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OX3832のブログ一覧

2020年12月20日 イイね!

バンクの使い方

バンクの使い方先日,スプリング交換をしにショップへ行ったら,オレさまFD2に「TC2000の話,ダンロップコーナーだけ分析しても意味ねぇよ.重要なのは1ヘア~2ヘアの区間タイムだろ!」と言われたので・・・,

「ええ,そうですよ」

と答えておきました(笑).アレはタイム云々というより,ドライビングスタイルやタイヤの違いを確認するのに分析してみただけで,実際オレさまも,あの分析結果から「4秒台の姿が見えた」とか言ってるじゃないですか(笑).

真面目な話,1ヘア~2ヘアの区間はプロと同等のタイムが出せている(厳密にはタイヤの分だけ≒ダンロップを頑張った分だけ,私の方が速い)ので,特に困っていなくて,どちらかと言えば,TC2000での問題はバックストレート&ホームストレートが遅い事(ストレートが下手な事)の方なんですよねぇ・・・.ホームストレートは最終コーナーで私がチキンな可能性もあるので,一先ず横に置いておいて,とにかく「バックストレートでのプロとの0.7秒差」を何とかしないとお話になりません.

一応,先日走った時は,ガーニーフラップを外して空気抵抗を減らしてみたり,夏に行われた2ヘアの改修(↓)にも期待してみたりもしたのですが,


(写真は,タイトル画像と合わせて筑波公式からお借りしました)


いずれも劇的な改善効果は得られないだろうと思い,走行前には「何か他に手がないか!?」と藁にもすがる思いで,ヒントを探して色々調べたりもしてました.

そんな中で,この動画(↓)を見つけました.



毎年恒例の「REVSPEED 筑波スーパーバトル」でTM-SQUAREのZC33Sが2秒台のタイムを出した時の車載です.

「ひょえ~,2秒台ですか!」と驚くと共に,「そういえば,1ヵ月前にテストしていた時は4秒台だったような? 何か走らせ方を変えた部分があるのかなぁ~??」と思い,こちら(↓)の動画と見比べていました.




・・・で,ふと気づきました.

「アレッ? 1ヘアの走らせ方が変わってないか??」

画像を横に並べて見比べてみます(左:2秒時 右:4秒時).

【進入】


タイヤ2~3個分くらい,2秒時(左)の方がアウトから進入しています(舵角が少ない).


【中盤】


コーナーの中盤まで来ても,2秒時(左)はステアリングを切り込まず,イン側を空けたまま・・・.


【出口】


そこから2秒時(左)はステアリングを切り込んでいきますが,4秒時(右)に比べると舵角が少ない・・・.なのに,縁石に乗るくらいイン側に切り込めている.


イメージ的には2秒時(左)の方は,「レ点コーナリング」みたいな感じですね.4秒時(右)とクルマの仕様が異なるのかもしれませんし,タイヤのグリップも2秒時(左)の方が高い気もしますが,単純にタイヤのグリップが高いんだったら,それを使って距離を詰めても(手前からインに寄せても)良いような・・・? 「何か意味(狙い)があるに違いない」と思い,繰返し見ているうちに,

「1ヘア・・・外から進入・・・クルマが傾く・・・バンク・・・バンク!?

Σ( ゚д゚)ハッ!
「日光で見たアレか!」


『アレ』というのは,先月日光を走った時に,11コーナーの外から走っているクルマを見ていたら,とあるFD2が10~11コーナーの間をドリフトで繋げる場面に出くわしました.



勿論,FFですので意図的にドリフトさせた訳ではなく,ドライビングミスでたまたまそうなっただけだと思うのですが,その時に「何であんな挙動になるんだろう・・・?」と不思議に思い,10コーナーを覗いてみたら,



あんまり意識した事がなかったのですが,10コーナーのイン側には,軽くバンクがついているんですね・・・.
(厳密にはバンクというより,「イン側が窪んでいる」という表現の方が適切ですが)

ここでの走り方としては,バックストレートを左寄せ(10コーナーに対してOUT側)で走ってきて,10コーナーに向かってブレーキングをしながら右に切り込んでいく形になります.この際,バンクの上→下に落ちるような形になるため,ブレーキングで前傾姿勢になっているのが,バンクによって更に助長されるような形となります.先述のFD2の場合は,この過度な前傾姿勢によって,自身が思っているよりもイン側に切れ込み,リアが浮いてテールスライドした結果,ドリフト状態なってしまったようです.


これって見方を変えると,「コーナーの出口でバンクを下るようなラインを取れば,平面時よりも向きを変えられる」という事を意味しています.イメージとしては,こんな感じでしょうか(↓).

【バンクを使わないセオリー通りのライン】


【バンクを使ったライン】



このラインのポイントは,コーナーの出口でバンクを下るために,コーナー入口~中盤ではバンクの上段を走る事です.一見すると,コーナーの進入でインに付けないのは遠回りしていて遅いように思えるのですが,実は大回りする分,Rが緩いため,「コーナリングスピード(ボトム)を引き上げられる」「進入のブレーキを緩められる」というメリットがあるようです.

そういえば,キツいバンクがついているオーバルコースでタイムアタックするクルマは,1km/hでも車速を伸ばすために,皆,バンクの上段を走っているんですよね・・・(↓).




従って,バンクを上手く使えば,コーナーの入口により高い速度で進入し,中盤では高い速度を維持しつつ,出口ではより向きを変えられる,という魔法のような効果が得られるようです.

「これがプロの秘技か!」

と思い,当日そのラインを2ヘアで試してみました.



結果は,確かにバンクから下る際に向きの変わり方が良くなって,曲げやすくなっている事は感じ取れたのですが,バンクから下りるタイミングが若干早過ぎたのか? コーナーの出口で再びバンクを駆け上がるような角度となってしまい,タイヤが悲鳴を上げてしまいました(向きが変わっているのでアクセルを早く踏めるのだが,抵抗に打ち勝てず,結果的に失速している).更に,この時はタイヤの摩耗状態が気になって,コーナー進入時も思い切った飛び込みが出来ず,バンクの進入~中盤での効果を得られませんでした.ようは,バンクを活かした走りをするには経験不足だったという事ですね・・・.


フラットなTC1000で練習していると,こういったテクニックは身につけられないので,TC2000でも走り込まないとダメか?と思いつつ,一見オーソドックスに見えて,一癖も二癖もあるTC2000はやっぱり苦手だなぁ~と感じる走行でした.
2020年12月19日 イイね!

クルマを前に進める足と腕

クルマを前に進める足と腕ブレーキテストも終わり,「さて,今週末のメンテは・・・」と考えていたら,こもりん.さんから「今週末の六連星に,はやぶさんが来ますよ!」と連絡が来ました.

数年前からNAテンロクのEF8で,驚愕のタイムを出している事で注目していたのですが,遡る事10ヵ月前に,これまた,こもりん.さんの紹介でお会いする事ができ,色々と刺激を受けたのですが,その時はEF8で来られていなかったので,残念ながらその走りまで見る事が出来ませんでした.今シーズンも40秒台を目指す上で,これは1回じっくり見ておくべきだと思い,意を決して2日振り(苦笑)に筑波へ.

TC1000に到着してこもりん.さんに挨拶をすると,本日の目標タイムは「42.8秒」との事.
理由はタイトル画像の通りだそうで(笑),結果はご覧の通り(↓).



お見事でした!


さて,それでは本題.こもりん.さんと一通り会話した後,「はやぶさんはどこだ?」とキョロキョロ探していると,



「いたっ!」

さすが! 一番上のクラスの更に先頭でコースインされるようです.「ヤバイ,これは見損ねる~」と,そこからダッシュで1コーナー先の土手へ.六連星も最初に先導走行があるそうで,おかげで何とか間に合いましたが,コース幅を目一杯に使ってウィービングしながらウォームアップしている,はやぶさんを見て「ああ,やっぱり,ウォームアップの考え方はアレで間違ってなかったんだな・・・」と再確認しました.

そこからアタック開始!かと思いきや,後続のクルマを2~3台抜かせています.「ん? まだタイヤに熱が入ってないのか?」と思って見ていたのですが,後でお聞きしたところ,「どうも路面がホコリっぽかったので,何台か露払いをお願いした」との事.さすがは抜かりがない・・・.


そして,いよいよアタック開始!


(スマホのカメラをズームで撮っているので,手ブレが酷いですがご容赦を・・・)


見てすぐ思ったのが,
「2コーナー出口の向きの変わり方が早い!」

以前ご本人から頂いたデータを分析した際,コーナリング中の旋回速度に大きな違いがなかったのですが,コーナーの出口から次のコーナーのブレーキングまでの区間(コーナーとコーナーの間,所謂ストレートとは言えないストレート)で大きく引き離されていたんですよねぇ.この理由がさっぱり分からず,最初は「ホントにテンロクか?」と疑ったりもしたのですが,今回,自分の目で見て分かりました.クリップから先,最大ロール角になって以降の領域で,クルマをしっかりと前に進めているんですね!

ようは,

「コーナーの出口が速い!」

・・・って事です.本来FFが苦手なはずのこの領域で,これだけクルマを前に進められたら,「そりゃ,各コーナーの進入速度で数km/hの差がつくよなぁ・・・」と,いきなり思い知らされました.


じゃあ,一体どうやってクルマを前に進めているのか? それを解き明かすべく,偵察を続けたのですが,コーナーの進入でテールスライドさせて向きを変えている訳でもなく,姿勢は終始安定していて,ジムカーナ兼用のEF8とは思えない動き.「う~む・・・さっぱり分からん」と困ったので,2本目は場所を変更.


土手から降りて,今度は1コーナー付近の信号機の辺りで進入時のリアの動きを見てみます.



数周見て思ったのが,

「リアの足の動きが素晴らしい!」

EF8くらいの世代だと派手にインリフトするのが当たり前ですが,全くそんな素振りがありません.右リアの接地圧が抜けるか抜けないかギリギリの(最小限の)リフト量で,尚且つ,接地圧を抜いてターンが始まった直後に,スッ・・・と右リアが下りてきて,これまた白煙が出るか出ないかギリギリの速度で優しく接地する.夏頃から色々なクルマを見て頭の中で描いていた理想の姿が,そこに再現されていました.これなら向きがしっかり変わるし,変わった後の姿勢も乱れない訳です.

「クルマの仕上げ方のレベルが違う・・・」

と愕然とさせられました.
(後で聞いたところ,リアの足は,かの有名な店に仕上げてもらったとの事でした)


最後,3本目はピットの上に登って,最終の複合セクションでライン取りをチェック.そんなに特徴的なライン取りはされていないのですが,相変わらずコーナー出口での向きの変わり方・加速態勢へ移る早さが桁違い.「この小回りと加速力はorangeEPさんのEP82を彷彿とさせるものがあるなぁ~」と思いながら,ホームストレートを駆け抜ける姿を見送っていて気づきました.

「あれっ? ホームストレートのライン取りが一人だけ違う?? これは・・・ 」
「アドバイザーが言ってた最短ライン!!」


アドバイザーが言っていたラインというのは,コレ(↓)です.




通常,我々がよく使うラインは,コレ(↓)です.




「コースなりきに(下段のように)走らず,最短距離を(上段のように)走りましょう」というのが,TC1000のサーキットアドバイザーが仰っていたホームストレートのライン取りです.「その際,目標となるのが1コーナー手前の信号機です.最終コーナーを立ち上がったら,これ目がけて真っ直ぐ駆け抜けましょう」と仰っていたのですが,まさしくそのライン取りでした.

TC1000をそんなに走り込んでいる訳でもなく,勿論,サーキットアドバイザーの話なんて知らないはずなのに,自らの力で最適解を導き出しているとは・・・恐るべし.

確かにストレートスピードを1km/hでも伸ばすためには,抵抗を最小限にする必要があり,そのためには可能な限り真っ直ぐクルマを走らせる事が重要なのですが,前述のコーナー出口の加速態勢の話を含めて,はやぶさんはこれを徹頭徹尾やられているという事なんでしょう.やはり,足だけでなく,ドライバーの腕も格の違いをまざまざと見せつけられました・・・.


もうこれだけでお腹一杯なのですが,その後は,ご本人に色々とインタビューさせて頂き,







足回りの話,それと組み合わせるタイヤの話等,実物を見ながら色々説明して頂き,大変勉強になりました.


その後は,家に帰って今日現地で得られた情報を,以前頂いたロガーデータに照らし合わせてチェック.
(赤:はやぶさん 青:私)

【ホームストレートエンド】

(私:青よりも,はやぶさん:赤の方が信号手前ではイン側・・・)


【2コーナー出口】

(コーナー出口でラインがクロスし,はやぶさん:赤の方がイン側に来る・・・)


【1ヘア出口】

(ここでもラインがクロス・・・)


【インフィールド出口】

(ここも,はやぶさん:赤の方がイン側・・・)


【高速左コーナー】

(はやぶさん:赤は,イン側の縁石にしっかりと乗せている・・・)


【洗濯板】

(はやぶさん:赤は,手前の高速左から真っ直ぐ洗濯板へ・・・)


【最終コーナー】

(やっぱり,はやぶさん:赤の方が向きの変わりが早い・・・)


以上,テンロク39秒台の偵察でした.

もう考え直さないといけない事が盛沢山で,「ひぇ~ (TОT)」って感じですが(笑),目指すべき姿をこの目にしっかりと焼き付けられたのは価値がありました.はやぶさん,準備でお忙しい中,色々と相手をして下さって有難う御座いました(トラックリミットの裏話も面白かったです~♪).ここから先の1秒をどうやって詰めていくか,色々考えてチャレンジしていきます!

また,こもりん.さんも声を掛けて頂いて有難う御座いました.正直これだけ色々情報が得られるとは思ってもいなかったのですが,遠征費用は十分回収出来ました(笑).今後とも色々宜しくお願いします!
2020年12月18日 イイね!

ブレーキバランスの調整

ブレーキバランスの調整それでは本題.

「フロントのブレーキ負担が大き過ぎそうなので,バランスをリア側に寄せてみましょう」というのが前回のお話

ところで,ブレーキバランスをリア寄りに持って行くと,アンダーになると思います? オーバーになると思います? ショップでパッドの交換をした時,「多分,アンダーで苦しむと思うよ」と言われたのですが,私は逆で「オーバーで苦しむ」と思ってました.


かくして,結果はこう(↓)なりました.



はい.オーバーで御座います・・・.

フルブレーキングする1ヘアで回るかなぁ~?と思っていたのですが,そこに辿り着く前,1コーナーで回っちゃいました.ただ,この時は「まだリアタイヤが完全に温まっていないのかも・・・」と思ったので,変な先入観が頭にこびり付かないように,立て直して即座にアタックし直しましたが,1ヘア・インフィールド共に若干リアのスタビリティが失われているのが感じ取れました.コントロール出来る範囲なので大きな問題はなく,むしろ,こっちの方がクルマの向きを変え易くて好みでした.

ただ,相変わらず1コーナーはクリップ付近でリアが流れるので,ちょっと加減して踏まないとダメな感じ.「タイヤのせいじゃない気がするなぁ~」と思って1周を纏めにいくと,



41.414 をマークする事が出来ました.気温を考慮するとちょっと物足りない気がするタイムですが,タイヤが終わりかけなので,「まぁ,こんなモンかな?」という感じです.


その後,限界を探るために,再アタックを掛けてみると,



20周目でこんな状態だったので,これはタイヤではなく,ブレーキでしょうね.また,1ヘアやインフィールドではなく,1コーナーで姿勢が乱れるのは進入速度の絶対値の差だと思われます.110km/h台のブレーキングより,130km/h台のブレーキングの方が前傾姿勢が強くなるので,この速度域だとリアが浮いて若干ロックしちゃっているのでしょう.


ブレーキ変更前と比較してみます.上段が車速,下段がタイム差です(緑:前回 青:今回).



リアが不安定になるのを警戒してか,今回(青)の方が進入(凸の部分)で若干抑え気味ですね.これは慣れればもう少し突っ込めるようになるかなぁ~? 一方,立ち上がり(凹の部分)は,各コーナーとも今回(青)の方が鋭角になっています.こらは向きの変わりが良いので,ブレーキ→アクセルへ躊躇なく踏めているという事なのでしょう.


ちなみに,右下の大きな赤丸は「ここでロスしているよ!」という意味で,最終の複合だけで0.2秒ロスしていますね・・・.この原因は路面と思われ,前日の午後枠がドリフト走行だったためと思われます.TC1000のドリフトは逆走なので,ホームストレートから最終コーナーに向かって滑らせていくんですよね(こんな感じ↓).



先日,ドリフト走行後+ウェットのコンディションで,あの名手こもりん.さんが最終コーナーで何度もクルクル回って不思議だったのですが,走ってみてよく分かりました.こりゃ確かに食わないですね・・・.

試しに,路面温度が上がったG枠(11:00~)も走ってみたのですが,最終の複合でアクセルもブレーキも踏まず,定常円旋回を試みてもズルズルと外側に流れてしまい,最終コーナーの縁石を狙って切り込んでも,そこに乗れないレベルで曲がらなかったので,「やっぱりドリフト走行の翌日はダメだな・・・」と思いました.


まぁ,こうなるだろうと思い,今回ニュータイヤの投入を見送った訳なのですが,そういう意味では正解だったかな?と思いました.


(ギリギリまで粘ったタイヤも,今回で終了↑)


以上,テスト結果でした.

リアのブレーキパッドの変更は,フロント2輪ではなく,4輪で止まっているフィーリングになりましたし,向きも変え易くなったので成功!・・・と言いたいところですが,1コーナーの挙動を踏まえると,ちょっと効き過ぎかなぁ~.今回は手持ちに効きが強めのパッドにしかなかったので,これで試しましたが,もうちょっとだけバランスをフロント寄りに戻したいところですね.パッドでの調整になるので,最適解を見つけるのはなかなか大変な作業になりますが,少なくとも「FF専用のブレーキパッドは,この足回りなら不要だな」と思いました.

当日お会いした,あおたまさん,005@高の団さんとそのご友人,メカニックのTさん・Kさん,皆様お疲れ様でした!
2020年12月17日 イイね!

氷点下でのタイヤウォームアップ

氷点下でのタイヤウォームアップ夏にフェード対策でローター径を上げてから色々四苦八苦している訳なのですが,11月の日光の10コーナー,12月のTC2000と走って,「やっぱりこのブレーキバランスだと辛いなぁ~」と感じました.

イメージ的にはフロント2輪だけで止めているような感じで,フルブレーキング時に姿勢が安定している(リアが暴れない)のは良いのですが,踏力を上げ過ぎると即フロントがロックするので,ドアンダー→ステアリングが効かない→オーバーシュートとなるため,結構,踏力コントロールには気を遣います.

TC1000であればオーバーシュートしても被害はないので,遠慮なくドカッ!と踏んだりも出来ますが,さすがに日光やTC2000でそれをやると危険がアブないので(笑),進入のブレーキングは少し加減しないとダメでした.

TC2000の車載を見返してみて,自分でも「ヌルいブレーキングだなぁ~」と感じたので,さすがに対策が必要かと思い,リアのブレーキパッドを変更してみる事にしました.



フロントのパッドは,現在使っているProjectμの「RACING-N1」よりも低い摩擦係数のものがそんなにないので,現状を維持し,リアの制動力を上げる事で前後のブレーキバランスを改善しようという試みです.

元々リアは,プロに「リアのブレーキロックが酷い」と指摘されたので,その対策に「FF専用ブレーキパッド」を投入したのですが,1年間色々テストして振返ってみた結果,「ロックの原因はパッドではなく,足回りのセットのせいだったのではないか?」と思い始め,「今のセットならスタンダードなパッドでも大丈夫かも?」と思い,今回テストしてみる事にしました.


前置きが大分長くなってしまいましたが(苦笑),さて,当日.

この日は寒波の影響で全国的に雪模様.筑波も氷点下の予報で「路面が凍結していたらどうしよう・・・」と心配だったのですが,道中は意外と何の問題もなくb無事到着.門前GPは8位前後で「こりゃ,ピットはヤバいかなぁ~?」と思ったのですが,フォーミュラが2個取る前にギリギリ鼻先を突っ込んで確保出来ました.

私の後ろには,あおたまさんが居たので手招きしてピットをシェアし,「EFって集中ドアロックないんですね」→「ええ,ありません!(笑)」みたいな会話をしていると,おや,珍しい.こちらの方(↓)がご到着.



「SUGOの耐久,総合優勝おめでとうございます!」→「ファイナルラップで逆転したんだよー!」なんてやりとりをしたついでに,「(高の団の)団長,元気なんですか?」と聞いてみたら,「元気は元気.今も時々やりとりしてるよ.走る気は失せちゃったみたいだけど」との事.「なんか,皆から聞かれるんだよねぇ~」と仰っていたので,「皆,心配してるんですよ」と伝えておきました.


その後,パドックにはそこそこの台数が居たのですが,どうも午後の枠貸しのレッスンに参加する人達みたいなので(レッスンの主催者の中に元ショップメカのTさんがいて挨拶されました),ファミ走で走る人は少なそうだとA枠でエントリー.

ところが,さすがは氷点下の路面温度,全くタイヤが温まらない・・・.フロントはともかく,リアがツルツル滑って,こんなに低速なのに(↓)スピンしそう.


(2コーナーもソーイングしているんじゃなくて,リアが流れているんですよ・・・)


同じFF勢のシビックもスピンしまくっている様子をみて,やっぱりリアが全然温まらないんだなぁ~と思いつつ,


(コチラ↑の方の場合は,路面温度より前後のタイヤに問題がありそうでしたが・・・)


一方のFR勢は,早々にアタックモードに入れるようで,実に羨ましい.


(あおたまさん,イーグルでの41秒台おめでとうございます!)


結局8周くらい,タイヤのウォームアップに時間を取られてしまいました・・・.

あ,ちなみにタイヤのウォームアップのさせ方ですが,私の場合はタイヤを横に使って温めてます.よく「タイヤは前後に潰して温めるんだ」という人もいますが,この動画(↓)を見てから,私はその考え方は止めました.




上の動画は,F1のフォーメーションラップからスタートまでのタイヤの温度変化の推移を示しています.フォーメーションラップに入る前,タイヤウォーマーにくるまれた直後の温度が80℃です(灼熱の明るい色の時).




そこからどんどん温度が下がって路面温度くらい(この時は35℃)になっている時は真っ黒です.フォーミュラでタイヤが剥き出しのせいもありますが,走行風でみるみる温度が下がっていくのが分かると思います.そして,この動画で興味深いのは,1コーナー(シケイン)でブレーキングしてもタイヤの温度が全く上がっていない点です.右フロントは一瞬真っ赤になっていますが,これはタイヤがロックしたせい(軽いフラットスポットが見えます).その後のコーナーでもブレーキングで温度が上がっていない事が確認出来ます.




では,どこで温度が上がるのか?というと,ステアリングを切っている時(=タイヤを横に使っている時)ですね.




あと,ストレートであってもタイヤのINサイド側が若干色が付いているのが分かると思いますが,これはキャンバーが付いて,内側が擦れているせいでしょう(DAS:Duel-Axis Steeringの効果がコレですね).




「これくらい非駆動輪って温まらないんだ・・・」という事がよく分かる動画だと思います.興味がある人は是非とも前述の動画を全編見てみて下さい.「ウィービング(×ウェービング)の時にどんな温度の上がり方をするか?」とか,「駆動輪って温度が下がらない」とか,「ブレーキの発熱を使ってタイヤを温めるって,こういう事か」とか,色々分かると思います(勿論,F1のタイヤと我々が履いているハイグリップラジアルは全くの別物なので,その点を頭に入れて見ないとダメですけど).

ちなみに,タイヤを横に使うと温まるからと言って,私はコース上でウィービングしたりはしません.上の動画で分かる通り,タイヤに熱を入れるには相当舵角を入れないとダメなので,ウィービングで温めようと思ったら,コース幅いっぱいに,完全に塞ぐかのようにやらないとダメだからです.さすがにフリー走行でそれをやると黒旗振られるので,コーナリング中に通常よりも更に舵角を増やすやり方をしています.


さて,それでは本題のブレーキの話を・・・って,ウォームアップの話をしていたら長くなってしまったので,その話は次回!(苦笑)
2020年12月15日 イイね!

ダンロップコーナーの通過速度

ダンロップコーナーの通過速度先日,TC2000のダンロップコーナーの話をしたのですが,皆さんの関心が高いようなので,折角ですので前に日光の高速コーナーでやった比較を,このダンロップコーナーでもやってみる事にします.

ちなみに,ダンロップがどんなコーナーか分からない方は,タイトル画像にある通り,カルガモが渡る事で有名なコーナーだとでも思って下さい(笑).真面目な話,TC2000でタイムを出す上では重要なコーナーではあるのですが.

さて,今回の計測区間は,この画像のラインの辺り(↓)から,



このくらいの位置(↓)までにします.




コース図的に言うと,この黄色いセクション(↓).



分かる人には分かる言い方をするなら,ダンロップ進入時の目印にするコレ(↓)から,ダンロップ外側の縁石終わりまでです.




まず,基準として,私のEF8にプロが乗った時の結果を示します(↓).

 最高速 ・・・ 123.1km/h
 最低速 ・・・ 103.3km/h
 距離   ・・・ 203.6m
 タイム  ・・・ 6.613sec

この時のタイヤはRE-71Rでしたので,私がRE-71Rで走った時(1'08.783)の結果がコレです(↓).

 最高速 ・・・ 123.3km/h
 最低速 ・・・ 102.4km/h
 距離   ・・・ 203.2m
 タイム  ・・・ 6.589sec

最高速はほぼ同等,ボトムは0.9km/h低いものの,この区間だけに限ればタイムはプロとほぼ同じですね.


次いで,オレさまFD2(RE-71R装着時:1'05.960 ※ロガー計測値).

 最高速 ・・・ 127.4km/h
 最低速 ・・・ 100.8km/h
 距離   ・・・ 206.7m
 タイム  ・・・ 6.599sec

最高速はさすがパワーがある分,EF8よりも高いですね.一方でボトムが100km/h台まで落ちるのは車重が影響しているのでしょうか? タイムは私と同じですが,ポイントは距離.私よりも3.5m長く走っています.パワーがあってスピードも伸びているのに,私と同じタイムなんですから,やはり,テールスライドで向きを作ろうとすると,距離が長くなって遅いんじゃないかなぁ~??


FD2の車重の影響が気になったので,ボンバーFD2も見てみましょう(A052装着:1'04.299 ※ロガー計測値)

 最高速 ・・・ 126.1km/h
 最低速 ・・・ 105.2km/h
 距離   ・・・ 200.2m
 タイム  ・・・ 6.204sec

さすが,4秒台のクルマは速い! 最高速は1.3km/h,オレさまFD2より低いですが,ボトムの方は4.4km/hも高いです.距離も200mフラットと短く,この僅かな区間だけで0.4秒も稼いでいます.車重の差はタイヤにグリップがあれば補えるって事ですかね?(当たり前の話ですが)


では,EF8でA052を履くどうなるか? 自己ベスト時の結果(1'07.713)を見てみましょう.

 最高速 ・・・ 118.7km/h
 最低速 ・・・ 109.0km/h
 距離   ・・・ 199.2m
 タイム  ・・・ 6.447sec

最高速は今回の中で一番低いですが,反対にボトムは一番高いですね.4秒台のFD2より3.8km/hも上なのは嬉しいですが,これはさすがに高過ぎですね(苦笑).距離もボンバーFD2より1m短いのは良いとして,タイムが0.24秒遅いのは,ボトムを上げるのに頑張り過ぎちゃって,コーナー出口が苦しくなっちゃったパターンですかね・・・?


確認のために,RE-71Rのプロ(赤)とA052の私(青)のライン取りを比較してみます.



ダンロップへの進入は,私(青)の方が早めに切り込んでいますね.これだとやっぱり出口が苦しいのかなぁ~?と思いましたが・・・,



アレッ? 出口でいる位置は一緒だ.ただ,続く80Rへ切り込むタイミングが,プロ(赤)の方が早く,私(青)の方が遅いですね.

私がプロと同じタイミングで切り込めないのは,クルマの姿勢のせいでしょう.ダンロップに進入する際,手前から徐々に切り込んで,ロールスピードを抑えながら(タイヤにじわじわ負荷を加えながら)曲げるのは良いと思うのですが,ロールを抑え過ぎて,ロールが終了するポイントがクリップを過ぎてしまっているのでしょうね.コーナー出口でロールがおさまっていないから,ステアリングを右→左とすぐに切替せないのだと思います.

ようは,「先(80R)の事を考えず,ひたすらダンロップだけ頑張っている下手くそ」って事なんですが(苦笑),こういったブレーキを使わないコーナーは,ボトムを上げれば上げるほど簡単にタイムを削り取れちゃうので,狙いに行っている時は,ついついこういうドライビングになっちゃうんですよねぇ~.「フラットカー」を意識して,姿勢重視で走らせた今回は見事に撃沈しましたし,この辺りのバランスの見極めがホント難しい.


・・・という感じで,私から見て,同じクルマ(セットアップ)のままでもドライバーが修正すればタイムを削り取れる代が残っているように見える場合は,『ドライバーを直せ!』と判断します.そのセットアップの限界点をちゃんと見極めてから変更した方が,更に良いセットアップが見つかると思っているので.



例えば,上記のA052を履いた時の私なんて,走ってる時は「ダンロップがアンダーだ~」と思ってますよ.でも,上記で説明した通り,アンダーなのは,進入で早くインに寄り過ぎ,出口で早く姿勢をフラットに戻していないからですよね(=ドライバーの操作の問題).仮にこれをセットアップでオーバー寄りに修正しちゃったら,進入は良くても,コーナーの中盤で姿勢崩れてトラクション不足に陥り,ボトムが大幅に下がったりすると思うのですよ.それはクルマのレベルを下げる事になりかねないですし,セットアップの変更がドンピシャでハマれば良いですが,ハマらなかったら迷路に迷い込む可能性が高いと思ってます.
(まぁ,世の中には,このセット変更を1発で合わせ込む『スペシャルな人』もいるんですけど)


セットアップで一番重要なのは,「ここまではドライバーで対処する,ここから先はクルマで対処する」という線引きをちゃんとする事だと思っています.ですが,この線引きって本当に難しいんですよね.知識も経験も圧倒的に足りない素人がやるのはホント容易ではないです.だから,私はGPSロガーや車載映像に頼って行っているんですよ.

『クルマを直す』『ドライバーを直す』は単純な二元論ではないので,どっちか一方だけやればいいなんて思っていません.でも,どちらを先にやるか?といった優先順位は必ず必要だと思っています.そして,私の場合,その優先順位が『ドライバーが先』なだけです.

「セットの合ってないクルマでドライバーが試行錯誤するのは時間の無駄だ」と仰る人もいると思いますが,それはゴールをどこに置いてトライ&エラーをしているか?次第ではないかと.「無駄だ」と思って見ていれば,何でも無駄に見えると思いますし,反対に「何かヒントがあるかも」と思って見ていれば,ヒントは得られるものだと私は思っています.故に,自分よりタイムが遅かろうが速かろうが,ATだろうがCVTだろうが,MRだろうがRRだろうが,フォーミュラだろうがラリーだろうが,プロだろうがアマチュアだろうが,首を突っ込んで勉強させてもらってます(笑).

プロフィール

「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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アンドロストロフィーのティグラの活躍に一目惚れし,母が乗り換えを検討した際に猛プッシュし ...

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