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2022年03月30日 イイね!

1コ高いギヤで走る意味

1コ高いギヤで走る意味先日行われたF1サウジアラビアGPの予選で,メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがQ1落ちをしました(ノックアウト形式の予選で1回戦で敗れた).

マシントラブルやクラッシュ,急な雨によるコンディション変化等,外的要因によってQ1落ちした事は時折ありますが,何のトラブルも抱えていない,純粋なスピード不足でQ1落ちしたのは,2009年のイギリスGP以来,なんと13年振りだそうです.

2009年と言えば,レギュレーションが一新されて全く新しいクルマを作らなければならない年だったにも関わらず,チームは前年の終盤までチャンピオン争いをしていたせいでリソースをそちらに割けず,開発に出遅れて序盤は苦しんだシーズンとして記憶しています.



今年も,レギュレーションが一新されて全く新しいクルマを作らなければならず,前年の終盤までチャンピオン争いをし,クルマの開発が出遅れた,という似た状況な訳なのですが,同じクルマに乗るチームメイトはQ1を通過しているので,かなり話題となりました.


さて,今年,私は「F1 Tempo」というF1ドライバーのテレメトリーデータが無料で見れるサイトを発見し,これを酒の肴にしながらF1観戦を楽しんでいます.F1レベルだと速過ぎて,ドライバーの操作の違いなんて中継画面からほとんど読み取れず,毎回「凄いなー」で終わりだったのですが,こうやってテレメトリーデータを見れると,「なんでそうなの?」という,いつもの分析癖がムズムズと湧いてきてしまいます(笑).

・・・という事で,今回は「ハミルトンのQ1落ちの原因はどこにあったのか?(チームメイトに対して何が劣っていたのか?)」を「F1 Tempo」のデータをお借りして読み解いてみたいと思います.


今回サウジアラビアGPが行われた「ジェッダ・コーニッシュ・サーキット」は昨年末に作られたばかり新しいコースで,私はゲームでも走った事もなくイメージが湧きません.ですので,今回は一番大きく差がついたポイントに絞って見てみたいと思います.



緑がハミルトン,白がチームメイト(ジョージ・ラッセル)ですが,赤丸のポイントでハミルトン(緑)の方が明らかに車速が低いのが分かります.ここがコース上のどの部分なのかな?と見てみると,



ターン4~9のクネクネ部分.リアがフラフラだと辛くなる部分ですね.「チームメイトほどアクセルを踏めなかったのかなぁ~?」と思い,スロットル開度を見てみると,



ハミルトン(緑)はかなり戻しているのが分かります(上の赤丸).それに合わせてエンジン回転数も下がっており,チームメイトに比べて2000rpmも低いです(下の赤丸).「ホントに踏めなかったんだなぁ~」と思いつつ,「それにしても,同じクルマでこんなに差がつくか・・・?」と思い,下に目を向けてみると,



なんと,ハミルトン(緑)はチームメイトよりも1コ高いギヤ(7速)を選んでいた事に気づきました.「もしや,これがチームメイトから0.6秒も遅れた要因か?」と思い,予選前のデータ(FP3)を確認してみると,



こちらではハミルトンも低いギヤ(6速)でキープする走らせ方をしています.どこから7速を使うようになったんだ?と思い,調べてみるとFP1・FP2でも使っておらず,予選が初だったようです.その後,決勝では再び6速キープの走りに戻していましたし,他のドライバーを見ても大半は6速キープだったので,「ハミルトンのドライビングミスだったのでは?」と思えてきました.

ただ,予選中のハミルトンの無線を聞いていると,ドライビングミスをした雰囲気はなく,「この走らせ方が正しい」と思ってやっているようで,Q1の3回のアタック全てで7速を使っていますし,ワールドチャンピオンを獲るようなドライバーが自身のミスに気づかないとは思えず,何か理由があるんだろうな・・・と思いました.


仕方がないので,何かセットアップ面でハミルトンが予選でトライした事がないのかな?と調べてみると,

ハミルトンは予選でリスキーなセットアップに挑んだ

という情報を見つけたのですが,何がどうリスキーだったのか分かりません・・・.更に調べてみると,

ハミルトンとラッセルのセットアップの違いは主にフロントウイングのフラップの角度とタイヤの内圧にあり,ハミルトンはフロントエンドに対してリアのグリップの無さを感じ、車に対する自信が持てなかった

という情報を見つけました.


(↑の2:56辺り)


この情報から推測するに,オーバーステア傾向だったのでしょうから,フロントはフラップを立て,リアはタイヤの内圧を上げるセットだったんでしょうか?

だとすると,ターン4~9を1コ高いギヤで走ったのは,エンジントルクを落としてリアのスタビリティを稼ぐため? 1コ高いギヤを選んでもまだ不安定で,更にスロットルを戻さざるを得なかったのだとすれば,相当おっかない挙動だったのでは??と思いました.ただ,オンボードカメラ見ても全くそんな感じがしないので,物凄く高度なレベルで繊細な操作をしているんだろうなぁ~と思いました.


以上,レースが終わった後でも楽しめる酒の肴でした.

「ギヤがどっちか迷ったら,1コ高い方を選べ!」というのは,よく聞く格言ですが,高い方を選ぶとエンブレが弱まるので,微妙な姿勢コントロールがしにくく,私は嫌いなんですよねぇ~.
(TC2000の最終コーナーとか,3速で突っ込むより4速で突っ込む方が死ぬほど怖い)

こんな低レベルな判断能力だと,リアがフラフラだったのなら1コ低いギヤで行った方が良かったのでは?なんてテレメトリーデータを見て安直に思ってしまうのですが,世界最高位の判断能力はきっと違う答えを導き出すんでしょうね.当たり前ですが,ドライビングの世界でレベルの違う人と会話するのってホント大変だなぁ~なんて思う今日この頃でした.
Posted at 2022/03/31 21:19:00 | コメント(0) | その他 | 日記
2022年03月29日 イイね!

心を折られる1日

心を折られる1日今年度はウチの会社の人事制度変更の過渡期で,一時的に有給日数が大幅増しとなっているのですが,その有給の使用期限が今月末に設定されており,使い切らないのは勿体ないので今週もTC1000に行ってきました.

3月は全部で5週ありましたが,これで週に1度は必ずTC1000にいた事になり,ちょっと行き過ぎました.色々なモノの値段がどんどん上がり続けていますし,お財布も大分厳しい状況になってきたので,来月からは自粛したいと思います.

さて,この日は午後に追加枠が設定された事もあって,丸1日ファミ走になった日でした.午後もいるならピット取れると嬉しいなぁ~と思ったのですが,残念ながら門前11位で惜しくも取れませんでした・・・.

まぁ,しゃあないと思って一人ポツンとパドックで準備を進め,予想以上に寒いのでクルマの中でスマホ見ながら暖をとっていると,突然,

ビィィ━━━━(゚ロ゚;)━━━━!!

とクラクションを鳴らされました.小心者の私は「何かマズイ事した!?」とキョドっていると,

(゚Д゚;≡;゚Д゚) ナニナニ!?

いつの間にか隣に物凄く速そうな白いクルマが止まっていて,威圧されました.



降りていって話を伺うと,「このタイヤで日光40秒フラット出した」とタイヤを出されました.私のフロントタイヤよりも摩耗しているように見えるのに,相変わらずこの方はパナいです.

そのままテキパキと準備を進められ,その摩耗したタイヤを履いてA1枠(9:00~)でコースイン.ヘアピンやインフィールドをインカットする攻めの走りで,あっさりと自己ベストを更新し,満足気に去っていきました.


(あのタイヤで,どうやったらこのタイムが出るんだ・・・?)


そんな感じで走る前から心を折られましたが,メゲずに私もA2枠(9:20~)で出走.

早速,コースインしてアクセルを踏み込んでみると,



「うわっ,加速が凄いんだけど!?」

とビックリ.それもそのはず,この日の気圧はこんな(↓)見た事ない数値.



コンディションの良かった先週から,エンジンパワーは更に1%(≒1.8PS)増しです.
これを何とかタイムに繋げたかったのですが,



やっぱりタイヤが摩耗し過ぎて微妙に喰わないのと,経験のない高気圧で燃調が狂って失火気味・・・.好条件を活かせず 41.284 止まりでした.


悔しいので,その後もムキになって走り続けましたが・・・,



2コーナーのイン側の縁石に寄せる辺りでリアがズルッ!と滑り焦りました.

ドキッ!? ∑(゚Д゚ノ)ノ

2コーナーでは,FFは基本アンダーで,曲がり切れずアクセルを戻す事はあってもリアが出る事はそうそうないです.一方,FRは踏み過ぎてリアが流れ→イン巻きでスピン→お釣りもらってスポンジバリアへGO! というのを時折見かけるので,その映像が頭を過ぎり,「ここで回ったら立て直せない!」と一瞬硬直してしまいました.幸い,硬直している間にコーナーを抜け切り,映像で見ると「ん? なんか起こった??」って感じですが,乗っている時は久方振りにドキッ!とする場面でした.

いつものラインで,いつもの操作だったと思うのですが,ヨーを立ち上げ過ぎたのか?と思い,ロガーデータを見返してみたところ,



確かに当日ベスト(赤)よりもこのラップ(青)の方が高い旋回Gが出ていたみたいです.それでも飛び抜けて旋回速度が高かった訳ではないので,リアタイヤがタレていたか,タイヤカスにのって滑ったか,辺りですかね?


そんな感じでビビってしまった事もあり,2本目のA7枠(11:00~)では 41.929 と大幅ダウン.



1本目より失火が酷くてストレートが伸びなかった点もありますが,ドライバーの要因の方が大きいでしょうね.


その後,お昼休みとなったので,花見をしながらメンタルリカバリー.




気持ちが落ち着いたところで,3本目のP3枠(13:40~)で出走.



2コーナーのビビりは抜けましたが,タイヤの摩耗が進み過ぎてバイブレーションが酷く,トラクションも全く掛かりませんでした.A052特有の破けるところまで行きませんでしたが,さすがにもう限界ですね.このタイヤは捨てようと思います.


そんなこんなで,今一つの1日でしたが,最後にもう1個ダメージ.

午後になって閑散としてきたパドックでタイヤ交換をしていると,



「アレ? ナットが回らない・・・」

オイオイ,昨日ホイールナットを替えたばかりなのに,今度はボルトが死んだのか?と思い,ナットを覗いてみると,



上手く写真が撮れなかったのですが,矢印のトコの1ライン分だけ山が崩れているのが分かりますかね? トータル60分も走行してないと思いますが,早くも1個ナットが死んだみたいです.早かったなぁ・・・(泣).


以上,心を折られる1日でした.

ちなみに,1030hPaなんて高気圧下で走ったのは今回が初だったのですが,実際に走ってみて,エンジンパワーが増しているのはともかく,ブレーキがいつもより効く気がしました.(大)@みやう軍団さんが序盤に見せたインカットも,想定よりも早くクルマが減速するせいだったそうで,なんでかなー?と不思議でした.

エンジンパワーが上がった分,ブレーキング時の後→前への荷重移動量が大きくなったのかなぁ~?と考えていたのですが,調べてみたところ,ブレーキブースターの構造によるものみたいです.



ブレーキブースターはその名の通り,ブレーキペダルの踏力(図中の入力F)をブースターで増幅する代物ですが,この増幅される量は大気圧とエンジン負圧の差で決まります(真ん中の板を挟んだ部分).大気圧が高くなれば,当然この差も大きくなるので,アシスト効果も増えてブレーキの効きが良くなる・・・というメカニズムのようです.

いくら1030hPaの高気圧といっても,絶対値としては2%程度の変化量に過ぎないのですが,この2%の違いを,我々はサーキットのドライビング中に感じ取ってコントロールしているんだなぁ~と,ブレーキングの繊細さを改めて実感しました.

他にも,ブレーキブースターのないクルマ(レーシングカー)は気圧の影響を受けないのかなぁ~?とか,高地(富士スピードウェイ)ではブレーキの効きが弱くなるのかなぁ~?とか,ちょっと考えさせられる1日でもありました.やっぱり色々経験しておく事って大事ですね.


((大)@みやう軍団さん,外撮り有難う御座います! <(_ _)>)
2022年03月26日 イイね!

DI化効果の途中経過

DI化効果の途中経過時期外れの低気温を利用して再び40秒台を出せた先日のTC1000でしたが,これは昨年10月以来の好タイムとなるので,今回はその時のタイムと比較してみようと思います.

この'21/10月→'22/3月の間の最も大きな変化点として「ダイクレトイグニッション化(DI化)」があり,これの効果確認という意味合いにもなります.ちなみに,ECUの仕上がりとしては大枠が固まったくらいの状態で,細かな部分で詰める代は残っていますが,ここから先は性能向上というよりロバスト性向上になる気がします.

では,まず比較サンプルの再確認.

【前回('21/10月:40.995)】


【今回('22/03月:40.969)】


タイム的には今回の方が0.026秒速いですが,まぁ,誤差レベルですね.


次に,コンディションを確認.

 前回 ・・・ 気温:11.7℃  湿度:72%  路温:10.3℃  気圧:1027.0hPa
 今回 ・・・ 気温:08.7℃  湿度:68%  路温:18.3℃  気圧:1015.5hPa

今回を基点にしてみると,気温は-3℃(+0.6%),湿度は同等(±0%),気圧は-11.5hPa(-1.15%)となるので,コンディション的には出力が0.55%(≒1PS)ダウンする条件だったようです.


そして,ロガーデータの比較結果です(青:前回 緑:今回).



全体的に見ると,今回(緑)の方が各セクションのトップスピードが1km/h以上伸びており,コンディション面での不利を考えるとDI化によってエンジンパワーが増しているのは間違いなさそうです.また,各セクションのボトムスピードに目を移すと,こちらも全て前回(青)の値を上回っているのが分かります.これを見て「ボトムが上がったからトップスピードも伸びたのでは?」と一瞬思いましたが,今回のタイヤはこんなん(↓)ですし,



加えて,ヘアピンの進入でブレーキングした際に軽くロックしているので,今回の方が前回よりもトラクション性能としては低いと思っています.確か前回は雨の日光後で,タイヤ表面がキレイに摩耗した恩恵で40秒台に入れられたと記憶しており,そういう意味でもタイヤとしては前回の方が条件が良かったと思われます.唯一,前回の方が不利だった点は「路面温度」で,前回は10℃台でリアタイヤのウォームアップに苦しまされましたが,今回は18℃と即座に機能する温度だったので,リアタイヤのトラクションに限っては今回の方が上だったかな?と思っています.
(リアタイヤの鮮度的にも今回の方が有利ですしね)


では,細かく見ていきます.

ホームストレートエンド



前述の通り,今回(緑)の方が車速が0.9km/h高いです.スタートラインからの推移を見ると前回(青)がやや凸凹した波形であるのに対し,今回(緑)は真っ直ぐキレイに伸びている点が印象的です.これがDI化によってパワーが増し,細かな操舵抵抗にも打ち負けないトルクのおかげだと嬉しいのですが,そんな事はこのロガーデータじゃは分かりません(笑).


1コーナー



ブレーキング時の減速過程が前回(青)と今回(緑)で異なるのですが,ボトムスピードは全く同じ.タイヤは今回(緑)の方が摩耗は進んでいると思うのですが,フロントのグリップレベルとしては同等だったのかもしれません.この辺りA052の性能ダウン幅の少なさは毎度驚かされますね.

なお,ここで注目すべきは赤丸を付けたポイントでしょうか.前回(青)は今回(緑)よりも早くアクセルを踏めていますが,その後,操舵抵抗で失速しているのに対し,今回(緑)は失速する事なく,タイヤの縦と横を上手くバランスさせてクルマを前に進められているようです(失速していない).前回(青)はなんでここで操舵抵抗が増えたのかなぁ~?と車載を確認してみると,



立ち上がりでステアリングを戻し始めた後,この位置(↑)で,ほんの僅かですがステアリングを切り足してしまったようです.切り足し量としては指2本分くらいの差でしかないのですが,タイヤを縦にも横にも使っている限界領域なので,ほんのちょっとの余計な動きが抵抗となって失速したようです.今回の方も指1本分くらいの切り足しはところどころあるのですが,ロガーデータに出るような失速は見られず,これもDI化でトルクが増したせいだったら嬉しいなぁ~って感じです(笑).

ちなみに,DI化の効果を冗談めかして書いてますが,コレまんざら妄想でもないです.例えば,デスビ仕様の時にプロに乗って頂いた際,「1~2コーナー間でモッサリ感がある」と指摘を受けた事があるのですが,このモッサリ感の部分はちょうどVTECの切替ポイントでした.DI化によって,VTEC切替ポイント前後のトルクが増している事は,乗った直後に体感しましたので,それと辻褄が合ったりもします.


ヘアピン



今回(緑)の方が1km/h進入速度が高いせいもあるんでしょうが,前回(青)に比べて若干手前からブレーキングを始めているようです(上側の赤丸).じゃあ,手前から止めたのに,なんでブレーキロックしたの?と過程を見ると,今回(緑)の方が減速度が大きい(↓),



・・・ので,ロックはコレのせいでしょうね.ちなみにボトムが低い云々を言ってましたが,前回(青)に比べれば今回(緑)の方が2.8km/hボトムを上げられていたんですね(上図 下側の赤丸).立ち上がりの加速も前回(青)より今回(緑)の方が良くなってますし,闇雲にボトムを上げる事を狙うのではなく,安定して上げられる方法を狙った方が良いのかも・・・?とも思いました.


インフィールド



今回(緑)の方が車速の伸びが良いので,前回(青)よりも手前からブレーキングを開始しています(上側の赤丸).その後,ノーズダイブをブレーキでコントロールして上手く向きを変えようとしているのですが,今回(緑)の方がアクセルONのタイミングが遅いですし,上手く向きを変えられていないようです.これの主要因はフロントタイヤの摩耗だと思いますが,ダンパーの減衰設定の影響もある気がしています.前回(青)より今回(緑)の方が減衰が柔らかいので,ノーズダイブするスピードが早く,それによって狙い通りの姿勢を作れていない気もします.この辺りは反復練習しているのですが,まだまだ足りていないようですね.


左高速~洗濯板進入



今回(緑)は前回(青)で見られた左高速での失速が見られませんね(赤丸の部分).横Gを確認してみると(↓),



今回(緑)の方が前回(青)よりも横Gの発生量は大きいので,これで失速しないのは,やっぱりDI化のおかげなんでしょうか・・・?


最終複合



今回(緑)の方がボトムスピードが高いですが,これは「今回(緑)が良かった」というよりも「前回(青)が悪かった」と見るべきでしょうね.というのも,前回はここでシフトミスしていて(2速のシフト抜け),それのせいで失速時間が長かったのだと思われます.


以上を纏めると,ブレーキング領域では前回の方が速く,加速領域では今回の方が速かったという事のようです.トータルで見ると五分五分という感じで,最終的な0.026秒の差は,シフトミスの有無の差だけな気もします.

ただ,ブレーキング時の不利はタイヤのせい,加えてコンディション的にもパワー面で不利だった点を考慮すると,ダイクレトイグニッション化の効果はもっとあるように思えます.時期的にタイムでそれを示す事は困難ですので,ECUのセッティングを煮詰めて,次の冬で最終的な効果確認!という事になるのかなぁ~と思っています.
2022年03月25日 イイね!

即座に反省会

即座に反省会冬の忘れ物(40秒台)を取り返した走行を終えて,一定の満足感はあるものの,「もう一手!」と自己ベスト更新を狙って変更した減衰設定は見事に裏目に出て失敗に終わりました.

「あの時,減衰を上げていればなぁ~」と後悔しつつ,「上げていたらどうなったんだろう?」と気になったので,日射しが強くなって路面温度が5℃以上上がり,コンディション的にタイムの更新は期待出来ない状況でしたが,A3枠(9:40~)の後,もう1本走る事にしました.

・・・という事で,A7枠(11:00~)でコースイン.



タイムも 41.331 と「まぁ,こんなもんでしょうね」という感じ.フロントの減衰を上げた状態の動きを確認してみると,



1コーナーもヘアピンもブレーキングで止まり過ぎる事がなく,いい感じ♪

ただ,ロールがしにく状況なのでインフィールドと最終の複合はフロントのグリップが足りず向きが変えづらい(タイヤの減りも影響していると思いますが).これらをトータルで見ると,あの時,仮に減衰上げていたとしても下げた時と同程度のタイムしか出なかったかなぁ~?という気もしてきました.

結局,40秒台を出した時のセットがベストで,やはりこの状態がクルマ的にも限界だったのかな?と思えてきたので,減衰設定はこれで固定して当面走ろうと思います(疑問に思ったら即確認!というのは,やっぱり大事ですね).


さて,当日の反省会はこれで終わったので,続けて前回の走行の反省会も行う事にしました.
前回の反省点は「ヘアピンでボトムが低過ぎないか?」.

今の走らせ方では,これ以上ヘアピンのボトムは上げられないので,ヘアピンの進入の仕方を変えてみました(↓).



「何が変わったの・・・?」ってくらい細か過ぎて伝わらないと思いますが(笑),今まで曲げながら止めていた(ステアリング→ブレーキの順)のを止めて,完全に真っ直ぐな状態で止めてから曲げる(ブレーキ→ステアリングの順)に変えてみました.これでタイヤを縦と横,同時に使わないように(オーバーラップしないように)してボトムを上げてられないか?というトライです.



赤がステアリング→ブレーキの走らせ方,青がブレーキ→ステアリングの走らせ方です.青はヨーを完全に消した状態でブレーキングしているので,真っ直ぐ上に向かっているのが分かると思います(赤はヨーが残っているので,やや右上に向かっている).ここまでは狙い通りなのですが,問題はその後です.

ブレーキングを終えた後,ステアリングを右に切って旋回を始める訳なのですが,赤はインに寄りながらステアリングを切るので(手前から曲げているので),エイペックスに対して少しづつ切り込む形となり,ゆっくり・ちょっとづつステアリングを切れます.対して青はインから離れているので,奥まで行ってからグイッと一気にエイペックスに寄せるイメージで,ステアリングも一気に切らねばならず,素早く・多くステアリングを切る事になります.このステアリング操作の違いによって,減速GをMAXまで立ち上げた後,即座に左側へ横Gが発生する形となり(○が真横に移動),フリクションサークルを見ると,赤よりも青の方が一気に左側に移っている様子が分かります.

こういう操作を行うと(Gの発生のさせ方をすると)どうなるか?というと,



ブレーキングでフロントをMAXまで沈み込ませた状態から,そのまま急激にステアリングを切るので,当然,左フロントに荷重が集中する事になります.その結果,対角線上の右リアの荷重が完全に抜けてしまうので,右リアはインリフトして左リアが1本で支える形となり,その後,耐え切れず滑り出してしまいます.

上の動画をよーく見ると,3→2速にシフトダウンを終えた後,ステアリングを両手で持った辺りで,一瞬だけステアリングを切り込むのを止めているのが分かるでしょうか?(この辺り↓です)



ここでステアリングを切り込むのを止めているにも関わらず,クルマが勝手にイン側に切り込んでいます(=テールスライドしている).このテールスライドが起こると,リアが落ち着くまでステアリングを切り込めないのですが,ステアリングを切らずともクルマの向きを変えられるので,結果ボトムスピードを上げる事は出来ます.


(赤より青の方が7.6km/hもボトムが高い↑)


ただ,狙いのタイミングよりもステアリングを切り込むのが遅れるので,立ち上がりのラインは外してしまいます.


(青の方が外側に膨らんでいる↑)


まさに距離重視の赤 vs ボトム重視の青 という構図となるのですが,これで一体どっちが速いの?というと,ヘアピンのブレーキング開始~次のインフィールド進入のブレーキングまでの間で比較してみた結果,今回のケースでは青の方(ブレーキ→ステアリングの順の方)が0.14秒速い結果となりました.

ふむ・・・やはりヘアピンでボトムを落とし過ぎだったようですね.ここ最近は向きが変わるまでアクセルを開けるのを我慢するトレーニングをしていたのですが,ちょっと我慢し過ぎだったようです.距離と速度のバランス点って見切るのがホント難しいですね.


以上,反省会の模様でした.

減衰の方はともかく,ヘアピンの距離と速度に関して最良のバランス点はもう少し探らないといけませんね.タイヤのグリップによってバランス点は変わるでしょうし,進入でテールスライドが起きるかどうかでも変わってきます.テールスライドを起こさないようにG変化を穏やかにしてみたパターンでは,ボトムが思ったほど上がりませんでしたし,ここも日光の6コーナーみたく自由自在に滑らせられるようにならないとダメなのかなぁ~? 個人的にはリアをスライドさせながら走るのは好みじゃないので,ちょっと悩ましいです.

アタックシーズンも完全に終わった事ですし,当面の間は色々試して最良のバランス点を探ってみようと思います.
2022年03月24日 イイね!

忘れ物を取りに

忘れ物を取りに3月も終わりが近づき,そろそろ上着を春物に替えてもいいかなぁ~?なんて思っていたら,2月頃の気温に逆戻り.住んでいる地域では小雨止まりで済みましたが,筑波はタイトル画像の通り軽く雪が降ったそうです.

この急に戻ってきた寒さの影響で政府から節電要請が出ましたが,ウチの会社はこの圧力に即座に屈して「ダラダラと残業して会社の電気を無駄使ってんじゃねぇ! 帰れ!! 帰れ!!」と会社を追い出されました(苦笑).

そんなに仕事して欲しくないなら,いっそ休んでやるか!?と思い,ファミ走のスケジュールを見ると枠があります.
天気はどうだ?と見ると,「雨のち晴れ」で「気温1桁台」・・・,

「これは行くしかないでしょ!」
ダッΣΣ≡≡≡ー(ー・ω・)ー


と休暇届けを叩きつけて,再びTC1000へとやってきました.


ここのところ開門時間が徐々に遅くなっているので,7時到着くらいのつもりで向かったら,7:05には開けてくれました.門前には1台しかおらず,余裕でピットは確保.シーズンも終わった平日,加えてフォーミュラ枠もないので,台数が少ない少ない.





これぞ平日のファミ走って感じですが,唯一残念なのは深夜の雨で路面がセミウェット状態な事.



日も照っているので少し待てば乾きそうですが,こういう時は台数が少ない事が逆効果.
一先ず,A1枠(9:00~)は様子見でパスすると,FD2が41.3秒出していたので,もうイケそうです.

ん? FD2?? (・∀・)??

・・・とよく見ると,先週の走行会も走っていた方でした(笑).



パソコン,ロガー,エンジン,マフラー,タイヤと色々お話させて頂き,

 私   :先週6本も走ったのに,まだお腹一杯じゃないんですか?w
 FD2 :そっちもだろww
 FD2 :先週はタイヤがタレてタイム出せなかったから,リベンジだよ!リベンジ!!

と結構なご高齢なのにヤル気満々でした.1年以内に40秒台に入れる事が目標だそうで,ここからタイヤサイズを色々替えて試されるそうです.今後が楽しみですね~♪


さて,そんな感じで刺激をもらいつつ,私の方も気合を入れてA3枠(9:40~)で出走.
時期外れの気温の力を借りて,冬の忘れ物を取りに行きたいと思います!

まずは,フロントタイヤを念入りにウォームアップ.1週間前にやらかした1コーナーのオーバーランの反省を活かそうと思ったのですが,



またも,シャーッとフロントタイヤが流れてしまい,オーバーラン・・・.
やっぱり,冷えてるタイヤに1発でブレーキを合わせ込むのって難しい.

まぁ,私に合わせ込む力がないのは(下手なのは)しょうがないので,気を取り直してもう1回.



90%くらいの力で走ってみたところ,タイムは 41.214 と予想外の好タイム.先週に比べ,明らかにフロントタイヤが喰ってないのに(アンダー傾向で曲がらないのに),このタイムが出るとは・・・.やはりコンディションが良いです.

「これは・・・出せるぞ!」
ピキーン ☆━━━(☆_☆)━━━☆ ピキーン


と2周の(集中力の)チャージラップをして,いざ勝負!



結果は 40.969 で冬ノ陣では届かなかった40秒台に再びのせる事が出来ました.

しかし,このラップもデキとしては95%くらいで,ヘアピンでブレーキをロックさせてますし,インフィールドでも狙い通りに向きが変えられていない(立ち上がりのイン側の縁石を踏み損ねてる).最終の複合も向きが変わるまでに微妙なタイムラグがあり,待ち時間が長い.

自己ベストまであと0.14秒.あと一手何か捻り出せば,それに届きそうな手応えがあるのですが,なんせフロントタイヤがこんな状態(↓)なので,



これ以上喰わせるのは無理.「なんで今日,新品タイヤじゃないんだ!」とステアリングを叩きつつ(注文したけど在庫切れで来なかった),今から切れる手札は「減衰調整」くらいしか残ってない.「減衰を調整するとして,上げるのか? 下げるのか? どっちだ・・・??」と,しばし逡巡した後,

「下げだ!」 m9⊃゜∀゜)!!

と決めてピットに滑り込み,減衰設定を変更.



インフィールドと最終の複合で向きの変わりが悪いので,「タイヤのグリップ不足を補うには下げだ!」と判断したのですが,果たしてこれが吉と出るか? 凶と出るか?

再びコースに飛び出し,最終コーナーを立ち上がって1コーナーでブレーキングしたところで・・・,



「上げだったー!」 _| ̄|○ ガクッ

と即座に失敗を悟りました.フロントの減衰を下げた事で荷重移動量が増え,フロントブレーキが効き過ぎて,狙いよりも手前で減速が完了.縁石の手前からブレーキをリリースせざるを得ませんでした.加えて,減衰を下げているので沈んだフロントが起き上がるのも早く,クリップ付近ではフロントタイヤの荷重が抜け切ってスキール音がする始末.これはヘアピンでも同様で,この瞬間に「こりゃダメだ・・・」と思いました.

それでも最後まで諦めずアクセルを踏み抜きましたが,タイムは 41.078 と案の定0.1秒ダウン.ここから先はタイヤがタレてタイムは出ないので,自己ベスト更新はまたも先送りとなってしまいました・・・.


以上,冬に出し損ねた「40秒台」という忘れ物を取りに来れた春のファミ走でした.

ここ2年,40.9秒までは来る事が出来るのですが,ここから先の0.1秒が遠い・・・.目標は40.5秒なので,こんな0.1秒で躓いていたら永遠に届かない訳なのですが,最後の判断ミスといい,あと一歩,自分の中の引き出しが足りない感じがしますね.最後の最後で0.1秒を確実に削り取る力を,次の冬に向けて身に付けていかないとなーと感じる五度目の40秒台でした.

プロフィール

「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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