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2021年09月17日 イイね!

アップデート 2021 その③

アップデート 2021 その③先日のTC1000で足回りの仕様変更後のベストタイムも出たので,セットアップもそろそろ詰め切ったと見なして,ここらで仕様変更前との比較をしておきたいと思います.

比較対象は6月のTC1000(走行会)時のデータ.こちらも足回りの仕様を変えた直後で,時間帯も同じ.気象条件は今回の方が良いですが,タイヤの状態は前回の方が良いです(前回は新品投入).


まずはモノの変更部分.色々変わってます.

 ①ダンパー仕様変更    ・・・ 車高調整幅の拡大,減衰調整幅の拡大(12段→20段)
 ②フロントレート変更    ・・・ 11.6キロ(HYPERCO)→14.3キロ(HYPERCO)へアップ
 ③フロントストローク変更 ・・・ スプリング長を6インチ(152.4mm)→7インチ(177.8mm)へ拡大
 ④リアレート変更      ・・・ 8.0キロ(Swift)→9.8キロ(HYPERCO)へアップ
 ⑤リアスプリング長変更  ・・・ 7インチ(178.0mm)→6インチ(152.4mm)へ縮小
 ⑥リアヘルパー追加    ・・・ ストローク長維持(レート:0.21~0.26キロ)

アライメントの変更は以下の通り.

 ⑦リア車高5mmダウン
  右フロント ・・・ 125mm → 125mm
  左フロント ・・・ 130mm → 128mm
  右リア    ・・・ 140mm → 132mm
  左リア    ・・・ 137mm → 133mm

 ⑧フロントトーゼロ化
  フロント   ・・・ OUT 10' → OUT 00'
  リア     ・・・ OUT 00' → OUT 00'

ちなみにキャンバーは不変です(フロント:4°30' リア:2°30').


当日の気象条件は以下の通り.若干,今回の方が条件が良かったようです.

 前回 ・・・ 気圧:100.7kPa  気温:22.9℃  風速:2.4m/s(東南東)  日照時間:4分
 今回 ・・・ 気圧:101.3kPa  気温:22.2℃  風速:1.9m/s(北)     日照時間:5分




そして,比較するラップはこちら(↓).

【前回:41.719】


【今回:41.599】



では,いつものLAP+による比較です(青:前回 緑:今回).



総じて見ると,今回(緑)は1コーナー・1ヘアでタイムを稼いだようですね.ただ,折角稼いだタイムをインフィールドで全て吐き出してしまっているので(実際ブレーキングミスってますし・・・),この点は残念です.なお,最終複合でのシフトミス(2速に入れられず)は見た目上,そんなに大きな被害にはなっていないようです.


では,細かく見ていきましょう.

ホームストレートエンド



今回(緑)の方の車速が3km/h伸びており,これによって0.1秒稼いでいます.この130.3km/hは当日1日を通しての最高速なので,気圧の影響が大きかったのかもしれません.

車載の方を見ると,アタックラインの加速タイミングをミスっているので(後ろのクルマが気になって早めに加速してしまい,最終コーナーでタイヤをコジって失速している),実際はもうちょっと伸ばせた可能性があります.レートアップの影響か,アタックラインで左リアタイヤを白線の外に落とすと,姿勢変化が大きくなり,右フロントのトラクションを少し失っている感があるので,どこから踏み始めるのがベストなのか? もうちょっと探る必要がありますね.ただ,レートアップの効果はこのアタックラインからの加速でも感じ取れ,立ち上がりでは以前よりも外側に流れにくくなっているので,クルマがしっかりと前に進んでいる感があります.


1~2コーナー



数値上は今回(緑)の方がボトムが2.8km/h高いですが,波形を見る限り,ほぼ同等ですね.車載を見ると,1コーナー進入時のブレーキングでリアが流れた際のコントロールは今回(緑)の方がロスが少なかったようにも見えます.これは減衰が復活してコントロール性が上がった効果だと思われます.

ただ,ライン取りを見てみると(前回:青 今回:赤),



今回(赤)の方が減速時間が長いにも関わらず,外側に膨らんでしまっているので,前後2キロレートアップして踏ん張りが効くようになったとしても,新品タイヤのグリップには敵わない,という事が読み取れます.


1ヘア



進入速度はほぼ一緒(上段の赤丸),ブレーキングの開始タイミングも一緒ですが,ブレーキの抜き方は異なりますね(下段の赤丸).ライン取りの方を見ると理由は一目瞭然なのですが,



今回(赤)の方が小回り出来ています.前回(青)よりもブレーキを緩めているのに小回りが出来ているという事は,今回(赤)の方がブレーキがよく効いているという事です.確かにフロントのレートが上がり,減衰も強くなっているので,全体的にダイブしにくくなってブレーキング時の姿勢も良くなっている(=リアのブレーキがちゃんと効くようになった)ためと思います.実際,乗ってると顕著に差が分かりますし,この効きの良さのおかげで苦戦していた1ヘアのミドルエリアも誤魔化せるようにもなってきました.そういう意味でも恩恵はかなり大きいです(瞬間最大0.3秒まで差を広げられているのがその証拠).

また,小回りして,ブレーキも奥まで残っているのに,立ち上がりの加速が前回(青)と互角という点も素晴らしいですね.デメリットが全くない事になります.見方を変えれば,如何に今までフロントタイヤに荷重をのっけ過ぎていたか?という事にもなるので,そういう意味では更にフロントのレートを上げるのも手かもしれません.


インフィールド



ここまでで今回(緑)の方が0.25秒速いのですが,波形を見ても明らかな通り,インフィールド進入のブレーキングでミスってます(上段の赤丸).右フロントのサスペンションを縮める前に強めのブレーキングをして,姿勢を作る前に,一気にタイヤに荷重が乗っかってしまい,タイヤが音を上げてしまいました.



この結果,クルマは曲がらず,今回(赤)の方がオーバーシュートしているのがライン取りにもはっきりと表れています.幸いにして,色々練習したおかげで立ち上がりの帳尻合わせは上手くなっていますが,ボトムが4.6km/h低いですし,これは完全なドライビングミスですね.このミスがなければ,新品タイヤ相手に0.2秒はリードを保てたはずなので,このミスは少々悔やまれます・・・.


バックストレッチ~高速左コーナー



インフィールド進入で失敗したにも関わらず,その後の加速は今回(緑)の方が上回っているのが分かります.これも気圧の影響かもしれませんが,コーナリング中でも車速が伸び続けている点からすると,レートアップによるトラクション向上が表れているんじゃないかと思います.


最終複合



前述の通り,洗濯板通過後にシフトミスしてしまっているので,最終コーナーで今回(緑)の方に車速の停滞が見られます.しかし,それでもなお,最終的に今回(緑)の方が車速が伸びており,やはり全体的にトラクションが良くなっているのだと思われます.この車速の伸びの差が最終的な0.1秒差に繋がっているので,やはりレートアップの効果は大きいようですね.


以上,アップデートの比較結果でした.

結論として,今回のアップデートは成功と言えると思います.レートアップの効果なのか,フロントのストローク量アップの効果なのか,減衰力復活の効果なのか,切り分けは難しいですが,どのコーナーで見ても立ち上がりの車速の伸びが良くなっているので恩恵は大きいです.

また,姿勢変化量が相対的に小さくなった事により,コントロールの幅が広がり,特に強めのブレーキング時における限界域付近での微細なコントロールもクルマが受けつけるようになりました.その分,ドライバー操作の成功/失敗がはっきりと挙動に表れるようにもなったので,フロントタイヤに荷重を掛け過ぎないよう,より一層神経を使わないとダメですね.カメラが変わったせいか,車載を見返していると「全体的に操作が雑だなぁ~」と感じるようにもなりましたし,細かな部分でより一層,丁寧かつ正確な操作を出来るようにならないとマズイな・・・と思うようにもなりました.

今回の比較結果から,まだまだ詰め代が残っている事が分かりましたし,EF8のポテンシャルを100%引き出せるよう,今後も鍛錬に励みたいと思います.
Posted at 2021/09/18 02:10:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | アップデート 20XX | 日記
2021年09月16日 イイね!

隙間時間に色々見学

隙間時間に色々見学先日のTC1000,EF8の先輩が見事40秒台入りした後,私の方はアチコチ回って色々見学してました.

205→215に戻したタイトル画像のBB6は,無事43秒台へ復帰.「やっぱり215だったでしょー」と話をしました.ただ,タイムこそ出たものの,A052のフィーリングはお気に召さないようで,RE-71RSに戻るかどうか悩んでいるようでした.

それにしても,BB6ってフロントストロークがとんでもなくあるんですね・・・.



これだけストロークがあるなら,色々な走らせ方が出来そうだなぁ~と思いました.


ストロークと言えば・・・という事で,いつもの場所で定点観測.







「EK9は完全にリアが浮いているので,向きの変わり方が違うなぁ~」と思いながら見てました(この後,カウンター当ててるので,向きが変わればいいってもんじゃないのが難しいところですが).


その後,サロンでお昼ご飯を食べてたら,taka@黒インテ(元)さんが走っているのが見えたので,Bパドックへ.


(一人でTC3000をやってたkiyoseさんのタイヤ,左フロントがビリビリになってました)


当然のように,こもりん.さんが居たので,例のブツを見せてもらい,現物チェック.



やはり,かなり固いのでボディ側の塗装を傷めない工夫が必要だな・・・と思いました.


そうこうしているうちに,Y2の時間になったので,ダンロップのスタンドで観戦.



TRUSTがGR86と新型BRZのテストをしていましたが,他のクルマに比べて,見てて分かるくらい動きが違いました(相当なドライバーが走らせていたんでしょうね).1ヘアを立ち上がって,ダンロップに進入する際のクルマの姿勢の作り方が勉強になりました.

そして,勉強になったのは,こちらのお二方も.



先述のTRUSTのように,やはり後輪駆動車の方が良い姿勢が作れているのですが,このお二方はFFでそれに近い姿勢を作ってますね.さすがこの時期に7秒台入れるGK5は違うなぁ~と思ってみてました.
2021年09月15日 イイね!

EF8 vs EF8 2021 第1戦 筑波

EF8 vs EF8 2021 第1戦 筑波クルマの準備を整え,新しい技も身につけ,現状やれる事をやり切ったので,再びEF8の先輩の胸を借りにTC1000に行って来ました.

今年はなかなかタイミングが合わず,3月4月は私の方がミッションブローして走れず,私の方が直ったと思ったら5月6月は先輩の方がエンジンブローで走れず・・・とすれ違い状態でした.先輩のエンジンも直ったのは8月の中盤で,9月の走行会には間に合わないかなぁ~?と思ったら,なんと3週間で慣らしを終わらせて間に合わせてきました.

「最初2週間で終わらせるつもりだったのに,少しサボっちゃったよ」と笑顔で語り,相変わらずの先輩ですが,いずれにせよ,無事直って良かったです!


さて,その先輩のニューエンジンですが,結局B18Cのままとなりました.



但し,ノーマルのB18Cではなく,戸田のピストンで組み直したハイコンプ仕様.ECUもリセッティングされ,パワーも上がっているようです.

そして,これに・・・,



RE-71RSの225/45R16まで装着し,準備万端のようです.


パワーが上がり,タイヤも変更となると,今回のハンデが決められないので先輩と値をいくつにするか?で協議.「タイヤ差がなくなったのだから,元の0.7秒だな」「いやいや,エンジンがリフレッシュしたんだから,もっとでしょ」「いや,この仕様で走るのは今日が初だからな~」と喧々諤々と議論した結果・・・,

「今回は 先輩が41秒切ったら先輩の勝ち にしましょう」と提案.

先輩はTC1000を春~夏にしか走らないので,まだ一度も40秒台に入れた事がないですし,RE-71RSは癖のあるタイヤなので慣れるのに時間が掛かるだろうし,私が先週走って41.6秒なら40.9秒辺りがギリだろうし・・・と色々策略をめぐらせて提案したのですが,これを聞いた先輩は,

( ̄ー ̄)ニヤリ

と少しほくそ笑みながら無言で立ち去って行きました.その反応に一抹の不安を感じつつ,走行開始の時間に.


この日は前日の雨もあって路面温度が低く,当日の朝も曇り空でコンディションとしてはなかなかの状態.私の側にターゲットタイムはないとはいえ,今後のハンデ戦に備えて,きっちり力は出し切りたい!・・・という事で,いつもの通り計測1周目勝負!



結果は 41.599.色々とミスをしているので満足感のあるラップではありませんでしたが,先週のタイムから0.06秒削り取り,今夏のベストタイムをマークする事が出来ました.ただ,特に洗濯板のところで盛大にシフトミスしており,「こんなシフトミスのタイムをベストにするのは恥ずかしい・・・」と1/1000秒でもいいから上回れないかアタックを続けてみたものの,41.648・・・41.615・・・41.630と完全に頭打ち.ダンパー変更後,タイヤのタレが抑えられたようで周回を重ねてもタイムの落ち幅が少ないのは有難いのですが,それでもやっぱり計測1周目のタイムを超えるのは難しいようでした.

一方の先輩は~?とタイムボードを見ると,上位陣には含まれていなかったので,予想通り苦戦している様子.

Ψ(`∇´)Ψ クックックッ…

策略が上手くハマったと余裕でパドックに戻り,先輩のリザルトを見せてもらうと,



( ゚д゚)・:∴ゴフッ!!

とにかく41秒切っとけばいいんだろ?と言わんばかりに,きっちり1/1000秒刻んできました.
その時の車載がコチラ(↓).



勝ちは勝ちだと言わんばかりにスタスタと去られ,今回は1本目にして早々に決着がついてしまいました・・・.

_l ̄l○lll ガクッ


その後,先輩は新しい仕様を詰めるために,プロに走らせ方を相談.



身振り・手振りを交えつつ,プロも熱心に指導しているようでした.


一方の私は,少しでも先輩との差を縮めるべく,タイヤの内圧を微調整して再トライするも 41.629 しか出ず,やはりここら辺が限界のようでした・・・.その後もドライビングで何とかならないか,アレコレ試してみましたが,



こういった(↑)姿勢作りが上手くいったケースもあったものの,路面温度がジリジリと上がり,タイムには繋がりませんでした.


すっかり打ちひしがれてパドックを歩いていると,



いつの間にか,こもりん.さんが来場.

日射しが強くなって,もはやこれ以上のタイムは望めない事から3本目は姿勢作りの練習をしようと思っていたのに,このままでは手の内がバレてしまう・・・と思い,ピットから見えづらい1ヘア・インフィールドだけ真面目に走り,他はスローダウン.これでこもりん.さんが見るのを諦めたのを確認すると,そこから本気走り.

EF8の先輩に後方からの映像を撮ってもらいつつ,



前後を入替えて,先輩との差がどこで広がるかをチェック.



思っていたほど,コーナーで差が詰められていない事がよく分かりました.
(バックストレッチの先輩の加速もエグいなぁ・・・)


そんな感じで走行会は終了.後片付けをしながら,今回初めてお会いしたZakiさんのEF8を含めてCR-Xがパドックで3台並んでいる姿を見ると,「ここはどこのジムカーナ会場だ?」とか思ったりもしました(笑).



ZakiさんのEF8は,SS Worksのボンネットを始め,リップ,ホイール等を含めてクルマ全体からやる気満々なオーラが出ていて,佇まいが凄く格好良かったです.



また,サーキットでお会いした際は宜しくお願いします!


その後は,ドライバーズサロンでもつ定.



EF8の先輩から色々話を聞いていると,実は1本目は右手用のグローブを2個付けて走ってたとか(↓),



昨日COVID-19のワクチンを打ったので,実は腕が痛くて上がらないとか,目に見えないところで更にハンデ付けて走っていたようです.

( -”-)グヌヌ…

今回は結局0.6秒差だった訳なのですが,この様子だと実力差はもっとありそうですね・・・.第2戦に向けて,こちらも対策を進めねば.


以上,第1戦の結果でした.

今回は先輩のEF8のシェイクダウンという事で,かなり手の内を隠された感がありますが,勝手にロガー乗っけてデータも取りましたし,後でじっくりと分析して真の実力を解き明かそうと思います.

EF8の先輩,当日お会いした皆さん,お疲れ様でした!
Posted at 2021/09/16 11:57:22 | コメント(2) | トラックバック(0) | EF8 vs EF8 | 日記
2021年09月12日 イイね!

ブレーキ踏んでるのに加速する?

ブレーキ踏んでるのに加速する?次回の走行に向けて,前回のTC1000のロガーデータを確認していたのですが,1コーナーで時折見かける,とある現象が今回は非常に多かった事に気づきました.

最初はロガーの固定が甘かったせいで出ているノイズ(実際に起きている現象とは異なる計測ミスのデータ)なのかなぁ~?と思ったのですが,ノイズが出ていないデータもありますし,そういえば固定方法を変えた場合も,プロに乗ってもらった場合も出ているケースがあったなぁ~と思ったので,今回はちょっと真面目に調べてみます.

そのとある現象というのは,1コーナー進入時のこのデータで(↓).



赤が通常時,青がその現象が出ている時なのですが,1コーナーに向けてブレーキングを開始して,少し減速した後に,ブレーキを踏んだままの状態であるにも関わらず,0.25秒ほど加速しているような時があるんです.

赤と青で,何か操作に違いがあったかなぁ~?と記憶を辿ってみると,そういえば,1コーナー進入時のオーバーステア対策としてブレーキの初期踏力を弱めた時が青である事を思い出しました.

もしかして,踏力を弱め過ぎてブレーキが抜けちゃったのかな?と思い,車載を見返してみると(↓),



ペダルを踏み替えてブレーキングを開始・・・,



車速が落ち始め・・・,



減速Gが立ち上がり・・・,



減速Gが立ち上がったままなのに加速してますね.
う~ん.特にブレーキが抜けているような感じはしない・・・.


そもそも加減速というのは,駆動力(前に進む力)と制動力(前に進もうとするのを抑制する力)のバランスなので,



 駆動力 < 制動力 ⇒ 加速
 駆動力 > 制動力 ⇒ 減速

制動力が掛かっているのに加速するという事は,それを上回る駆動力が出ていたためとも考えられますね.


駆動力を出すためには,エンジンの出力が出ていないとダメな訳で,そのためには,空気を吸って,燃料を吹いて,点火しないとダメです.映像を見る限り,アクセルペダルから完全に足を離していますから,空気の吸う量は確実に減ってはいるものの,吸い続けているのは間違いないですね.この場面では特に点火カットもしないでしょうから,残る要因として考えられるのは燃料です.

通常,アクセルペダルを離したら,燃料カット(フューエルカット)が作動する訳ですが,



これはECUがやっている仕事なので,LINK ECUの設定を見てみると,



減速時燃料カットの作動ディレイが「0.2秒」に設定されていました.
先程ロガーデータで確認した再加速時間は「0.25秒」ですので,辻褄が合いますね.

つまり,アクセルペダルを離して燃料カットが作動するまでの「0.2秒」間はエンジンが出力を発生しており,ブレーキの踏力が弱い状態だと,制動力を駆動力が上回り,加速してしまった・・・という事のようです.

スロットル全閉状態でもパワフルなエンジンを褒めるべきなのか? 弱い踏力で制動力を発揮しないブレーキシステムを非難すべきなのか? そもそも,そんなブレーキングの仕方を強いられる前後バランスが根本的に悪いのか? 何とも言えませんが,いずれにせよ,ブレーキを踏んでいるのに加速体勢(水平 or 後ろ下がり)というのはクルマの姿勢をコントロールする上で難易度が上がりますね.




まぁ,スロットル全閉時のエンジン出力を上回る制動力を出せば(ブレーキを強く踏めば)姿勢は変化しないですし,水平 or 後ろ下がりのブレーキングというのもリアブレーキを効果的に使えるメリットがあるので,悪い事ばかりではない気もします(反面,エンブレが弱いとも言えますが).

単純な解決策として「燃料カットの作動ディレイを短くする」という手もあるのですが,こちらは短くし過ぎるとショックが出て乗りづらくなるので(姿勢も乱れるので)考え所ですね.今のところ悪影響は感じませんし,ブレーキ操作の1つの指標にもなるので,今後データを分析する際に注意してみようと思います.
Posted at 2021/09/13 00:37:18 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(ECU) | 日記
2021年09月11日 イイね!

クリップ補強のお勉強

クリップ補強のお勉強先日のTC1000で学んだ姿勢コントロールの話,ロール編よりもノーズダイブ編の方が反応が大きく,これを見ている皆さんのレベルの高さ(マニアックさ?)に改めて驚かされました(笑).

私にとって,クルマの動きは横よりも縦の方が感じ取りにくいので,ノーズダイブの方は,起きている事を正確に認識して,操作へフィードバックするにはまだまだ時間が掛かると思いますが,引続き走り込んで掴み取りたいと思います.

さて,そのノーズダイブの話の中で「ボディのねじり剛性」の話が出てきたのですが,これを聞いて久方振りにボディの補強アイテムが気になり始め,そんな話をとある方にしたら,こんなの(↓)を紹介されました.



ボディ補強の手段として「スポット増し」が有名ですが,そのスポット溶接の代わりをクリップで挟んでやってしまおうというモノです.「スポット増し」によってボディが補強される理屈は,ボディのパネル(板)の密着度を上げる事なので,密着度を上げるのならば溶接でなくても,クリップで上から挟んでも出来るよね?という発想です.




「まぁ,そりゃそうかもしれないね・・・」と思いつつ,CR-Xのドアを開けた時にこんな(↓)クリップだらけの開口部を見たらゲンナリするので,



「これはナシだなぁ~」と思っていたら,「クリップの上にウェザーストリップを被せるので,見た目はそんなに悪くならないよ」と説明されました.「ふむ.だとすると,ちょっと効果が気になるな・・・」と調べ始めてみると,自動車メーカーでもスポット溶接位置の当たりつけに使っているなんて記事も見つけました(↓).


(岡崎五朗のクルマでいきたい:vol.69 手軽なボディ剛性アップ術より)


クリップというと文房具のアレが思い浮かぶと思いますが,このレイブロスの「カチカチ君」という製品は,こんな違い(↓)があるそうで,



文房具のクリップに比べて,板厚があり,バネ成分のある素材を用いているため,挟み込みの力は大分強化されているようです.その分,作業性は悪く,マイナスドライバーで口を広げて,端の方でボディを挟み込んだら上からハンマーで叩き込む,なんてのを見かけました.クリップの数が多い事もあって,作業としてはなかなか大変そうですが,モノ自体はこれだけ考えて作られているとそれなりに効果は得られそうだなぁ~とも思いました.


そんな感じで仕組みやメリットは理解出来たのですが,じゃあデメリットは?と調べ始めてみると,「電蝕で錆びる」と書かれていました.そこで「電蝕って何だっけ・・・?」と調べてみると,

 異種金属が接触した状態で,金属に水等の通電性の液体が触れると電気が流れる.
 その電気が貴金属から卑金属に対して流れる事で,卑金属がイオン化して腐食することを「電蝕」と呼ぶ.


「あ~,イオン化なんて久しぶりに聞いたな」と思いつつ要約すると,

 ・異なる金属同士を接触させたところに,水がかかると,水を媒介にして電気が流れる.
 ・電気が流れた結果,電気を流された側の金属(卑金属)は酸化される.
 ・金属は酸化すると,腐食する(錆びる).

今回の場合,クルマのボディ(スチール)と「カチカチ君(ステンレス)」が接触するので,確かに異なる金属同士ですね.スチール vs ステンレスだと,電位はステンレスの方が低いので「カチカチ君が錆びる」という理屈になるようです.ただ,「カチカチ君」の素材であるステンレスは,それ自体が錆びにくい素材ですので一応の対策はされているみたいですね(これを見越してのステンレス製なんでしょう).

ただ,ステンレスであっても100%錆びない訳ではないので,若干不安だなぁ~と思って更に調べてみたら,クリップを挟み込む部分に予め防食テープを巻いておくという対策手法があるようです.



ただでさえクリップの数が多いのに,その下地にテープも貼らないといけないとなると労力は倍になりますが,補強系のパーツとしてモノ自体は安いですし(ガチャ玉でやるなら驚異的な安さ),「お試しでやってみるのもアリなのかなぁ~?」と思いましたが,「コレをやるなら,瞬間接着剤の方が効果ある」という話も見かけたので,実際の効果の程はどうなんでしょうね?


そもそも,開口部(ドアやハッチ等)の補強って,効果がないとまでは言わないけれど,効果的か?というとちょっと疑問を感じる部分もあり,自動車メーカーも開口部の補強って実際やっているのかな?と,試しにEKシビックを調べてみました(EKシビックをTYPE-R化する際に補強されたポイントはどこか?).



調べてみると,上図の通り補強の大半は横方向で,開口部はあまり気にしていないようです.また,EK9の場合は特にリアを集中的に補強しており,ダンパーの取付部周辺が重点的に行われている事も分かりました.

やはり,サーキットでボディに求められるのは「ねじれ剛性」なので(↓),



タイヤ→サスペンション→ボディと来て,最初に力の加わるダンパー取付部とか,その取付部からの『ねじられる力』に対して抗う,ボディの横方向とか,こちらの方がより効果的なんだなぁ~と改めて思いました.


ちなみに話が逸れますが,このEKシビックがTYPE-R化される際,ボディの補強と並行して足回りも固められている訳なのですが,その数値もなかなか興味深かったです.



あくまでノーマル状態での話ですが,前後のスプリングレートの差がなくなっているとか,フロントの減衰は1.7倍なのにリアは1.3倍止まりだとか,リアのスタビを太くしてトレッドを広げているとか,TC2000でDC2の1秒落ちを実現するための策が読み取れて面白かったです.


話を戻して,以上の点を踏まえると,仮にクリップ補強をやるのだとすれば,開口部の全周をやるのではなく,ボディの前後方向とか,横方向とか,サスペンションを通じて伝わった力に抗う部分(↓)に行うとより効果的なのかなぁ~?なんて思いました.

Posted at 2021/09/12 02:38:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(車体) | 日記

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何シテル?   11/03 01:54
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