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OX3832のブログ一覧

2023年11月29日 イイね!

アームに掛かる力を考えてみる

アームに掛かる力を考えてみる先週の日光で試してどうやら失敗に終わった感のある「フロントアッパーアームブッシュのピロ化」.

とにかくクルマが曲がらなくなった印象で,ステアリングの舵角も大分増えてしまいました.走り始めは「これじゃタイムも出ないよー」と苦戦していたのですが,セットアップを微調整して,クルマの動きにドライビングを合わせ込んでいった結果,最終的にはS3以外は前回(10月)と同等のタイムに達する事が出来ました.


日光って,ホントこの辺りは「なんとかなるサーキット」なのですが,多分「なんともならないサーキット」の代表格であるTC1000では,きっとメタメタになるのと思われるので,ダメ出しをしに行きたいところなのですが,ボールジョイントが破損してしまったので当面走れないので,頭の中で対策を練ってみる事にします.


まず,ピロ化した狙いは「キャンバー角の安定化」でした.



コーナリング中,タイヤに力が加わると上図のようにアッパーアームに力が加わると思われ(赤矢印),アッパーアームの付け根にあるブッシュが引っ張られる事になります(青矢印).この際,いくら強化品とはいえ,ブッシュはブッシュなので伸び縮みしてしまう事から,コーナリング中にアッパーアームが動いてしまい,それに引きずられてキャンバー角も変化してしまうため,ピロ化して固定してみよう!という事になりました.

実際,ピロに交換してアライメントをとってみたら,フロントのキャンバー角が減った(立った)ので,ゴムによる撓みの量は大分あったようです.


そして,実際に走行してみると,とにかくフロントが入らない印象が強まりました.



特にブレーキングして入っていく低速コーナーでノーズの入りが悪く,ステアリングを更に切り足さないとクルマが曲がりませんでした.「これだと,さぞ遅いんだろう・・・」と思い,前回(10月)の走行時と比較してみたのですが,意外とそこまで遅くはなく,舵角が多い分だけ確かに車速の伸びは鈍ってますが,逆を言えば「車速を落として切り足せば,同じように曲がれている」事も分かりました.

この比較結果から,クルマの絶対的なコーナリング性能云々の話ではなく,実はステアリングレスポンスの問題なのでは?と思い,ブレーキングをしないで曲がれる高速コーナーを見てみたところ,



こちらの舵角は,ほとんど変わっていない事に気づきました.


これらの結果から,ブレーキングして前傾姿勢になった際に何か問題が起きているのでは?と思い,ショップに相談してみたところ,「ロアアーム側が動いているのでは?」という見解をもらいました.



アッパーアームのみピロ化した事で,アッパーアーム側は確かに動かなくなった(赤矢印の力に対して青矢印で対抗するようになった)が,ロアアーム側はゴムブッシュのままなので負けて動いてしまい(緑矢印の方向),結果,キャンバー角が減る(立つ)方向になって,このロアーアームが左右方向に動いている間はフロントが反応しないようになったのではないか?と.

このため,対策として「ロアーアームブッシュのピロ化」を提案されたのですが,そもそも今回上下セットでピロ化しなかった理由は「EF世代でフルピロ化するとボディがもたない」と言われたためで,「どこか1箇所ゴムの部分を残して,力を逃がせるようにした方が良い」とアドバイス頂いたため,アッパーだけピロ化しました.なので,「それを言うのはナシでしょ~」と即座に返しました(それだったら,アッパーをゴムブッシュに戻して,ピロは痛い勉強代だったと思った方がマシです).


なので,このアッパーアームの動きに合わせてセットアップをし直す事を相談したのですが,出てきた策は2つ.

  ①キャスターを立てる
  ②トーを閉じる

いずれもステアリングレスポンスの向上策としては納得なのですが,キャスターはこれまでイジった事がないので,どういう特性になるのかイマイチ想像出来ません・・・.


(キャスター単体の効果は理解していますよ.私が言っているのはキャンバー・トーへの影響の話です)

ショップ側も「ブレーキング時となると,一概にキャスターを立てるのが正解とも限らない(立て過ぎになる可能性もある).やっぱり現場で立てた場合・寝かせた場合の両方をテストしてみないと・・・」という返事でした.確かにピロ化によって,アッパーが前後方向に動かなくなった結果,キャスターの動きも変わっている可能性があるので,それも一理あります.

う~ん・・・困ったなぁ~という事で,一先ずトーの方からイジってみようと思い,過去のブログを読み返しています.
コチラコチラ


さて,セットアップ変更を何かしら試してみるにしても,根本的にダメなものはどう誤魔化してもダメなので,アームに掛かる力を正しく理解すべく色々調べてみました.その結果,「実は全然違う動きをしているのかもしれない・・・」という話を見つけました.

コーナリング中,タイヤに対して横方向に力が加わる訳なのですが,素直に考えるとアッパー・ロアーの両アームにも同じ方向で力が加わりそうに思えます(↓).



ところが,その道のプロに言わせるとそうではなく,ダブルウィッシュボーンの場合,アッパーとロアーでアームに掛かる力の方向は逆なんだとか.最初言われた時は「???」と理解が出来なかったのですが,支点・力点・作用点で考えてみると,なるほど確かにそれは有り得そうです.



タイヤとロアーアームの位置関係は並行ではなく角度がついているので,コーナリング中タイヤが奥に押し込まれる方向に力が加わると,ロアーアームは逆に手前側に引っ張られるそうです.そして,ロアーアームとアッパーアームも並行関係ではなく角度がついているので,ロアーアームが手前に引っ張られると,アッパーアームは逆に押し込まれるのだそうです.

これを力学的に見ると,

  [ロアーアームに掛かる力] = [タイヤに掛かる力] + [アッパーアームに掛かる力]

なんだとか.つまり,ロアーアームはタイヤとアッパーアーム両方分の力に耐えているのだと・・・.

( ・_・) ン?

という事は,「キャンバー角を維持するためにピロ化した方が良いのは,アッパーではなく,むしろロアーの方なのでは・・・? 」なんて思いました.


以上,アームに掛かる力を考えてみるでした.

ちなみに上記の力学を解いていくと,以下の事も分かるのだそうです.

  ①アッパーアームはロアーアームより力が掛からない(強度を落とせる)
  ②路面とロアーアームの付け根の距離を近づけるとロアーアームに加わる力は減る
  ③ロアーアームの付け根とアッパーアームの付け根の距離を広げる事でも②と同じ効果が得られる

故に,ダブルウィッシュボーンにおいては,ロアーアームはなるべく低い位置,アッパーアームはなるべく高い位置に取り付けるのが常識で,その常識を理解している人間ほど,近代のフォーミュラカーのロアーアームの位置の異常さ(↓)がよく分かる・・・との事でした.



サスペンションの動きを理解するのって,ホント難しいですね.
2023年11月28日 イイね!

アップデート 2023 その②

アップデート 2023 その②規定のノルマは果たしたので,ようやく自分の反省会.

先日の日光では,かなり小規模ながら,新品タイヤの投入に合わせて2箇所アップデートしたので,その効果確認をしておきます.

 ①リアタイヤサイズの変更       ・・・ 旋回性改善
 ②アッパーアームブッシュのピロ化 ・・・ キャンバー変化抑制


①は,リアタイヤのサイズを195/55R15→195/50R16に戻しました.



アタックシーズンに入るとリアタイヤのウォームアップに苦しまされるので,ここ数年は毎年リアに新品を入れる事にしているのですが,昨年は軽量化を狙って195/50R16→195/55R15へのサイズダウンを図りました.失火のトラブルもあって,結局,軽量化の効果ははっきりしなかったのですが,逆に言うと有意な差は感じられず,むしろデメリットの方が色々ありました.

デメリットの1つ目は,高速コーナーでのタイヤのヨレ.



TC1000の1コーナーが最も顕著なのですが,130km/h台からブレーキングして,右にステアを切って,左側2輪に荷重をかけていった際,55扁平だとタイヤがヨレて,一瞬クルマがフラッとした動きをしてしまいます.「さぁ,ここからアクセルを開けるぞ!」というタイミングで,リアにフラッとした動きをされると「スピンするのか!?」と思ってアクセルを開けるのを躊躇してしまいます.恐らく,これは195/55R15をリム幅:6.5に組んだ事の弊害だと思うので(=引っ張りが足りない),この組合せはダメだなーと思いました.

デメリットの2つ目は,ホイールのINSET.


(FancyCraft:ホイールオフセット計算より)

16インチのホイールはINSETが+48だったのですが,15インチのホイールは+45で,左右合わせて6mmほどトレッドが拡大しています.この両者にはリム幅の差もあるので,上図の通り,外側断面で考えれば影響はないかなぁ~?と思ったのですが,リアのキャンバーを考慮すると内側3mmの影響が大きく,タイトターン(TC1000で言うとインフィールドの立ち上がり)でリアが踏ん張り過ぎて旋回の邪魔をしていました.

これらの結果を踏まて,「195/55R15(というか厳密にはリム幅:6.5インチのホイール)に価値はない」と判断し,今シーズンは元に戻す事にしました.街乗りで乗ってみた印象としては,リアの上下方向の動きが良くなり,トレーリングアームブッシュをピロ化してから気になっていたリアの跳ね(「固ったいなー,乗り心地悪いなー」という感じ)が,気にならなくなりました.INSETの変更でアームへの入力角が変わったせいかもしれませんが,察するに55扁平だと実は上下方向にもタイヤがヨレていて,タイヤのダンピングで跳ねていた動きが50扁平(&バネ下重量の増加?)によって低減されたせいじゃないのかなー?と思っています.


②は,フロントのアッパーアームブッシュをピロ化しました.



プロに乗って頂いた際,「フロントのキャンバーが足りない」と指摘を頂いたのですが,現状でも既に4°ついており,これ以上はブレーキング時のデメリットの方が大きくなるので,躊躇していました.

なので,リア側の変更で何とか対処出来ないか? アレコレ試してみたのですが,結論としては「フロントで対処すべき!(リアの限界をこれ以上下げると余計遅くなる)」となり,困ったなーとショップで色々議論していました.その中で出てきたアイデアの1つがコレで(↓),



メカニズムを説明すると,コーナリング中,タイヤに横方向の力が掛かるとテコの原理でアッパーアームが外側に引っ張られます.つまり,キャンバー角的には起きる方向になるので,相対的にコーナリング中のキャンバー角が減る事になります(赤線の方向).アームにブッシュを使っている以上,力が加わると左右方向に動くのはどうしようもないので,アッパーアームのブッシュをピロ化する事で左右方向の動きを規制し(青線の方向),キャンバー角を維持しようというアイデアです.


という事で前振りが長くなりましたが,テストの結果です.

【前回:41.242】


【今回:41.329】


残念ながら前回(10月)のタイムに0.08秒届きませんでした.セクタータイムで比較するとこんな感じで(↓),

  前回 ・・・ S1:9.613  S2:18.075  S3:13.554
  今回 ・・・ S1:9.623  S2:18.072  S3:13.634

S1・S2は0.01秒未満の差なので誤差のレベル.S3で0.08秒遅れているのが原因のようですね.
S3はバックストレートの影響も受けるのでコンディションも確認してみましょう.

  前回 ・・・ 気圧:100.0kPa  吸気温:28℃
  今回 ・・・ 気圧: 98.2hPa  吸気温:29℃

吸気温は同等で,気圧は今回の方が低く,パワー的には不利だったようです.路面のコンディションとしては,今回の1本目はとにかく酷かったですが,2本目で大分改善し,今回のタイムを出した4本目の時点では前回とほぼ同等だった印象です(前回もドリフト走行後で,決してグリップは高くありませんでした).


では,ロガーデータの比較に入ります(緑:前回 青:今回).



全体的に見ると,先程述べた「今回(青)はパワー面で不利」の結果がそのまま出ていますね.唯一1コーナーの進入だけは互角ですが,これは今回(青)の方が若干2速で引っ張る時間が長かったせいでしょう.S1・S2はいずれも0.01秒しかタイムが違わない割には,ロガーデータで見ると各コーナーで違いが出ているのが面白いです.S3に関しては11コーナーで何か致命的なミスを犯しているような感じですね・・・.


細かく見てきましょう.

1~2コーナー
1コーナーの進入までは笑っちゃうくらい同じですが,1~2コーナー間の動きは大分違うようです(↓).



今回(青)の方が旋回速度が9km/hも高いです.乗っている時は特にこの差を感じなかったので,恐らくこれがリアタイヤ変更の効果ですね.多分,前回(緑)は55扁平でリアタイヤが微妙にヨレていて,そのヨレを「曲がれる手応えがない」と感じ取り,アクセルを開けるのを無意識のうちに遅らせていたのでしょう.今回(青)は50扁平(&0.5インチ引っ張り)によってリアタイヤがヨレないので,「ここで曲がれる!」と感じ取って,早めにアクセルを開ける事が出来たのだと思われます.狙った通りの結果とはいえ,無意識のうちにドライビングに反映されるのが面白いですね.


3~4コーナー
2~3コーナーに掛けて,今回(青)の方のボトムがU字になっているのは(↓),



ブレーキバランサーの効果でしょうね.ただ,3~4コーナーに掛けて今回(青)の方はアンダーステアを出してしまっているようです(↓).



これがまさしく今回苦しんだところで,小舵の時にクルマが曲がらなくなってしまったのですよ・・・.
前回と今回の舵角を比較してみると,その差が良く分かるのですが(↓),



こんだけ舵角が違います.最初は路面コンディションのせいかな?と思っていたのですが,2本目・3本目と明らかに他のコーナーは路面が良くなっていくのに,この2~3コーナーだけは依然として曲がらなかったので,クルマ側の問題だと思われます.

クルマ側の要因の1つとして「リアタイヤが新品である事(=リア喰い過ぎる)」も頭を過ぎったのですが,さすがに3本目辺りまで来れば新品効果も消えているので,他に要因がありそう・・・となると,



ピロ化の弊害なんでしょうねぇ・・・.走行中に何となく起きている現象が想像出来たので,暫定対策として4本目はフロントの減衰を弱めて,ドライビングも変更して帳尻を合わせに行った結果,ご覧の通りS1は前回の0.01秒落ちに抑え込む事が出来ました.ただ,ピロ化の弊害がなければ,もしかしたらリアタイヤの効果で0.1秒速く走れた可能性もありますね・・・.orz


5~7コーナー
2~3コーナーで曲がらないので,当然その結果が響いて4~5コーナーの車速は全体的に落ちます.結果,6コーナーの進入速度も落ちる訳なのですが,その甲斐あって7コーナーでは舵角を減らせています(↓).



これによって7~8コーナー間の車速の伸びは,今回(青)の方が良く(↓),



前回(緑)に比べてパワーが出ないコンディションの割には健闘した結果となっています(8コーナー進入の時点では両者のタイム差はゼロ).


8~9コーナー
ここは低速コーナー対策でフロントの減衰を弱めた弊害が出ていて,進入の舵角自体は同じなのですが(↓),



ロールスピードが早いためタイヤの負荷が大きく,進入で失速しています(↓のように車速が伸びない).



これを補うために,アクセルの戻し量を調整してドライビングで合わせ込みを行った結果,9コーナーの脱出速度は前回(緑)を上回る事が出来たのですが(↓),



所詮は誤魔化しに過ぎず,その先でタイヤのグリップが残っていないので,バックストレートでは車速が全然伸びてないですね.115km/h以上の高回転・高負荷領域となるとパワーダウンの影響も出てしまうんでしょうが,これがS3で遅い理由の1つとなります.


10~11コーナー
1~2コーナーの感触からすると,リアタイヤのおかげで10~11コーナー間の再加速は前回と同等かそれ以上のレベルで出来るはずなのですが,全然フロントが入らないので,5km/h以上車速を落としているにも関わらず,舵角は増えてしまっていました(↓).



おまけに減衰を弱めた弊害はここでも出ていて,11コーナーのエイペックス付近でアクセルを開けようとするとフロントが横に逃げてしまい,急激に失速していました(↓).



この失速が,今回S3で0.08秒遅かった最大の理由と思われます.


ちなみに,11コーナーはもうちょっとドライビングでアジャスト出来なかったのか?と思い,車載を見返していたのですが,どうもここのコントロール精度が低くなってしまった理由の1つとして,走行後に発覚した右フロントのボールジョイントのガタにありそうです(↓).



日光の車載を全て見返してみたのですが,右フロントを激しくぶつけたシーンは全くなく,「もしかしたら走行前に壊れていたのか?」と思い,1本目の車載を再度見直してみたところ,11コーナーのIN側の縁石に右フロントを乗せた瞬間,ガガガ・・・と異音がしているのが確認出来ました.



走行中は路面が大分悪かったので,「路面のせいでLSDが鳴いているんだろう~」と思っていたのですが,右フロントを縁石に乗せなかった周は鳴っていないですし,右フロントに負荷が掛かる左コーナーでも同様に鳴っていませんでした(多分,ガタ分が一気に押しつけられるため).この雰囲気から察するに走行前に壊れていたのは間違いなさそうです・・・.

そういえば,日光に向かう道中でもギャップを越えた時にガチャガチャ音がしていて,「ピロ化すると賑やかだなぁ~」なんて思っていたのですが,よくよく思い返してみると,ガチャガチャ音が鳴っていたのは右フロントだけでした.ピロ化したせいで鳴っているなら左フロントも同様にガチャガチャ音がしないとおかしいのに,これに気づけなかったのは情けないですね・・・.orz


以上,前回「今年唯一と思われる」と言った割には1ヵ月後にアップデートを行った結果でした.

纏めると,リアタイヤの変更は「成功」,アッパーアームブッシュのピロ化は「失敗」という感じでしょうか.フロントが入らなくなったメカニズムは,走行終了後にショップで議論して何となく見えてきたので,起こるべくして起きた結果な気もします(この辺りは別のブログに纏めます).また,ボールジョイントの破損も,ピロ化のせいで起きたとも考えられるので,それも含めて今回の失敗のダメージは大きかったですね・・・.

現状ピロ化のメリットをほとんど感じていないので,ゴムブッシュに戻した方が良い気もしているのですが,ピロ化に合わせたアライメントを出せていない事も事実なので,もう少し探ってみてから結論を出そうと思います.
(ま,その前にボールジョイントを早く修理しないとダメなんですけど.今年中に部品は来るのだろうか・・・?)
Posted at 2023/11/29 17:13:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | アップデート 20XX | 日記
2023年11月25日 イイね!

ハンデ戦3本勝負!(日光編)

ハンデ戦3本勝負!(日光編)こもりん.さんから挑まれたハンデ戦3本勝負の最終戦,日光です.

第1戦のTC1000では0.5秒差の大敗,第2戦のTC2000では自分でも予想外のタイムで0.3秒差の勝利,これにより1勝1敗で最終戦の日光で決着をつける事となりました.こもりん.さんも私も日光のライセンスは持っていないので,(大)@みやう軍団さんが手引きしてくれたteam六連星の走行会での対戦となります.


さて,当日のコンディションは朝方で気温:9℃,昼間は気温:20℃という変化の激しさ.気圧は元々日光は1000hPaを超える事はほとんどないのですが,989hPaとかなり低いです.加えて湿度が高く8時時点でも90%でした(行きの東北道で濃霧に包まれて怖かった・・・).

また,前日がドリフトの走行会だったので路面コンディションは非常に悪く,1本目のコースイン直後から既にタイヤカスだらけでした(泣).一応,今回の最終戦に備えて前後新品タイヤを用意したのですが(↓),



多分,この路面だと無駄になりますね・・・.


さて,1本目(8:44~).

コースイン直後に見たタイヤカスで既にゲンナリしていたのですが,路面温度が10℃台の割には新品タイヤのおかげでウォームアップも早く,周囲のクルマの動きも掴めたので,アタック開始.



しかし,終始ドアンダー.特に酷いのが4~6コーナーと10~11コーナー.まんまドリフト区間ですね(泣).タイムも 41.626 と酷い有様でした.対するこもりん.さんは 42.588 と1秒未満の差.今回のハンデ設定は「1.5秒」なのですが,早くもピンチです・・・(汗).


続く2本目(10:08~).

今回私は青レンジャーというクラスだったのですが,これは上から2番目のクラス.つまり,私の前には1クラス(10台)×14分しか走っていない訳なのですが,それでもあれだけタイヤカスが掘り起こされたとなると,全員が1枠目を走った2本目はかなり路面コンディションが改善されそうです.それに期待して走ってみた結果,



10~11コーナーは大分グリップが回復しており,S3が0.2秒上がりました(↓).

  1本目 ・・・ S1:9.599  S2:18.166  S3:13.861
  2本目 ・・・ S1:9.647  S2:18.178  S3:13.653

しかし,それでもタイムは 41.478 止まり・・・.こもりん.さんの2本目は 42.725 とダウンしたそうなので,これで差は1.1秒となり,あと0.4秒必要となります.orz


「この状況で0.4秒稼ぐのはツラい・・・」と心が折れ掛かったら,それを見透かしたかのようにクラスダウン宣告(↓).



周りから「(大)さんのクルマに同乗するのに,自分でクラスダウンを申告したんじゃないの?」と言われましたが,私は何にもしてませんよ.これが実力です.一方のこもりん.さんは驚異の2クラスアップ(↓).



これで格付けが決した感じですね・・・.


ドタバタ後の3本目(12:16~).

ちょうど12時という事もあって路面温度がかなり上がり,計測1から仕掛けたかったのですが,同乗走行直後で出遅れてしまい集団の2/3の位置取り.クラスが変わってしまったので周囲のペースも読めず,仕方なく後ろに下がるのに1周を使ってしまいました.



この1周が致命傷になる気がしたのですが,結果は 41.510 で案の定タイムダウン.この後は何周アタックしても41.9~42.0秒だったので,フロントタイヤが冷えている計測1しか勝負にならなそうです・・・.

対するこもりん.さんは,ここで225/50R15を投入し,油断なく一気に決着をつけにきました.
その気合がきちんと効果を発揮し,なんと自己ベストまで更新! 3本目終了時点で以下の状況となりました.

  私        ・・・ 41.478
  こもりん.さん ・・・ 42.218 (+0.740秒)

勝負に勝つためには40.7秒が必要となりますが,それはクルマのポテンシャルを考えても無理.
さすがにこれは白旗です・・・.

~\(_ _;)/~ マイリマシタ…


最後の4本目(13:40~).

こもりん.さんとの勝負は決したので最後は自分との戦い.今日は1日中不甲斐ない走りだったので,最後のアタックくらいはしっかり決めようと,気合を入れて先頭のポジションを確保.



どうせ1周しかタイヤはもたないので,計測1から2周連続アタックしてそれで止めるつもりでした.
そんな気合を入れて挑んだ結果が・・・,



41.329.当日のベストであり,お約束である「日光41.3秒の壁」にちゃんと手が届いたタイムだったのですが,2周連続アタックだったので掲示板を見ておらず,ちゃんとタイムを出した事に気づいていない・・・(苦笑).

そして,この翌周の計測2のタイムである 41.707 を見て,「あ~,今日はやっぱダメかぁ~」と諦めてピットに戻り,さっさと後片付けを始めてしまいました.この六連星の走行会では,最後「スーパーラップ」というワンラップアタックがあるのですが,4本目の41.7秒でタイムはもう出ないと判断した私はこれに参加せず,黙々と後片付けをしていました.スーパーラップの時点では日が陰って気温も下がっていましたし,4本目の計測1でちゃんとタイムも出せていた事を踏まえると,参加していれば「日光41.3秒の壁」は超えられたかもしれませんね・・・.orz


以上,ハンデ戦3本勝負の最終戦でした.

真冬でもないので,こもりん.さんは42.6秒くらいだろうと高を括って裏目に出てしまいました(このヒト,気温関係ないの忘れてた・・・).新品タイヤを投入するし,朝一なら気温1桁台だし,あわよくば自己ベスト更新となる40秒台を出して大勝利~!なんて捕らぬ狸の皮算用をしたのもマズかったですね.ホント酷い目に遭いました・・・.

公に格付けもされた事ですし,今後やる場合は「キロ当たり1秒未満のハンデ」じゃないと受けないようにしようと思います.それはさておき,こもりん.さん,対戦有難う御座いました!<(_ _)>
Posted at 2023/11/26 13:21:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | XXX vs EF8 | 日記
2023年11月24日 イイね!

同乗するならブログを書け

同乗するならブログを書けラーメンを食べ終わり,翌日のファミ走を走るために何時に筑波に着くか?を話し合っていたはずなのに,「タイヤカス」「スーパーラップ」「ストレートのスピード」「タイヤとホイール代」「低反発と高反発」「MAQsのレート」「マキタのツール」「日光のライセンス」「家と駐車場代」と話が飛びに飛びまくり,ラーメン食べて温まったはずの身体を,気温12℃の寒い中で1時間も晒して寒くなり,結論を出さないまま話を終えるという,もの好きな人達が宇都宮にいました.


彼らには「白いZC32Sに同乗した事がある」という共通点があるのですが,「同乗するならカネをくれ」のセリフを言おうと思って止めたおじさんと,止められず言ってしまったおじさんと,そのネタにウケてるおじさんと,「このおじさん達,何を言っているんだ??」という顔をした若者という,埋めたくても埋められない溝が実はあったようです・・・.

はい,という事で,この白いZC32S(↓)に同乗しに日光サーキットへ行って来ました.



このクルマのオーナーである(大)@みやう軍団さんは「同乗するならカネをくれ」なんて,セリフを言うはずが・・・な・・・・・・い?!と思ってはいますが,そのカネが払えない私は,先に体験談のレポートをブログに上げて,言われたらこの原稿料を請求する形で相殺する作戦を取ろうと思います.


さて,話は遡る事13ヵ月前,日光のスポ走で(大)さんのクルマにあおたまさんが同乗し,そのクルマをtaka@黒インテ(元)さんが追い掛けるというイベントがあったのですが,その時の両車のロガーデータが送られてきて,それを比較するというブログを上げました.



そうしたら,今度はTC1000で分析をさせられさせて頂く事が出来て,その時に「機会があれば横に乗っけて下さい!」とレポートを締めたのですが,それを見た(大)さんから「2/10の走行会に一緒に行きませんか?(自己ベスト出すからデータ取りに来い)」とお誘い頂いて,とある走行会に喜んで(?)申込みを行いました.



ところが,まさかの雪予報で中止という意外な展開で話が流れ,これで安心残念に思っていたのですが,義理堅い(大)さんは,9ヵ月先の走行会を調べてくれて,再びお誘い(呼び出し)を頂いたのでした・・・.


走行会でプロの横に乗せて頂く機会は時々ありますが,ここ最近は単走で走ってもらう事が多かったので,人の横に乗ってサーキットを走るのは2年振りになります.事前に走行データを見ている事もあり,(大)さんがどんなドライビングをされるのか何となく想像は出来ていたので,今回はどこで・どんな操作をしているか?に着目して横に乗らせて頂きました.残念ながら車載もロガーデータもないので,文章ベースになっちゃいますが,気づいた点を書き留めておこうと思います.

1~2コーナー
1コーナーは私と(大)さんとではアプローチの仕方が全く異なるので,どうやって操作しているのか? 1番気になる部分でした.



私は1コーナーに進入する前(縁石の手前)でブレーキングを開始し,ヒール&トゥで3→2速に落とした後,左に切ってコーナリングを始めるのですが,(大)さんは逆で,左にステアリングを切ってからブレーキングを開始し,1~2コーナーの間でで3→2速に落とします.ようは,

 (大)さん ⇒ ステアリング→ブレーキの順で操作
 私     ⇒ ブレーキ→ステアリングの順で操作

・・・って事です.1コーナーの進入速度を稼ぐためには(大)さんの操作の方が正解ですし,ステアを切ってからブレーキングを開始する事でヨーを使って曲げる事も出来るので,コーナリングも速いです.これが(大)さんがズバ抜けてS1で速い理由だと分かってはいるのですが,私は真似出来ないんですよねぇ・・・.

真似出来ない理由も分かっていて,これをやろうとすると右に横Gが掛かった状態でヒール&トゥの操作をしないといけないのですが,ヒール&トゥという事は左足は浮いている訳で,右足(ブレーキを踏んでいる足)1本で横Gに耐えて身体を支えないといけないのです.右足1本で身体を支えるという事は自然と力んで足の動きが悪くなるので,アクセルを煽り切れず,こんな感じ(↓)でシフトダウンを失敗したりします・・・.


(クラッチ繋いだ瞬間,シフトロックして頭がガン!と前に振れているのが分かると思います)

なので,これを避けるために(右足が力まないようにするために)私は先にヒール&トゥを先に済ませて,左足で踏ん張れるようにしてからコーナリングを開始しているのですが,今回の同乗を終えた後に,何回かステアリング→ブレーキの順で操作を試みたところ(↓),



2コーナーの進入で滅茶苦茶クルマが曲がる事を体感出来たので,S1で9秒フラットを出すにはやっぱりステアリング→ブレーキの順なんだろうなぁ~と改めて思いました.「日光41.3秒の壁」を易々と乗り越えるためには,ドライビングのスキルをもう1段階引き上げないといけないので,この課題を今度は道具に頼って何とか解決しようと思っています・・・.


あ,ちなみに(大)さんの横に乗って改めて思いましたが,この方,ホントにタイヤを潰すのが上手いですね.あの真夏でも温まらないタイヤとして有名なHankook Ventus R-S4を真冬でも苦もなく走らせているので,タイヤの荷重コントロールのスキルが絶品なのは予想していましたが,その予想の更に上のレベルでした.

先程述べた「1コーナーを突っ込んで曲げながらブレーキング」を行おうとすると,右フロント1輪に全ての荷重が乗っかるような,所謂「背負い投げ状態(↓)」になるのですが,



この背負い投げ状態でのコントロールがとにかく凄くて,荷重を掛け過ぎず,掛けなさ過ぎず,タイヤが耐えられるギリギリの限界を正確に見極めて,それを無段階にスムースにコントロールするワザは,横で見ていて驚嘆させられました.

私もTC1000であれば似たようなワザが使えなくもないのですが,タイヤの内圧・温度が狙い通りの値じゃないと,1輪に荷重を掛け過ぎてフロントがズザザーッとすっとんでいく(アンダー出して曲がらない)ので,何周走っても一切アンダーを出さない(大)さんのドライビングの正確性にはホント呆気に取られました.確かにこの走らせ方であれば,サイドウォールの固い,構造で剛性感を出すタイヤ(R-S4,ZⅢ,RE-71RS,A050等)を好まれるのは納得で,海外系に多い内圧を張って剛性感を出すタイヤ(シバタイヤ,AD09等)は合わないでしょうね.


3~4コーナー
1個目から非常に長くなってしまったので,ここから先はもう少しシンプルに行きます.
ここで感じたのは,「結構な量,縁石に乗せているのに全然跳ねないなぁ~」という点.



最初は「このZC32Sの足が良く出来ているんだなぁ~」と思っていたのですが,何周か走っているうちに,4コーナーで跳ねる周回もありました.アレッ?と思いながら,「跳ねる・跳ねないの違いはナンだ?」と探っていたところ,

Σ( ゚д゚) アッ!

「あ,コレ,跳ねるのが普通なんだ.跳ねないようにドライビングしているんだ・・・」と途中で気づきました.

日光で速い人は,2~3コーナー間で空中を走ってる(左側2輪が完全に浮いている)のですが,(大)さんの場合,完全に浮くトコまではいかずとも,左側2輪が完全に荷重が抜け切っているので,3コーナーの縁石に乗っても全く跳ねないんでしょうね.察するに,コレが実現出来るヒントは2コーナーの旋回速度(ヨー)にあって,そのために逆算して,あれだけ1コーナーで突っ込むんでしょう.恐らく失敗して跳ねた周回は,2コーナーで速度を落とし過ぎたか,3コーナーで狙いの姿勢を作れなかった時なんでしょうね.

なるほど,S1で9秒フラットを出す秘訣はココにあったのか! いやはや凄い人だ・・・.


6~7コーナー
ここで驚いたのは,6コーナーの立ち上がり,7コーナーに目がけていくところでクルマが異様に曲がる点.



6コーナーの立ち上がりは外側から回り込んで,7コーナーの縁石目がけて立ち上がるのが正解なのですが,ここを狙おうとすると6コーナーの頂点付近でクルマのノーズをクルッ!と回して向きを変える必要があります.よくあるケースは,向きを変えるために,リアを破綻させてスキール音を鳴らしながら,クルマを振り回して向きを変える方法なのですが,(大)さんの場合は,リアを動かして曲げるのではなく,フロントを入れて曲げるイメージでした.

(大)さんが走行中に身振り手振りで,ステアリングとブレーキの操作タイミングとその量を教えてくれたのですが,「いや,そのタイミングで操作しても,私のEF8はノーズが入らないんですけど・・・」と思いながら聞いてました.恐らくこの違いはトーのセッティングにあるんでしょうね.「こんな動きが出来るなんて,心底羨ましい!」と強く思ったのでセッティングを見直そうと思います.


8~9コーナー
ここで感じたのは,「この人,ホント,クルマを斜めに進めるのが上手いなぁ~」という点.

隣で乗っていると,8~9コーナー間,クルマの向きがずーっと斜めになっている(フロントが内側,リアが外側を向いている)のが良く分かるのですが,takaさんほど"滑ってる"感はなく,自然にクルマが曲がっているような印象でした.当然,タイヤもスキール音がする事もなく,姿勢も安定していて全く怖さは感じないのですが,唯一気になったのが9コーナーの進入.



ここで,(大)さんステアリングを切り足しているんですよね.8コーナーの動きから察するに,このまま定常円旋回(ステアリング一定)でクルマが曲がりそうに思えたのですが,9コーナーの進入が思ったほど曲がらず,ステアリングを切り足したくなる気持ちが,隣で見ててよく分かりました.

これだと操舵抵抗でバックストレートの車速が伸びないので,「なんで,ここで曲がらないんだろ?」と思っていたのですが,コレも恐らくトーのセッティングですね.



イメージで言うと,(大)さんのクルマは上の図で言うところの2時・10時の辺り,舵角が少ない時がとてもよく曲がるんです(さっきの6コーナーがその良い例).しかし,それよりも舵角が多い時,上の図で言うところの1時・11時の辺りが曲がらないみたいですね.私のEF8はこの逆で,2時・10時の辺りはほとんど反応しないのですが,逆に1時・11時辺りは良く曲がります.ロガーを積んでないので,これは推測に過ぎませんが,多分9コーナーの脱出速度は私の方が高い気がします.なので,ここだけは唯一「勿体ないなぁ・・・」と思っていました.

察するに,多分私のEF8はトーが開き過ぎなんでしょうね.この辺りはスイートスポットをどの車速域に持ってくるか?という話になるので,やっぱり見直しが必要だなぁ~と強く感じました.今の足回りのセッティングだと,オイシイ車速域が高過ぎで,これがTC2000で予想外の結果が出た一方,TC1000と日光で惨敗をきしった原因な気がしてきました・・・.


10~11コーナー
ここは感じたのは,「結構10コーナーでガッツリブレーキを踏むんだな・・・」という点.



1~2コーナーや6コーナーから想像するに,10コーナーも(大)さんは左フロントにしっかりと仕事をさせる走らせ方なのかなぁ~?と思っていたのですが,思いの外,強く止めて曲げていたので,他のコーナーと違って少々意外な印象でした.


以上,(大)@みやう軍団さんの同乗走行体験談でした.

プロの隣に乗ると「前後Gが凄い!」「この人達,滅茶苦茶タイヤをゴリゴリと潰している!!」と驚かせられるのですが,(大)さんの1~2コーナーのドライビングはそれ匹敵する程でした.いや,あるいは,その過程でのスムースさを踏まえると,プロ以上のドライビングだったのかもしれません.

隣で乗って一番感じるのは,Gの変化(荷重変動)が物凄く少ない点.決してGの絶対値が小さい訳ではないのですが,その変化の過程がとてもスムースで,Gの立ち上がりも一定ですし,収束のさせ方も一定って感じです.これだとクルマが全然ギクシャクしないので,乗ってて全く怖くないですし,下手をすると凄いと感じないレベルかもしれません.でも,1つ1つをよーく探っていくと,物凄く繊細で絶妙なコントロールをしているのが感じ取れました.プロの車載を見て「何だか楽(らく)そうに運転している」なんてよく言いますが,まさしくそんな感じです.私もどちらかと言えば,こういうドライビングスタイルに憧れているので,今回の同乗は非常に良い経験でしたし,たくさん気づきが得られました.

(大)@みやう軍団さん,貴重な機会を作って頂き,本当に有難う御座いました!<(_ _)>
Posted at 2023/11/25 14:14:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日光サーキット | 日記
2023年11月12日 イイね!

タイヤがタレたので色々トライ

タイヤがタレたので色々トライ先日のTC2000の2本目では早々にタイヤがタレてしまったので,残りの周回はドライビングでの詰め代がないか? 色々トライしていました.

正直走行中は,最終コーナー以外は詰め代があるような手応えを全く感じなかったのですが,色々試して,後からデータを見た時に何か見つかればラッキー!くらいのつもりでした.

・・・という事で,その"何か"を見つけるために,またまた分析をやってみようと思います.

まずは2本目の走行の全体分析結果.



LAP+のセクターで見ると,やはり計測1(青枠)がベストに近いタイムを持って行っているのですが,SCT.2,SCT.3,SCT.6では上位3つに入らないタイムだったようです.ここに詰め代が残っていそうなので細かく見てみます.


まずはSCT.2&SCT.3.

LAP+のセクターは以下(↓)のように分けられているのですが,SCT.2とSCT.3は一括りに「第1ヘアピン」と言えそうなので,そういう見方をしてみます.



ロガーデータで比較してみると(↓),



第1ヘアピン進入(左側の赤丸)で,セクターベスト(緑)の方が少しブレーキングを遅らせられたようですね.それでSCT.2で0.07秒程度稼げたようです.そして,そこからのブレーキング(右側の赤丸)で更に0.11秒稼ぎ出すのですが,ここはボトムが6.6km/hも高かった事が理由のようです.ブレーキングを遅らせて突っ込んだのに,ボトムが高いというのはなかなか面白い結果なので,車載で比較してみます.



違いがまるで分かりませんね・・・(汗).分からないでは困るので今度はライン取りを見てみます.



色が変わって青がベストラップ,赤がセクターベストです.これを見るとどうやらセクターベスト(赤)の方が早くインに寄って最短距離を走っていたようですね・・・.

ふむ.どうやらV字のコーナリング(回り込む事)を意識し過ぎて,ヘアピンでクルマを止める事に集中する余り,フロントタイヤに荷重を残す事が疎かになって,ボトムスピードが稼げていなかったようですね.恐らくフロントタイヤのグリップがもう少しあればV字のコーナリングでもタイトに立ち上がる事が出来て,タイムを稼げたんだと思いますが,今回の擦り減ったタイヤではどうせ立ち上がりでアンダーが出るので,トラクションを得るために進入でタイヤに余力を残しておいても仕方なかったという事なんでしょうね.それをするくらいだったら,進入~旋回でグリップを全部使い切ってしまった方が,今回の場合は結果的に速かったという事のようです.

多分,走っている最中にそれに気づいて2本目の途中でアジャストしたため,後半にかけてタイムが縮まっているんだと思いますが,これを1本目の走行中に気づいて,2本目の計測1までにアジャストさせていればもっと良いタイムが出せた訳で,こういう部分のフィードバック能力がまだまだ足りていませんね・・・.orz


次はSCT.6.課題の最終コーナー(Sec3)です.



ここはボトムを9km/h上げる術を途中で見つけた出したようですね.車載を見てみましょう.



ここも僅かな違いなので分かりにくいですが,セクターベスト(右)の方がブレーキ→アクセルを再度踏み込むまでのタイムラグが短いのが読み取れます.こちらは走っている時に気づいて意図的に操作を変えたので,よく覚えています.

操作を変えるきっかけとなったのは,まさに計測1のアタックの最中で,たまたま前を走っていたDC5のブレーキランプの点いている時間が非常に短い事に気づいた事からでした.



後ろを走っていて「ブレーキランプが点くポイントは私とそれほど変わりがないのに,点いた後に消えるポイントが随分と手前だなぁ~」と思ったからです.アレだと,ほとんどチョンブレ状態(ブレーキを踏んですぐ離す)なんじゃないか?と思い,そうやってボトムを稼ぐ方法もアリか・・・と思って,その後試してみたのですが,どうやらコッチが正解だったみたいですね.

ブレーキ→アクセルの踏み替えの時間を短くすると,車体の前後方向(ピッチング)の動きが激しくなるので,その動きを治める時間が必要な事から,最終コーナーへの進入速度(実質的な最高速)は2.5km/hも遅いのですが,その後のボトムを9km/hも上げられるのであれば十分元が取れますね.



う~ん・・・.先程の第1ヘアピンと言い,私はどうもボトムを上げる意識が足りていないようですね.何度も何度もプロに「突っ込み過ぎるな!」「ボトムはしっかり落とせ!」「タイヤを縦に使え!」と言われているうちに,意識がそちらに行き過ぎてタイヤの横の使い方が下手になってしまったのかなぁ~?

多分,TC2000のダンロップとか,日光の8~9コーナーとか,アクセルを踏みながら抜けていくような高速コーナーはちゃんと横を使い切れているんだと思いますが,ブレーキを踏みつつ高い速度で回り込んでいくようなコーナーで使い切れていない気がしますね・・・.



でもなー,TC2000の1コーナーとか,TC1000のインフィールドとかはちゃんと使い切れている気がするんだよなーと思いつつ,確かに日光の1~2コーナーとかは苦手なんですよねぇ.だとすると「横Gが掛かった状態でシフトダウン操作が入る場合」に限定されるのかな? 確かにココは苦手意識がありますし,何かしらの鍛錬を積まないとダメそうですね・・・.


なんってな事を実は走行中にも思っていて,「シフトダウン操作が入るとダメなら,ナシで飛び込んでみればいんじゃね?」と思って,実は2本目の最後にやってみたのですが(↓).



エンブレが効かないので思いっきりアンダーが出て,危うくコースアウトするトコでした(汗).動画上は何の変哲もないように見えるかと思いますが,内心では「止まれー!」「曲がれー!」と叫んでいて,結構心臓がバクバクでした(苦笑).

ちなみに,この際の車速の推移はこんな感じ(↓)なのですが,


(赤:4→3速にシフトダウン 青:4速固定)

こういう減速のさせ方だと私のクルマでは曲がらない事がよく分かりました.
(やっぱりはやぶさんは凄いなぁ~)


以上,TC2000でのトライ結果でした.

やっぱり日頃走っているコースと車速域が違うと,色々ドライビングの課題も見えてきますね.鍛錬の仕方はこれから考えないとダメですが,今回見えてきた課題の対策をしつつ,来年のTC2000に備えたいと思います.

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「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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