最近写真なしブログが続いたので、
久々に撮ってみました。
エブロ1/43「ニッサンR92CP #1」と
イクソ1/43「ニッサンR390GT1 #32」です。
僕のお気に入りレーシングカー2台です。
最近のスーパーGTマシンもカッコイイですが、これらは市販車の形状にとらわれていない分、
生粋の「レーシングカー」の臭いがして好きなのです。
日産で「R」といえば、なにはさておき「スカイラインGT-R」という事になりますが、
実はもうひとつ「R」の伝説があります。
話はプリンス自動車が、日産と合併する前まで遡ります。
当時、スカイラインの父とも言われる、かの櫻井真一郎氏が作った「プリンスR380」がその起源です。
レースで数々の記録を残し、その後レースの規定にあわせ、R381、382と進化し、確か383まで
作られたと記憶してます。(これは確かレースに出なかったはず。もし間違いがあれば御指摘下さい)
★★★★★★
時代は飛んで80年代。いわゆる「グループC」レースが始まった頃、日産はマーチ製シャーシに
自社製エンジンを載せ「スカイラインターボC」などと名づけて走らていました。
隆盛を誇った「シルエットフォーミュラ」からの流れもあるのでしょうが、ドコをどう見ても
スカイラインには見えず、子供心にもちょっと違和感があったのを憶えています。
やがてマシン名から市販車の名前は消えましたが、シャーシがマーチ製だった事もあってか、
「R」の記号は使われる事はあっても、「R3xx」の称号が使われる事はありませんでした。
その後シャーシはマーチからローラとの提携に変わり、やがて完全な日産内製マシンへと進化。
その最終形態がこのR92CPです。
ル・マンへの挑戦機会こそ与えられませんでしたが、国内のレースを席巻。
当時の富士スピードウェイではこのマシン、実に
1分12秒台で走っていたそうです。
ありえねぇ・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
改修前の富士を走った事のある方なら、これがどのくらい途方もないタイムか想像できると思います。
たとえ最新のF1マシンでも、このタイムは到底破れないとさえ言われています。
この92年で国内のグループCレースが終わったとき、当時の日産ワークスドライバーだった
星野一義選手と長谷見昌弘選手は口をそろえて、
「も~、これで死なずに済む!」
と安堵したのだとか。気持ちはわかる気がします・・・
★★★★★★
そして90年代後半。スカイラインGT-Rも復活2代目のR33へ進化し、モディファイを受けたGTマシンとして
多くのGT-Rファンの夢を乗せてル・マンを目指しました。
しかしポルシェ911 GT1の登場で状況は一変。市販車ベースとは名ばかりの
スーパーカーレースになってしまい、そこにスカイラインGT-Rの居場所はありませんでした。
そこで日産が打った手は、TWR注)との提携により、ポルシェと同じ土俵で闘える車を用意する事。
その名は、「R390」。
当時「クラブ ル・マン(現:クラブ ニスモ)」の会員だった僕の手元にニスモからこの案内が届いた時、
その名に覚えた身震いは、今でも忘れる事が出来ません。
なんちゃってジャガーって言うな!
初年度こそ思うような成績は残せませんでしたが、翌98年には改良されたマシンを投入。
特に写真の32号車には、当年でル・マンからの引退を表明した星野選手を中心としたチームが乗り、
見事3位表彰台を獲得!
また、JOMOをメインスポンサーにした33号車は、当時まだ若手のひとりだった本山哲選手のドライブで
土壇場で予備予選を劇的に突破!
「ある事件」により、一時はレース界から追放される危機に瀕していた彼はこれで自らの力を示し、
今に至る彼のサクセスストーリーの第一歩を踏み出したのです。
☆☆☆☆☆☆
そんなこんなで、今でもクローズドボディーのプロトタイプマシン(一部のGTを含む)が好きですね。
近年、雑誌「レーシングオン」が2回に分けてグループCを特集した号は僕のお宝です。
ジャガーXJR14なんて、まさに未来からやってきた怪鳥と呼ぶに相応しかったし、
最近までその存在すら明かされていなかった「メルセデスC292」にはかなり驚かされました。
ただ、これらは既にグループCが「カウルを被ったF1」化した末期の話であり、それ以前、
WSPCやJSPCが隆盛だった頃の「グループC」の奥深さにこそ、改めて興味をそそられます。
大雑把に言うと、使用する燃料量だけが決められていて、それさえ守ればなんでもあり。
古館伊知郎風に言うと、
「おぉっとこれは時速400km、1000馬力の燃費競争だぁ!」
国内無敵のR92CPと、佇まいからオーラを放つメルセデスC11のガチンコ対決、見たかったですねぇ。
ウエイトハンデも良いですが、今のエコの時代にこんなレースこそ、
メーカーが技術と威信を賭けて取り組めると思うんですが・・・
ハイブリッドもよし、ディーゼルはクラス分けするか、ガソリンとの間で使える量を調整してもよし。
こんなの、どうでしょ?
注)TWR:トム・ウォーキンショウ・レーシングの略。
グループC時代にジャガーを率いて一時代を築いた、レース請負プロ集団の会社です。
決して「東京臨海高速鉄道」の略称ではありませんよw