
先日,図書館行って
CR-XのグループA仕様とかあったのかなぁ~?と調べ物をした訳なのですが,その後,FIA(国際自動車連盟)が過去に承認したホモロゲーションモデルの情報は,「
FIA Historic Database」というデータベースに纏められているという情報を得て見に行ってみました.
残念ながらCR-XはAF型がグループB(!)に登録されていただけだったのですが,だったらグループAのシビックはあるのかな?と調べてみたところ,ホモロゲーション(認証)資料を閲覧する事が出来ました(↓).
EF世代のシビックとしては,EF3とEF9があり,それぞれグループNとグループAの資料が閲覧出来ました.ホモロゲの書類なんて初めて見るので「へぇ~,こんななってんだぁ~」と興味本位で眺めていたところ,書類の後半にグループA用のホモロゲパーツの申請書も出てきました.申請書なのでその部品の画像もあって,「おおっ!? こんな形状なんだ~」と結構面白かったです.
EF8と同型のEF9 グループA仕様に着目して見てみると,オプション変型(VO)の申請は1990~1992年の3年間で計16回行われたようです.
まず,文字情報で読み取れるものを抜粋しておくと,
・ロールゲージは,6点式のスチール製で重量は29kg(斜向バーがない)
・ギヤ比を以下のように変更(純正→1990年仕様→1992年仕様)
1速 ・・・ 3.166 → 2.533 → 1.842
2速 ・・・ 2.052 → 1.944 → 1.476
3速 ・・・ 1.416 → 1.565 → 1.222
4速 ・・・ 1.103 → 1.269 → 1.068
5速 ・・・ 0.870 → 1.107 → 0.935
・ファイナルは,初期は純正の「4.266」のままで,後に「3.833」と「3.722」を追加
・ブレーキキャリパーは,フロント:4ポッド,リア:2ポッド
・フロントのキャリパーピストンは,初期が38.1+41.3mm→41.3+44.5mm→38.1+44.5mmと変遷
・ブレーキローターは,ドリルドとスリットの2種類(フロント:290mm リア:256mm)
・フロントローターは,後に304mmと315mmも用意されていました.
・ブレーキマスターもタンデムタイプに変更され,初期はボア径が23.81mm,後に22.23mm
・・・といった感じでした.画像関係では外から見えないブレーキのクーリングダクトがこんな形状.
(左:入口 右:出口)
フロントのナックルは複数用意され,どうやら曲げ角度(=キャンバー角)が違うっぽい(↓).
リアのロアーアームも軽量化のため(?)穴が空いていて,初期は穴の数が7個でしたが,後に9個まで増えています(↓).長さも延びた??
リアのトレーリングアームもこんなに肉抜きされています(↓).
純正だと複雑な形状をしているフロントのアンチロールバー(スタビライザー)は(↓の左),
グループAではストレート形状.太さは10~40mm,中実 or 中空とあるので,色々種類があったんですかね?
リアのアンチロールバーもストレート形状で,初期は純正相当(左)っぽいですが,後にゴツくなってました(右).
こちらも太さは10~60mm,中実 or 中空となっていました.
その後,最終的には可変式に進化していたようです(↓).
以上,グループA用ホモロゲ資料でした.
展示車両を外から見ているだけでは分からず,こんな細部まで取材された記事もないので,3年間の改良の推移を窺い知れて非常に興味深い資料でした.実際はホモロゲ以外の部分でもアノ手コノ手と改良されているんでしょうから,やっぱりレースの世界は面白いですね♪
【おまけ】
EF9のグループNの方の資料にアンチロールバー(スタビライザー)の細かい数値が出ていたので,備忘録として残しておきます.

Posted at 2024/08/09 23:54:28 | |
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