム差はゼロ).


8~9コーナー
ここは低速コーナー対策でフロントの減衰を弱めた弊害が出ていて,進入の舵角自体は同じなのですが(↓),



ロールスピードが早いためタイヤの負荷が大きく,進入で失速しています(↓のように車速が伸びない).



これを補うために,アクセルの戻し量を調整してドライビングで合わせ込みを行った結果,9コーナーの脱出速度は前回(緑)を上回る事が出来たのですが(↓),



所詮は誤魔化しに過ぎず,その先でタイヤのグリップが残っていないので,バックストレートでは車速が全然伸びてないですね.115km/h以上の高回転・高負荷領域となるとパワーダウンの影響も出てしまうんでしょうが,これがS3で遅い理由の1つとなります.


10~11コーナー
1~2コーナーの感触からすると,リアタイヤのおかげで10~11コーナー間の再加速は前回と同等かそれ以上のレベルで出来るはずなのですが,全然フロントが入らないので,5km/h以上車速を落としているにも関わらず,舵角は増えてしまっていました(↓).



おまけに減衰を弱めた弊害はここでも出ていて,11コーナーのエイペックス付近でアクセルを開けようとするとフロントが横に逃げてしまい,急激に失速していました(↓).



この失速が,今回S3で0.08秒遅かった最大の理由と思われます.


ちなみに,11コーナーはもうちょっとドライビングでアジャスト出来なかったのか?と思い,車載を見返していたのですが,どうもここのコントロール精度が低くなってしまった理由の1つとして,走行後に発覚した右フロントのボールジョイントのガタにありそうです(↓).



日光の車載を全て見返してみたのですが,右フロントを激しくぶつけたシーンは全くなく,「もしかしたら走行前に壊れていたのか?」と思い,1本目の車載を再度見直してみたところ,11コーナーのIN側の縁石に右フロントを乗せた瞬間,ガガガ・・・と異音がしているのが確認出来ました.



走行中は路面が大分悪かったので,「路面のせいでLSDが鳴いているんだろう~」と思っていたのですが,右フロントを縁石に乗せなかった周は鳴っていないですし,右フロントに負荷が掛かる左コーナーでも同様に鳴っていませんでした(多分,ガタ分が一気に押しつけられるため).この雰囲気から察するに走行前に壊れていたのは間違いなさそうです・・・.

そういえば,日光に向かう道中でもギャップを越えた時にガチャガチャ音がしていて,「ピロ化すると賑やかだなぁ~」なんて思っていたのですが,よくよく思い返してみると,ガチャガチャ音が鳴っていたのは右フロントだけでした.ピロ化したせいで鳴っているなら左フロントも同様にガチャガチャ音がしないとおかしいのに,これに気づけなかったのは情けないですね・・・.orz


以上,前回「今年唯一と思われる」と言った割には1ヵ月後にアップデートを行った結果でした.

纏めると,リアタイヤの変更は「成功」,アッパーアームブッシュのピロ化は「失敗」という感じでしょうか.フロントが入らなくなったメカニズムは,走行終了後にショップで議論して何となく見えてきたので,起こるべくして起きた結果な気もします(この辺りは別のブログに纏めます).また,ボールジョイントの破損も,ピロ化のせいで起きたとも考えられるので,それも含めて今回の失敗のダメージは大きかったですね・・・.

現状ピロ化のメリットをほとんど感じていないので,ゴムブッシュに戻した方が良い気もしているのですが,ピロ化に合わせたアライメントを出せていない事も事実なので,もう少し探ってみてから結論を出そうと思います.
(ま,その前にボールジョイントを早く修理しないとダメなんですけど.今年中に部品は来るのだろうか・・・?)
Posted at 2023/11/29 17:13:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | アップデート 20XX | 日記

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