トムスと言えばトヨタ系では有名なレースコンストラクター。
今でもスポーツ系パーツを販売していて、レース活動にも積極的。
そんなトムスのプレミアムオイルがあるというので試してみた。
写真1

ハチロクのエンジンオイルを入れ替えてエンジンをかけると…エンジン振動を割と感じる。
エンジンノイズも割と発する。
ウェブページを見ても全合成油とは書いてあるけれど、PAOは配合していないみたい。
という事はフルVHVIの鉱物油って事か。
特に低温対応系添加剤も配合していないみたいで、低温時のフィールはいまいちかな。
とは言え、温まってもフィールはあまり良化しないのだけれど。
エンジンオイルの特性を見るには、低回転で負担をかけるのが一番。
という事で時速50Kmでマニュアルモード。
ギヤは5速固定でアクセルを踏み込む。
レスポンスは悪いけれど、まあ何とか前に出る。
振動とノイズも大きいかなー。
この辺は普通の鉱物油って感じ。
普通に走る分には2.4Lもあるエンジン排気量を活かしてゆったりと走る感じで、低回転側のトルクは十分。
元々の2.4Lエンジンが発する太いトルクが増幅されている感じで、街乗りが凄く楽。
ただ高回転は苦しそうなので、あまり高回転回すオイルじゃないな。
レスポンスはあまり良くなくて、俊敏な動きは苦手。
姿勢を作って、アクセルを踏み込んで、前に出て欲しい場面で、あれ?って思うくらいレスポンスが遅く、スポーツカーらしいエンジンレスポンスが望めない。
特にパワーの必要な高速道路ではエンジンレスポンスの遅さが気になる。
低回転はトルクが出るけど、高回転は苦手でレスポンスが遅い…。
つまり、このオイルは考え方が古いんだな。
油膜を厚めに取っておいて保護性能を確保しようという意図を感じる。
もちろん悪い事じゃないし、潤滑油としては王道の考え方。
普通に使っている人は気が付かないだろうし、ディーラーに出してもクレームが出にくい。
油膜が厚いから長く使用しても性能劣化も起きにくい。
なるほど、良い商品だ。
エンジンレスポンスはほとんどの人が気にしないし、ほとんどのクルマはCVT。
だからクルマ側がエンジン回転数上げて対応してくれるから、ほとんどの人は分からないだろうな。
でも他社は低粘度系添加剤を使用していたり、驚くべき粘度指数を採用していたりする。
インテリジェント分子とか、30番オイルで300を超える粘度指数とか。
トムスオイルはそう言った特異なものは使用していない。
流石に有機モリブデンなど当たり前の添加剤は使用しているだろうけれど。
という事でオイルマニアを納得させるにはもう一つ何かが足りないなーというオイルと感じた。
素朴な疑問があって、このオイルはレースで使えるのだろうか。
GRやカストロールは市販オイルをそのままレースカーに使用している。
だから高性能の裏付けにもなっていて、高価格も納得できる。
けれど、このオイルは間違いなくレースでは使えない。
折角トムスブランドを付与しているんだから、実際にレースで使えるオイルを売ればプレミアム商品として成り立つと思うんだ。
例え非常に高額でも、レースで実際に使用できるとなれば売り文句としては強烈。
是非その辺のスーパープレミアムオイルを期待したいな。
Posted at 2022/11/29 14:54:46 | |
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