• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

OX3832のブログ一覧

2022年10月13日 イイね!

EF8 vs EF8 2022 第6戦 日光

EF8 vs EF8 2022 第6戦 日光2022年度も下期に入り,そろそろ冬の足音が聞こえてきた感じですが,EF8の先輩との戦いも終盤戦の第6戦となります.

今回の舞台は日光.ここまでの対戦成績は3勝2敗で私がリードするまさかの展開ですが,先輩が苦手とする日光ですし,ここでも勝って年間での勝ち越しも確定させたいところです.加えて対決の日は,気温も17℃近辺の曇り予報とコンディションも良く,今回こそは40秒台に入れるぞ!と意気込んで向かいました.

さて,タイミング良く(?),走行会の前日に東北道の一部で最高速引き上げが行われました.「おおっ,これで日光への到着時間が短縮されるかな?」と思いましたが,


(NHK:NEWS WEBより)

気合を入れて待ち構えている方もいらっしゃるとお聞きしたので(笑),安全運転で日光へと向かいました.東名の120km/h区間は,90km/hリミッターのトラックがスリーワイドをかましてくるので,全く意味をなしてないと感じる時が多々ありましたが,今回の東北道ではそんなシーンには出会いませんでした.
(トラックに幅寄せ食らって,ブレーキを踏まされるシーンはありましたけど・・・苦笑)


そんな感じでいつもの通りに現地に到着し,いつものメンバーと挨拶を交わしていると,私のグローブ探しに触発されたのか? 先輩が「グローブを新調した!」と見せに来てくれました.

【OLD】


【NEW】


いやぁ~,新品のホワイトがまばゆい!

先輩曰く「最近(穴が空いて)冷えが辛くなってきたんだよね」「今,袋開けて初めて着けたんだけど,違和感あるね」との事で,だから,今回のハンデなしだ.分かってるよな?と無言の圧力を付け加えられてしまい,今回もノーハンデ戦となりました・・・.


1本目(9:00~).

前日に雨が降ったそうですが,この間の筑波の時と違って路面は濡れておらず,コンディションは良さそうです.とはいえ,気温が20℃を切ってくるとリアタイヤのウォームアップが心配になってくるので,1本目は少し慎重に入りましたが,それでもミスらしいミスはなかったので「これだと41.5秒くらいかなぁ~?」と思ってタイムボードを見てみると,



42.0秒・・・.

は? (・∀・)??

「なんじゃ,こりゃ!? メチャクチャ遅いじゃねーか!」と車内で叫んでしまいました.確かにまだ限界まで攻め切っていませんが,それでもブレーキングは結構追い込んでます.これで42秒台とか言われたら40秒台なんて夢のまた夢じゃないか・・・と焦りつつ,気合を入れ直して各コーナーを追い込んでみるも,かろうじて42秒を切るので精一杯.

「これは出ないぞ・・・」 ( ̄へ ̄|||) ウーム

と参ってしまいました.一方の先輩も慣らしから始めてサクッと41.5秒をマーク.



「あれ? これはヤバイぞ・・・」と思いつつ,1本目の結果は以下となりました.

 先輩 ・・・ 41.554
 私   ・・・ 41.739 (+0.185)


2本目(10:00~).

果てさて困った.何でこんなに遅いのかさっぱり分からないので,インターバルの間にロガーデータを引き出して各コーナーの終端速度をチェックしてみましたが,以前と同等の数値は出ています.という事は,パワーが落ちている訳ではないようですし,タイヤは前回下ろした準新品でグリップもちゃんとあるでしょうし,原因がさっぱり分かりません.

前回との相違点と言えば,



コレ(↑)になるのですが,それでここまで落ちるか・・・? 原因がさっぱり思い浮かばないので,ドライバーの慣れの問題かなぁ~と周回を重ねてみるもタイムは奮わず,41.8秒とダウン.

一方の先輩は,微妙に削り取り,差は0.2秒まで広がってしまいました.

 先輩 ・・・ 41.518
 私   ・・・ 41.739 (+0.221)

( ;´Д`) イヤァァァァァ-!

と叫び回る私を尻目に,先輩はプロに単走を依頼.



クルマの状態をチェックしてもらうと共に,改善点のアドバイスも貰っていたようです.
(署名入りのチェック結果証明書↓)




3本目(11:00~).

ラストアタックに向けて着々と準備を進める先輩に対し,私の方は全く打開策が見いだせません.
セットを変えるか?→でも,何をどう変えるんだ?→う~ん,分からん・・・と右往左往するばかり.



考えが纏まらないのでクルマは何もイジらず,もう覚悟を決めました.

「こうなったら,『気合』『努力』『根性』だ! ドライビングで削り取ってやる!!」
( 」`Д´)」ウォォォォォ!!

と無我夢中でEF8を走らせ,時にこんなドライビング(↓)にもなりましたが,



41.414 と,先輩のタイムを0.1秒上回る事に成功しました(やっぱり,「気合」って大事!).

しかし,これを見た先輩も翌周すかさず・・・,



41.326 と指し返し,0.088秒引き離されてしまいました.

(;`皿´) グヌヌ…

ならば!とブレーキングを限界まで遅らせて,1/100秒でもいいからクルマを前に進める「努力」をしてみました.
18周目,イイ感じでS1・S2とクリアして,バックストレートでラップタイマーをチラッと見ると,なんとマイナス表示!

「これで行けるかー!?」と守りに入らないように10コーナーのブレーキングを更に遅らせ,11コーナーにアプローチしようとすると,



ドアンダーでクリップにつけず・・・.最後の最後で失敗して41.6秒と不発に終わりました.

アチャ・・・ (ノ_< ;)


車内で「失敗したぁー!」と叫びつつ,残り時間はあと4分.フロントタイヤはとっくにタレているので,先程のラップで出せなかったとなるとかなり厳しい.「タイヤが勿体ないし,ここで止めるか・・・」と心が折れそうになりましたが,「いやいや,こういう時こそ『根性』だ!」と気持ちを立て直して,クーリングラップを2周入れて出来るだけタイヤの温度を下げつつ,最後のアタック!



結果は 41.349! 自己ベストに0.018秒まで迫りましたが,先輩には0.023秒届かず,僅差で敗れてしまいました・・・.

 先輩 ・・・ 41.326
 私   ・・・ 41.349 (+0.023)

上記の車載に,ゴールラインを通過した後の生の声ものせましたが,ホント「ダメだー.これでもう限界だぁ~」というのが率直な感想です.これ以上はどうやっても絞り出せそうになく,ここ暫く41.3秒が頭打ちになっていますね.日光=TC1000-0.3秒と考えるなら,実力通りか,むしろそれ以上のタイムではあるのですが,40秒台に対してはまだ0.3秒もある.今時点だとちょっと見えない状況ですね・・・.


以上,第6戦の模様でした.

これで3勝3敗の五分.今シーズンの決着は来月の最終戦でつける事になりました.
先輩,最終戦も引続き宜しくお願いします!
Posted at 2022/10/14 02:06:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | EF8 vs EF8 | 日記
2022年10月11日 イイね!

デジスパイスⅢ vs デジスパイスⅣ

デジスパイスⅢ vs デジスパイスⅣ先日ファミ走で走った時に,こもりん.さんがデジスパイスⅣをEF8に付けてくれました.

なんでも「デジスパイスⅢの下取りセールをやっていたのに,何で交換しないんだ!」とご立腹だそうで,デジスパイスⅣの素晴らしさを分からせようという事のようです.勿論,私もⅣに興味がない訳ではないのですが,現状のⅢの性能に不満がある訳でもないので(どちらかというと解析ソフトの方に不満がある),先送りにしてました.

とはいえ,折角Ⅳを付けてデータも取って頂いたので,色々と比較してみようと思います.

まず比較条件ですが,今回Ⅳの方は外部アンテナは使わず,本体のみで計測を行いました(外部アンテナを使えば,そちらの方が精度が良くなるのは当たり前の事なので).また,本体の取付位置はⅢの真横にⅣを配置する形とし,車内のダッシュボードに取り付けています(↓の赤矢印の辺り).



車内置きなので,360°全方向を等しく衛星を捕まえられる訳ではなく,車両後方分は遮られてロストしていると思います.なお,本体は一応電源ONから屋根のない屋外で10分以上放置させました.あと,サンプリング周期はⅢ・Ⅳ共に10Hzで行っています.


最初は基本的なところで,ラップタイムの精度を見てみます(左:筑波公式ポンダー 真ん中:Ⅲ 右:Ⅳ).



公式のポンダーを基点にして比較すると,速い方・遅い方どちらかに偏る事もなく,バラつきの傾向もⅢとⅣでは異なりますね.Ⅳの測位精度はⅢの2倍という事でしたが,ラップタイムを基準とすると個人的な感覚としてはⅣの精度はざっくりⅢの3割増しって印象です.絶対値的な性能はⅣの方が良くなっている事は間違いないので,やはり魅力的ですね.


続けて,公式でもやってる軌跡のバラつき比較(左:Ⅲ 右:Ⅳ).



コース図はデジスパイスⅣ用を使用しています.確かにラインの重なり具合はⅣの方が良いですね.ただ,細かい動きはⅢの方がちゃんと拾っているようにも見えます.俯瞰してみると,Ⅳの方は全体的に動きがなまされているように感じるのは気のせいでしょうか? フィルターを掛けて動きを意図的に抑え込んでいる(無理やり収束させている)ような印象を受けるのですが,これは穿った見方ですかね・・・?


そう思う具体例をいくつか挙げてみましょう.1つ目はコースイン時の走行軌跡.

【デジスパイスⅢ】


【デジスパイスⅣ】


ピットロードからコースインする際,白線に沿ってコースに合流する訳なのですが,ⅢとⅣで明らかに軌跡が違います.Ⅲ(上)は白線同士の真ん中辺りを進んで,コース本線に合流する辺りで少し右に寄っているのに対し,Ⅳ(下)はコース内側の白線ギリギリで進入しており,右に寄る動きもなく,一直線に前に進んでいます.

これのどちらが正しいのか? 車載映像で確認してます.
まずコースインですが,こちらは左右の白線の中心をクルマは進んでいるように見えます(↓).



そして,その後に少し右にステアリングを切る操作をしている事も確認出来ました(↓).



つまり,Ⅲの方の正しく動きを拾えているように思えます・・・.


おっと,怪しくなってきた(笑).もう1つ最終コーナーのアタックラインでも確認してみます.

【デジスパイスⅢ】


【デジスパイスⅣ】


Ⅲ(上)の方は完全にコース外を通ってますね・・・.
この画像(↓)で言うところの,ちょうど私が立っている位置くらいでしょうか.



一方のⅣ(下)はコース内.ちょうどガケになっている部分のギリギリ端に留まっている感じでしょうか.
「これはさすがにⅣの方が正しいんじゃないの~?」と思って車載で確認してみると,



すみません,コース外を走ってました・・・.

う~む,この結果からすると走行軌跡の正確性はⅢの方が高いと思いたくなってしまいますね.


「そんなバカな!」と私自身も思うので,今度はアタックラップの走行軌跡を比較してみます(青:Ⅲ 赤:Ⅳ).

ホームストレート~1コーナー



1コーナーのエイペックスまでのラインは完全に一致していますね.エイペックスを過ぎた先,ちょうど車体が真横を向く辺りから両者の軌跡がズレ始めます.つまり,この日・この時間のTC1000だと南西の方角に衛星があり,それを捕らえている限りはⅢ(青)とⅣ(赤)で差異はないという事なんでしょうね.その後,コーナリングを始めてクルマが西を向くと,衛星を捕らえている数の違いからⅢ(青)とⅣ(赤)とで差が出てくる感じなのでしょうか?


2コーナー



仮に南西の方角に衛星があったのだとすると,2コーナーでクルマは北西の向きとなり,ボディが衛星の信号を遮る形となります(デジスパイスは車体前方に積んでいるので).この辺りから誤差が大きくなりそうですね.


ヘアピン



案の定,衛星に対して完全に背を向けるヘアピンでは,Ⅲ(青)とⅣ(赤)とで大きく軌跡がズレました.こんなにエイペックスを外すドライビングはしていないので,これは完全にⅢ(青)の方が間違っていますね.


インフィールド



180°回って,再び衛星がいる方向にクルマが向くと,両者の軌跡の精度は縮まっています.ちゃんと衛星の信号を捕らえている限りはⅢ(青)であっても精度としては十分そうです.


左高速コーナー



再び180°回転して,衛星に対して背を向ける形になるので,ここからⅢ(青)の精度は再び悪化しています.こんなに縁石から離れるはずがないので,ホント酷いですね・・・(苦笑).


最終複合



引続き衛星に背を向けているので,Ⅲ(青)の方が大分軌跡がズレてます.こうやって見ると,やっぱりⅣ(赤)の精度は良いなぁ~と思ってしまいます.


最後に,車速波形も見てます(Ⅲ:青 Ⅳ:赤).

【ホームストレート~ヘアピン】


【ヘアピン~最終複合】


【最終複合~ゴール】


「キョリ」ベースで比較してみたのですが,全体的に見ると,Ⅳ(赤)の方が上下動が少なくキレイな波形です.対して,Ⅲ(青)の方は,特に衛星に背を向けるコーナーでのオーバーシュートが大きく,かなり車速のグラフもズレています.解析ソフト上の距離も,Ⅲが1.009km,Ⅳが0.993kmと16mも差があるんですが,この差は恐らく走行軌跡のズレに起因していて,Ⅲの方が間違っているんでしょうね.


以上,デジスパイスⅢとⅣの比較結果でした.

Ⅲも衛星をきちんと捕えているうちは十分な性能を発揮していると思いますが,Ⅲの苦手な方角をⅣはきちんと補っているようで,この辺りは捉えている衛星の数がモノを言いますね.



外部アンテナを使わずにこの性能なんですから,非常に魅力的です.

一方,波形のキレイさ(バラつきの少なさ)に関してもⅣの方が優秀に思えますが,今回の解析結果からすると「不自然なキレイさ」という印象を受けてしまいました.大きな位置変化を意図的に抑え込んでいるんじゃないか?という懸念がどうも拭えないですね・・・.

大雑把な解析をする時は,波形がキレイな方が分析し易いですが,ちょっとした操作の違いや僅かな挙動変化を細かく拾い上げるには,多少ノイジーであっても出来るだけ正確な波形の方が嬉しいので,私の性格からするとⅢの方が合ってるかなぁ~という気がします.
(無論,Ⅲの波形が正しいという保証もないので,私がトンチンカンな事を言っている可能性もあるんですけど)

現状,手持ちの車載合成ソフトはⅣのファイル形式に対応していないので,動画編集のお手軽さという観点でもⅢの方が良いですし,ⅢとⅣでこれだけラインや車速がズレると,過去の資産(データ)が使えなくなるのも痛いです.まぁ,こちらはⅣにした後に全てサーキットでベストを更新すれば良い!とか言われそうですが(苦笑),現時点ではⅢが壊れるまでⅢを使い続けようと思います.

こもりん.さん,デジスパイスⅣを貸して下さって有難う御座いました!
Posted at 2022/10/12 19:37:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(ツール) | 日記
2022年10月10日 イイね!

新品タイヤはどこが違うのか?

新品タイヤはどこが違うのか?まずまずの結果に終わった先日のTC1000

残念ながら一番良いコンディションの時に新品タイヤを使えませんでしたが,やれるだけの事はやったので満足はしています.

その一方で,今回も改めて思ったのが「新品の最初の1発目って,よく食うなぁ~」という点.経験則的にはTC1000で0.2秒くらいのゲインがあるので,2周目以降で同じタイムはホントに出せませんね・・・.

そんな新品タイヤの効果ですが,一体何がどう違うのだろう?と思ったので,今回は新品1発目のファーストアタックとなる計測1と,セカンドアタックとなる計測2で一体何が変わっているのか?を確認してみたいと思います.


まず,公式のタイムで差を見てみると,

   計測1 ・・・ 41.142
   計測2 ・・・ 41.455 (+0.313)
 ――――――――――――――――
   計測3 ・・・ 41.557 (+0.102)
   計測4 ・・・ 41.715 (+0.158)
   計測5 ・・・ 41.796 (+0.081)

という感じでした.今回は計測1と計測2で0.31秒の差がつきました(前回は0.13秒でした).無論,毎周同じ走らせ方をしている訳ではなく,計測1の結果をフィードバックして,ドライビングを修正して計測2を走っているので,それの成功・失敗でタイムがバラつく事もあり,この差がそのまま新品タイヤの性能とは言えないと思いますが,周回毎に落ちていくのは間違いなさそうですね.

前回のタイヤ履歴を見ても,今回と似たような感じでタイムは落ちていきましたし,新品のオイシイところが終わった後は,概ね41.7秒辺りでタイムが安定し出すのも似た傾向であり,これがA052の特性のようです.


続けて,ロガーデータで見比べてみると,



新品(計測1)が緑,ユーズド(計測2)が青になるのですが,両者の最も差が大きくなったのが,コーナーの立ち上がりの部分(赤丸の部分)でした.ブレーキングして,ターンインして,横Gが掛かった状態でステアリングを戻しつつ,アクセルを開けていくようなシーンですね.上記のグラフだと1コーナー(1つ目の赤丸)はちょっと分かりづらいですが,他の3つは全て加速の瞬間に停滞が起きているのが確認出来ます.

コーナーの立ち上がりでアクセルを開け,トラクションを掛けに行った時に,踏ん張ってクルマを前に進ませてくれるのが新品タイヤ(緑),加えられた力に負けて横に滑ってしまうのがユーズドタイヤ(青)という感じでしょうか.


トラクションで差が出るなら,縦Gのグラフでも分かるかな?と思い,そちらも見てみると,



新品(緑)の方は+方向に加速度が出ているのに,ユーズド(青)の方は一瞬同じようにプラス方向に行きかけた後,途中で負けたかのようにカクッと加速度がマイナス方向に落ちているのが読み取れます.この力を加えられた時に耐えられる・耐えられないの差が新品・ユーズドの違いのようですね.

ざっくりで見積もってみると,このブレーキング→再加速のシーンにおける加速停滞1箇所につき,0.05秒タイムを失っていますから,TC1000だとこれが4箇所で合計0.2秒差という計算になり,経験則とも一致しました.


このトラクション悪化部分を他で補えれば,ユーズドでも現在の新品相当のタイムが出せる訳で,ラップタイムを高いアベレージで保つためには,そういうところも考えないとダメそうですね.
Posted at 2022/10/11 12:57:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2022年10月09日 イイね!

14キロ vs 12キロ(異銘柄編)

14キロ vs 12キロ(異銘柄編)TC1000でまずまずの感触が得られたフロントのバネレートダウン

HYPERCOの14.3キロ(800ポンド)からHAL springsの中反発12.0キロへ変更した訳なのですが,フィーリング的にはかなり良くなった印象でクルマの挙動もドライバーの意図通りの動きになったのですが,実際のタイムゲインは0.07秒に留まりました.従って,良い点もあれば悪い点も確実にあるという事なので,乗った時に感じた事をロガーデータで検証してみたいと思います.

まずは,乗った時に感じた事は以下の6点.

 ①1コーナーの動きが自然になった(フロントが入らず,リアが押し出されるようなチグハグな動きがない)
 ②2コーナーがアンダーステア気味になった(クルマが外に膨らみ続け,舵を戻せない)
 ③ヘアピン進入のブレーキングで良く止まるようになった
 ④フルブレーキング時に若干フロントタイヤがロック気味?
 ⑤インフィールドが非常に良く曲がるようになった
 ⑥最終コーナーは相変わらず向きが変わらず,ここは効果なし・・・?


比較検証するデータは共に新品のA052を履いた最初の1周目.

【14キロ:41.213】


【12キロ:41.142】



この際のそれぞれのコンディションは以下の通り.

 14キロ ・・・ 気温:25.1℃  湿度:74%  路温:30.1℃  気圧:1011.4hPa
 12キロ ・・・ 気温:21.0℃  湿度:63%  路温:29.9℃  気圧:1017.9hPa

気温・気圧共に,12キロの方が有利な条件だったようです.


そして,両者を比較したLAP+のデータは以下となりました(青:14キロ 緑:12キロ).




分析素材が揃ったところで1つ1つ見ていきましょう.

①1コーナーの動きが自然



1コーナーの進入速度はほぼ同等なので,気温・気圧の差はそれほど有意に働いていないようです.違いが出るのはそこからのブレーキングで,やはり12キロ(緑)の方が14キロ(緑)よりも短時間で減速しています.2キロ柔らかくなった事でフロントへの荷重移動が早まったという事なのでしょう.

ドライバー的にはこれまでよりも早く減速するので,制動距離が短くなったように感じ,今までよりもワンテンポ早くブレーキをリリースしているのも読み取れます.この結果,ボトムスピードが90km/hキープとなんだか凄い事になっているのですが,これは恐らく自己新記録じゃないでしょうか? 空力と足回りのバランスがぴったり取れた事で,自然な動きをクルマがしてくれ,実現出来た高い旋回速度だと思います.

その一方で,この高いボトムスピードのせいだと思いますが,1コーナーを抜けた先の再加速は14キロ(青)よりも12キロ(緑)の方が大幅に遅れています.車載で確認してみると,



アクセルONのタイミングは14キロの時と変わっていないのですが,踏んだ直後に失速している(加速していない)事が分かりました.これは恐らく,ボトムスピードが高いせいでタイヤのグリップを横に使い過ぎてしまい,縦に使える余力が残っておらず,前に進まなかったという事なんじゃないかと思われます.この結果,高い旋回速度を活かせず,タイム的には0.06秒,12キロの方が遅い結果となりました.

フィーリングが良ければ,ボトムが高ければ=速いと必ずしもならないのが難しいところですね・・・.


②2コーナーがアンダー気味
これはライン取りを見れば一目瞭然でした(↓).



青が14キロ,赤が12キロですが,1コーナーを抜けた時点では両者は一致しているのに,2コーナーのイン側の縁石付近から12キロ(赤)の方が徐々に外側に膨らんでいるのが分かります.やはり2キロ柔らかくなっているのでロールが大きくなり,外側のタイヤが辛くなっているのでしょうね・・・.

ただ,ライン的には膨らんでいるものの,車速の伸びとしては14キロとさほど変わらず,遅れは0.02秒程度と少ないので,気にするほどではないのかもしれません.


③ヘアピン進入のブレーキングで良く止まるようになった
これは,1コーナーの進入時と同じですね.2キロ柔らかくなった事でフロントへの荷重移動が早まり,高い減速度を出せたようです.LAP+の比較結果からも12キロ(緑)の方は1Gを超えていた事が確認出来ます(↓).



ただ,早く止まり過ぎてしまった事により絶対値が低くなってしまうので,コーナー全体で見ると12キロの方は0.06秒ほど遅くなっています.この辺りはもう少しアジャストしてブレーキングを遅らせるようにしないとダメですね.

なお,ヘアピンを過ぎた時点までのトータルでは,14キロより12キロの方が0.14秒遅れる結果となっています.


④フルブレーキング時に若干フロントタイヤがロック気味?
これも同じくヘアピンのブレーキングで感じた事ですが,こちらはスプリングではなく,ブレーキパッドが原因のようです.パッドを交換して初の走行だったので,最初の1~2回はロック気味で焦げ臭かったですが,その後の周回ではロックしませんでした(臭いもなくなった).これは次回以降気にしなくて良いでしょう.


⑤インフィールドが非常に良く曲がるようになった
ここは感じた通りの結果ですね.LAP+で見てみると(↓),



12キロ(緑)の方が早く減速して・早く加速する,非常に鋭角なV字波形を描いています.この早い加速タイミングによって次のバックストレッチで車速を伸ばす事に成功し,洗濯板の進入までに3.2km/h,14キロ(青)よりも車速が伸びています.この結果,ヘアピンまでの遅れ0.14秒を,この区間だけで取り返す事が出来ました.やっぱりインフィールドの立ち上がりって重要ですね.


⑥最終コーナーは相変わらず向きが変わらず
乗っていた時の印象としては変わらずでしたが,LAP+で比較してみると,微妙な違いがあるようです.



洗濯板手前のブレーキングでは,やはり12キロ(緑)の方が減速が早い事が分かります.このため,1コーナーと同様にドライバーは早めにブレーキをリリースしており,14キロ(青)よりも高い速度で旋回しています.そこから向きが変わるのを待っているのですが,早めにブレーキングが終わった事でドライバー側に余裕が出来てしまい,「余裕=車速を落とし過ぎ」と判断してアクセルを踏み足しにいっています.

この踏み足しが最終的に0.07秒のゲインに繋がってはいるのですが,タイヤのグリップを縦にも横にも目一杯使ってしまう事になり,最終コーナーの立ち上がりでは,12キロ(赤)の方が外側に膨らんでしまっています(↓).



この膨らみで0.03秒ほどロスしているので,最終コーナー手前でもう少し向きを変えられれば,12キロの方が0.1秒以上は速かったかな?とも思います.

じゃあ,アクセルを踏み足さなければ良かったのか?というと,それも微妙で,乗っている時は向きが変わる気配を全く感じなかったので,単純にボトムが落ちて遅くなるだけじゃないかな?とも思います.この辺り,最終の複合はホント難しいですね・・・.


以上,14キロ vs 12キロの比較結果でした.

纏めると,2キロレートダウンした分,やはり高速コーナーではタイムが落ちているようです.特にエイペックスを抜けた先の立ち上がり部分が苦しくなっています.一方,低速コーナーは大幅に改善しており,制動距離も短くなっていますし,ブレーキングで向きを変え易くもなっています.トータルで見ると,TC1000においては高速コーナーで失った分を低速コーナーで取り返しており,タイム的には「両者が相殺されて変わらない」という感じです.

レートダウンによって,最終の複合の向きの変わり方をもう少し改善出来るかと思ったのですが,ここが狙ったほどではなかった点が残念です.恐らく向きが変わるポイントが手前過ぎるのだと思うので,ここはライン取りを変えて是正出来ないか試してみたいと思います.

なお,レートダウンによって縁石の走破性は確実に良くなりました.フロントタイヤが弾かれる事が少なくなり,14キロの時よりもインカットし易くなっています.その一方で,ステアリングレスポンスは悪化しており,タイヤ1本分くらい狙ったラインの外側を通っている点が気になりました.恐らくドライバーの操作を調整していけば修正出来る範囲だとは思いますが,同じレートのままスプリングを高反発化する事で改善する事が出来るかもしれません.折角HAL springsにしたんですし,この辺りは奥の手として取っておこうと思います(笑).

結論としては,今回のレート変更はタイム短縮には繋がっていないが,フィーリング的には大幅に良くなった(乗ってて気持ち良くなった♪)ので,成功と見なして良いと思います.
2022年10月08日 イイね!

良くはなったが,まだ足りない

良くはなったが,まだ足りない6月プロに乗って頂いてからにずっと続いているクルマを尖らせるセッティング.

取れ過ぎているバランスを意図的に崩して,クルマの向きを積極的に変えられるよう様々なアプローチを試みましたが,リアの限界を下げる方向ではタイムに繋がらず,結局「リアの限界が一番高い時が最も速い」という結論に至り,振り出しに戻ってしまいました.


リアを動かして向きが変えるのがダメなら,フロントが更に入るようにして向きを変えるしかないので,今回はフロントスプリングのバネレートを変更してみる事にしました.


現在のフロントには,私史上最も固い14キロというスプリングが入っているのですが,



投入直後から,高荷重領域では良く曲がるようになったものの,低荷重領域では逆に曲がらない印象を受けました.最初はどうしてそう感じるのか? 理由が分からなかったのですが,色々調べていくうちにその謎が解けました.
(詳細はコチラ

この辺りから,自分のドライビングスタイルに対してセッティングの方向性を間違えたかな?と思い始め,まずはリアのバネレートを上げて前後差を縮める処置をしたのですが,そこから更にもう1段階差を詰めるかどうかを色んな人に聞いて考えました.結果は,プロを筆頭に皆「前後で2キロ差以上はつける」という答えが多く,「なんで2キロなんだろうなー?」とその理由を考えて,1つ仮説を思いつき,それで納得しました(詳細はコチラ).

一度納得して以降は「やっぱり2キロ差以下にはすべきじゃないんだなぁ~」と思い,暫くバネレートに手を付けなかったのですが,その後,ふとした偶然からこんなデータ(↓)を見つけて考え直しました.



これはEK9が発売された当時の雑誌に載っていたもので,ベースモデルであるEK4に対して足回りをどう変えたのか?が数値で表されています.この表のバネレートに注目してみたところ,

 EK4 ・・・ F:3.8キロ R:2.2キロ ⇒ 前後差:1.6キロ
 EK9 ・・・ F:4.3キロ R:4.2キロ ⇒ 前後差:0.1キロ

なんと,EKシビックをTYPE-R化するに当たって,メーカー自らが「前後差をなくす(≒同レート)」に仕様変更しているじゃありませんか! 無論,絶対値が異なるので安直に考えるのは危険なのですが,「メーカー自らやっているのならば,前後同レートもアリなのでは??」とこれで思い直し,トライしてみる事にしました.


こうして,フロントのバネレートを14キロから2キロ落とすべく,新しいスプリングを注文しました.



当初は,これまで使ってきたHYPERCOのまま12キロ化をしようと思っていたのですが,諸々の事情から今回はHAL springsに銘柄を変更する事にしました.


さて,そのHALですが,とある事情で想定よりも納期が延び,ショップに入荷したのはTC1000のファミ走前日.ショップから入荷の連絡が来るやいなや,仕事を抜け出してEF8をショップに持ち込み作業をお願いして,トンボ返りで仕事に戻るという慌ただしい状況でしたが,何とか交換も終わり,翌日TC1000へと向かいました.



筑波へ向かう道中の感触としては,足が良く動くようになった印象で,フロントの接地感が増しました.ギャップのいなしも良く,乗り心地も向上.フロントの動きが良くなった事で逆にリアの動きの粗さが目立つようになるほどでした.この好感触が2キロのレートダウンによるものなのか? HALの中反発の特性によるものなのか?までは判別がつきませんでしたが,いずれにせよ,良い方向に進んだのは間違いなさそうです.


セッティングが良い方向に進んだ期待感が増す中,この日の筑波は気圧:1018hPa,気温:15℃とこの時期としては絶好のタイムアタックコンディション.これに新品タイヤを組み合わせれば「上手くハマれば40秒台が出せるかも!?」と意気込んで現地に着いたものの,残念ながら路面は前日の雨でビショ濡れ・・・.



低い気温に,高い湿度,おまけに曇り空で陽も射さないため,8時台はおろか,9時台でも路面は乾かず・・・.こうなると10時台・11時台はドライコンディションで走りたい人達が殺到するので,混み走は避けられず,それだと新品の最初の1発を狙うのは難しい・・・.やむなく午前中の走行は断念して,午後まで待ちました.


残念ながら,その後日射しが強くなり,気温は21℃まで上がってしまいましたが,路面温度も30℃となった事でリアタイヤのウォームアップの懸念は払拭され,出走5台のP3枠(13:40~)でコースへ.

走行開始後に,ステアリング交換以降どうも毎回しっくりこないシートポジションを,ピットに入って直すプチトラブルはありましたが(↓),


(おだてのまつさん,ご心配をお掛けしました<(_ _)>)


しっかりとスペースを確保して,新品の最初の1LAPに神経を集中!



結果は 41.142 で,残念ながら40秒台には届きませんでした・・・.


計測2は41.4秒, 計測3は41.5秒と落ちていき,新品効果が終わったようなので,ここでピットインして減衰変更.



そのまま走り続けてもタイムは落ちる一方なので,ダメ元で減衰を上げて変化をつけてみましたが,こちらの方向性ではなかったようで,その後は41.7秒とタイムは落ちてしまいました・・・.


以上,40秒台への意気込みが空振りに終わったTC1000でした.

新品タイヤの1撃を使ったとはいえ,気温20℃の午後枠で,真冬の自己ベストから0.3秒落ちですから,まぁ及第点ですかね? 前回新品の1撃を使った6月は 41.213 でしたから,そこと比べると0.07秒短縮してますし,今回のレートダウンは成功と見なして良いのかな??

ちなみに,フロントのレートダウン後の乗ったフィーリングとしては,以下のような感じ(↓)でした.

 ・1コーナーの動きが自然になった(フロントが入らず,リアが押し出されるようなチグハグな動きがない)
 ・2コーナーがアンダーステア気味になった(クルマが外に膨らみ続け,舵を戻せない)
 ・ヘアピン進入のブレーキングで良く止まるようになった
 ・フルブレーキング時に若干フロントタイヤがロック気味?(パッドが新品のせいかも)
 ・インフィールドが非常に良く曲がるようになった(例の技が久方振りに使えた)
 ・しかし,最終コーナーは相変わらず向きが変わらず,ここは効果なし・・・

なお,上記はあくまでフィーリングのレベルなので,実際にそうだったのかどうかは分かりません.ここは,後日ロガーデータを分析して裏取りをしたいと思います.

当日お会いした皆様,お疲れ様でした!

プロフィール

「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2022/10 >>

      1
234567 8
9 10 1112 13 14 15
16 171819202122
23 242526272829
3031     

リンク・クリップ

[ホンダ シビックタイプR]SPOON ツインブロックキャリパー 
カテゴリ:参考
2025/04/28 00:41:13
練習会のお供に 
カテゴリ:参考
2023/08/05 17:04:28
運動不足? 
カテゴリ:参考
2022/03/08 22:53:47

愛車一覧

ホンダ CR-X ホンダ CR-X
中古で入手し,コツコツ直し続けて20年. 一通りのメンテナンスが終了し,2014年よりサ ...
プジョー 208 プジョー 208
実家でお買い物カーとして活躍していた208が廃車となってしまったため,代替えとして新しく ...
プジョー 208 プジョー 208
20年走ってくれたティグラに代わって実家にやってきた新車(なんと21世紀を迎えてから初め ...
オペル ティグラ オペル ティグラ
アンドロストロフィーのティグラの活躍に一目惚れし,母が乗り換えを検討した際に猛プッシュし ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2004年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2003年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2002年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2001年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation